市原市の乳児衰弱死事件に関する緊急申し入れ

提言・要望

市原市の乳児衰弱死事件に関する緊急申し入れ

千葉県知事 森田健作 様
2020年6月17日 日本共産党千葉県議会議員団
市原市で今年1 月、生後10か月の女児が衰弱死した事件は、県民に深い悲しみと強い
憤りをあたえています。この事件は、2014年の市原市の生後8か月の男児、2019
年の野田市の小学4年女児の虐待死に続いて、またもや、その命を絶たれ悲劇が繰り返さ
れたものであり、なぜ、この間の教訓が生かされなかったのか、市原市および県の対応が
厳しく問われています。
市原市および同議会は、事件の検証と再発防止に取り組むとしていますが、一方、県は
市が設置する第三者検証委員会の検証に協力し、県の対応を点検するに留まっています。
亡くなった乳児は、今年1月14日の市原市要保護児童対策地域協議会(要対協)で示
された資料(名簿)で、保護者への支援が必要な「要支援児童」にあげられていました。
県は、女児の安全が長期に確認できていないことなどが資料に記載されておらず、議題
にもならなかったとして、ことさら、この件に県児童相談所が関与していなかったと強調
していますが、これでは責任逃れであるとの謗りは免れません。
厚労省の社会保障審議会児童部会の専門委員会は、「虐待死は、生後間もない子どもを始
め乳児期の子どもが多くを占めている」と指摘し、千葉県子ども虐待対応マニュアルでは、
児童相談所は「市町村に対しては、ともに虐待対応の主体者であることを認識した連携を
行う」としています。これらを重く受け止め、虐待を見逃さない県の対応がなされたのか、
ことのすべてを明らかにした県独自の検証が求められています。
加えて、市長は、県から「一切の情報を公開しない」旨の助言があったことを明らかに
しています。県は「個人情報の保護」を理由にしていますが、まさに「隠ぺい」とも言わ
ざるを得ない県の姿勢は、いっそう県民の不信を募らせるだけです。
千葉県子どもを虐待から守る基本計画(2020年6月)でも述べているように、いか
なる状況にあっても子どもが理不尽な虐待をうけ、尊い命を落とすようなことは絶対にあ
ってはなりません。そこで、子どもたちの生きる権利が保障される社会をめざし、次の事
項を緊急に申し入れるものです。
1.市原市まかせにせず、事件に至るまでの一連の経過と、県(児童相談所)の対応につ
いて検証し、公表すること。
2.啓発を含む虐待死防止に必要な情報は、公開を原則とすること。
3.今回の事件をふまえて「千葉県子どもを虐待から守る基本計画」と「千葉県子ども虐
待対応マニュアル」の必要な見直し、補強を行い、県職員や関係機関に徹底すること。
4.児童相談所に係る必要な職員増を前倒しでおこなうこと。
以上

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