【2021年9月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 一般質問

政策

【2021年9月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 一般質問

加藤英雄県議 日本共産党を代表し、質問いたします。
 まず、知事の政治姿勢として、新型コロナウイルスへの対応について伺います。
 この間のコロナ感染第5波は、感染者数が過去最多を更新し続け、医療機関も保健所も逼迫状態となり、救える命も救えないと悲鳴が出る感染大爆発となりました。
 なぜ感染の波が繰り返されてきたのか。昨年は、PCR検査を広げると医療崩壊が起こると言って検査を抑制、軽視し、一方でGo To キャンペーンに固執し、第3波を招きました。今年は国民には自粛、人流削減を呼びかけておきながら、オリンピック・パラリンピックを宣言下に強行し、感染を急拡大させました。どれも科学を無視した大失政であり、明らかに菅政権による人災だと言わざるを得ないが、知事の認識を伺います。
 この点では知事も、人流削減と言いながら、パラリンピックの学校連携観戦の旗振り役となり、結果、関係者から感染者が出て、県民の厳しい批判の前に中止に追い込まれました。子供たちと関係者を感染のリスクにさらし、不安と混乱を広げた知事の責任は重大であり、反省すべきではありませんか、お答えいただきたい。
 加えて重大なのは、8月、菅政権が原則自宅療養という方針を突如打ち出したことです。その結果、県内でも全国でも自宅療養中に容態が急変し亡くなる方、健康観察の連絡が途絶え、訪問もされず死亡が確認された方などが続出しました。感染症対策の基本は、感染源、感染者を見つけ出し、医療機関やホテルへ保護、隔離することです。自宅療養では保護、隔離にならないことが明らかになったと思うが、知事の認識はどうか。
 症状に応じて必要な医療を全ての患者に提供することを柱に据え、入院が原則、自宅療養ゼロの千葉県を目指すべきと思うが、知事の見解を伺います。
 では、どうやって感染拡大を抑え込み、収束に向かわせるのか。今こそ、これまでの延長線上ではない、科学的知見に基づいた戦略的方針を確立し、対策を強化していくことです。
 その1つは、感染伝播の鎖を断ち切るための大規模検査体制、千葉方式を確立することです。感染者数が減少傾向になっている今、重要なのは、検査で無症状感染者を発見し、保護、隔離していく感染源を減らす対策です。事業所や家庭へ唾液のPCR検査キットを定期的に無償配布し、回収する検査を行い、陽性であれば、きちんと保護、隔離を行う。陰性が確認できれば一層の感染対策を施して、県内の社会、経済活動に参加していただく。陰性確認県民を多数派にしていく千葉方式を確立し、感染伝播の鎖を一つ一つ断ち切っていく対策を直ちに行うべきと思うが、どうか、知事の見解を伺います。
 もう1つは、1,000床の臨時医療施設開設の体制を今から確立しておくことです。臨時医療施設は、昨年、爆発的な感染拡大が発生した場合の病床不足に備えるとして予算化し、1,000床の確保を県民に約束しています。民間企業の保有するアリーナや自治体体育館などを対象に、自治体、県医師会、県看護協会、重点医療機関などとの協議の体制を構築し、いざというとき、掛け値なしで1,000床開設できる仕組みを直ちにつくることが必要ではありませんか、知事の見解を伺います。
 最後に、柏市で感染した30代の妊産婦が自宅で早産し、新生児が死亡するという痛ましい問題について伺います。
 全国的に大きな衝撃が走り、なぜ防げなかったのか、真摯な検証が求められています。保健所は8月15日、妊婦の症状を把握し、県に入院調整を依頼し、17日朝にも再度要請しています。にもかかわらず、緊急入院はおろか、応急措置すらもされませんでした。その間、県は一体何をしていたのか、その責任が厳しく問われます。
 母と子の大切な2つの命を守るため、妊娠週数が何週であろうと、感染した妊婦は原則入院とする方針を確立し対応すべきです。併せてお答えください。


 次に、土砂災害防止対策について質問します。
 地球温暖化による気候変動で、昨今では時間当たり100ミリの豪雨も珍しくなく、言うまでもなく、都市河川の洪水対策や急傾斜地崩落、崖崩れなどの災害から住民の命を守る対策は重要かつ緊急な課題となっています。
 そこで最初に、急傾斜地崩落の防止対策における住民負担の軽減策を求めて伺います。県内の土砂災害警戒区域、イエローゾーンは、本年5月現在で1万1,006か所、同じく特別警戒区域、レッドゾーンは1万461か所です。斜面の崩壊により住民の生命に危害のおそれのある崩落危険区域は548か所ですが、今、1万744か所の追加基礎調査を行っており、その結果によっては、危険区域はさらに増えることが見込まれます。大規模な崩落から住民の命を守るための対策は急務となっている、県もこれに異論はないと思いますが、見解を伺います。
 急傾斜地崩壊対策で多いのは、土砂を受け止める擁壁工や、コンクリート枠などで斜面を丈夫にする法枠工を造ることです。現在、国と県では、住宅戸数などの一定の要件を満たした工事の費用を助成していますが、費用の1割ないし2割は地権者、個人の負担となります。例えば工事の総事業費が1億円の場合、2割分を地権者5人で負担すると1人400万円となり、地権者、個人の負担は大変重いものとなります。
 千葉市では、個人の負担を4%から5%に軽減し、船橋市は最大600万円または100万円を助成しています。こうした市独自の工事費助成は地権者の負担軽減につながるものですが、その助成内容は市町村でも異なり、全ての自治体で実施しているわけでもありません。どこに住んでいても人の命の重みは同じあり、それを守ることは県の最大の責務です。崩落防止対策をスピードアップするために地権者の負担軽減が必要だと思うが、どうか。
 国へ助成率引上げを求めつつ、県としても支援を拡充すべきです。併せてお答えください。
 熱海市で7月に発生した土石流被害は、住宅地の上部にあった建設残土の大量かつ不適切な盛土が原因だったと言われています。県内自治体は、大規模な盛土造成地の位置を示したマップを公表していますが、それぞれの盛土の危険性の有無を調べ、直ちに対策を取ることが求められています。熱海の土石流被害を受け、国は全国の盛土の総点検を始め、県も自治体も、今、図面などで点検箇所の洗い出しなどを行っています。
 一方、県民は、これまでになく頻発する豪雨や全国で発生している土砂災害を目の当たりにし、自分たちの住んでいるところは大丈夫なのか、安全なのかと災害への不安を高めています。そこで、盛土点検を促進させ、その結果を速やかに公表し、いざというときの避難などに活用するとともに、盛土の崩落防止対策を強化すべきと思いますが、県の認識を伺います。
 現在、盛土は建設残土処分で造成されることが多く、昨年度、県内への残土搬入量の8割近くは東京都と神奈川県が占めています。県残土条例では、土砂等が崩落しない措置を講じるとし、このほかに宅地造成規制法、森林法の林地開発や農地法の転用などの縛りもあります。しかし、それぞれが別々で、盛土そのものに焦点を当てた規制ではありません。盛土が造成される要因はどうであれ、造成者に高さ制限、排水処理、擁壁などの設置を守らせること、残土排出者も不適正な盛土造成に使われないよう責任を持たせることが求められており、もし守らなかった場合はより厳しい措置が必要です。関東地方知事会議も運搬や埋立てを規制する法制度の整備を求めています。盛土造成をより厳しく規制する法整備を国に求めるとともに、県独自に実効ある規制措置が講じられる条例制定などを検討すべきではありませんか、お答えください。


 次に、通学路の安全対策について伺います。
 6月、八街市で下校途中の児童5人が死傷するという痛ましい事故が発生しました。県も直ちに緊急点検を実施するなど、徹底した通学路の安全確保、対策がなされていたのかが改めて今問われています。これまでも2012年の京都亀岡市の事故を契機に、全国的に通学路の緊急合同点検が行われました。このときの県内の2,118の危険箇所は、2019年には99%が対策済みとされていました。その後も通学路交通安全プログラムによって定期的な点検、対策が図られてきました。なのに、なぜ子供たちが犠牲になる事故が繰り返されてきたのか、まず、知事の認識を伺います。
 報道によれば、今回の事故現場は、過去にPTAが危険性を指摘し、ガードレールや歩道の設置を要望していたが、後回しになっていたと対策の遅れが指摘されています。定期的に行う通学路交通安全プログラムでの指摘箇所も対策が取られてきたのかなどの検証も必要です。
 そこで伺います。市町村が定期的に行う通学路交通安全プログラムにおいて、昨年度、県の責任で対策を講じなければならない危険箇所は何か所あったのか。
 その対策は取られてきているのか、併せてお答えください。
 通学路交通安全プログラムによる合同点検は、自治体によっては全校の点検に5年も要するところがあります。プログラムに基づく合同点検は、全県的に原則、毎年全校で行うようにすべきではありませんか。
 併せて、点検の実施内容を県も掌握し、安全対策を進めるべきと考えるが、どうか。お答えください。
 県教委が実施した小学校の通学路の緊急一斉点検の結果、3,495もの危険箇所数が公表され、10月末までに対策案の検討、作成を行うとしています。この結果を受け、今議会の補正予算には、緊急的な対策としてガードレールの設置や横断歩道の補修等が盛り込まれ、対策が始められています。今回の点検結果で県土整備部、県警、教育委員会で対応しなければならない箇所は何か所になるのか、お答えください。
 我が党も幾つかの市町村の安全点検状況報告書を入手し、精査いたしました。また、市町村関係議員などからのアンケートも行い、そこには信号機は要望してもほとんどつかないなどの声や、路面標示の補修要望なども多数寄せられています。
 そこで伺いますが、今回の一斉点検結果の中で信号機の設置要望は何か所あったのか。横断歩道などの路面標示の補修、再塗装の要望は何か所あったのか、お答えください。
 通学路の安全確保に効果がある信号機の設置や路面標示の補修は要望どおり進めるべきと思うが、どうか。お答えください。


 次に、県立高校の校則について、生徒の人権を尊重した見直しを求め質問いたします。
 昨年9月、千葉県弁護士会は、2019年3月、県立高校の卒業式当日の朝に行った、髪に黒染めスプレーをかけるという指導に関し、県教育委員会へ警告書を発しました。弁護士会は、黒染めスプレーをかける指導は体罰に準ずるものであり行うべきではない、また憲法13条の自己決定権、21条表現の自由を侵したものであり、生徒指導に当たり黒染めスプレーをかける等の有形力の行使をしてはならないと、教育長、学校長へ指導監督を求めています。
 そこで伺います。教育長は、県弁護士会の警告書をどのように受け止められたのか。警告書の指摘を今後どのように生かしていくのか。
 しかし、弁護士会が厳しく断罪したにもかかわらず、黒染めスプレーをかけるという生徒指導は一層エスカレートしています。学校において、スプレーにより黒染めをしたという高校は、2019年度は25校だったのに対し、2020年、昨年度は37校にも増えています。なぜ拡大しているのか、教育長に説明を求めます。
 なぜこんなことになっているのか。それは、県教委の対応に要因があると私は思います。昨年12月、県教委は県立学校長に「生徒指導規程・校則の適切な運用について」との通知を出し、そこでは校則等について、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、定期的に点検し、必要に応じて見直すことを求めています。しかし、頭髪指導については、地毛申請も再登校指導も黒染めスプレーも実施せざるを得ない場合とか、やむを得ない状況の中でなどの理由をつけ、事実上、容認しているではありませんか。教育長、これらの指導を今後も続けていくつもりなのか。
 黒染めスプレー指導をしている県立高校で、事前に文書等で生徒、保護者に指導内容を説明している高校は何校あるのか、お答えいただきたい。
 県立高校の校則に関し、熊谷知事に伺います。昨今、校則等による行き過ぎた生徒指導が社会問題化してきています。校則は子供の人権、尊厳に直接関わる問題であり、何より人権を尊重した内容であるべきだと思います。さらに高校における生徒指導の目的は、自分たちの決まりは自分たちでつくって自分たちで守るという民主主義の基本を身につけながら、自ら判断し、行動できる生徒を育成することにあると私は思いますが、知事の見解を伺います。
 佐賀県では2019年に、県の総合教育会議において校則と指導についてを議題にし、その後も議論を重ね、県教委は昨年、児童生徒の人権を保障したものであることなどの見直しの観点を示し、今年3月には校則の見直し状況を公開しています。今、旧態依然とした校則、規則を今の時代にふさわしく見直すことが求められています。県の総合教育会議は、業務として、教育条件整備などの施策も協議するとしています。千葉県でも、知事が招集する千葉県総合教育会議で高校の校則見直しを議題にし、関係者、学識経験者からの意見も伺い、校則と生徒指導の在り方の方向を打ち出すべきときと思いますが、知事はどうお考えか、お答えください。
 最後に、柏児童相談所の空調機器故障が放置されてきた問題について伺います。
 今年2月、空調機器が故障し、修理されずにこの夏の猛暑の中、93人もの職員は冷房なしでの仕事を余儀なくされています。県は扇風機や冷風扇などを設置したと言いますが、我が党が調査に入った8月10日、執務室は34.2度という異常な暑さとなっていました。8月16日、我が党の要請に知事は手をこまねいて見ているわけではないと言いましたが、県は柏児相の室温のチェックすらしていなかった、これでは放置してきたとのそしりは免れないでしょう。命と人権に関わる重大事態だと思うが、知事の認識はどうか。今後どのように対応していくのかお答えください。
 地方公務員法の規定に基づき、公務職場における労働環境の指導監督権限を持つ人事委員会には、7月の段階で2人の職員から苦情の申出がされています。この環境で仕事ができるか不安、職員の声を聞きに来てほしいとの声や、現状気温32.3度の室内で業務をしております。どの職員も頭痛や吐き気の症状が出ており、限界です。この先も命の危険を冒してまで働かなければならないのでしょうかという悲痛な叫びが寄せられています。この職員の苦情に人事委員会はどのような対応をしたのか、職員苦情相談マニュアルに沿って機敏な対応が取られたのか、お答えいただきたい。
 熱中症によって1カ月程度療養せざるを得なかった職員がいたと伺いました。人事委員会は、室温が28度以下になるようにとしている衛生基準規則に照らし、柏児相の職場の現状をどう見ているのか。
 明らかに公務災害だと思うが、県の認識はどうか、併せてお答えください。
 以上で1回目の質問を終わります。

熊谷俊人知事 共産党の加藤英雄議員の御質問にお答えをいたします。
 政治姿勢についてお答えをします。
 新型コロナウイルス感染症への国の対応に関する御質問ですが、国においては、感染拡大の防止と医療の提供のため、これまでの感染拡大期の経験や国内外の様々な研究等の知見を踏まえ、ワクチン接種の円滑化、加速化をはじめとする対策を総合的に進めてきたものと認識をしております。
 次に、パラリンピック学校観戦についての御質問ですが、学校観戦の実施に当たり、県ではガイドラインに基づいて、組織委員会が行う感染防止策に加え、県独自の対策として、貸切りバスの利用や座席の消毒などを実施するとともに、実施自治体にPCR検査の県補助事業の活用を働きかけました。こうしたことにより、学校観戦のリスクは学校の授業と変わらないと判断をいたしましたが、学校観戦後に引率教員の感染が判明したことにより保護者の不安が広がる中、その不安を払拭するためのさらなる感染防止策の実施が難しかったため、実施自治体と協議の上、中止という判断をしたところです。
 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

石川 徹総務部長 私からは柏児童相談所の空調機器故障についてのうち、職員の公務災害に関する御質問にお答えいたします。
 体調不良により生じた疾病が公務災害と認められるためには、その疾病が公務に起因するものであることが必要です。公務災害の認定に当たっては、執務室の環境や職員の業務の状況等を調査し、必要に応じて医師の意見等を聞くなど、適切に対応してまいります。
 以上でございます。

加瀬博夫健康福祉部長 私からは柏児童相談所の空調機器故障についての1問につきましてお答えをいたします。
 認識と今後の対応に関する御質問ですが、県では、本年2月に故障が判明して以降、修繕方法の検討や応急措置を進め、一時保護児童の生活に必要な空間についてはおおむね対応できたところですが、職員の執務室については、いまだ故障の影響を受けております。執務室につきましては、これまで応急措置として扇風機や冷風扇の設置などを行ったところですが、できるだけ早期に全館で空調機器が使用できるよう対応してまいります。

井口 豪保健医療担当部長 私からは知事の政治姿勢についての6問につきましてお答えいたします。
 まず初めに、自宅療養に関する御質問ですが、県では、自宅療養者に対しては健康観察や生活支援を行うとともに、家庭内感染を防止するための必要な指導を行っているところです。
 次に、医療の提供に関する御質問ですが、県では、ホテル療養・自宅療養の基準を定め、感染者の状況によって、入院、ホテル療養、自宅療養のいずれが適当かを判断しています。
 次に、検査についての御質問ですが、新型コロナウイルス感染症の検査は、発熱などの症状のある方や国の積極的疫学調査実施要領に基づく対象者に実施するほか、クラスターが発生した施設等における関係者に対し、幅広く実施しています。
 次に、病床の確保に関する御質問ですが、今後の感染拡大に備え、限られた医療資源をどのような形で配分していくのが最も県民の皆様の命を守れるのかという観点から、新たな臨時医療施設の設置も含め幅広く施策を検討し、関係団体や医療機関と協力、連携しながら、県民が必要な医療を受けられる体制整備に取り組んでまいります。
 次に、自宅早産となった妊婦の入院調整についての御質問ですが、県では、妊産婦が新型コロナウイルスに感染した場合の対応について、周産期医療関係者と協議して、新型コロナの症状や妊娠状態に応じた入院調整の手順を定めており、本件についても、それに基づいて対応いたしました。具体的には、8月15日の入院調整依頼時には妊娠状態は安定していたことから、症状に応じた経過観察等を行っていましたが、8月17日に不正出血が見られるなど、産科管理が必要な状態となったことから、周産期母子医療センターに入院できるよう調整を行ってまいりました。
 最後に、新型コロナウイルスに感染した妊婦の入院に関する御質問ですが、妊婦を含む感染者が医療機関、宿泊療養施設、自宅のいずれで療養するかは、重症度や年齢、基礎疾患の状態等により、患者等を診察した医師の意見を参考に、県で定めた入院優先度判断スコアや宿泊療養・自宅療養の基準等に基づき保健所で判断しています。
 以上でございます。

池口正晃県土整備部長 私からは土砂災害防止対策についての5問にお答えいたします。
 初めに、大規模な崩落から住民の命を守るための対策についての御質問ですが、県では、災害から県民を守る防災県の確立に向け、急傾斜地法や土砂災害防止法等に基づくハード対策とソフト対策により、総合的な土砂災害防止対策を推進しているところです。ハード対策では、斜面崩落から人家等を保全するため対策工を実施し、併せてソフト対策では、土砂災害の危険性のある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備や住宅等の新規立地抑制などを行っており、引き続き土砂災害から県民の命を守る取組を進めてまいります。
 次に、急傾斜地事業の地権者の負担軽減についての御質問ですが、急傾斜地の対策は、地権者が対策を行うことが困難な場合などに急傾斜地法や国の制度に基づき、地権者等の受益者に一定割合の負担金を求め、実施しているところです。負担金については、大規模斜面や避難関連施設、要配慮者利用施設などがある場合は受益者の負担割合を半分にするなど、急傾斜地区域内の事情に応じて低減しております。
 次に、急傾斜地事業の支援の拡大についての御質問ですが、急傾斜地事業において、一定規模以上の斜面では、国の補助金等を活用し、事業を実施しています。県では、土砂災害対策をより一層推進するため、急傾斜地事業の採択要件の拡大と予算の継続的な確保について、従来から国へ要望しているところです。急傾斜地事業は、多くの市町の要望を受けて実施しているところであり、限られた財源の中で要望箇所にできるだけ幅広く応えることも重要であると考えております。
 次に、盛土の点検及び崩落防止対策についての御質問ですが、県では、国からの盛土による災害防止に向けた総点検実施の要請を受け、市町村とも連携し、約3,400か所の盛土を点検対象として抽出したところです。今後、これらの盛土について点検を行い、災害の危険性を有する盛土の存在が判明した際は、市町村と連携して関係住民に周知するとともに危険箇所の是正指導など、安全の確保を図ってまいります。
 次に、盛土造成の規制に関する御質問ですが、国は、盛土による災害の防止に向け、有識者会議や関係府省連絡会議を立ち上げ、盛土の総点検の状況等を踏まえ、危険箇所への対応や土地利用規制など必要な対応策を検討するとしております。全国知事会においては、建設残土に関する規制の法制化を国に要望したところであり、県としても、今後、国の動向を踏まえ、現状の課題について整理してまいります。
 私からは以上でございます。

冨塚昌子教育長 私からは、初めに通学路の安全対策についてのうち6問にお答えいたします。
 なぜ事故が繰り返されてきたのかとの御質問ですが、通学路の安全を確保するためには、危険箇所の点検、改善などハード面での対策に加え、全ての運転者への法令遵守や交通安全意識の徹底、児童生徒への安全教育などソフト面での取組も必要であり、今後も市町村や警察など関係機関と連携し、一層の安全対策を進めてまいります。
 通学路交通安全プログラムにおける昨年度の危険箇所数と危険箇所への対策について、併せてお答えいたします。同プログラムに基づく点検は、学校の設置者である市町村教育委員会が実施しており、点検結果については、県教育委員会への報告は行われておりませんが、プログラムに基づく点検結果において危険性があるとされた箇所については、市町村教育委員会が中心となって、地元の警察署や道路管理者等とも協議を行いながら安全対策が進められております。県教育委員会では、安全対策が円滑に進むよう、引き続き市町村教育委員会や関係機関と連携、協力してまいります。
 プログラムに基づく合同点検の実施時期についての御質問ですが、合同点検については、国の通知において、毎年実施や複数年ごとの実施など、地域の実情に応じて適切に設定することとされており、学校の設置者である市町村が決定すべきと考えております。
 点検の実施内容及び安全対策についての御質問ですが、通学路交通安全プログラムに基づく合同点検の実施や、それを踏まえた対策の検討、効果の把握など、一連の対応は市町村教育委員会がPDCAサイクルに基づき、関係機関とも協議を行いながら取り組んでいると考えています。
 今回の点検結果による対応箇所数についての御質問ですが、危険性があると報告された3,495か所の安全対策の内容や実施主体等については、危険箇所の状況に応じて各市町村教育委員会が道路管理者、地元の警察署等の関係機関と協議しているところであり、10月末までに対応案を検討、作成することとしています。
 次に、県立高校の校則についての6問にお答えいたします。
 県弁護士会の警告書についての御質問ですが、頭髪用黒スプレーによる指導は、繰り返し指導を行ったにもかかわらず、なお改善が見られない生徒に対し、各種行事や授業等において代替の措置が難しい場合など、速やかに改善した上で出席させることを目的に、本人の同意に基づき実施する適切な指導であると考えております。
 いわゆる黒染めスプレーによる指導を行っている学校数の増加についての御質問ですが、頭髪用黒スプレーを利用した指導は、自主的に直すよう指導したものの、改善が見られない生徒に対して、各種行事等に参加させるため生徒本人の同意に基づき行われるものであり、昨年度は結果として37校218人の生徒を対象として行われました。
 頭髪指導に係る地毛申請等についての御質問ですが、頭髪指導については、社会通念に照らし必要かつ合理的な範囲内において実施してまいりました。校則に基づく指導を行うに当たっては、その内容や必要性について、生徒、保護者との間に共通理解を持つようにするとともに、生徒の内面的な自覚を促し、校則を自分のものとして捉え、自主的に守るように指導を行っていくことが重要であると考えております。
 いわゆる黒染めスプレーに係る事前説明を行っている県立高校生についての御質問ですが、全ての県立高校に確認したところ、昨年度、事前に生徒、保護者へ説明を行った学校数は全日制、定時制合わせて75校と把握しております。
 校則等による生徒指導についての御質問ですが、校則等は社会通念に照らして必要かつ合理的な範囲内において定められるものであり、生徒の実情や保護者の考え方、時代の進展などを踏まえて見直すことが必要であると認識しております。校則等の見直しに当たっては、生徒が校則等の在り方を主体的に考える機会を設けるなど、校則等を自分たちの決まりとして守る態度を養うことが重要であると考えます。
 最後に総合教育会議についての御質問ですが、総合教育会議は、例えば子育て中の家庭への支援や産業人材の育成など、知事部局と教育委員会が密接に連携して取り組むべき課題について協議、調整を行っていく場であると認識しています。一方、校則の見直しについては、各学校において対応すべき課題であり、当事者である児童生徒や保護者の参画を図ることが重要であると考えております。
 以上でございます。

田中俊恵警察本部長 私からは通学路の安全対策についてお答えいたします。
 まず、今回の一斉点検における信号機の設置等に係る要望数についての御質問ですが、県警といたしましては、危険性があると報告された箇所のうち、交通規制や交通安全施設等に係るものなど、状況に応じて文部科学省、国土交通省、警察庁の3省庁から示された通学路における合同点検等実施要領に基づく合同点検を行うなどして、10月末までに対策案を検討、作成することとしております。
 次に、信号機の設置等の要望への対応についての御質問ですが、関係機関による合同点検の結果、信号機や路面標示に係るものなど、県警が行うべき対策として取りまとめられたものにつきましては、可能なものから速やかに対策を進めてまいります。
 以上でございます。

高梨國雄人事委員会委員 まず、柏児童相談所の職員の苦情に対する人事委員会の対応についての御質問にお答えをいたします。
 人事委員会では、職員からの相談を受け、職員苦情相談マニュアルに基づき内容を聴取し、直ちに当局に事情を確認した上で、職員の健康確保等について指導したところでございます。
 次に、柏児童相談所の現状についての御質問ですが、人事委員会では、労働基準監督機関の立場から現地調査を行い、空調設備が作動しない状況であること等を確認しました。職場における職員の安全と健康を確保するためには快適な職場環境を提供する必要があることから、所属長に対し、改善を求める文書を発出したところです。
 以上です。


加藤英雄議員 それでは、第2問を行います。
 まず、新型コロナの感染対策ですが、知事は今議会の冒頭の挨拶の中で、新規感染を極力抑え込みながら、あらゆる施策を検討し、一層の強化を図ると述べられました。しかし、これまでのまん延防止のときも、緊急事態宣言のときも、対策本部会議が示す施策の中で感染抑え込みの対策が示されていたと私は思えないんです。
 そこで伺いますが、1年半のコロナ禍の中で感染抑え込みのために何が必要だと教訓化したのか、お示しください。
 それから、自宅療養についてですが、自宅療養では治療にはならない、結果として自宅への放置だったことが明らかになりました。
 そこで確認します。国と同じように、千葉県も原則自宅療養という方針を取っているのかどうか。2点目、お答えください。
 感染者の治療なわけですから、やっぱり原則、医療機関への入院、ホテルへの収容、これを基本に堅持して対応すべきだと思いますが、どうか、お答えください。
 3点目です。それから検査についてですが、答弁ありましたけども、検査の対象はやっぱり今まで有症状者のみだったんですよ。問題は無症状感染者への対応です。無症状感染者が市中を動き回って感染を広げているというのがこれまでです。これを防がなければ感染拡大は抑えることができないというふうに思うんですが、県の認識はどうか、お答えください。
 それから、5点目、無症状感染者を見つけ出して隔離して感染を抑え込むためには、やっぱりPCR検査を含めた検査の抜本的拡充が必要だと私は思うんですが、この点についての認識をお示しください。
 6点目、臨時の医療施設の問題です。臨時医療施設、医療の提供は、特措法31条による知事の義務規定です。しなければならないとなっています。今回、残念ながら48床しか確保されなかった。知事はこれで妥当だったというふうにお考えなのか。そうでなければ、臨時医療施設、どこまで広げるおつもりなのか、お示しをください。
 福井県では、昨年から医師会、看護協会、重点医療機関、そしてコロナ患者を受け入れていない医療機関も含めて協議を重ねて開設の段取りを取り、自宅待機はゼロに抑え込んでいると報道されています。今からでも千葉県で協議の体制、全県的な協力体制をつくるべきだと思いますが、知事は決断されるかどうか、お答えください。
 それから8点目は、感染した妊婦への対応の問題です。やっぱり県が示しているような、妊娠36週で線引きを行うということは、私は直ちにやめるべきだと思いますが、どうか、お答えください。
 感染すれば容体の急変があり得るわけだから、2つの命を守るために、妊婦は原則入院、この立場を堅持して、これから対応に当たることが必要だと思うが、なさるかどうか、お答えください。


 次に、通学路の安全対策ですが、なぜ事故が繰り返されてきたのか、明確な答弁はありませんでした。ここを掘り下げないと根本的解決にはならないというふうに思います。これまでも道路の合同点検、緊急点検を行ってきました。点検箇所がはっきりした後、どうなるかというと、道路は県土整備、交通安全施設は県警、そして教育委員会へ振り分けて、そこで安全対策を取って終わりなんですよ。定期的にやられている通学路の交通安全プログラムなどの情報も共有し、横断的に県の中でこの3者が常に協議をして、安全対策を取っていくような体制を知事の下につくるべきだと思いますが、なさるかどうか、お答えください。
 それから県警本部長についてですが、私たちのところにも、道路の路面標示の補修の要望というのは常にたくさん上がってきています。アクションプランでは、補修などについては速やかに実施していくとなっています。警察庁の交通規制基準では、点検等により損傷を発見した場合には速やかに補修を行うものとする。しなければならないんですよ。事故が起こってからでは遅いわけですから、事は急を要します。いつまでに路面補修を完了させるのか、お示しください。
 信号機の設置についてですが、設置指針の留意事項では、地域住民の意見に十分に配意するとなっています。地域住民を代表する自治体から上がってきているこの設置要望。設置を前提にして検討を進めるべきだと思うが、どうか。
 問題は、信号機、今年度15基分しか計上されていないんですよ。思い切って補正予算を組んで増設が必要だと思うが、その辺はなさるかどうか、本部長の構えを聞きたいと思います。


 それから、校則についてですが、県の総合教育会議の中でぜひ議論をしてほしいという要望に知事から答えはありませんでした。ぜひ知事の考えをお聞かせください。
 県教委の昨年12月の通知には、生徒の実情、保護者の考え方などを踏まえたものになっているかどうか点検し、見直すとされています。問題は、生徒や保護者が今の校則をどう見ているかなんですよ。正しい規則だと思ってるのか、おかしいと思っているのか、これを教育長、つかんでいますか。お示しください。アンケートなどでつかんでいれば、その内容をお示しください。
 我が党中央がホームページ上で行った校則のアンケートには3,000人からの回答が寄せられています。そこに、疑問に思っている校則がありますかという問いに、中高校生の82%、保護者86%、教職員に至っては92%が疑問に思っている箇所があるって答えているんですよ。アンケートなども含めて生徒たちの率直な声をつかむ必要があると思いますが、お答えください。
 問題なのは、県教委の通知で定期的に点検し必要に応じて見直しとしていますが、校則の中に、校則はどうすれば見直し、変えられるのかというのが明記されていないんです。なぜなんですか、教育長、お答えください。
 決まりだから黙って従え式の指導では、生徒たちが民主主義の基本を身につけることはできないと思います。生徒たちの意思、発意で変えられるということを示すことは生徒たちの自立性、自主性を育成することにつながると思いますが、ぜひお答えください。


 それから、柏児童相談所のエアコンの問題です。本当に責任が感じられないような答弁でした。7月5日に苦情を寄せた職員は、職員の声を聞きに来てほしいと訴えていたんです。児童家庭課、人事委員会、これは聞きに行きましたか。行っていないとすれば、なぜなのかをお答えいただきたい。人事委員会は9月に現調を行っています。涼しくなってからですよ。なぜ即座に現地に行かなかったのか。それから、頭痛、吐き気、命の危険とまで訴えていたのに、室温のチェックすら児童家庭課も人事委員会もしてなかった。命の危険という認識があったのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 人事委員会の苦情相談マニュアルには、当局への紹介と併せて、事実関係などの調査を行うとなっています。なぜ直ちに現地に行かなかったのか。漫然としていたと言われても仕方ないと思いますが、お答えください。
 以上で2問を終わります。

井口 豪保健医療担当部長 私からは新型コロナウイルス対策についてお答え申し上げます。
 まず、この1年半のコロナ禍での対応についてでございますけれども、県の対策は、国の基本的対処方針にのっとり、感染状況や医療提供体制を見極めながら適時総合的に判断し、対策を実施してきたものと認識してございます。
 次に、自宅の療養についてでございますけれども、県ではホテル療養・自宅療養の基準を定め、感染者の状況によって入院、ホテル療養、自宅療養のいずれが適当かを判断してございます。
 また、ホテル療養についてでございますけれども、県では、先ほど申し上げましたホテル療養・自宅療養の基準を定め、自宅療養を希望している人で基準を満たす方に自宅療養を認めているというところでございます。
 それから、無症状の方への検査について御下問がございました。県では、現在、感染を疑うのに十分な理由のある方について検査を行うほか、若い世代を含め、接待を伴う飲食店の従業員の検査のほか、国と連携して感染拡大の予兆を探知するためのモニタリング検査等を行っており、この中で無症状の方についても対象となっているところでございます。
 また、PCR検査の体制の拡充について御下問がございました。保健所へのPCR検査装置の設置や医療機関への検査機器の設置補助を実施することによって、過去最大規模の新規感染者数が生じた場合でも検査できるように体制を整備してございます。
 また、臨時の医療施設についてでございます。今後の感染の再拡大に備えて、新たな臨時の医療施設の開設も選択肢に含めたあらゆる手段を検討しているところでございます。臨時の医療施設も含め新たな施設の開設に向けては、施設の役割や候補となる具体的施設の選定、医療人材の確保など、多岐にわたり議論を進めているところですが、速やかにさらなる体制の強化を図り、しっかりと検討を進めてまいります。
 それから、協議の体制についてでございます。県では、これまでも関係自治体ですとか、国でありますとか、医療機関、医師会を含む医療関係者とともに協議の体制を取りまして、連携して対応ができるように進めてきたところでございます。
 それから、妊婦でございますが、県では妊婦も含めまして、感染者の療養場所については、県で定めた入院優先度判断スコア等に基づき、医師の意見等を参考に判断してございます。
 なお、自宅療養中の妊婦やその胎児の状態を医療機関が遠隔でモニタリングできるシステムを活用した自宅療養体制の強化や、入院が必要になった場合に速やかに受入先を確保するための一斉照会システムの導入を進めているところです。
 最後、妊婦について原則入院とするべきではないかという御下問をいただきましたけれども、県といたしましては、今回の事案を受け、周産期母子医療センターなどに対し受け入れ体制の強化を依頼し、専用病床の確保などを進めていただいているところです。また、先ほど申しました遠隔でモニタリングできるシステムですとか、一斉照会システムの導入を進めているところでございます。これらを通じて、引き続き周産期医療機関関係者と連携をしまして、妊産婦への対応の強化に努めてまいります。
 以上でございます。

冨塚昌子教育長 初めに、交通事故がなぜ繰り返されるのかという御質問ですが、先ほどもお答えしましたとおり、交通事故を防止するためにはハード、ソフト両面の対策が必要です。今後とも市町村教育委員会や警察、道路管理者など関係機関と連携し、ハード、ソフト両面から安全対策に取り組んでいきます。
 次に、交通安全プログラムを共有し、常に協議する体制をつくるべきとの御質問でございますが、今回の緊急点検の結果につきましては、県教育委員会としても、今後の対策を把握してまいるつもりでございます。しっかりと関係部局とプログラムを含めまして、今回の対策につきまして、今後の対策の実施状況を綿密に連携し、進めてまいります。
 次に、校則につきまして、生徒の疑問に関する御質問ですが、県教育委員会では、昨年11月、全ての県立高等学校において、全生徒及び保護者を対象に実施している学校評価アンケートのうち、生徒、保護者からの具体的な意見等について調査しました。これによると、高校生からは、生徒指導上の規則を緩くしてほしいとの意見がある一方で、変える必要はない、指導を厳しくしてほしいなどの意見もあり、また保護者からは、厳しく指導してほしいという意見が最も多くなっているなど、多様な考えがあると受け止めています。
 次に、生徒の声をつかむことについての御質問ですが、生活指導等の決まりについては、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくために校長の責任において定めるものであり、見直しの際には生徒が話し合う機会を設けるなど、何らかの形で参加した上で決定することが望ましいと考えています。
 最後に、校則の考え方についての御質問ですが、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化するため、校則の内容は、児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、積極的に見直さなければなりません。校則の内容の見直しは、最終的には教育に責任を負う校長の権限ですが、見直しについて、児童生徒が話し合う機会を設けたり、PTAにアンケートをしたりするなど、児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定することが望ましいと考えており、県教育委員会としてもこの旨を通知したところです。
 以上でございます。

田中俊恵警察本部長 私のほうからは道路の路面標示や信号機に関する御質問に対してお答えいたします。
 まず、道路の路面標示の関係でございますけれども、これにつきましては、合同点検の結果、県警が行うべき対策ということになれば、摩耗の状況はきちっと把握の上、可能なものから速やかに対策を進めてまいりたいと存じます。
 次に、信号機の設置に関する御質問についてですけれども、通学路への信号機の設置につきましては、警察庁が定める指針に合致し、必要性の高い箇所へ整備を進めていく方針に変わりはございません。通学路等の安全確保につきましては、その際に配慮すべき事項ということで定められておりますので、そういったことも配慮してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

石川 徹総務部長 校則を総合教育会議の議題とできないかとの御質問にお答えいたします。
 総合教育会議においては、知事部局と教育委員会が特に密接に連携して取り組むべき課題について、適切に協議、調整を行ってまいります。
 以上でございます。

高梨國雄人事委員会委員 4点お答えをいたします。
 まず、なぜ職員の声を聞きに現地に入らなかったのかという質問ですが、関係職員への聴取は、当局へ事情確認などを行った上で個別の事案に応じ、その必要性を判断しているところでございます。本件については、状況が確認できたため、職員から話を聞くことは当初いたしませんでした。
 次に、即座に現地に行かず、なぜ9月になって現地調査に乗り出したのかという御質問でございますが、7月中につきましては、ただいま申し上げたとおり、状況を確認し、当局は改善に向けて取り組んでいるということが確認できたため実施をしなかったわけですが、その後、9月に入り、空調設備の故障により体調を崩し休暇を取得した職員がおり、また、その点について必要な人事委員会への報告がなされていなかったという状況がありましたことから、9月8日に労働基準監督機関として現地調査を行い、改めて職場環境の改善を求めたところでございます。
 3点目が命の危険を感じないのかという御質問ですが、今年の夏は大変暑い日が続いた時期もありましたことから、空調設備が作動していない中にあって、職員の方が非常に厳しい職場環境の中で業務に当たっていたことは十分理解をしております。当委員会といたしましても、現地調査を行い、空調設備が正常に作動していないことなどを確認いたしましたので、職場における職員の安全と健康を確保するために改善を求めたところでございます。
 もう1点、苦情相談の関係で、相談があった時点で現地調査を行うべきではなかったかとのことですが、当委員会では、職員からの相談に対して直ちに当局に事情を確認した上で、職員の健康確保対策等について指導したところです。当局は状況を把握し、改善に向けて取り組んでいるということも確認をしたことから、現地調査は実施をしなかったところでございます。
 以上です。

加瀬博夫健康福祉部長 柏児相の空調機器故障についてでございます。県本庁児童家庭課におきまして、現地に赴きまして調査を行い、児相の担当者から聞き取りを行ったところでございます。また、現状につきましては重く受け止めておりまして、できる限りの応急措置を行ってきたところでございますけれども、今後できるだけ早期に全館で空調機器が使用できるよう対応してまいりたいと考えております。
 以上です。

田中俊恵警察本部長 大変失礼いたしました。1問答弁漏れがございましたので、追加させていただけますでしょうか。申し訳ございません。信号機15基分計上しているけれども、増設をしないのかという御質問に対して明確な答弁いたしませんでしたので、その件について答弁させていただきます。
 合同点検の結果、信号機の新設が対策として必要となれば、この後、道路管理者等との調整を要するため、来年度以降の対応となる見込みでございます。関係当局と協議してまいりたいというふうに存じます。申し訳ございませんでした。

加藤英雄県議 今回取り上げたキーワードの1つは、県民、職員の命を守るという視点です。さらに校則の見直しで言うと、文字どおり、人権と個人の尊厳を尊重する県政を求めて質問をしました。これからも命を守る、人権を守るという県政の流れを変えるために県民との運動を発展させ、さらに積極的提案も行っていく立場で臨むことを強調して質問を終わります。