【2024年6月県議会】日本共産党 みわ由美県議 一般質問

質問・発言

【2024年6月県議会】日本共産党 みわ由美県議 一般質問

 

日本共産党松戸市選出みわ由美です。党を代表して質問します。

 初めに、知事の政治姿勢について、伺います。先ず、裏金事件についてです。パーティー券を通じた自民党の裏金事件が政権を揺るがす重大事態です。今回の事件の最大の問題は、自民党による組織的な犯罪行為だということであり、かつて無い深刻な事態です。ところが、党内で処分されたのは収支報告書不記載議員85人中39人で半分以下、最も金額の多い二階元幹事長や最高責任者である岸田総裁はいっさい処分されていません。知事、これで真相が解明されたと考えているのでしょうか。お答え下さい。
今回の事件の背景に、企業団体献金に固執してきた政党の存在があります。主権者ではない企業や団体が、莫大な資金力にものを言わせて政党や政治家を買収すれば、企業の意思を忖度しなければならなくなります。企業団体献金は全面的に禁止すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
知事の資金管理団体と後援会も千葉県医師連盟から2021年7月7日付で500万円ずつ、合せて1000万円もの多額の寄付を受けています。県民から見れば、何らかの特別な関係があると考えても不思議ではありません。伺います。知事、千葉県医師連盟から1000万円もの寄付を受けていることについて、どう認識しているのか。こうした多額の寄附は、政策誘導の圧力になると思いますが、いかがでしょうか。
 次に県庁の贈収賄事件についてです。県庁職員は、利害関係者との飲食は禁じられていますが、職員の側が費用を負担して届け出をすれば、飲食も容認されます。ちょうど1万円、もしくはそれ以下の飲食は届け出る必要もありません。1月、利害関係者との会食を自粛するよう県庁内で通知が出されましたが、自粛してもなんら不都合は起きていません。伺います。知事、県民から疑いをかけられないためにも、業者と接触する基準をはっきりさせるためにも、今後も、利害関係者との会食を、一切禁止すべきですがどうか。
また、今回、事件の被告が県庁退職者、いわゆるOBを通じて業者と知り合ったことが判決で明らかになりました。背景には、県の幹部職員の再就職、いわゆる天下りがあります。2019年度からの4年間で建設関係企業への再就職が20社以上あり、そのなかの9割は県土整備部からの再就職です。これが不適切な関係の温床になっています。ここに厳しく規制をかける必要があるのではないでしょうか。お答え下さい。
こうした事件が起きないように県庁内で研修なども行われてきましたが、今回有罪判決が出された2人もコンプライアンス研修には参加していました。こうした制度は重要ですが、それだけでは犯罪を防げません。「全体の奉仕者」という自治体職員としての自覚と、「住民の福祉の増進」という地方自治法に明記されている自治体の役割を繰り返し徹底する必要があると考えますが、どうか。お答え頂きたい。
政治姿勢の最後は、賃金の引き上げです。実質賃金が25ヵ月連続でマイナスとなりました。しかも日本商工会議所によれば、この春の大企業の賃上げは平均5・58%ですが、中小企業は3・62%にとどまっています。伺います。賃上げに対応できない中小零細業者の置かれている状況について知事はどんな認識をお持ちか。
こうしたなかで岩手県の中小企業への賃上げ支援策が注目されています。時給50円以上の賃上げをした中小企業に、従業員1人5万円を支給する制度です。5月20日時点で1822社、1万3547人分の申請がありました。岩手県ではこの制度に力を入れ、一般財源から14億6千万円を投入しています。千葉県でも中小企業に焦点を当てた賃上げ支援策が必要だと考えますがどうか。お答え下さい。
 その場合、財源は法人事業税の超過課税をあてるべきです。制限税率いっぱいで約248億円の増収となり、他県並みの税率でも100億円程度税収が増えます。大企業にとっても、取引先の中小企業で賃金が上がれば労働生産性の向上に結び付き、消費者としての購買力の向上にも寄与することになります。千葉県経済の活性化のために、大企業を説得して超過課税を受けてもらうべきですが、いかがでしょうか。         

 次に防災対策、地震災害対策について伺います。能登半島地震から5ヶ月余り、今なお避難者は3300人を超え、死者は260人にのぼっています。県民の命を守りぬく防災対策はどうあるべきか、能登半島地震の教訓を明確にした対策の強化が求められています。
まず命を左右する、避難所の環境整備についてです。一つ目は避難所の備蓄物資の確保について、3月に「輪島・避難所備蓄なし半数超」と、市の指定避難所の半数を超える26ヵ所に避難生活に必要な物資が備蓄されていなかったと報道されました。県が行った孤立集落発生に関する調査でも、水や食料などを備蓄しているのは1割程度に留まっています。伺います。県内の2211の指定避難所で、備蓄施設を持ち、水や食料など必要な物資を備蓄・確保している避難所は何か所、何人分なのか。また、備蓄物資のない避難所がある市町村へ、県はどのような支援を行うのか。お答え下さい。
二つ目は避難所の施設整備についてです。災害はいつ起きるかわかりません。ですから2次被害を生まないための避難所の環境整備は重要な課題となっています。県内の小・中学校、県立高校・特別支援学校の多くは地域の指定避難所となっており、避難者の受け入れは主に学校の体育館で行われることになります。学校体育館の環境整備として、いまや空調設備の設置は必須の条件ともいえます。小中学校の体育館への空調設備設置率は15.1%であり、年次計画で体育館への空調設備設置を進める市町村が増えてきています。  そこで伺います。県立高校・特別支援学校で指定避難所になっている132棟の体育館の空調設置率はどうか。県教委は県立学校の体育館への空調設備設置をどう進めるのか。

 次に女性の視点に立った避難所運営、防災対策についてです。能登半島地震でも「下着を干す場所がない」「避難所に仕切りがなく布団の中で着替えた」などの実態が報道されていました。東日本大震災以降、女性の視点に立った防災対策、女性に配慮した避難所運営が問題視され、2020年、内閣府が「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」を示し、県の「避難所運営の手引き」にも「女性への配慮」が盛り込まれています。
しかし問題はガイドラインや手引きに沿った対応がどこまで行われているのかということです。そこで、避難所において女性の人権を尊重した配慮がなされているのかどうか、県の「手引き」にそっていくつか伺います。まず必要なのはプライバシーの確保です。手引きに示されている「パーティション・間仕切り」などが確保されている避難所数は何か所、何人分になっているのか。

 次に備蓄について、生理用品や女性用下着などが備蓄されている避難所は何か所か。避難所環境についてはどうか。男女別更衣室や授乳室が確保されている避難所はどの程度か。県は市町村とも協力し、男女共同参画の視点から避難所ごとの現状を明らかにし、支援の手立てを講ずるべきではありませんか。其々お答え下さい。
女性に配慮した防災対策を進めるうえで、県の「避難所運営の手引き」にも示されているように、意思形成過程・政策決定の場への女性の参画を進めることが重要と考えます。県の防災会議の女性委員の比率は21%、市町村で見ると女性委員ゼロという自治体もあります。内閣府は「25年までに女性委員の割合を30%に」との目標を掲げていますが、県はどう高めていくのか。防災部署の女性職員の比率を高めることも重要です。県の防災危機管理部の女性職員の比率は11.3%。県はこの比率をどこまで高めるのか。県内では、防災部署に「女性職員ゼロ」の自治体が35にものぼっています。県はこの現状をどう見ているのか。どのように比率を高めるのか、其々、お答え下さい。    

 次に、困難な問題を抱える女性への支援について伺います。これまで売春防止法に基づく保護厚生でしたが、4月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行され新たな支援が始まりました。長年の世論と運動が実った大転換です。新法では「女性の福祉増進」と併せ「人権の尊重、擁護」「男女平等」が、基本理念に新たに明記され、同法に基づき都道府県が策定する基本計画の実効性が求められています。 
ところが、県が策定した計画の基本理念には、女性の福祉増進及び自立はありますが、肝心の「人権の尊重、擁護」「男女平等」の文言が見当たりません。県内でも、女性であるがゆえに強いられている男女の賃金格差や非正規雇用等による生活困窮、子育てや介護の負担、DVや性的搾取など、問題が多様化、複雑化しています。根本には、財界の儲け第一主義や、戦前からの根強い男尊女卑の影響があると考えます。知事、そもそも女性が何故、こうした困難を抱えているとお考えか。見解を伺います。「女性の福祉増進」と「人権の尊重、擁護」「男女平等」は一体のものです。県がその立場に立ち、計画の基本理念にもきちんと明記すべきですが、どうか。その視点から、県内で困難な問題を抱える女性の実態調査をすべきです。其々、お答え頂きたい。
そのうえで県としてどう、公的責任を果たすのか、今回は3点に絞り伺います。第1は、県や市町村で、困難な女性に寄り添う女性相談支援員の体制を抜本強化することです。ところが県の調査でも、県全体の支援員数が前年度の4月と比べ97名から91名へ、6名も減っています。新法施行の初年度から女性相談支援員を減らした理由は何か。しかも、県内の4分の3の市町村には支援員がいません。県支援員の増員と同時に、県内全自治体で支援員を確保できるよう支援すべきです。其々、お答え下さい。                           
待遇も劣悪です。県の女性相談支援員は、全員が非正規で月収15万円そこそこ。これでは募集してもなかなか集まりません。専門性が必要な支援員が不安定雇用でよいはずがありません。県支援員の正規化と待遇の大幅改善に踏みきるべきです。お答え下さい。
 第2は、DV等の被害にあった女性らが駆け込む県女性サポートセンターや県配偶者暴力支援センター(保健所)の支援の改善です。私はこの間、DV被害者からの相談を受けてきました。県センター等にやっとの思いで相談した方が、一時保護を申し出た所、その場で本人申請が受理されず、地元市などに再度相談しなければなりません。一から、出直せということですか。DV被害者が、2度、3度と、フラッシュバックしながら、どんな暴力を受けたか、訴えなければならない、その辛さを県はどう認識していますか。少なくとも県女性サポートセンターや県保健所などの県配偶者暴力支援センターは、本人から一時保護申請があった場合は即座に受理し、ワンストップで支援すべきです。其々、お答え下さい。
 第3は、県の新規事業、若年被害女性へのアウトリーチ・居場所づくりのさらなる充実です。踏み出したことは評価しますが、夜間の繁華街などで相談した被害女性を、どう支えるかです。館山や富津には女性自立支援施設がありますが、繁華街などが多くある東葛地域にはありません。東葛地域等に、若年被害女性を対象とした、通所も可能な女性自立支援施設の新設が必要だと考えますがどうか。其々お答え下さい。       

 次に教育問題について伺います。1つ目は教員不足解消についてです。今年3月1日現在、教員未配置は過去最多の469人に上りました。そのもとで教育長は、市町村教育委員会に異例の通知を出しています。本来なら35人以下の少人数学級にすべき小学5年生以下でも、「弾力的な運用」で36~40人にできるというものです。県は「教員不足対策ではない」と言い張りますが、実際、通知どおり35人以下学級にしなかった20校のうち8校で教員未配置がありました。3名未配置の小学校を訪問しましたが、2つの学年でひとクラス35人を超えています。学校に必要な先生がいないのに、40人学級にしてもかまわないという通知を出す。県教委がやっていることは、教員不足解消、少人数学級への逆行ではありませんか。教育長、直ちに通知を撤回し、教員不足解消、少人数学級を本気で推進すべきです。併せて、千葉県の低い講師の待遇を、東京都や埼玉県、神奈川県のように正規教員と同額の給与水準に引き上げるべきです。それぞれお答えください。
 2つ目は、特別支援学校の教室不足、過密化解消についてです。児童生徒の増加に、県の施設整備が全く追いついていません。昨年10月1日現在の文科省の教室不足調査によると、千葉県では、音楽室など特別教室の転用や教室の合同で凌いでいる数は287に上ります。今後も更に増える見込みです。ところが、今年度までに解消するのはたった7教室。しかも全国では約7割の自治体が、教室の不足数を減らしたのに、千葉県は不足を増やし悪化させています。教育長、なぜ、教室不足をここまで深刻化させたのか、お答え頂きたい。
 ある特別支援学校では、約40年前の開校時と比べ、児童生徒数が4倍、ところが教室数は2倍です。やむを得ず音楽室、図書室、廊下等々10数か所を潰して普通教室に転用し、教室も合同使用。楽器は周囲への迷惑にならないよう大きな音は出せない。子どもがパニックになってもクールダウンの部屋がなく、不安の連鎖で大声をあげる手を出す等、子どもも先生も辛い状況です。教育長、障害のある子どもの成長、学ぶ権利が脅かされており、一刻も放置できないのではありませんか。お答えください。
 昨年4月からは、漸く世論と運動が実り、特別支援学校設置基準が施行されました。学級編成は、障害種別ごとに小中は6人以下、重複障害は3人以下です。しかし実際は、千葉県ではこの基準に合致しない現状が、蔓延しています。新設校だけでなく既存校も含め、この水準を目指すのはいうまでもないことです。既存校は、いつまでに、国の特別支援学校設置基準に、合致させるつもりか。お答え頂きたい。
 千葉県は、第3次県立特別支援学校整備計画で1065人の過密状況を解消するとしていますが、着手されている3校新設と2つの教室棟増設では約610人分にしかならず、過密化解消の抜本策にはなり得ません。教育長、今、直ちに緊急対応を検討すべきです。地域に根差した小規模分散型の、児童生徒100人程度の特別支援学校を10校、新設すべきではありませんか。お答え下さい。                                                      

 最後に、東葛北部地域の周産期と小児医療体制の拡充について伺います。東葛北部は、人口約140万人出生数も約1万人で、子どもの数も急増していますが、NICU(新生児集中治療管理室)が全く足りません。国の指針による必要数は23ないし27床ですが、現在は松戸市立総合医療センターの15床だけ、約半分です。
先日、訪れた日も、NICUは満杯。医療関係者から「年間通しほぼ満床」と言われ、胸が詰まりました。県は、県全体ではNICUは足りている等と言いますが、数字だけの話、実情に合いません。東葛北部地域で、国指針を満たすよう、松戸市立総合医療センターのNICU増床をはじめ、周産期医療拡充に全力をあげるべきですがどうか。併せて松戸市立総合医療センターの医師・看護師、医師事務作業補助者や、保育士、薬剤師等の体制を拡充できるよう、県として、さらなる支援をすべきです。其々、お答え下さい。そもそも、千葉県の小児科医師数(人口等の偏在指数)は、全国47番目と最低です。思いきった増員へ、医師奨学金制度等の更なる抜本拡充を行うべきですがどうか。

以上、一回目の質問とします。