【2024年6月県議会】日本共産党 浅野ふみ子県議 議案請願討論
日本共産党の浅野ふみ子です。党を代表して、議案と請願の主なものについて討論を行います。
最初に、議案第1号・一般会計補正予算案は、自主避難所の整備など、市町村が実施する孤立集落対策に対する支援が中心で、これについては是とします。しかし、問題がないわけではありません。道路の寸断等による孤立集落の発生を防ぐため、緊急輸送道路の法面点検を目視で実施しますが、2016年、17年の2か年の調査で明らかになった危険な法面426ヶ所のうち、この8年間で対策を行った16ヶ所の残り410ヶ所の中のわずか90ヶ所の点検にとどまっています。あまりにも少なすぎます。先日も、大雨による崩落が起こっており、危険な法面の対策は一刻の猶予も許されません。直ちに予算を確保し、調査にとどまらず、崩落防止対策を講じるべきであることを指摘します。
議案第6号は、県営住宅の入居対象者を拡大するものです。単身者の入居は我が党も求めていたことであり、大賛成です。しかし、同性パートナーの入居にあたっては、県内、人口比では66%の県民が暮らす12市が実施するパートナーシップ宣誓制度による届け出が必要となり、それ以外の自治体では「LGBT対応の支援会社を紹介する」として、県営住宅に入居することができません。市町村がパートナーシップ制度を設けているかどうかは、県とは直接関係のないことであり、それを基準に3分の1の県民がせっかくの制度改善から排除される。これは、法の下の平等に反します。埼玉県では、同性パートナーとしての宣誓書を2人が書いて提出すれば、入居できるようにしており、千葉県でも改善すべきです。
次に請願について述べます。
請願第30号は、国に核兵器禁止条約の批准を求めるものです。7年前の2017年7月7日に採択された核兵器禁止条約は、現在93ヶ国が署名、70ヶ国が批准しています。1946年の国連総会第1号決議が、核兵器の撤廃を提起して以来、人類は初めて核兵器を違法とする国際法を手にし、被爆者をはじめ非核平和を求める人々の希望となっています。唯一の戦争被爆国の日本が条約に参加すれば、平和を求める国際社会の期待と信頼を得ることは間違いありません。核兵器廃絶の流れが加速することでしょう。7月4日現在、683の地方議会が国に核兵器禁止条約への参加・批准・署名を求める意見書を採択しています。核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願い、「非核平和千葉県宣言」を決議した本議会で、請願採択を求めます。
請願第31号は、国に女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求めるものです。日本は、女性へのあらゆる差別を許さず、平等の権利を保障する女性差別撤廃条約を批准しているものの、女性の権利侵害を国連に個人で通報できる制度などを定めた、女性差別撤廃条約の選択議定書は批准していません。政府は、「個人通報制度の導入は日本の司法制度と相容れないものではない」としており、立法制度を脅かすものでもありません。世界の国々がジェンダー平等を達成するための最も重要な国際基準は、女性の権利章典である女性差別撤廃条約と、その実効性を高めるために制定された女性差別撤廃条約選択議定書、との指摘もあります。よって、本請願の採択を求めます。
請願第32号は、選択的夫婦別姓制度の導入ための国会審議を進めるように、政府に求めるものです。婚姻における夫婦別姓が認められない不利益や不都合は、計り知れません。通称使用の私も、常日頃、議会事務局や様々な関係者とともに事務手続きの煩雑さを痛感しています。選択的夫婦別姓制度は、別姓の選択も、同姓の選択も、その夫婦の自由であり、誰にも強制されない、まさしく多様性を尊重するものです。多様性条例を持つ千葉県でこそ、本請願を採択すべきではないでしょうか。
請願第33号は、教員の未配置を完全に解消するための対策を求めるものです。5月1日現在、一つの学校で3人、特別支援学校では4人、5人、6人も、本来いるべき先生がいない、深刻な事態です。少人数授業ができなくなるなど、丁寧な教育を受けることができない子どもたちが最大の被害者です。わが党がかねてから指摘しているように、予算計上している県単定数枠の小中127人、高校161人、特別支援学校89人を県教委の責任で年度当初から採用し、通常は教育事務所ごとに学校に加配しておき、長期休暇の代替が必要となった時点で学校に直ちに配置すれば、休暇代替の未配置の解消と代替講師確保の実務も軽減されます。県教委も「制度上可能」としております。よって、本請願の採択を求めます。
請願第34号は、公文書管理条例の制定を求めるものです。6月に、戦時中の個人情報を含む歴史的簿冊139冊の誤廃棄が報道されました。そもそも公文書等の管理に関する法律では、歴史的事実の記録である公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であること、主権者である国民が主体的に利用できるよう、国民主権の理念にのっとり管理、保存、利用を図り、現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすること、と定めています。すでに19都県では、条例によって公文書の管理が行われています。県も文書管理の理念や目的を示した条例によって、県の管理責任を明確にすることが求められています。よって本請願を採択することを訴え、討論を終わります。