2021年度千葉県予算編成にあたっての重点要望
日本共産党千葉県委員会と同千葉県議団の連名で来年度予算編成について要望書を提出しました。全文は以下の通りです。
2021年度千葉県予算編成にあたっての重点要望
命と暮らし、生業を守りぬく千葉県めざして
千葉県知事 森田健作 様
2020年11月20日 日本共産党 千葉県委員会
日本共産党千葉県議会議員団
菅義偉政権が発足して3カ月が経過した。菅首相は、日本学術会議への人事介入、改憲、沖縄米軍新基地建設加速など安倍政権以上の強権政治ぶりを示している。とくにコロナ渦で苦難を強いられている国民に対する「自助」「自己責任」の押し付けは、政治が果たすべき責任を投げ出すものである。
菅政権は、長引く不況を打開し、家計消費の回復をはかる消費税5%への引き下げも拒否しているが、低所得者ほど負担が重い消費税の5%への緊急引き下げは、個人消費を喚起し、景気回復に大きな効果が期待できるものである。一方、福祉の財源は、大企業や富裕層の応分の負担で確保でき、消費税減税を拒む国の姿勢は厳しく批判されなければならない。
こうした国の政治から県民の命と健康を守り、地域経済を再生させる地方自治体の役割は重要である。しかし、率直に言って、来春で3期12年となる森田県政は、国言いなり、県内財界の要望には応えるものの、その一方で、福祉、教育など県民生活向上をさせるという千葉県政ほんらいの仕事を後景に追いやっている。総務省統計局の「統計でみる都道府県のすがた2020」によれば、千葉県の財政力指数は全国4番目でありながら、県全体の県民一人当たりの民生費は46位、社会福祉費46位、老人福祉費47位、児童福祉費41位、衛生費43位と軒並み全国最低クラスを脱していない。
この間、昨年の未曽有の台風被害からの復旧・復興や、新型コロナ危機から命と暮らしを守り、地域経済の立て直しをはかるうえで、県民の強い要望を反映した施策もあるが、深刻な実態からみて、全体としてはまだまだ不十分であると言わざるを得えない。
さらに県内基地の日米オスプレイ拠点化を容認し、憲法9条や非核平和県宣言の立場とは相いれない姿勢を示している。県政を担うリーダーとしての資質、役割もあらためて問われ、県民との信頼関係を築く重要性が指摘されている。
このような県政を継続することなく、「命を守る予算と人は削ってはならない」ことを肝に銘じて、県民の暮らしと生業を支える県政運営へ方向転換することが重要である。このような立場にたち、以下、2021年度千葉県予算編成を求めるものである。
一、新型コロナ感染拡大防止へ、包括的で大規模な検査体制と医療提供の抜本的拡充を
県内での新型コロナウイルスの新規感染者数は、まさに第3波といえる新たな拡大をみせ、医療機関、高齢者施設、学校、飲食店、民間事業所などで相次いでクラスター(集団感染)が発生している。
この間、コロナ危機のもとで浮き彫りになった保健所の疲弊は、1994年の地域保健法を機に県も国と一緒に保健所体制を弱めてきたことにある。当時18あった県保健所を13まで減らし、PCR検査を担う検査課までも半減させた。
コロナ患者入院受け入れの有無にかかわらず多くの医療機関も経営難に直面し、医師、看護師などは、強い感染リスクのもとで、待遇悪化や一部の心無い中傷にさらされながらも、医療現場の最前線で献身的に従事している。しかし、このままでは「医療崩壊」という最悪の事態に陥る可能性は極めて大きくなっている。
感染拡大防止と経済活動再生を両立させる最大の要は検査および医療提供体制の抜本的拡充である。これまでの「クラスター」の経路を追いかける検査から、エピセンター(感染震源地)やホットスポット(感染急増地)の危険性があるところでは網羅的かつ積極的な検査を行い、無症状で感染力のある人を早期に把握・保護するとともに、感染者の追跡を着実にすすめるなど、感染拡大抑止に向けた戦略的方針を県として強く打ち出す必要がある。
1.「いつでもどこでも受けられる」PCR等検査体制の抜本的拡充
①市町村とも協力し、無症状の感染者を把握・保護するため、感染急増地域で、公共施設などを利用し、県民が無料で検査が受けられる体制をただちに構築すること。
②診療検査医療機関(発熱外来・発熱相談医療機関)、かかりつけ医、民間検査機関の人員確保や施設整備等に係る支援を強化すること。
③地域外来・検査センター(PCR検査センター)等を大幅に増やし、検査能力を飛躍的に高めること。
④医療機関、介護、福祉施設、保育園、幼稚園、学校、学童保育(クラブ)などの職員と利用者および交通、運輸、日常生活必需品販売(スーパー等)、ホテル、旅館など社会生活を支えるエッセンシャルワーカーに対する定期的検査を実施すること。
⑤市町村が独自にとりくんでいる高齢者(希望者)や、高齢者・障害者施設新規入所者などへの検査へ、県として財政支援すること。
⑥検査費用は、個人負担としないこと。あわせて国に全額国庫負担を強く求めること。
2.感染症をはじめ公衆衛生の第一線にたつ保健所体制の抜本的強化
①コロナ感染防止、母子保健、自殺予防、難病・精神障害対策などを担う保健所の人員を大幅増員すること。
②人口20万人あたり一カ所を目安に保健所を増設し、将来的には10万人に一カ所をめざすこと。
③一部の保健所で廃止した検査課を直ちに復活させること。
④感染追跡(コンタクトトレーシング)を専門に行う人材(トレーサー)を確保すること。
3.医療機関への支援を拡充し「医療崩壊」をおこさせない
①コロナ感染者入院の受け入れの有無にかかわらず、地域医療を支えるすべての医療機関に減収補てんを行うこと。
②医療機関、福祉施設等で感染防護具や医療用機材が不足することのないよう十分備蓄しておくこと。
③必要な宿泊療養施設を確保し、軽度・無症状者を確実に保護する体制を整えておくこと。
二、防災・減災対策の強化と災害に強い街づくり
昨年の連続した台風による未曽有の被害からの復興・再生は、いまだに「途半ば」である。近年は、災害が大規模化しており、「必ずおこる」との立場で災害時の備えを怠らないことが重要である。
1.避難所でのコロナ感染防止
①避難所での感染防止資材購入などに支障が生じないよう、県として支援すること。
②クラスター発生を防ぐため、県の責任で保健所職員や医療関係者など専門的スタッフを避難所に常駐あるいは巡回させ、感染拡大防止対策を徹底させること。
③避難所は、体育館、公共施設だけでなく、旅館、ホテル等に分散・小規模化させること。
④自宅、知人宅等で在宅避難する場合は、市町村とも協力し、避難所に来なくてもマスク、簡易トイレ、保温用シート、食料、水などの支援が受けられる仕組みを構築すること。
2.ライフラインの確保および避難所生活の改善
①県と各市町村および市町村と医療機関、高齢者、障害者、学校、保育所、幼稚園等との通信手段確保に最善をつくすこと。
②停電、断水が長期化しないよう、発電機と燃料、飲料水などを十分に確保するとともに、医療機関、福祉施設、学校など教育施設に速やかに配置できる体制をつくること。
③避難所の冷暖房の整備、雨漏りの緊急点検、トイレの洋式化などを行うこと。
④避難所での温かい食事の提供、入浴の確保、プライバシーの保護などを徹底すること。
3.被災者の住宅再建、災害ゴミ処理、生活支援
①住宅の被害認定は、住宅としての機能状況を正確に反映させ、居住者が納得できるようにすること。
②罹災証明書の発行など各種窓口手続きを簡素化し、速やかな処理に努めること。
③「一部損壊」「半壊」への支援をさらに拡充させるとともに、あわせて、国に対して生活者再建支援制度を改善、支援限度額の抜本的引上げ(当面500万円)を求めること。
④県営住宅、UR賃貸住宅、民間賃貸住宅、ホテル・旅館など応急的な住まいの確保体制を整えるとともに、応急仮設住宅の建設は木造住宅を原則とすること。その際、地域コミュニティの継続に努め、「関連死」などを招かないようにすること。
⑤住宅や店舗、農林水産施設で発生したガレキ、土砂等の災害ゴミ処理は、市町村と連携して、被災者の状況に応じて画一的とならないようにすること。
⑥被災者の医療、介護、税の負担軽減策を拡充すること。
4.農林水産業と中小企業の再建
①施設等の復旧、生産・事業の再開への支援をさらに拡充すること。
②中小企業が必要とする資金は、貸付型ではなく、給付型を拡充すること。
③被災農家・業者への所得を補償すること。
5.土砂災害の防止
①「急傾斜地崩壊危険箇所」の有無を再点検し、基礎調査を速やかに完了させること。
②土砂災害警戒区域(同特別区域)の指定の有無にかかわらず、住民に災害発生の危険がある区域であることを繰り返し周知徹底すること。
③急傾斜地崩壊防止工事への支援は、対象住宅戸数にかかわらず県の補助を抜本的に拡充すること。
6.河川氾濫対策
①市町村の意向や河川氾濫、洪水発生状況ふまえ、県管理河川の水位計の設置個所の見直し、増設をすすめること。
②河川全体の必要な流量を確保するため、予算を抜本的に拡充し、日常から河道掘削、樹林管理、水門の改修・整備をすすめること。
③予定している堤防の構築は早期に完了させること。
7.防災対策の促進
1)石油コンビナートの防災対策
①石油コンビナートのタンクの耐震化、津波と液状化への対策、周辺住民への安全対策や避難訓練などをすすめること。
②コンビナート企業に防災対策の進捗状況を定期的に明らかにさせ、住民に公表すること。
2)耐震化促進、必要な消防力の整備など
①戸建住宅やマンションの耐震診断、耐震工事への県の助成を拡充・新設すること。
②建築確認検査の民間任せなどを抜本的に改め、建物の中立・公正な検査体制確立と安全確保をはかること。
③公的、民間を問わず、医療、福祉、教育施設などの耐震化を促進すること。
④災害時の「避難指示、勧告」の伝達方法、要配慮者のいる世帯への対応を絶えず改善すること。
⑤福祉避難所の整備をさらにすすめるとともに、人員体制、備蓄状況、避難計画(経路)などを掌握し、必要な県の支援を強めること。
⑥災害時に帰宅困難な小中高校の児童生徒、教職員への水、非常食、毛布等の備蓄、保護者との連絡方法など万全を期すこと。
⑦国の整備指針をふまえ、消防ポンプ車、はしご車、化学消防車、救急車、救助工作車、消防水利整備、現有台数比で84%の消防職員の増員について、県として支援すること。
⑧消防団員の処遇改善、日常の団運営の民主化に引き続き努力すること。
⑨各地の自主防災会が必要な備蓄や訓練などを行い、災害時に適切に機能するよう、県も支援すること。
8.災害時に速やかに対処できる職員の確保
①災害発生時の緊急事態に対応できる十分な職員を確保すること。
②復旧・復興に関するすべての相談に親身に応じる総合的な窓口を設けること。
三、福祉・医療など支える「公助」の拡充で、ケアに手厚い千葉県
コロナ危機は「人は一人では生きていけない」ことを明らかにしているが、医療、介護、障害者福祉、保育などケア労働を担う人たちの労働条件の悪化や収入減が大きな社会問題となっている。コロナの影響によって、生活苦を強いられている人たちも深刻な状況であり、低所得世帯への臨時特別給付金の再支給など暮らしを支える国、県など「公」の支援が不可欠となっている。
1.県民の命と健康を守る
1)医療費負担の軽減にむけて
①中学3年までの通院・入院医療費の窓口完全無料化を早期に実施し、高校3年生までの無料化を促進すること。
②難病患者の負担の引き下げを国に求めるとともに、県として、ぜん息など小児慢性特定疾病の医療費助成を拡充すること。
③70歳から74歳の窓口負担2割への引き上げを元に戻すよう国に求めること。
④入院食費の負担増、「患者申出診療」(混合診療)、紹介状なしの大病院受診追加徴収など患者負担増や保険外診療拡大の撤回を求めること。
⑤75歳以上の現役並み所得者窓口負担(3割)引き上げ、風邪など少額受診やかかりつけ医以外の受診追加負担、一般病床患者からの居住費徴収、市販品類似薬の公的保険外しなど、新たな医療費負担の中止を国に迫ること。
⑥後期高齢者医療制度の速やかな廃止を国に求めるとともに、財政安定化基金の活用によって県独自の負担軽減策を講じること。
⑦「現物給付」による「ひとり親家庭等医療費等助成」を全市町村で早期に実施し、自己負担金をなくし、(所得制限緩和)を図ること。
2)「千葉県地域医療構想」を撤回し、安心して必要な医療が受けられる医療体制の整備
①病床削減の押しつけをやめ、すべての医療圏で必要なベッド数を確保すること。
②診療報酬の抜本的な増額を求めること。
③県立病院の医師と看護師の確保・養成、夜間救急・小児科・産科の体制強化、総合地域周産期医療センターの充実を進めること。医療事故の再発防止に努めること。
④地域医療を疲弊させた県立病院再編計画は廃止し、県立病院存続と充実をすすめること。
⑤東千葉メディカルセンターへの県の支援を拡充し、県立東金病院の後継病院として県がセンターの運営に主体的に関わること。
⑥看護師養成校の定員を抜本的に増やし、保健師等修学資金貸付制度の増額、貸付枠の大幅拡大を行うこと。
3)高すぎる国保料・税の負担軽減へ
①国保への県補助金を復活し、全国知事会が求めている1兆円の国庫負担の増額をはじめ協会けんぽ並みの保険料を実現するために県の責任を果たすこと。
②国保運営方針(2018年度~2023年度)「中間見直し」で、各市町村の保険料引き下げのための法定外繰入削減や加入者の実態を無視した「収納対策」をやめること。
③県として、ひとり親家庭の子どもの国保料・税均等割り分の減免制度を設けること。
④短期保険証や資格証明書の発行中止、国保法第77条(国保料)、地方税法第717条(国保税)にもとづく保険料(税)軽減、国保法第44条にもとづく窓口負担の軽減について、実効ある制度になるよう市町村に働きかけること。
2.介護保険の負担軽減と充実を
①要支援者向けの「介護予防・日常生活支援総合事業」の対象を要介護5の人まで拡大し、要介護者の介護保険給付外しを可能にする「政令改正」に反対すること。
②訪問・通所介護など在宅サービスの総量規制強化をやめるよう国に求めること。
③利用料「2割負担」、「3割負担」、介護施設利用の低所得者への「補足給付」(食費・居住費軽減)縮小の撤回を国に要求すること。
③高額介護サービス費の負担上限額引き上げ、軽度者生活援助原則自己負担、軽度者福祉用具・住宅改修原則自己負担、要介護1・2の通所介護の地域支援事業移行、65歳~74歳および75歳以上の利用料原則2割に反対すること。
④市町村が実施する新総合事業におけるサービスの後退を食い止めること。
⑤住民税非課税世帯からの利用料徴収はやめるよう国に求めること。県として、介護保険料・利用料の本人負担の軽減をはかること。
⑥特養ホーム建設への県補助金(一床あたり450万円)を維持するととともに整備計画を抜本的に引き上げ、入所待機者解消をはかること。
⑦保険料の引き上げにつながらないよう公費による介護労働者の労働条件改善を国に求めるとともに、県独自の処遇改善策を講じること。
3.減らない公的年金、老後の生活を支える年金制度に
①物価上昇時でも賃金が下がれば年金額を引き下げる「マクロ経済スライド」の強化による年金支給額抑制の仕組みをやめさせること。
②高額年収者の年金保険料引き上げを国に求めること。
③株価吊り上げのために年金積立金をリスクマネーに投入することを中止し、計画的な取り崩しで給付にまわすよう政府に要求すること。
④一定額以上の所得高齢者への年金一部支給停止、支給開始年齢のさらなる引き上げ、公的年金等控除を含む年金課税見直しをやめるよう国に求めること。
⑤最低保障年金制度導入を国に求めること。
4.保育所待機児の解消へ
①認可保育所を抜本的に増設し、速やかに待機児童を解消すること。
②子ども子育て支援新制度のもとで、県の支援を強め、鉄道高架下、空き店舗利用、企業主導型保育など保育環境の悪化を招かないようにすること。
③県の保育士処遇改善策を拡充するとともに、国に保育士の大幅賃上げと職員配置基準の抜本的な引き上げを求めること。
④学童保育の大規模・過密化を解消するとともに、指導員の労働条件を改善すること。
5.虐待から子どもの命と尊厳を守る
①虐待による死亡事件を二度と起こさない真剣な取り組みをすすめるために、児童相談所や児童養護施設の不十分な職員体制を早急に改善すること。
②児童相談所のマニュアルの徹底・実行、市町村等との緊密な連携、市町村任せにしない県の責任ある対策を実施すること。
③審議会答申にそった県立児童相談所の増設や必要な建替えをただちに行うこと。また、一時保護所の過密化解消をはかり、増え続ける児童虐待への対応できる十分な態勢を整えること。
④児童養護施設と里親支援の拡充をはかること。
6.障害者(児)への支援拡充
①袖ケ浦福祉センター廃止計画を中止し、入所者の民間施設への移行を無理強いしないこと。同施設は、より必要な施設改修や人員体制の強化などで充実させること。
②重度心身障害者(児)医療費は窓口完全無料にし、65歳以上で新たに重度障害になった人の対象除外をやめること。精神障害者については、1・2級を速やかに対象に加えること。
③グループホームとともに障害者支援施設、障害児入所施設などの定員増を図り、利用者本人の選択の機会を保障すること。
④施設等の職員の待遇改善や研修の充実をはかり、入所者・利用者の命と人権を守ること。
⑤障害者法定雇用率偽装の再発防止を徹底し、達成に努めること。
7.生存権を保障する生活保護制度
①生活保護の申請および受給する権利を守り、相談者に対する窓口での対応を抜本改善すること。通院移送費や各種一時扶助の適正な支給を促すとともに、各自治体の「生活保護のしおり」の改善を図ること。
②生活扶助や住宅扶助、冬期加算の引下げの撤回、冷房費加算を国に求めること。
③後発医薬品押しつけや医療扶助給付の減額、母子加算の見直し、一定期限での保護打ち切り導入などに反対すること。
④本人の状況を無視した過度の「就労指導」をやめるとともに、「就労」に応じないことを理由にした一方的な保護費減額を行わないよう国に要求すること。
⑤ケースワーカーを増員し、基準を大きく超えている担当世帯数を減らすこと。
⑥無料低額宿泊所、脱法ハウスへの指導・対策を強化すること。
⑦医療受給券交付や生活福祉資金貸付制度の充実など、困窮者の暮らしを支援すること。
8.生活困窮者、子どもの貧困の解消
①「格差と貧困」が広がる中で、住まいを失うことのないよう、県営住宅の新規増設、建替え、修繕を実施すること。
②県営住宅家賃減免制度の周知を徹底し、その利用を居住者に積極的によびかけること。
③「子ども食堂」に対して、県として必要な支援を行うこと。
④母子父子寡婦福祉資金貸付の違約金(延滞金)不徴収など制度を拡充すること。
四、教育予算を大幅に増額し、一人ひとりの学びを保障する
コロナ感染により20人程度の少人数学級の実現が欠かせないことが明白になった。少人数学級は、子どもたちの学力習得、安全確保、様々な不安・ストレス解消をすすめ、教員の多忙化を解消するためにも極めて有効であり、そのためには必要な正規教員の確保・増員が急務である。あわせて、学費負担の心配なく就学できる支援拡充は切実である。
1.少人数学級で感染症に強い安全・安心な学校に
①国に対して、学級編成基準を一学級30人から20人にする義務標準法、高校標準法の早期改正を求めること。
②国待ちにならず、県独自に少人数学級を拡充すること。
③緊急措置として、プレハブ建ても含めて必要な教室数を確保すること。
2.教員の抜本的増員で、多忙化、長時間労働の実効ある解消策を進める
①恒常的な時間外労働が恒常化しており、「1年単位の変形労働時間制」(改定給特法)導入を可能とする県条例制定はしないこと。
②「学校における働き方改革推進プラン」を実効あるものとし、業務削減を大胆に進め、教職員の負担軽減を図ること。
③先生一人当たり授業持ち時間に上限を設け、子どもたちと向き合う時間を確保すること。
④「運動部活動のためのガイドライン」を学校、関係団体、保護者や生徒を含む関係者の議論を通じて定着させ、教員の過重負担を軽減し、顧問(教員)および生徒の適切な休養を保障すること。
⑤定数内教員はすべて正規教員とし、「ハーフタイム」の再任用は、定数枠から外すこと。
⑥非常勤講師の待遇改善をはかること。
⑦産休、育休、病休の代替教員をただちに配置すること。
⑧学校職員定数条例における「県単定数」を大幅に増やし、教員未配置の解消を図ること。
⑨学校における単純労務委託事業の入札のあり方を見直し、相当の賃金が支払われるよう改善すること。
⑩国に法制度の改正を求め、教職員に残業代を支払うこと。
3.老朽化した学校施設の改修、エアコン増設、生徒の学びの場の保障を
①国の特別支援学校設置基準づくりを注視しつつ、ただちに特別支援学校の新・増設計画を具体化し、過密・狭隘化解消をはかり、必要な人員を配置するなど教育条件を引き上げること。
②児童生徒の急増で過密化している特別支援学校のトイレを増設、改修を行うこと。
③特別支援学校のスクールバスを増やし、長時間通学を解消すること。
④夜間高校に通う生徒にとって重要な役割を果たしている給食を、全校で再開すること。
⑤雨漏り、壁・床の剥がれ、排水不良など老朽化した学校施設の改修予算を抜本的に増額し施設改修を進めること。また、トイレの洋式化を促進すること。
⑥県立学校の特別教室、教科準備室、体育館、職員室へのエアコン設置を県費負担でただちに行うこと。
4.憲法にもとづく教育へ、「県教育振興基本計画」を撤回し、「教育振興に関する大綱」を抜本的に見直す
①侵略戦争美化、憲法否定と結んだ「愛国心」「道徳教育」の押しつけをやめること。
②いじめなどの問題は子どもたちの命を守るという基本姿勢を最優先に貫くこと。教職員が精神的にも時間的にもゆとりを持って子どもたちと向き合い、集団による検討・対応が可能となる体制と環境を整えること。問題の隠ぺいがないようにすること。
③県弁護士会の「警告書」(2020年9月)を重く受け止め、県立高校生徒の人権を侵害する頭髪・服装指導を直ちにやめ、生徒の意見を反映した校則、「生徒心得」にあらためること。
5.教科書採択に関する全面公開
①教科書採択に関する資料の全面開示、教科書選定審議会の公開及び、逐語録による議事録の作成・公表を行うこと。
②教員や保護者らの意向が十分に反映され、かつ真理・真実に基づいた教科書の採択をめざすこと。
6.教育費の負担軽減
①私立高校の経常費助成をさらに引き上げ、授業料減免制度を近県並みに拡充すること。施設整備費を含む学費全体に対する減免制度を創設し、教育費負担の軽減を図ること。
②県として給付型奨学金制度を拡充するなど家庭の学費負担軽減に努めること。
③私立幼稚園に通う家庭への授業料直接助成制度を新設すること。
④低所得家庭の子どもたちへの学習支援を抜本的に強めること。
⑤コロナ感染拡大による経済的影響を受けている学生に対する「高等教育の修学支援」をうけられる条件を大幅に緩和するよう国に求めること。
7.私立幼稚園教育の充実
①幼児の発達年齢に適した教育のため、私立幼稚園の学級定員減をはかること。
②私立幼稚園教職員の待遇を公立幼稚園なみに改善するため、県として支援を強めること。
五、強い地域経済をめざして
深刻な消費不況を引き起こし、コロナ禍で暮らしと営業を直撃している消費税は、直ちに5%引き下げることがますます切実となっている。外需と訪日外国人観光客インバウンドだのみの経済政策の脆弱さは明らかであり、中小零細企業の振興や千葉県の特性を生かした農業、水産業、観光の振興など経済政策の転換をはかる必要がある。
1.コロナ危機から業者などの苦難打開を
①持続化給付金、雇用調整金(雇調金)コロナ特例、家賃支援給付金の複数回支給、条件緩和、手続き簡素化、早期支給とあわせて、地域や業種別の実情をふまえた「地域事業継続給付金」制度の創設を国に求めること。
②県中小企業再建支援金の複数回支給、手続き簡素化、早期支給、いっそうの条件緩和をはかること。
③緊急な資金繰りができるよう、借り換えや条件変更などで柔軟に対応すること。
④納税緩和制度を拡充し、税免除、執行停止の措置を積極的に活用できるようにすること。
⑤感染急増地域を含めた全国一律の「Go To」トラベル・イートを見直し、地域ごとに飲食業や観光業に支援が届くやり方に改めるよう、国に要求すること。
⑥感染急拡大のリスクが懸念される「ディスカバー千葉」のようなとりくみは、見直して観光業への直接的な支援に切り換えること。
2.大企業呼び込み方式を転換し、地元の中小規模事業者支援
①大企業への立地補助金を廃止し、中小企業振興条例を実効あるものにすること。
②「小規模企業振興基本法」および「同基本計画」の具体化をすすめ、小規模企業の維持発展に力を入れること。
③地元業者の仕事づくりにつながる住宅リフォーム助成制度を創設すること
④県発注の公共工事で労働者が低賃金のもとにおかれている現状をあらためること。まともな労賃を保障するため公契約条例を制定すること。
⑥制度融資の拡充、信用保証制度の改善など、中小規模事業者の経営を支えること。
⑦大型店の無秩序な出退店を規制し、商店街・商店への支援予算を大幅に増額すること。
3.農林水産業の再生および振興
①「TPP11」や日米貿易協定(FTA)、日欧経済連携協定(EPA)、日英EPAからの撤退を国に要求すること。
②農家の自家栽培を原則禁止とする種苗法「改正」に反対し、撤回を求めること。
③米の直接支払交付金制度の復活を国に求めるとともに、県独自の価格保障、所得補償を実施し、農林水産業の後継者育成をはかること。
④営利企業の農地所有解禁の撤回を国に申し入れること。
⑤老朽化した排水路改修などインフラ整備を農家の負担増なしにすすめること。
⑥CSF(豚コレラ)、BSE(牛海綿状脳症)対策、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの各種感染症の監視体制を強めること。CSF(豚コレラ)ワクチン接種を行うこと。
⑦新規就農者への支援を、国の制度に上乗せした県独自の制度を創設すること。
⑧全国平均を下回る千葉県の食料自給率引き上げに努めること。
⑨農作物へのジャンボタニシや有害鳥獣被害対策や台風など自然災害被害への補償を強化すること。
⑩軽油引取税の軽減の継続を国に求めるとともに、制度の周知徹底、手続きの簡素化に努めること。
⑪公共建築への国産材利用促進など林業振興策をすすめること。
⑫漁業経営の大半をしめ、漁村社会と豊かな魚食文化を支えてきた小規模沿岸漁業と漁協の役割を維持・重視した施策をすすめ、魚価安定対策や資源管理にともなう休業・漁獲制限などに対する所得補償を充実させること。
4.コロナ禍のなかでこそ、正社員が当たり前、人間らしく働ける社会の実現をめざす
①過労死ラインを超える残業時間を容認する「改正労働基準法」の撤回と残業は週15時間、月45時間、年360時間までとする大臣告示の法制化を求めること。
②「過労死促進」に拍車をかける裁量労働制の適用拡大や、労働時間規制を適用除外し、「残業代ゼロ」にする「高度プロフェッショナル制度」の撤回を要求すること
③過重労働による脳・心臓疾患対策や自殺予防のとりくみを強めること。
④違法行為へのペナルティ強化、違法性が疑われる離職率が高い企業や、時間外労働・不払い残業などの法令違反で摘発された企業の公表、調査や指導の強化を国に求めること。
⑤外国人労働者の受け入れを拡大する「出入国管理法改定」の強行に反対し、外国人労働者の低賃金、人権侵害を抜本的に是正するよう国に求めること。
⑥2019年6月にILO(国際労働機関)が採択した、ハラスメントを包括的に禁止する条約を批准し、ハラスメント禁止を明記する法改正を行うよう国に求めること。
⑦県として福祉施設職員の働き方や給与等の実態を調査すること。
⑧高校生や若者への労基法など労働者の基本的権利と雇用のルールの周知に努めること。
⑨ジョブカフェなどの増設、充実を進め、若者の就職活動を支援すること。
⑩庁舎管理などの特定業務委託における賃金水準・支払い管理を徹底すること。
⑪大企業に対して、従業員は正社員とすることや、いわゆる「解雇4要件」を無視した一方的な解雇を行わないなど、雇用における社会的責任を果たすよう強く申し入れること。
⑫最低賃金を時給1500円へと大幅に引き上げるよう関係者に働きかけること。
⑬青年や失業者などを雇用した中小企業への就職奨励助成金制度を創設すること。
六、不要不急な巨大開発優先を切りかえ、住民本位、安心・安全の街づくり
コロナ禍、命と暮らしを支える財源を確保するためには、県内財界の要望にそった不要不急な大型開発を根本から見直し、先送り、凍結、中止することが避けて通れない。
1.不要不急な巨大開発の浪費をやめる
①過大な見積もり、見通しのない「つくばエクスプレス沿線開発」「木更津金田西区画整理事業」を抜本的に見直すこと。新たな巨大事業の浪費となる「千葉港長期構想」「千葉県営水道事業長期施設整備方針」は撤回すること。事業収束した「千葉ニュータウン」について、新たな県民負担を生じさせないこと。新たな工業団地の造成は行わないこと。
②莫大な事業費を要する市川市(外環道)と成田市を結ぶ北千葉道路の未事業分15キロの建設計画は、道路の必要性や費用対効果などを再検証した上で、抜本的に見直すこと。
③圏央道、北千葉道路などの巨大道路や「千葉港長期構想」を踏まえた「港湾計画改訂」など大型開発計画を抜本的に見直すこと。
④破たんした「かずさアカデミアパーク構想」を抜本的に見直し、県負担の軽減に努めること。
⑤第二湾岸道路の具体化には着手しないこと。
2.安心・安全な街づくり
①国土交通省、千葉県、空港周辺9市町及び成田国際空港株式会社が合意した「成田空港の更なる機能強化」は、周辺住民に耐え難い航空機騒音をもたらし、平穏な生活を脅かすものである。航空会社も大幅減便するとしているおり、「合意」を白紙に戻し、開港時の飛行時間などの合意をもとに関係住民の理解と合意を得たものにすること。
②県道の歩道整備や音響信号機、点字ブロック、横断歩道の設置などを進め、とりわけ、通学路の安全対策を急ぐこと。
③生活道路整備や県営住宅の増設・修繕などを促進すること。
④老朽化している橋梁やトンネルなどの状況を把握し、その改修を計画的かつ着実に推進すること。
⑤北総線、東葉高速線、千原線の高すぎる運賃引き下げを運営会社に求めること。
⑥利用者、障害者の利便性と安全性を大きく後退させる「駅無人化」をやめるとともに、駅ホームドア設置促進を鉄道各社に申し入れること。
⑦市町村が実施しているコミュニティバスやデマンドタクシー(乗合バス)への県補助を行うこと。
七、文化芸術の振興をはかる
文化芸術は人間が生きるうえでなくてはならない糧であり、大切に守り育てていくことが求められている。
①千葉交響楽団員の待遇改善をはかるとともに、学校音楽鑑賞会の予算を増額すること。
②文化芸術振興条例にある「郷土への誇りと愛着を深め」との文言は、「内心の自由」を踏みにじり、文化芸術の振興とは相容れません。条例改正し、同文言を削除すること。
八、人類の生存を脅かす環境破壊をゆるさない
地球温暖化防止と再生可能な自然エネルギーの利活用促進、千葉の自然保護はますます重要となっている。
1.原発ゼロ、再生可能な自然エネルギーの普及
①政府の責任で電力会社に再生可能エネルギーで発電した電力を買い取るよう国に働きかけること。
②住宅への太陽光パネル設置補助金を拡充し、設置者本人への直接交付となるよう制度を改善すること。
③公的施設への太陽光パネル設置を推進すること。
④間伐材、被害木など木質バイオマスエネルギーを活用したボイラー、ストーブの普及の促進や、小水力、風力エネルギーの利活用をはかること。
⑤自然エネルギー普及を推進するため、事業者だけでなく住民からの様々な相談に応じる総合的な窓口担当部署を設置すること。
⑥自然環境や景観と調和のとれた太陽光発電がはかられるよう県条例を制定すること。
⑦地球温暖化防止に逆行する石炭火力発電所の新設計画に反対すること。
⑧温室効果ガス排出量が全国トップの県として、条例を制定し、排出規制を積極的に進めること。
⑨温室効果ガス排出削減の積極的な目標を政府に求めるとともに、県内事業所に対しても排出削減対策を働きかけること。
⑩原発の即時ゼロ、再稼働中止を国に強く求めること。とりわけ隣接県(茨城)にある老朽化した東海第2原発の再稼働中止を強く求めること。
2.豊かな自然を守る
①産業廃棄物処分場、残土処分場の設置は、立地規制を強化し、地元住民の合意を大原則にすること。そのための条例改正・制定を行うこと。
②残土は県外からの搬入が多く、土壌の安全性のチェックが極めて不十分である。県外からの残土受け入れは厳しく制限し、リニア建設による膨大な残土は受け入れないこと
③再生土埋立現場から有害物質が検出されることがないよう、「再生土等埋立て条例」は埋立て処分を禁止する内容に改正すること。
④三番瀬の自然環境を保全し、「再生」の名による埋め立ては行わないこと。
⑤三番瀬および盤洲干潟のラムサール条約登録に全力をつくすこと。
⑥ハクビシンなど有害鳥獣による住宅被害に対する県の財政支援を行うこと。
九、県政および社会生活にジェンダー平等をつらぬく
ケア労働、非正規労働の多くを担っている女性は、より大きな困難が強いられている。コロナ禍の自粛によって、ⅮⅤ、虐待も深刻となっている。行政、教育、職場、家庭、地域など社会の隅々にジェンダー平等をゆきわたらせることが重要である。
①真の両性平等と女性の地位向上、女性の社会進出を保障するため、実効ある「両性平等条例」を早期に制定すること。
②「千葉県男女共同参画計画」(第5次)は両性平等の基本理念を明確にしたものに改めること。
③選択的夫婦別姓を認める法整備を国に求めること。
④男女間の雇用差別や賃金格差、昇進などをなくすこと。
⑤仕事と子育てが両立できるよう、育児休暇の拡充、保育所と学童保育の整備など社会的条件を整えること。
⑥中小・零細業者における家族の「自家労賃」を経費として認めない所得税法第56条は廃止するよう国に求めること。
⑦DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の保護・自立支援、パワーハラスメント対策などを強化すること。
⑧性暴力被害に対応するワンストップ支援センターの機能強化に努めること。
⑨性的少数者(LGBTなど)が自分らしく生きられる社会の実現をめざし、啓発・啓蒙、教育に力を入れること。また、公共サービス利用や県営住宅入居にあたって、差別されない措置を講じること。
十、憲法を生かし、住民本位の地方自治に発展させ、千葉県を戦争の足場にさせない
「住民が主人公」の県政を築くことは言うまでもない。効率化や財政効果のみに着目した「行革」を見直し、営利主義、受益者負担の押しつけをやめるべきである。9条および非核平和県宣言の立場に立ち、国言いなりに県内基地の強化を容認し、千葉県を海外での日米一体の軍事行動の出撃基地の足場にさせてはならない。
1.住民サービス向上と職員が働く意欲がわく職場環境づくり
①「千葉県総合計画」(次世代への飛躍 輝け!ちば元気プラン)は抜本的に見直すこと。
また「第2期千葉県地方創生総合戦略」の策定あたり、第1期戦略の十分な検証をもとに、「人口減少」のもとで、住民が主体の「地方」「地域」づくりとなるものにすること。
②「千葉県行政改革計画・財政健全化計画」(2017年度~2020年度)を住民の暮らし、県庁職員の立場で検証すること。「公の施設の見直し」の名による福祉、医療、教育の分野における施設の統廃合は凍結し、再検討すること。
③知事部局、教育庁、公営企業体の職員を抜本的に増員し、時間外勤務の縮減を図り、行政需要に応えられる職員体制へと見直しを図ること。そのために、多忙化による健康被害をもたらし、住民サービスの後退につながる県職員の削減をやめ、必要な職員は正規職員とすること。とりわけ、教員や医師・看護師などは正規雇用で増やすこと。会計年度任用職員など非正規の職員の処遇について正職員と同等にすること。
④県職員の過労死ラインを上回る長時間過密労働や常態化している休日出勤を抜本的に改善すること。残業実態に見合う手当をきちんと支給し、違法状態を直ちに解消すること。
⑤施設運営が経済効率優先とならざるを得ない指定管理者制度は、再検討すること。とりわけ、福祉や教育において、入所者・利用者の人命と人権が脅かされることのないよう体制を充実させること。
⑥住民負担やサービス低下を招く水道事業の「広域化」は行わないこと。また、「コンセッション方式」による利益優先の民間業者参入は水道事業の安全・安定性の後退につながるものであり、導入しないこと。
⑦国が国民の情報を厳格に掌握し、徴税強化と社会保障給付抑制を狙ったマイナンバー制度の運用状況を徹底検証し、制度見直し、中止を政府に求めること。
⑧工業県といわれる全国8都府県で導入し、千葉県でも228億円(課税限度額2020年度見込み)の新たな税収が見込める法人事業税超過課税を早急に実施すること。
⑨県行政に関わる情報は積極的に開示し、公文書公開条例の恣意的運用による情報の隠ぺいは決して行わないこと。
2.憲法9条の「改正」に反対するとともに、憲法を生かす政治への転換を求める。
①安保法制=戦争法、特定秘密法、共謀罪の廃止を国に申し入れること。
②北朝鮮をめぐる諸問題や領土問題は、「対話による平和的解決」をはかるために知恵と力を尽くすよう国に求めること。
③沖縄米軍新基地建設反対のたたかいと連帯し、米軍へ日本の国内法を適用させるために日米地位協定の抜本改定を求めること。
④唯一の戦争被爆国の日本政府に対して、核兵器禁止条約への参加を求めること。
3.千葉県を「戦争する国」づくりの足場にさせない
①木更津駐屯地への陸自オスプレイ「暫定」配備に反対すること。また、米軍オスプレイ定期整備拠点化撤回を強く要求すること。
②幕張メッセなど県有施設で「武器見本市」など違憲の催しを開催させないこと。
③米原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀母港撤回を求めること。
④日本が犯した過去の侵略戦争の歴史や被爆の実相を後世に伝える活動を奨励すること。
⑤県内の「戦争遺跡」の調査、資料化、保全を県として行うこと。
⑥習志野基地のパトリオットミサイル(PAC3)撤去と、同演習場での第一空挺団のパラシュート降下訓練の中止を国に求めること。同部隊降下始めなど日米共同訓練に反対すること。
⑦下総基地や木更津基地など自衛隊機による騒音被害の解消の対策を講じること。
⑧法定受託事務である「自衛官募集」に関する県の業務は最小限に留めるとともに、小・中学生などの職場体験から自衛隊を除くこと。
⑨被爆者と被爆二世、三世の健康を守るために、県独自の支援策を拡充すること。
以上