高齢者施設等での新型コロナウイルス集団感染防止策を強化し、事業継続への支援を求める緊急申し入れ
千葉県知事 森田健作 様
2020年4月30日
日本共産党千葉県委員会/日本共産党千葉県議会議員団
新型コロナウイルス感染拡大防止に懸命にご尽力されている県職員、関係者の皆様に心からの敬意を表します。
県内で確認された感染者は4月29日現在832名(無症状者99名含む)にひろがり、感染経路不明者が増大する一方で、特別養護老人ホーム(千葉市)、介護老人保健施設(松戸市、市川市)、ケアハウス(佐倉市)などの高齢者施設でクラスターが発生しています。
しかも、報道によれば、複数の施設で17人の入所者が亡くなり、県内死亡者31人の半数以上を占めています。これは、きわめて重大な事態です。千葉県では、3月の船橋市障害者施設「北総育成園」(東庄町)で起こった約120名の集団感染の際、社会福祉施設での感染防止対策の重要性が指摘されていましたが、施設内の集団感染がさらに拡大しているもとで、防止策の抜本的強化が強く求められています。
また、緊急事態宣言後、感染防止や学校等の休業にともなう人手不足で県内61の介護事業所が休業(厚生労働省調査4月20日報告分)しており、事業所への財政的支援なしには介護保険制度そのものの基盤が崩れてしまう危険に直面せざるを得ません。
高齢者、障害者、児童などの福祉施設では、利用者に対する特別な手厚い支援を行っており、利用者と職員は絶えず感染および濃厚接触の重いリスクを背負っています。このような施設では、より万全な感染拡大防止対策が不可欠です。それは、クラスターの発生を抑えるとともに、社会保障を支えるためにも緊急かつ重要です。
よって、施設や保健所まかせにせず、県が責任をもって対処されるよう、以下の事項を申し入れます。
【申し入れ事項】
1.いまだに入手が困難となっている、マスク、防護服、手指用消毒液など感染予防に必要な資材について、福祉施設へも医療機関と同様に優先的に供給すること。
2.老人福祉施設での集団感染防止策の状況を適時把握し、施設内で治療している感染者に対する必要な医療提供体制をとること。
3.国に対して福祉施設・介護事業所への財政負担を強く求めるとともに、県独自の支援を行うこと。
①報酬算定に係る事務連絡(厚労省)を周知・徹底し、サービスの中止、縮小などによる損失への補償を行うこと。
②介護事業所など福祉施設の感染防止対策に係る必要経費を補償すること。
③感染者や濃厚接触者へのサービス提供等、新型コロナに対応した従事者への特別な手当を支給すること。
以上