ジェンダーの視点で、新型コロナウイルスの感染防止対策の充実を求める要望書

提言・要望

ジェンダーの視点で、新型コロナウイルスの感染防止対策の充実を求める要望書

千葉県知事    森田健作 様
千葉県教育長   澤川和宏 様

2020年4月23日  日本共産党千葉県委員会/日本共産党千葉県議会議員団

新型コロナウイルス対策に、全力で奮闘されていることに心から敬意を表します。
 感染拡大のもとで、多くの女性は、医療や保育、学童保育、介護、食料品・日用品の販売などで社会生活を支え、命と健康を守るために働いています。しかし、外出自粛、休業要請など日常生活の激変が、女性への負担を増大させ、新たな矛盾を産み出しています。
 医療現場からは「マスクや防護服が足りず、働き続けることに不安」、非正規で働く女性からは「仕事がなくなり4月は収入ゼロ、不安で夜も眠れない」「ダブルワークをしていたが、2つとも仕事がなくなった」等、また妊産婦からは「里帰り出産ができなくなった」など切実な声が寄せられています。加えて「テレワークの夫からの暴力がひどくなった」との訴えもあり、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待の増加がより見えにくくなっていることは重大です。
 国連女性機関は各国政府に「コロナ対策が女性を取り残していないか」と問いかけ、ジェンダ一の視点に立つ対策は女性のみならず全員に良い結果をもたらすと強調し、「あらゆる意思決定の場に女性の参加の拡大を」と呼びかけています。そこで下記のとおり、要望します。

【申入れ事項】

1.DVや虐待に対する相談窓口やワンストップ支援センタ一などの相談支援体制を緊急に拡充すること。被害女性や子どもからの相談は、加害者に知られてはならないため、電話だけでなくラインやメ一ルなどの利用を24時間可能とすること。また、それを駅やコンビニ・ス一パ一などに協力を依頼し、広く周知すること。

2.千葉県女性サポ一トセンタ一の一時保護体制を思いきって拡充し、市町村を通じた保護依頼にも100%応えられる体制を整備すること。緊急避難先(ホテル、公共施設など)も確保するととともに、民間シェルタ一に対する財政的支援をおこなうこと。

3.休校の長期化で子どもの状態がわかりにくくなっており、子どもを虐待から守るため、教育現場と児童相談所の連携強化で、一人ひとりの子どもの実態把握に努めること。

4.政府が検討している「一人10万円」の給付金は、世帯単位の振り込みではなく、個人ごとに給付すること。とくにDV被害から逃げている女性などは、福祉窓口に申し立てれば受け取れる仕組みをつくること。その際、被害者の所在地等が夫などDV加害者に万が一にも知れることのないよう徹底すること。

5.すべての妊婦が安心して安全に出産できる医療体制を確保すること。県として妊婦専用の電話相談窓口を設置し、ラインやメ一ルなどの利用も可能にし、それを十分周知すること。

6.親が新型コロナウイルスに感染した場合、陰性であっても子どもについては病院に入院させるなど県が責任をもって対応すること。

7.女性が多いパ一ト、派遣などの非正規労働者の不当な解雇・雇止めをやめさせるため労働局とも連携を密にして、女性の雇用と収入が守られるようにすること。

8.医療現場や、高齢者・障害者施設、保育・学童保育などで働く女性の不安な声を丁寧に受け止め、速やかに対応すること。過労・ストレスが極限に達していることを踏まえ、特別手当を出すこと。

9.千葉県新型コロナウイルス感染症対策本部の構成は、全体18人のうち女性は1人であり、あまりにも少なすぎるため、女性の割合を増やし、その声が対策に十分反映されるようにすること。 

以上

右から。みわ由美県議、浅野ふみ子党県副委員長、岡田幸子前県議