【2023年9月県議会】日本共産党 みわ由美県議 代表質問
日本共産党のみわ由美です。党を代表して質問します。
冒頭、台風13号の大雨により被害にあわれた方々に心から御見舞い申し上げます。早期の復旧・復興により日常生活が戻るよう、充分な支援を強く求め、質問に入ります。
まず、知事の政治姿勢、初めにオスプレイについて伺います。また悲劇です。今年8月オーストラリアで米海兵隊オスプレイが訓練中に墜落し3人が死亡しました。昨年は、ノルウェーで4人、カリフォルニア州で5人が死亡。2017年も3人死亡、2016年は沖縄で墜落、米軍オスプレイ事故での死者は1992年以来57人と異常事態です。
米海兵隊は7月21日、昨年カリフォルニア州で5人が死亡した事故の調査報告書を公表しましたが、プロペラとエンジンを繋いでいるクラッチの不具合、ハードクラッチエンゲージメントと呼ばれるオスプレイ特有の現象が原因で、「操縦者や搭乗員等に過失はない」としています。米海兵隊報告書は、オスプレイの構造的欠陥を、事実上認めるものではありませんか。知事の見解を伺います。
同報告書を受け、防衛省は木更津に配備されている陸上自衛隊オスプレイの飛行を見合わせましたが、対策が適用されている等として8月14日に再開。しかし僅か2週間後の8月31日に静岡県静浜基地に「予防着陸」とよばれる緊急の着陸をしているではありませんか。ハードクラッチエンゲージメントが起こらなくとも安全とはいえません。知事、構造的欠陥があるオスプレイに自衛隊員の命を預けてよいのか。木更津への暫定配備や整備拠点化撤回を国と米軍に求めるべきです。其々お答え下さい。
次に、いわゆるマイナ保険証についてです。政府は、来年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一本化しようとしています。しかし、誤ったひも付けに関する政府の「総点検本部」が8月8日中間報告を公表、マイナ保険証に他人の情報が誤登録されていた事例が新たに1069件、既に判明していた事例と合わせ8441件もの誤登録が判明しました。他人の情報をもとに診察、処方が行われれば、命に関わる事故が起きかねないと、医療者は危機感を募らせています。まさに「命の問題」です。知事、この事態を、どう受け止めているのか。お答え下さい。
しかも、マイナ保険証の誤登録は、ひも付け誤りに起因するものだけではなく、資格確認の際に、負担割合が誤って表示される事例も千葉市で5件、確認されました。千葉県保険医協会が行った緊急調査でも、同様の報告があった医療機関の所在は、県内18自治体に及びます。重大なのはこの負担割合違いは、健康保険証を持っていたからこそ分かったものであり、厚生労働省自身も6月29日にマイナ保険証の不具合に備え、健康保険証を持参するように呼びかけているではありませんか。知事、健康保険証をなくす理由などありません。いよいよ明確になったのではないでしょうか。知事の見解を伺います。
この間、保険証廃止の撤回や延期を求める声が湧き上がっています。JNNが8月5・6両日に実施した世論調査では、一連の政府方針に対して「廃止期限を延期すべき」と「方針を撤回すべき」が合わせて69%となっています。前述の千葉県保険医協会の調査では保険証を残す必要あり、と答えた医療機関は9割。7月から8月にかけて共同通信が自治体に対して行った調査では、県内15もの自治体が保険証廃止の延期や撤回を望んでいます。一方で知事は、そのアンケートに対し「社会保障に係る経費の節減等に資するもので、推進すべき」などと回答しています。世論に背くものです。知事は、一連の世論調査、自治体への調査結果を、どう受け止めていますか。お答え頂きたい。
マイナンバー制度自体が、政官財の癒着にまみれています。マイナンバー事業を受注してきた企業が2014年から21年までの8年間、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計5億8000万円もの献金をしていたことが明らかになりました。個人情報をビジネスに利用するため、マイナンバー制度を強力に推進したのは財界です。その結果拙速な保険証廃止がトラブルや混乱を招いているのです。知事、保険証廃止を撤回するよう、国に求めるべきですが、どうか。答弁を求めます。
次に、福島第1原発事故の汚染水・アルプス処理水の海洋放出についてです。全国漁業組合連合会が、「漁業者・国民の理解を得られない海洋放出に反対」との会長声明を発表し
多くの国民が怒りの声をあげる中、8月24日に強行されました。政府が、「漁業者など関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と、漁業者、国民と交わした約束を公然と投げ捨てたことは、民主主義の根幹を揺るがすもので断じて許せません。
2011年の原発事故以来、諸外国が千葉県産の農水産物などの輸入を規制し、県内経済に大きな影響がありました。先日、12年連続水揚げ量日本一を誇る銚子のある漁業関係者に直接伺いましたが、輸送、仲買、加工、販売と漁業だけでなく広く地域経済が影響を受けると危機感を募らせています。勝浦でも、輸入停止措置の影響で、これまでキロ当たり4万5千円で取引されていた黒アワビが2万7千円と6割まで既に値が下がったとのことです。知事、不安の声をどう受け止めていますか。お答え下さい。千葉県の漁業をはじめとする地域経済を守るためにも、汚染水・アルプス処理水の海洋放出をやめるよう、国に求めるべきです。知事の見解を伺います。
次に、新湾岸道路をはじめとした高速道路網の建設について伺います。千葉県では、高速道路の建設に力を入れ、新たに「新湾岸道路」の建設に踏み出そうとしています。しかし、周辺環境への影響も大きく、莫大な経費がかかる大規模道路建設を一気呵成にすすめていいものでしょうか。
新湾岸道路について基本方針では、「多車線の自動車専用道路」であり、「規格の高い道路として」「外環高谷ジャンクション周辺から蘇我インターチェンジ周辺ならびに市原インターチェンジ周辺まで」を結び、「湾岸部においてルートの検討を進める」としています。また、「既存の都市計画や県の確保済用地を有効に活用する」とも記されています。県は、ルート構造は決まっていないとしていますが、基本方針の記述を勘案すれば、構想されている第2湾岸道路の東側千葉より部分にぴったりと重なります。
実際に、県が作成した「千葉県広域道路交通ビジョン・千葉県広域道路交通計画」に掲載されている「広域道路ネットワーク図」では、新湾岸道路は「第2東京湾岸道路を軸とした新たな規格の高い道路ネットワーク」とされており、第2湾岸道路の西側市川寄り部分も「第2東京湾岸道路」の構想路線として位置づけられています。そもそも第2湾岸道路は、60年も前に国が策定した3環状9放射の道路網構想に位置づけられているものです。しかし経済も社会も大きく変わってきているのに、60年も前の構想にしがみついていていいんでしょうか。大規模公共事業で企業の利益を後押しすればうまくいくという、一世代前の古い考え方は転換すべきだと考えますが、どうでしょうか。
基本方針では、「ルートや構造の検討にあたっては、千葉県三番瀬再生計画との整合性を図るとともに、地域の生活環境に配慮した計画とすること」と明記しています。しかし、整合性を図ることは可能なのでしょうか。新湾岸道路は、高谷ジャンクションから千葉市蘇我方面に向かい、湾岸部を通るとされています。常識的に考えれば、現在の湾岸道路より海寄りのルートになり、三番瀬とラムサール条約登録湿地である谷津干潟との間につくることが想定されます。
三番瀬再生計画には、「ラムサール条約湿地である谷津干潟を三番瀬との関連の湿地と位置付け、都市と自然が共生したまちづくり等を促進」するとあります。これは、これまでの調査で、三番瀬と谷津干潟を鳥が行き来していることが明らかとなっているからです。しかし、新湾岸道路が三番瀬と谷津干潟との間に建設されることになれば、行き交う鳥たちにとって、巨大な壁として立ちはだかることになります。新湾岸道路の建設は、三番瀬と谷津干潟との関係を大きく損なうものとなると考えますが、どうでしょうか。
千葉市部分でも既存の都市計画や県の確保用地を活用しようとすれば、県道千葉船橋海浜線を活用したルートとなり、さらにその東側でも海沿いを走ることになります。この周辺には住宅が密集しており、拠点病院もあり、完成後の景観の問題や、工事中の影響も大きなものとなります。生活環境の悪化は避けられないと思いますが、いかがでしょうか。
新湾岸道路の具体化にあたっては、県内で初めて計画段階評価の手法を取り入れることとなっており、現在、開かれている検討会準備会のなかで議論が終結すれば、着手することになります。その最大の特徴は、複数のルート案を提示することと、住民の意見を集約することにあります。この仕組みを生かすためにも、ルート案が提示される前から、住民が参加できるタウンミーティングなどを繰り返し開催することや、インターネットなどを通じた意見募集を行うこと、どんな意見が寄せられたかを県民に広く公表すること、などを実施すべきだと考えますが、お答えください。
千葉県は新湾岸道路をはじめ、広域道路ネットワーク構想に執着し、県民からは「こんなに道路ばかりつくってどうするのか」という声も出るほどです。県は、産業の活性化と言いますが、道路を造ればうまくいくのでしょうか。ネットワーク構想では、「人口減少と少子高齢化に伴い、本県経済活動の停滞が懸念されることから、県内外及び県内各地を道路ネットワークで結び、人・モノの交流を活発化させる必要がある」と書かれていますが、高齢化で求められているのは生活圏内での日々の移動であり、公共交通の強化が求められています。広域な大規模道路網を張り巡らせるのではなく、地域密着型の交通施策に、重点を移すべきだと考えますが、どうでしょうか。
大規模道路への執着の一方で生活道路がまったく後回しになっていますが、高齢者にも子育てにも安心して歩ける地域の道路が必要です。ところが、例えば松戸市内を見ると、生活道路として使われている県道が、安心して歩けない事態となっています。昨年3月、松戸市高塚新田の県道市川柏線で、自転車に乗っていた21歳の女性が後方から来た軽乗用車にはねられて亡くなりました。この道路は、北から拡幅工事が進められてきましたが、高塚十字路より南側で用地買収が困難な場所があり、そこで止まっています。市議会では、「その部分は保留にして、先へ進めてほしい」との要望も出されていましたが、県は「ここが終わらなければ次にいけない」との態度をかたくなにとり続けており、これが死亡事故の遠因ともなっています。こうしたところにこそ、光を当てて一刻も早く、安全な道路にしていくべきだ、と考えますが、どうでしょうか。
次に、国民健康保険制度について伺います。「国保の都道府県化」・広域化がスタートしてから今年で6年目となり、先日、来年度から、6年間を対象期間とする、「第2期県国民健康保険運営方針(骨子案)」が示されました。第2期案には、一つに「所得と世帯構成が同じで県内どの市町村に住んでも同じ保険料になること」をめざす保険料水準の統一が掲げられ、二つには、これまで市町村が保険料の値上げを抑え、保険料負担軽減のために独自に行ってきた、一般会計からの、いわゆる法定外繰入を、2030年度までに解消することとの目標が示されています。
県内各地で高すぎる国民健康保険料(税)に住民が悲鳴を上げ、県内の保険料滞納世帯は11万4千、全加入世帯の13%にも及ぶ事態となっており、改めて国民健康保険制度がかかえる問題について質問いたします。
まず国民健康保険制度の構造的問題についてです。全国知事会などの地方団体は、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」と指摘し、国に対し抜本的な財政基盤の強化策を求めています。
県の第2期運営方針案では、今後「社会保険の適用拡大及び高齢世代の就労者増により、所得が低い被保険者が相対的に増加することが見込まれ」、同時に「被保険者の保険料負担が更に増加することが見込まれる」として、構造的問題がより深刻化していくことが示唆されています。そこで伺います。国保が抱える構造的な問題について、現時点での県の認識はどうか。お聞かせ下さい。
県の運営方針の冒頭には「社会保障制度の中核をなす国民皆保険の最後の砦である国民健康保険制度」との基本理念が掲げられています。
社会保障制度とは、言うまでもなく、憲法25条に基づく生存権を保障するものです。徴収した税や保険料、不足分は租税等を充当させることによって社会サービスを給付するものであり、国や自治体の責任において住民の命や健康を守り、財政的にも支える仕組みであるはずです。社会保障制度というなら、命と健康に直結する医療は、お金の心配なく誰もが受けられる、これがあるべき姿だと思うが知事の認識はどうか。国保制度を社会保障にふさわしく見直していくことこそ、今必要だと思うが、どうか。あわせて、お答えください。
その上で、国保が抱える現状の問題について伺います。まず保険料についてです。県が法に基づいて算定する「標準保険料率」によって示される県平均標準保険料は毎年引き上げられています。今年度の標準保険料は1人12万5182円と制度改正時の125%にも引き上げられています。
では、実際の保険料負担がどうなっているのか。私の住む松戸市では、例えば年間所得257万円の40歳代夫婦2人と小学生2人を抱え、軽減措置が適用されない4人家族の年間の保険料負担が実に39万7000円にもなっています。物価高騰などで、暮らしが追い詰められている中、知事、これが払える保険料といえるのですか。知事の認識をお聞かせ下さい。
次に、県が市町村に示す標準保険料率についてです。県の国保運営方針には「県は市町村が保険料率を決定する際の参考となる標準保険料率を示」し、「市町村は標準保険料率を参考に」、「地域の実情を考慮し、保険料率を決定する」と明記されています。
ということは、県が示す標準保険料率は、法令上も運営方針上も、あくまで「参考値」にすぎないということです。であるなら、標準保険料率は市町村の保険料算定を拘束するものではなく、当然、強要すべきものでもないと思うがどうか。お答え下さい。
市町村が独自の努力によって、高すぎる保険料を抑えるために行っている、一般会計から補填する、いわゆる法定外繰り入れについて伺います。
第2期県運営方針案では「被保険者以外の住民に負担を求めることになることから、解消・削減を図るべき」として、「2030年度までに解消する」としています。現に制度改正前、2015年度には26団体・152億円の法定外繰り入れが行われていましたが、2022年度には、9団体36億円にまで減少してきています。
しかし制度改正以前、2015年に国会で「一般会計からの繰り入れは、それぞれの自治体でご判断いただく」「これを制度によって禁止するというようなことは考えていない」と厚労省保険局長が答弁しています。そこで、まず市町村が行う法定外繰り入れを削減し、解消しなければならないとしている、その法的根拠をお示しいただきたい。地方自治の原則に基づいて自治体の判断で実施は可能ではありませんか。併せてお答え下さい。
県独自の支援策の拡充も急務となっています。子どもの均等割りは、2022年度から未就学児については5割軽減となりました。県内では、市川市、南房総市、富津市で、
18歳までの均等割減免に踏み出しています。国に求めることとあわせ、子育て世代の負担軽減という視点から、県独自の支援拡充策を検討すべきと思うがどうか。お答え下さい。
次に、加齢性難聴者に対する補聴器購入費の補助を求め、伺います。耳が遠くなり、外出がおっくうになった、そんな方が増えています。私は松戸駅で、ある高齢の女性から「自分は年金がなく、幾つになっても今の仕事で、働き続けるしかない。ローンで片耳34万円の補聴器を買ったけれど、聞こえが悪くなればまた買い替えです。東京のように補助して下さい」切々と、訴えられました。まさに、死活問題です。
日本老年学会によれば、一般に加齢性難聴は、高齢者の2人に1人と推計され、補聴器は必需品です。厚労省の認知症対策新オレンジプランでも、難聴は、「認知症の危険因子の一つ」とされ、人と話さなければ、うつ病や要介護に至るリスクも高まることから、もはや看過できません。そこで、伺います。補聴器の利用促進でこそ、高齢でも生活の質を落とさず心身とも健やかに過ごすことができる、認知症の予防、健康寿命の延伸、医療費抑制にも繋がると思いますが、県の認識はどうか。県内の加齢性難聴者の実態を具体的にどう把握していますか。お答え下さい。
最大の問題は、補聴器の購入費が、片耳数万円から5~60万円と色々あり、高額な補聴器を使わなければならない場合は、個人の負担が大変重くなることです。
今の身体障害者の制度では、両耳70デシベル以上、耳元で大声で話せば聞こえる重度・高度の難聴者には、補聴器購入費の1割負担で購入できる一部支給制度がありますが、両耳41デシベル以上、約3m以内で話さないと聞こえない中等度の難聴者、圧倒的多数の加齢性難聴者には、何の支援もありません。
しかし欧米では、中等度の難聴者から、補聴器購入の補助があるため、日本では難聴者全体のうち補聴器保有者は14%ですが、デンマークは55%イギリス52%と、格段の差で普及が進んでいます。国も、「孤独・孤立対策の重点計画」を、昨年12月に改定して、「補聴器等の利用による社会参加の促進」が明記されました。WHOも、早期からの補聴器の使用こそ、聞こえを改善するうえで重要、と推奨しています。
ところが日本では、とりわけ多くの低所得者が補聴器を入手できず、元気な高齢者が、認知うつになるリスクが、急速に広がっています。加齢性難聴の高齢者が、補聴器を購入する際の公的補助制度を創設するよう、県として国に求めるべきですが、どうか。お答え下さい。
同時に全国では、中等度・軽度難聴者の補聴器購入に、補助する自治体が123市区町村に急速に増えており、県内では船橋、浦安、印西、鎌ヶ谷市で実施しています。県として、加齢性難聴者への補聴器購入費の補助制度創設に踏み出すべきです。お答え下さい。
次に、「千葉県多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例」について伺います。「多様性が尊重される社会」を望まない人は、誰もいません。ところが今、その多様性の前提となる、憲法で保障された個人の人権や、尊厳が、十分に守られていない、ここに最大の問題があるのではないでしょうか。
日本のジェンダーギャップ指数は世界125位と過去最低です。県内でも年齢、性別、障害、性的指向や性自認による差別や不平等が深刻です。多様性が尊重されず、差別や生きづらさを強いられ、県民が苦しんでいる、深刻な実態です。正面から直視し、原因を元から根絶し、人権と尊厳を守るため全力を挙げるのが県の責務ではありませんか。本条例はその重要な柱となるべきですがどうか、見解を伺います。
とりわけ千葉県は、全国で唯一男女共同参画条例がなかったことから、知事が条例制定の意向を表明した2月以降、県内外から注視されたのは当然です。ところが8月末に骨子案が公表されると、これで本当に人権が守れるのか、「多様性尊重」とは「似て非なるもの」にならないかなど、懸念の声が多く寄せられています。そこで幾つか指摘し、伺います。
第1は、進め方です。そもそも多様性が尊重される社会は、行政や県民がお互いに力を合わせてこそ、実現できます。そのためには骨子案の段階から、県民、関係団体、有識者などの意見を十分に聞き、練り上げていく、その観点が欠かせません。
ところが今回は、骨子案策定にあたり、2月以降、例えば、LGBTなどの団体や、女性団体等からの意見は聴取していません。2002年「男女共同参画の条例案」では、骨子案の起案段階から、「懇話会」に専門部会を設置し、県民との意見交換会も多数開催しました。進め方の違いは明瞭であり、今回は「多様性」と言いながら、起案段階から多様な民意を聞く姿勢が欠如しているのではないですか。お答え下さい。条例策定のための専門部会の設置や、市町村毎の意見交換会、タウンミーティング開催など、民意がきちんと反映できるようにすべきですがどうか。答弁を求めます。
第2は、「多様性尊重」と、いいながら、「人権」という文言が一切なく、一番重要な「人権」を守る視点が欠落しているということです。その一方で「活躍」が15回活力もいれると19回も、繰り返し出てきます。加えて成田空港機能強化、道路ネットワーク等、具体的な経済政策が列挙されています。「多様性尊重」は、活躍・活力のためですか、まるで経済振興条例のよう、と、期待されていた方からも、疑問の声が上がっています。これでは、人権を後景に追いやるのか、との誹りを免れないがどうか。お答え頂きたい。
そもそも人権は無条件で守られるべきです。差別は絶対にあってはなりません。骨子案に「人権」と「差別禁止」を明記するのは当然です。なぜ入れないのか。きちんと、お答え頂きたい。「多様性尊重」社会は、「活躍できる」かどうかではなく、年齢、性別、障害、性的指向や性自認など、の違いによって差別されない、誰もが「自分らしく生きられる」社会です。その事こそ、中心にきちんと据えるべきですが、どうか。答弁を、求めます。
第3に、県は、今回の条例制定により、男女共同参画条例が全国で唯一なかった千葉県も条例をもつ県になるなどと、説明していますが、到底、認められません。県民は、男女の性別、社会的文化的に意図的につくられた性差によって差別されることなく、誰もが自分らしく生きられる社会をと、願っていますが、本骨子案のどこを根拠に、男女共同参画条例ができた、参画や平等が促進できるなどとおっしゃるのか、ハッキリわかるようにお答え頂きたい。
例えば、埼玉県男女共同参画条例では、「個人の尊重と法の下の平等は日本国憲法にうたわれ」と、憲法にもとづく男女平等の実現や、国際婦人年以来の『平等・開発・平和』、「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」など、国際的な人権の理念を明記しています。そのうえで、「真の男女平等の達成には多くの課題が残され」と現状を分析し、例えば暴力の根絶、性と生殖に関する健康と権利の尊重等も定め、独自に「事業者の責務」「基本計画の策定」「苦情の処理」も明記しています。少なくとも、埼玉県のように、憲法や国際的な人権の理念や、現状分析、是正や解決のために必要な具体的な内容や「事業者の責務」「計画の策定」等が明記されてこそ、実効性ある条例ができたと言えるのではないでしょうか。答弁を求めます。
また近年では、国連SDGsの17の目標の一つである「ジェンダー平等」を明記した条例が増えています。今日、大きな社会問題となっている働く場での男女賃金格差の是正およびハラスメント禁止、性的マイノリティの人権無条件保障、痴漢・DVなど女性に対するあらゆる暴力の根絶、被害者救済、意思決定の場へ女性をふやすことは急務であり、ジェンダー平等の課題は山積です。国際的な水準に立つジェンダー平等の理念を明記した、実効ある条例の制定こそ必要ですがどうか。お答え下さい。
以上、縷々指摘しましたが、公表された「骨子案」は、抜本的に見直しをして、再提案するよう強く求めます。見解を、お聞かせください。
次は、子どもと教育をめぐる問題です。まず教員の多忙化、長時間労働について伺います。新規採用の教員は、「素晴らしい先生に出会い、私も教員になったが、今は忙しすぎ。理想と現実のギャップが大きい」また、小学生2人の子を育てる40代女性のベテラン教員は、「1日6時間の授業のほか、行事のしおりや教育委員会への提出物の作成、会議など実務に追われて時間がない。休日の子連れ出勤もある」と、訴えています。
昨年、県教委が実施した「教員等の出退勤時刻実態調査」は、月当たりの時間外在校等時間45時間超えは、中学校69.5%、小学校57.2%に上り、最長は中学校教頭の116時間50分でした。昨年、千葉県高等学校教職員組合による「出退勤時刻実態調査」では、過労死ラインの月80時間超えの教員は534名(8.42%)、100時間200時間超え、夜中12時でのタイムカードの打刻もありました。教育長、教員の長時間勤務の深刻な実態について、認識をお聞かせ下さい。
中央教育審議会が提出した「学校における働き方改革に係る緊急提言」でも、現状は看過できない、「教員が授業や授業準備等に集中し」「健康でいきいきとやりがいをもって勤務でき、教育の質を高められる環境」が必要と述べています。最も多忙な学級担任や部活動の負担軽減を、中教審が言うように「教職員一人一人の問題」にすべきではありません。
2016年、中学3年の担任で部活顧問の40代の富山県滑川市の教員が過労死しました。富山地裁は7月、全教員が部活顧問を担当し自主的活動とは言えない、校長は過重業務の把握は可能だったが119時間の時間外勤務の是正措置を取らなかったのは安全配慮義務違反、と認定し、市と県に、賠償を命じました。
県内でも、先ほど紹介した子育て中の教員は、「算数の教具づくりとか、やりたいことがいっぱいある。欲しいのはいい授業をするための時間。先生増やして、持ちコマ数減らして」と言います。中教審は、教職員の業務が非常に多岐にわたり業務負担が増大している、本来業務に集中できるような体制を、担当授業時数の軽減を、と提言しています。千葉県独自に教員を増やし、1人1人の業務量の削減、担当授業時数の軽減に踏み出すべきではないでしょうか。お答え下さい。
長時間勤務の下、教員は、「子どもを、人間を育てているから、人間味が必要。疲れ切ってちゃだめ。私は辞める気ないけど、このままじゃ続けられない、という気持ちが分かる」と、早期退職の同僚に心を痛めています。長時間勤務の抜本的な解消を求めます。
おおもとにあるのは給特法です。基本給4%の調整額で常態化する時間外勤務を、「無制限無定量の勤務」と中教審は言っています。先の6月文教常任委員会で県は、時間外勤務の不支給額は1人当たり年間約120万円との試算を明らかにしました。単純計算で10年で1200万円、大卒で60歳まで38年間勤務すると4560万円にもなります。これだけの時間外手当が、事実上不支給、ただ働きとの認識はありますか。お答え下さい。
文科省も、給特法の調整額の若干の増額や、担任手当の創設などの導入を検討していますが、長時間勤務の根本的な解決にはならず、不払い残業の根絶、時間外手当の支給は急務と、強調しておきます。
次に、エアコン設置についてです。県立高校では、特別教室や校長室・職員室など管理諸室への設置を進めていますが、教員が授業の準備を行う教科準備室は、対象外です。
今年7月上旬、県立高校の50代の教諭が亡くなりました。死亡報告には「勤務状況・健康状態ともに良好で、亡くなる前日まで勤務しており、突然のことであった」と校長の意見があります。この教員はエアコンのない準備室で業務し、体調不良を訴え、普段より早めに、定時に帰宅した翌朝、亡くなっていました。エアコンのない環境で業務していた現職教員の突然の死亡、この事実をどう受け止めているか。認識をお聞かせください。
死亡した教員の県立高校で、別の教員に直接伺いました。「危険な暑さで、毎年数回熱中症になる。頭痛や呼吸困難、激しい動悸。PTAがエアコンを設置した教室から、扇風機4台で準備室に冷風を送ってしのぐが、普段は午前7時で35℃になる」と言います。他の準備室でも扇風機を何台も使ったり、個人で卓上冷風機等を購入・設置していました。
当該校は、7月中旬「以前から要望があったから」と4つの教科準備室に家庭用のウインドエアコンを学校予算のやり繰りで設置しましたが、フルパワー運転でもなかなか冷えず苦労していました。教科準備室は教育上必要な施設ではありませんか。お答え下さい。
教育機関では、熱中症の注意喚起が行われています。「学校における熱中症対策ガイドライン」は31℃以上で運動は原則中止、外出はなるべく避け涼しい室内に移動すること、としています。熱中症事故は体育・スポーツ活動だけでなく、運動部以外の部活動、屋内の授業中、登下校中も発生していることから、適切な防止措置が求められています。繰り返し熱中症対策が求められているのに、なぜ教科準備室はエアコン設置の対象外なのか。お答え下さい。
教科準備室は、高等学校設置基準第15条の、校舎に備えるべき施設であり、第12条で、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上、適切なものでなければならない、とあります。高等学校施設整備指針は、生徒等の学習及び生活の場として、また、教職員の働く場として、通風、換気、室温などの影響等に配慮した良好な環境状況を確保することが重要としています。高温を避けるためにパソコン室にはいち早くエアコンが設置されたものの、今なお準備室は対象外で、教員は「私たちはパソコン以下」と嘆いています。教科準備室に急いでエアコンを設置すべきではありませんか。答弁を求めます。
最後に、私が住んでいる松戸市の街づくりについて、伺います。はじめに、流鉄・流山線小金城趾駅のバリアフリー化について、です。1日の乗降客約1500人の小金城趾駅は、エレベーターもトイレもなく、登りの階段を42段のぼって改札口へ、次に、下りの階段を32段降りてホームへ、合計74段も上り下りしなければ、電車に乗れません。「車椅子もベビーカーも無理」「雨の日は、傘と荷物を持つと、手すりも使えない」など切実です。駅周辺には、介護・医療施設が20カ所以上もあり、改善は待ったなしです。小金城址駅の現状について県の認識は、どうか。松戸市や流鉄と協力して、小金城趾駅のバリアフリー化やトイレ設置の早期実現を図るべきです。其々、お答え下さい。
次に、1日の乗降客約2万2千人のJR馬橋駅東口ロータリーに通じる一般県道馬橋停車場線の拡幅についてです。歩道がなく狭くて危険なため、過去にも本会議で取り上げましたが改善されていません。その結果、県警によればこの2年半だけでも7件も人身事故が発生し、うち6人が歩行者で負傷している事実が判明しました。朝夕は通学路にもなる狭い県道と駅ロータリーに人と車が集中していますが、他の駅ではあたりまえのバス乗り入れも出来ません。改善は急務です。
そもそもここは30数年前に県が決定した都市計画道路ですが、松戸市は、駅前の高層ビルと一体の道路拡幅などの再開発はとっくに断念しており、県街路事業でと市の意向を伝えています。県が、いつまでも採算に合わない計画を市に強いるのは止めるべきです。放置すればケガ人が増えるだけです。県として、松戸市と必要な協議手続きを進め、県道馬橋停車場線拡幅の早期実現をはかるべきです。ご答弁下さい。
以上、一回目の質問とします。
〇熊谷俊人知事 共産党のみわ由美議員の代表質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
マイナンバーカードへの保険証情報の登録に関する御質問ですが、マイナンバーカードに別人の保険証情報が登録された事例について、国は保険者において加入者の個人番号を取得する際に、漢字氏名や住所を確認せずに取得するなど、本来の事務処理とは異なる方法で行ったことが原因だとしております。デジタル社会を進めていくためには、個人情報の保護やデータ内容の正確性の確保は重要と考えており、今後は、国において再発防止に向けた取組をしっかりと進めていただきたいと考えております。
健康保険証の持参を求めていることについての御質問ですが、今回の対応について、国からは今後、被用者保険の加入者に対して、転職等による新規保険証発行の際に、オンライン資格確認等システムへのデータ登録状況を知らせる仕組みが整備されるまでの時限的なものであると聞いています。今後、各保険者等において、この仕組みが順次整備されていけば、加入者が医療機関等で安心してマイナンバーカードを利用できる環境の整備が図られていくものと考えております。
健康保険証の廃止に関する御質問2問については関連いたしますので、一括してお答えいたします。
マイナンバーカードの保険証利用は、薬剤の処方歴や健診等の情報を確認し、被保険者自身が健康管理などに活用できるほか、医療機関を受診する際、他の医療機関での受診履歴等の情報を用いた正確な診断や処方が受けられるようになるなど、様々なメリットをもたらすものであり、県としては推進すべきものと考えます。このため、県ではホームページによる周知を行うほか、市町村と連携をし、窓口で県民に対し直接働きかけるなど、引き続き普及啓発に努めてまいります。国においてはマイナ保険証のメリットをより丁寧に国民へ説明するとともに、信頼回復に向けた取組をしっかりと進めていただきたいと考えております。
ALPS処理水の御質問2問については関連いたしますので、一括してお答えいたします。
ALPS処理水の海洋放出は、専門家による科学的根拠に基づく報告書を踏まえ、国が判断したものと受け止めています。国に対しては処理水の安全性について、国内外に十分な情報発信を行うとともに、影響が懸念される様々な産業に対する支援策を着実に実施するよう求めてまいります。
次に、道路ネットワークについてお答えいたします。
道路に関する大規模公共事業の考え方についての御質問ですが、広域的な幹線道路などの整備により、経済成長を持続させるための生産性の向上や災害時に円滑な救命救急活動を可能とするなど、防災力の強化が図られるものと考えています。また、幹線道路に自動車交通を誘導することにより、生活道路などの交通混雑の緩和や交通事故の減少にも寄与するものと考えております。引き続き本県の将来の発展や県民生活の利便性向上を図るため、広域的な幹線道路の整備を推進するとともに、交通安全対策や渋滞対策など、県民生活に密着した道路の整備にも努めてまいります。
次に、国民健康保険制度についてお答えいたします。
制度に関する県の認識についての御質問ですが、国民健康保険制度には、他の保険制度と比較すると、年齢構成が高く医療費水準が高いこと、所得水準が低いこと、所得に占める保険料の負担が重いことなどの構造的な課題があると認識をしています。県は財政運営の責任主体として、国保運営方針に基づき、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保に努めているところであり、国に対しても、毎年、将来にわたり持続可能な国民健康保険制度を構築するための財政基盤を国の責任において確立するよう要望しております。
次に、多様性条例についてお答えいたします。
人権と尊厳を守ることと条例がその重要な柱となることについての御質問2問は関連いたしますので、一括してお答えいたします。
私たちの社会は、年齢や性別、国籍、障害の有無など様々な違いがある人々で構成されていますが、こうした違いにかかわらず、人権が尊重され、差別や生きづらさのない社会を築いていくことは大変重要と考えています。そのため骨子案において、あらゆる人々が差別を受けることなく、一人一人が様々な違いがある個人として尊重され、誰もが参加し、その人らしく活躍することができる社会をつくっていく必要があることをお示ししたところです。この条例の下、多様性尊重の理念を県政のあらゆる分野に浸透させることで、差別や生きづらさがなく、誰もが自分らしく生き、活躍できる社会づくりを進めてまいります。
骨子案策定に当たっての意見聴取と民意の反映についての御質問2問は関連いたしますので、一括してお答えいたします。
条例の骨子案は国や他自治体の状況等を調査分析するとともに、有識者からの情報収集や当事者団体との意見交換等も行いながら検討を重ね、取りまとめたものです。また、現在、骨子案については、パブリックコメントや市町村への意見照会、男女共同参画推進懇話会等の有識者会議への報告に加え、経済団体や当事者団体等との意見交換も行っているところであり、様々な立場の方々の意見を伺いながら、丁寧に条例案の検討を進めていきたいと考えております。
男女共同参画条例を持つ県になる根拠についての御質問ですが、骨子案では、目指す社会として、男性も女性も性別を理由とする不利益を受けることなく、社会のあらゆる分野に参画をし、共に活躍している社会を掲げているとともに、基本理念や県の責務、県民等の役割なども定めており、いわゆる男女共同参画条例の内容は包含していると考えています。
骨子案の再提案についての御質問ですが、骨子案は国や他自治体の状況等を調査分析するとともに、有識者からの情報収集や当事者団体との意見交換なども行いながら検討を重ね、取りまとめたものです。この骨子案を基にパブリックコメント等を通じて、様々な立場の方々の意見を伺いながら条例案を策定したいと考えており、現時点では、骨子案の再提案は考えていません。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。
〇穴澤幸男副知事 私からは、まず、オスプレイについてお答えいたします。
オスプレイの安全性についての2問は関連しますので、一括してお答えいたします。
米国で昨年発生した墜落事故に関わる事故調査報告書を受け、国において、オスプレイの機体に飛行上の安全に関わる構造上の欠陥がないこと、また、陸上自衛隊オスプレイについては、事故の再発防止策が全て適用されていることを改めて確認したものと認識しております。
オスプレイの暫定配備等の撤回に関する御質問ですが、陸自オスプレイの暫定配備等については、国が安全保障について総合的に考え、責任を持って判断したものと認識しております。県としては、これまでも国に対し安全対策の徹底や騒音をはじめとする地域環境への配慮などを重ねて要請してきたところであり、今後も木更津市と連携しながら、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。
次に、道路ネットワークについてお答えします。
新湾岸道路と三番瀬、谷津干潟との関係についての御質問ですが、新湾岸道路は湾岸地域のさらなる活性化や防災力の強化を図るとともに、我が国の国際競争力の強化や首都圏の生産性の向上に資する大変重要な道路です。この道路の計画の基本方針では、ルートや構造の検討に当たり、千葉県三番瀬再生計画との整合を図ることとされており、谷津干潟についても、三番瀬の関連湿地として再生計画に位置づけられているところです。
新湾岸道路の生活環境への影響と住民参加に関する2問は関連しますので、一括してお答えいたします。
新湾岸道路の基本方針においては、地域の生活環境に配慮した計画とすることや、広く関係する方々の意見を把握しながら検討を行うこと、地元への丁寧な説明や意見把握を行うなど、地域とコミュニケーションを行いながら検討を進めることが示されております。これらの点を踏まえ、今後、国、県、沿線市などにより計画の具体化を図るための体制やプロセスを検討することとなっております。
道路に係る交通施策についての御質問ですが、県では、生産性の向上や防災力の強化を図るため、圏央道や北千葉道路などの広域的な幹線道路ネットワークの整備に努めるとともに、県民生活に密着した道路の歩道整備や、交差点改良などの交通安全対策を推進しております。今後とも本県の発展を支える幹線道路の整備を図るとともに、県民生活に密着した道路の整備を進めてまいります。
安全な道路整備についての御質問ですが、県では、歩行者の安全・安心の確保を図るため、通学路や事故危険箇所を優先し、歩道整備等に取り組んでいるところです。また、警察や学校関係者などと連携し、路面標示や防護柵の設置など即効性のある安全対策も実施しており、引き続き、歩行者の安全かつ円滑な通行を確保する道路整備に努めてまいります。
次に、多様性条例についてお答えいたします。
人権と活躍の文言についての質問と差別禁止等の明記についての質問、また自分らしく生きられる社会についての3問は関連しますので、一括してお答えいたします。
先ほど知事の答弁にもありましたが、人権が尊重され、差別や生きづらさのない社会を築いていくことは大変重要と考えており、骨子案において、あらゆる人々が差別を受けることなく、一人一人が様々な違いがある個人として尊重される社会をつくっていく必要があることを明記しております。この条例の下、多様性尊重の理念を県政のあらゆる分野に浸透させることで、誰もが自分らしく生き、活躍できる社会づくりを進めてまいります。
実効性のある条例とするため、事業者の責務等を明記することとジェンダー平等の理念を明記することの2問は関連しますので、一括してお答えいたします。
男女共同参画をはじめとする様々な分野において実効性ある取組を実施していくためには、まずは県民の皆様と多様性尊重の理念を共有することが大事だと考えています。そこで、本条例では、県行政のあらゆる分野における施策を総合的に実施することを県の責務として明記しており、また、これまでも様々な取組を行ってきた男女共同参画の分野についても、この条例の理念を踏まえながら、さらに実効性を高めていきたいと考えております。
次に、松戸市のまちづくりについてお答えいたします。
流鉄流山線の小金城趾駅についての2問は関連しますので、一括してお答えします。
小金城趾駅は流鉄流山線のほぼ中央に位置する橋上駅であり、エレベーターやトイレがないことを承知しております。県では、高齢者や障害者等にも利用しやすい駅となるよう、エレベーターやホームドアの設置などの駅のバリアフリー化に対し補助を行っており、小金城趾駅についても、事業者や地元市の意向を確認しながら、当該補助制度を運用してまいります。
最後に、県道馬橋停車場線の拡幅整備についての御質問ですが、県道馬橋停車場線を含む馬橋駅東口地区については、現在、松戸市においてまちづくりの検討が行われております。県道の拡幅整備と馬橋駅東口のロータリーの拡幅については、まちづくりの検討状況を勘案しながら、市と協議してまいります。
〇黒野嘉之副知事 私からは、まず、国民健康保険制度についてお答えいたします。
制度の基本理念と見直しの必要性に関する御質問2問については関連しますので、一括してお答えいたします。
国保制度は日本の社会保障制度の中核である国民皆保険制度を支える重要な基盤であり、将来にわたり持続可能な制度とすべきであると考えております。このため、公費や保険料等を財源に被保険者全体で支えられており、所得等に応じ被保険者から一定程度の負担をいただくことが必要な仕組みと認識しております。
次に、保険料負担に関する御質問ですが、国保の保険料は賦課徴収の権限を有する市町村において、法令及び条例に基づき算定されているものであり、国保の安定的な財政運営等のため、被保険者の皆様に負担していただく必要があるものと認識しております。
次に、標準保険料率についての御質問ですが、各市町村では、毎年度、県が市町村ごとに示す標準保険料率を参考に保険料率を決定し、賦課徴収を行い、徴収した保険料等を財源として県に納付金を支払うものと認識しております。
次に、法定外繰入れに関する御質問2問については関連しますので、一括してお答えいたします。
決算補填等を目的とした法定外繰入れは、保険給付と保険料負担の関係性が不明瞭となるとともに、被保険者以外の住民に負担を求めることとなるため、国が定める都道府県国保運営方針策定要領においても、計画的な解消が重要であるとされております。該当市町村においては、それぞれの実情を踏まえながら、赤字削減・解消計画を策定しており、決算補填等目的の法定外繰入れの解消に向けた取組を進めていただいているものと考えております。
次に、子供の均等割保険料に関する御質問ですが、令和4年度から、未就学児を対象に均等割保険料の2分の1を軽減する措置が導入されましたが、県では、子育て世帯の負担軽減の観点から、軽減割合の拡大等について国へ要望しているところです。国民健康保険制度は法に基づく全国統一の制度であり、制度設計に関わる事柄については国が責任を持って対応すべきものと考えております。
次に、加齢性難聴者への補聴器助成についてお答えいたします。
補聴器の認知症予防等への効果についてですが、補聴器の利用促進と健康寿命や医療費との関係については、国による検証結果等は確認できておりません。認知症の予防との関係については、難聴は認知症の危険因子の1つであると認識しておりますが、補聴器の装着の有無による認知症発症率の差については、国立長寿医療研究センターにおいて研究が継続中であると伺っております。
次に、県内の加齢性難聴者の実態把握についての御質問ですが、県内の実態は把握しておりませんが、難聴者については国の研究機関が行った研究で、55歳以降、加齢に伴って増加するといった報告があったことは承知しております。
最後に、補聴器購入への補助に関する国への要望についての御質問と、県の制度創設についての御質問は関連がありますので、一括してお答えいたします。
補聴器の購入費用については、年齢にかかわらず、難聴の程度により障害者総合支援法に基づく支援の対象となっており、現状では、高齢者を対象とした助成制度を導入している団体は一部にとどまっております。県としては、引き続き国や他団体の動向を注視してまいります。
〇冨塚昌子教育長 教育問題についてお答えいたします。
教員の長時間勤務の実態についての御質問ですが、県教育委員会では、学校における働き方改革推進プランに基づき、時間外在校等時間の縮減に向けて、教員の負担軽減につながる部活動改革や、校務効率化のためのICTの積極的な活用をさらに進める必要があると認識しています。
県で独自に教員を増やすことについての御質問ですが、教職員定数は国が措置することが基本であり、国の定数では措置されない教職員について、県で措置するものと考えています。教職員定数の改善について、引き続き国に要望するとともに、外部人材の活用等により教員の負担軽減に取り組んでまいります。
教員の時間外勤務に対する手当についての御質問ですが、いわゆる給特法に基づき、教員には時間外勤務手当は支給せず、条例の定めるところにより、給料月額の4%に相当する額を教職調整額として支給しているところです。
次に、現職教員が亡くなったことについては大変残念であり、御遺族に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
教科準備室の必要性についての御質問ですが、国の高等学校施設整備指針において、実験、実習等の準備、資料等の作成、教材教具等の保管等の場として、特別教室または教科教室に隣接する準備室を設けることが重要であるとされており、県立高校に教科準備室を設置しています。
空調の整備対象についての御質問ですが、教員の執務環境の改善は重要と認識し、平成25年度から管理諸室への空調整備を開始しました。現在、全員が集まることのできる職員室や会議室等への整備を進めているところであり、令和7年度の完了を目指しています。
最後に、教科準備室への空調整備についての御質問ですが、現在、整備を進めている職員室や会議室のほか、既に整備済みの図書室、コンピューター室、普通教室などを利用し、工夫して執務をしていただくよう各学校に周知しているところです。また、緊急対応として、必要な学校にはスポットクーラーの配置を進めており、引き続き教員の執務環境の改善に努めてまいります。
〇みわ由美議員 それでは、再質問を行います。
知事は、命と暮らしを守ると公約されましたけれども、今日の御答弁ではどうなるか。まず、知事の政治姿勢、オスプレイについて伺います。
オスプレイに構造的欠陥ないなどというとんでもない答弁が出ましたけれども、1回目でも申し上げました米海兵隊、7月21日、昨年カリフォルニア州で5人が死亡した事故の調査報告書をきちんと知事は読んでおられるんでしょうか。プロペラとエンジンをつないでいるクラッチの不具合、つまりハードクラッチエンゲージメントと呼ばれるオスプレイ特有の現象が原因で、操縦者や搭乗員などに過失はないとしているんですね。しかも、この約20日間だけでも、知事、木更津の陸自1機、米軍5機、鹿児島、沖縄、大分で合計6機もの緊急着陸が相次いでいる。これは異常事態ですよ。木更津配備後初めてV-22オスプレイが事実上緊急着陸しましたけれども、この原因も、ギアが磨耗してボックス内に金属片ができたというものです。
熊谷知事に伺います。つまり、オスプレイは米軍の機体であろうが、陸自の機体であろうが、機体そのものに構造上の欠陥があること、これは疑いようがない事実であります。知事、そうじゃない、事故原因は操縦者や搭乗員に責任がある、人為的ミスだとでも考えておられるのか、熊谷知事の認識をお示しください。
安全対策を求めるというのであれば、これはもう自衛隊員と県民の命を守るためには、飛行中止以外にないじゃありませんか。もう御承知のように、米海兵隊は、今、事故多発のために全機を飛行停止しているわけです。知事、飛行中止を求めるしかないと思いませんか、知事の答弁を求めます。
次に、マイナ保険証問題ですけれども、国任せの答弁でした。しかし、とにかく現場は大混乱です。全国保険医団体連合会、保団連の調査でも、70歳以上で窓口負担割合が健康保険証と食い違うのは13.8%、978医療機関に上っています。千葉県保険医協会の緊急調査でも、報道された千葉市だけでなく、私の住んでいる松戸市も含め18自治体に同様の事態が発生しており、国にこの数字を伝えたが、本来、県がこうした調査もちゃんとして、つかんでほしいんだ、こういうふうに訴えていました。見切り発車は許されません。
伺います。熊谷知事自ら医療現場に出かけ、医療者や患者の声をつかんで、混乱や苦労の実態をきちんと調査してから判断なさるべきではありませんか、お答えいただきたい。
世論調査でも、今、77%が保険証の廃止撤回、どんどん増えています。重ねて廃止撤回を強調したいと思います。
次に、海洋放出の問題。これも国任せの御答弁がありましたけれども、知事、それじゃあ不振も不安も断ち切ることはできません。漁民は海洋放出に反対です。放水後も県漁連、全漁連の会長は、反対はいささかも変わらない。この浜の声、漁民の声に応えた対応が必要だったのに、今回の放出は岸田政権が漁民との約束を公然とほごにしたものです。
伺います。時の権力者が住民への約束を平気で破り去る。民主主義とは絶対に相入れないことです。知事もそう思いませんか、お答えください。
今、国は被害対策として約1,000億円を支援に計上しておりますけれども、これ以上事態を悪化させないためには、やはり風評被害を起こす海洋放出を中止することであります。広域遮水壁の建設や大型タンクでの保管、そしてモルタル固化など、海に流さない別の対策に踏み出し、そして不安のもとを断つことこそが政治の責任ではないでしょうか、知事の見解を伺います。
次に、国民健康保険です。所得が低いのに負担は重い。そういう認識は示されましたけれども、ところが、なのに県が、やはり依然として値上げの号令をかけ続ける。これはとんでもありません。
まず伺います。社会保障推進千葉県協議会の国保実態調査によれば、保険料が高い、83%。無理して生活費を削っている、54%。例えば、私のところにも、国保を滞納されている御家族から、建設業の夫が無理して働いて心筋梗塞に倒れたけれども、手術後、また支払いのため、炎天下で働いて、今度は心不全で入院した。このままでは死ぬ。助けてほしい。切々と訴えられました。こうした実態、県はどう思いますか、お答えください。
今、コロナ、物価高、台風、大雨、そしてインボイスと、まさに四重苦、五重苦、ここにさらなる国保の負担増が来たら、命、暮らし、直撃です。
伺います。本来やるべき改革とは、県がこうした実態をつかみ、県も本気で支援して、払える保険料に引き下げることではありませんか、答弁を求めます。
さっきの質問に対する答弁は不明瞭だったので、もう一度お聞きいたしますけれども、市町村の法定外繰入れ禁止、これは法的根拠はないですね。もう一度お答えください。ならば、自治体の判断で可能ですね。ここは大事なところですので、お答えをいただきたいと思います。
次に、多様性尊重条例についてです。4点指摘をさせていただきましたけれども、なかなかこれを受け入れられませんでした。今やはり何で私たちの声を聞かないの、どうして県だけで骨子案をつくったのかと、こういう憤りの声が寄せられています。明らかに2002年のときとは違うんですよ。骨子案の段階から、起案の段階から、条例専門部会をやっているわけです。タウンミーティングもやっているわけです。このままでは期待した県民を失望させかねません。
そこで知事、伺いますが、パブコメだけでなく県からも説明に出向くのか。そして、要請があれば県主催説明会、意見交換会、タウンミーティングなどもやるのか、やらないのか、どちらかお答えいただきたいと思います。なぜなら、県が通知を添えて発送した61団体名簿を私が見ましたら、大半が商工経済団体や国際交流協会、いわゆる女性団体は何と1団体なんですね。これじゃあ、やはり県民の声、本当に酌み入れていただいた、そういう条例になった、そういうふうに言えないですよ。お答えいただきたいと思います。
県はこの骨子案で生きづらさを強いられ、苦しんでいる人がいる、多様性、人権の尊重が阻まれている県内の実態をなくしていけるということですよね。端的にこれ、お答えいただきたいと思います。
でも、だとしたら、どうしてジェンダー平等という理念がなぜ入らなかったのか。今や国際的にも喫緊の共通の課題でありますね。知事、入れたら何か不都合があったんでしょうか。熊谷知事の見解をお聞きしたいと思います。差別禁止、これが明確に入らないのも、到底納得できません。重ねて指摘しておきます。
そして、さらに伺いますが、今後、仮にこの骨子案が条例になったら、パートナーシップ制度の導入、あるいは男女賃金格差の公表だけではなく是正に取り組みますか。どう考えておられるのか、これも熊谷知事の見解をお伺いいたします。答弁を求めます。
次に教育長、亡くなられた教員へのお悔やみの言葉は申されたんですけれども、しかし、結論は、教科準備室へのエアコン設置は、はっきり言えば今はやらないと。冷たい答弁ですよね。私は、亡くなられた50代教員の同僚らから、働く環境をよくしてほしい、こういう声も現場から聞いてまいりました。
伺います。教育長、今回の事案、心が、胸が少しも痛まないのでしょうか。何の責任もないということでしょうか。もう一度お答えをいただきたいと思います。エアコンもない劣悪な環境の中で働いていた。私も行きましたけれども、外は雨の段階でも、朝11時頃でも31度です。体調を崩していつもより早く帰宅したが、翌朝には亡くなられていた。
伺います。これは否定できない事実ですよね。県もお認めですよね、お答えください。
教育長、この災害級と言われる猛暑の中で、エアコンをこの部屋はつけるけれど―職員室とか管理諸室とか言っていますけれども、この部屋はつけるけど、あの部屋は対象外だ。教科準備室はつけないなんて、そんなことを言っている場合じゃないでしょう。重ねてお聞きいたしますが、やはりここは県の責任で補正予算をしっかり組んで直ちに設置する、その検討に入るべきです。どうかお答えください。教員の命の問題です。教育長、しっかりと御答弁をなさっていただきたいと思います。
教育問題では、教員の多忙化の問題も質問いたしました。しかし、とにかく講師の未配置も過去最多を更新し続けて、深刻続きです。
伺います。財界儲けの幾らかかるか分からない大規模道路開発に巨額の税金を投入している場合ではありません。教育予算の大幅増額こそ急ぐべきだが、どうかお答えください。
次に、補聴器補助についても伺いますが、国の研究結果をただ待つ。県の姿勢は問題です。既に柏市議会では、県がやるなら市でも実施をと答弁されています。県市長会も2年連続要望しています。県自身も、今の県高齢者保健福祉計画に、認知症が進行する前に必要な補聴器等の器具を作成しと記載しているではありませんか。かつて1992年には、県でも聞こえの調査をやっているんです。何で今やらないのか。
伺います。計画に沿って高齢化が一気に進む今だからこそ、聞こえを含む高齢者の健康実態調査をやるべきです。そして、補聴器に関する市町村の意向調査なども検討すべきです。お答えいただきたいと思います。
生活道路優先へと求めましたけれども、県管理道路の歩道設置率、千葉県54%、埼玉県72%、東京都70%、神奈川県68%、このレベル並みに一体いつまでに引き上げる計画なのか、お答えいただきたい。そもそもそういう計画自体がないように思えてなりません。どうか併せてお答えください。
以上、2回目の質問といたします。
〇冨沢昇総合企画部長 私からは、まず、オスプレイに関する質問にお答えします。
オスプレイの構造に関する質問ですが、国からは、今回の事故は両方のエンジンのクラッチに不具合が発生したことが原因であり、このクラッチの不具合は、定期的に部品を交換することで、発生を99%以上低減可能であることから、機体自体の設計を変更することの必要性はなく、飛行の安全に関わる構造上の欠陥はないと確認したと聞いております。
飛行の中止に関する御質問ですが、国において、現時点で米側に飛行の停止を求めることまでは考えていないと聞いております。
陸自オスプレイの暫定配備等に関しては、国が安全保障について総合的に考え、責任を持って判断したものと認識しております。
多様性に関する質問については、後ほどお答えします。
〇高梨みちえ健康福祉部長 まず、マイナ保険証の実態把握についての御質問ですが、県としては、全ての県民が安心して適切な医療を受けられるよう、国において必要な措置をしっかりと講じた上で、国民の理解を得ながら進めていただきたいと考えております。
続きまして、国民健康保険料におきます実態把握と保険料の負担2問についての御質問ですが、現在の国保制度は、減免措置など個々に関しては低所得者にも配慮した保険制度になっていると認識しています。本当に払いたくても、払いたくても払えない生活困窮者の方には、それぞれの実態に応じた包括的な支援が重要であると考えておりますので、国保運営方針の中で、個々の状況に応じたきめ細かい納付相談の実施、生活困窮者の担当部局との連携を盛り込んでいるところです。
法定外繰入れに関する御質問ですが、決算補填等を目的とした法定外繰入れについては、国が定める都道府県国保運営方針策定要領において計画的な解消が重要であるとされています。県としては、市町村とともに策定した県国保運営方針や、該当市町村がそれぞれの実情を踏まえながら策定した赤字削減・解消計画に従い、該当市町村において決算補填等、目的の法定外繰入れの解消に向けた取組を進めていただいているものと考えております。
最後に、県内の加齢性難聴者の実態調査をすべきという御質問に関してですが、難聴については、糖尿病や高血圧、喫煙などと同様、認知症の危険因子の1つであると承知しています。県としては、引き続き国等の動向を注視してまいります。
〇添谷進防災危機管理部長 ALPS処理水の2問についてお答えいたします。まず、国が約束を破っているのではないかという御質問ですけれども、処理水の放出につきましては、科学的根拠に基づいて国において判断したものと考えております。
次に、不安を絶つために放出をやめるべきという御質問ですけども、国において、処理水の安全について、国内外に十分な情報発信を行うよう求めてまいりたいと考えております。
〇冨塚昌子教育長 準備室へのエアコンの設置の御質問でございますが、繰り返しになりますが、現在、職員室や会議室等、全員が集まれる部屋への整備を進めているところです。平成25年度から整備を進め、管理諸室への整備について、スピードを速めて令和元年度からは整備を早めながら進めているところです。教員の執務環境の整備は誠に重要であると認識しており、引き続き整備を進めてまいります。また、今回、今年のこのような猛暑を受けまして、緊急対応として、学校の要望を聞きながらスポットクーラーの配置を進めているところです。今後も学校の要望に十分耳を傾けながら整備を進めてまいります。
また、教育予算の大幅増額とのことでございますが、学校施設・設備の整備や教員の負担軽減、また、教員不足の原因となっている教員志願者の確保については、引き続き全力で取り組んでまいります。
〇池口正晃県土整備部長 歩道整備をどのような計画で進めていくのかとの御質問ですけれども、歩道整備に当たっては、用地取得や地元の協力が必要となることから、その状況を踏まえながら整備を進めております。通学路の安全対策につきましては、警察や学校関係者などと連携し、路面標示や防護柵の設置など、即効性のある対策も実施しております。
〇冨沢昇総合企画部長 私から多様性条例についてお答えいたします。
まず、タウンミーティング等に関する御質問ですが、タウンミーティングや市町村ごとの意見交換の実施は検討しておりませんが、パブリックコメントや市町村への意見照会など、様々な手法により、様々な立場の方々の意見を伺いながら条例案の検討を進めてまいります。
差別禁止、ジェンダー等に関する御質問ですが、骨子案の趣旨において、あらゆる人々が差別を受けることなく、一人一人が様々な違いがある個人として尊重される社会をつくっていく必要があることを明記しております。また、骨子案には、目指す社会として、男性も女性も性別を理由とする不利益を受けることなく、社会のあらゆる分野に参画し、共に活躍している社会を掲げているとともに、基本理念や県の責務を明記しているところでございます。
パートナーシップ、賃金格差など、こういった取組につきまして、誰もが希望や意欲に応じてその人らしく生き、活躍できる社会づくりに向けた様々な取組については、条例の理念を踏まえ、県議会の皆様の意見も伺いながら、検討を進めていきたいと考えております。
〇みわ由美議員 熊谷知事、県主催の説明会、タウンミーティング、検討もしていない。知事、熊谷知事自身、これは答弁してくださいよ。オスプレイの問題もお答えになっていない。熊谷知事自らの答弁。オスプレイの問題、そしてこの意見交換会の問題、熊谷知事の答弁を求めたいと思います。
何でもかんでも国の言いなりでは、命、暮らし、そして人権を守ることはできないと思います。日本共産党の代表質問といたします。
〇総合企画部長冨沢昇 まず、多様性の関係ですが、タウンミーティング等については、現在検討しておりません。様々な形で意見を伺っていきたいと考え、それを条例に反映していきたいと思っております。
オスプレイについては、国が責任を持って判断すべきものと考えております