【2020年2月議会】日本共産党 加藤英雄県議一般質問

政策

【2020年2月議会】日本共産党 加藤英雄県議一般質問

〇加藤英雄議員 日本共産党を代表し、質問いたします。
 はじめに知事の政治姿勢として、陸上自衛隊オスプレイの県内への暫定配備について伺います。昨年、知事は木更津市長のオスプレイ暫定配備計画の受け入れについて、地元の判断を「尊重する」と表明しました。しかし、県内広域に責任を持つ知事として、知事自身の判断や方針は、まったく述べられていません。まず、知事としての所見をお聞かせください。
 安倍政権による「戦争する国」づくりのもと、安保法制による日米軍事一体化の動きが県内でも急速に進行し、米軍オスプレイの整備拠点化と合わせ、習志野演習場の降下訓練始めには4年連続で米軍が参加し、規模も年々拡大しています。この様な状況で国が求めるがままに、千葉県を侵略能力の強化を目的として開発されたオスプレイの拠点にすることは、非核平和千葉県宣言にもある「戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求」する立場とは相いれない事は明らかです、知事の認識を伺います。
 そこで、県と防衛省との確認内容についてですが、県がオスプレイの運用などに関する情報の共有を求めたのに対し、防衛省は「事柄の性質上、防衛省・自衛隊において行うべきもの」との回答に留まり、さらに「飛行情報の提供について」も検討の域を出ていません。
 これでは県が求めた「情報の共有」を、明らかに防衛省は拒んでいると言わざるを得ません。こんな軍事優先で地方自治体の意思をもないがしろにするような、姿勢は断じて容認できません。国に情報提供を強く求めるべきと考えるが、どうか。
 県民が何より疑念を抱いているのは、なし崩し的に「恒久配備」となるのではということです。配備期間について河野防衛大臣は「5年以内を目標」と述べ、木更津市と防衛省の合意書にも「目標」と記されているにすぎません。知事はこれで「5年」という配備期間は区切られたとの認識なのか、どうか、お答えください。
 昨年12月、記者会見で知事は「広域的な立場として、県民の安全・安心の確保に向けて対応」すると述べています。では、何をどう対応するのか。オスプレイ「暫定」配備は、県内広域に、事故の危険や騒音被害をもたらします。知事、「広域的立場」でというなら、少なくとも各自治体で県の責任で説明会を行うべきです。
 県民を事故の危険や騒音にさらし、期限も確約されていない、オスプレイの暫定配備受入はいまからでも撤回するべきと考えますが、合わせてお答えください。

 次に、2020年度当初予算案について質問します。来年度、重度心身障害者医療費助成や、私学の家計負担軽減の拡充などが予算案に、盛り込まれており、これらに異論はありません。
 しかしながら、この間、安倍政権による消費税の10%への引き上げ、社会保障費のさらなる抑制などで「暮らし」が壊され、家計消費が落ち込み、「景気」も悪化してきています。また、被災者の生活と生業を支援し、減災・防災の街づくりへの推進も急がれています。いま、千葉県には、何よりも県民の命と生活を守り、地域経済振興をはかることが求められているのではありませんか、まず知事の見解をお聞かせ下さい。
 その立場から、わが党は、2020年度県一般会計予算案の歳入・歳出について、必要最小限の組み替えを提案するものです。お手元の表をご覧下さい。
最初に増額する予算についてです。その一つ目は、お金の有無にかかわらず、必要な医療が受けられる施策の拡充です。現行の子ども医療費助成を31億円増額し、中学3年までの通院助成を県の責任で実施するべきです。県内54の全市町村で、中学3年まで通院助成を行っています。高校3年まで拡大している自治体は18にものぼっています。県が通院助成対象を広げれば、高校3年生までの医療費助成をさらに前進させることが可能となります。お答えいただきたい。
 国民健康保険の負担軽減は喫緊の課題となっています。国保は、いわゆる所得の少ない人の多くが加入し、その結果、高すぎて払いたくても払えない、滞納は、加入世帯の15%、13万4600世帯に達しています。このうち正規保険証の取り上げは、5万6400世帯、5分の2を超えています。問題なのは子どもにもかかる均等割分の負担です。そこで県として22億6千万円増額し、まず、ひとり親家庭6歳未満の子どもの均等割分を免除するよう求めます。お答えください。
 重度障害の方は、日常的に複数の病院に通院する場合が多く、その窓口負担が生活を圧迫しています。3億6千万円を増額し、身体・知的7万6千人に加え、精神6千人の窓口の一部負担金を解消し、完全無料化にまで踏み込むことが必要です。お答え下さい。
 2つ目は豊かな老後、安心して子育てできる環境をつくることです。特養ホーム一床あたり450万円の県の補助金を維持したことは評価できますが、新年度も含め予算措置した分の特養がオープンしても待機者は無くなりません。300床分13億5千万円を追加して、独居および高齢者のみ世帯の特養ホーム入所待ちを早期に解消するべきです。あわせて、介護施設職員確保のため、待遇改善対策として、月額3万円、3000人分10億8千万円の増額、また27億円増額し保育士の人件費補助金を一人あたり3万円に引き上げるようを提案します。それぞれの答弁を求めます。
 3つ目は、どの子にもゆきとどいた教育の保障です。子どもたちが基礎的な学力を習得し、先生がひとり一人の子どもたちに寄り添い、さらに多忙化解消のためにも、少人数学級の拡充は重要です。新年度、8億7千万円で160人の正規教員を増やし、小学4年生と中学2年生まで35人学級を広げるよう求めます。お答えいただきたい。
 この間、産休、育休、長期療養休暇などの代替教員未配置が改善されるどころか、増加し、今年1月はついに200人を超えています。学校に必要な先生がいない、これは子どもの教育権侵害であり、教育委員会の責任は極めて重大です。5億7千万円で県単正規教員100人程度を確保し、普段は各学校に加配して、代替教員が必要になった学校に直ちに配置できるよう提案します。お答え下さい。
 国の支援拡大とあわせ、私立高校の授業料・入学金軽減策が前進しました。しかし、依然として私学に通う子どもを持つ家計の負担は重いままです。さらに15億8千万円を増やして、年収350万円未満世帯の年間平均約25万円の施設整備費の減免に踏み出すべきです。答弁いただきたい。
 4つ目は地元産業振興です。農業次世代人材投資事業・旧青年給付金の準備型を2年から3年に、県独自に延長して、後継者づくりを促進すべきです。200人分3億円の増額を求めます。ご答弁下さい。
 商店街むけの新年度予算は、694商店街に4320万円、一商店街、年間わずか6万2千円です。あまりにも少なぎます。これまでの10倍、4億円まで大幅増額し、商店街だけでなく、リフォームなど個別商店も利用できる制度を提案します。お答え下さい。
 5つ目は、安心・安全、減災・防災の街づくりの推進です。昨年の記録的な大雨では、各地で河川洪水、崖くずれなどが発生し、犠牲者がでました。当面、3億1千万円を増額し、国の緊急治水対策プロジェクトで指摘された県管理河川155か所に危機管理型水位計設置を急ぐべきです、お答え下さい。
 千葉県は交通事故死ワーストワンとなりました。ところが年間の信号機設置数は、2013年度の90基から、60基、30基と減り続け、ついに新年度の設置数は22基です。せめて、7年前の設置数、90基に戻すため、2億8千万円を増やすよう求めます。お答え下さい。
 身近な生活道路の整備に関わり、土木事務所の交通安全対策と道路維持予算は、あと21億9千万円増やし、少なくとも要望額の8割まで引き上げるべきです、お答えください。
 これらの増額分は合計173億2千万円で、当初予算1兆8千億円の、わずか0.952%です。では、どうやって確保するのか、これも表をご覧下さい。その基本的考え方は、不要不急な事業は見直し、先送りする。法的に義務のないものは凍結する、行き詰まっている大型公共事業からの撤退を決断するなどして必要な財源を確保することです。
削減する予算の第一は、国への直轄事業負担金です。ほんらい、直轄事業は国の責任と負担でやるもので、地方が負担しなければならない法的義務はありません。新年度、道路52億円、河川30億4千万円、港湾4億1千万円、土地改良32億9千万円の合計は119億4千万円です。この直轄事業負担金の先送り、凍結を求めます。お答えください。
 第二に、巨大公共事業にまい進する県政から転換し、圏央道アクセス強化事業の一般財源分3億3千万円や北千葉道路の11億3千万円の先送りを求めます。ご答弁下さい。また金田西、つくば沿線3地区の区画整理事業の一般会計からの繰出金25億2千万円も先送りすべきです。お答え下さい。
 第三に、もっぱら大企業の利益を優先するような施策はあらためるべきです。新年度、31企業、8億1,500万円の企業立地補助金が予定されています。すでに企業呼び込み型の経済政策の破たんは明らかです。同補助金の新規分の、26企業、7億3千万円の凍結を求めます。お答えください。
 また、営利企業の農業参入を促す農地中間管理機構事業分2億1千万円、広域農道の整備4億円、および、疑念が呈されている水道の広域化推進プラン策定事業は見送りが妥当です。これらの歳出を削減し、組み換えを行えば、くらしを応援する173億2千万円を生み出すことは十分可能です。
 最後に、あらたな財源確保策の一つとなるのが大企業への法人事業税超過課税であり、課税限度額で228億円、2分の1でも114億円もの新たな財源となることを指摘するものです。

 次に、洪水災害対策について伺います。
 わが党は2018年12月議会で、水位計の増設など、県管理河川の整備を求める質問を行いました。しかし昨年、またしても大規模な洪水被害が引き起こされています。自然災害は防ぎきれないかもわからないが、被害を最小限に留めることはできる、それが行政の役割であり、政治の責任でもあります。しかし、行政の、その役割が果たされていなかったとすれば、それは「人災」的側面があることを指摘し、この間の県の対応について質問します。
 まず、県管理河川の整備についてです。来年度の予算案には、10か年計画で浸水被害ゼロを目指すとして、一宮川の特別緊急事業が盛り込まれ、河床の浚渫などの予算は今年度の約6倍、20億円規模に引き上げられています。
しかし問われるのはこれまでの県の対応です。今まではどうだったのか。一昨年度までは、河道浚渫のための予算は年間1億円にも満たないものだったではありませんか。これでどうやって、217河川の整備を進めることができるのか。
 その結果、時間降雨量50㎜対応への河川整備率は、いまだ6割程度となっています。河川整備の原則は、水位を下げて水を流すことであり、河川整備率の引き上げは待ったなしの課題です。いつまでに完了するのか、お答えいただきたい。
 さらに問題なのは、日常的に河川の管理などを行う土木事務所の河川維持予算です。今年度、2,900億円の土木事務所からの要望に対し、予算措置されたのは約半分。昨年、一昨年は、驚くことに、要望額のなんと8割もがカットされています。土木事務所は必要最低限、緊急を要する事業個所を予算化し要望しています。満額予算措置すべきではありませんか、お答えください。
 市町村が円滑、迅速な避難を行うために重要なのが水位情報であり、その情報発信に欠かせないのが水位計です。しかし、2018年のわが党の質問に、県は、気象情報などを総合的に判断し、水位情報がなくても避難情報の発信は可能だとして、水位計の設置には背を向けるなど、この間、水位計の設置をもなおざりにしてきたといわざるを得ません。
 2017年12月、国は、中小河川緊急治水対策プロジェクトにおいて、浸水するおそれがあり、的確な避難判断が必要な箇所として、全国で5,800箇所、県内155箇所への、危機管理型水位計の設置を緊急に進めるとし、そのための財政支援策も打ち出しました。
 しかし、県では、今まで、この危機管理型、低コストの水位計は、1箇所も設置されていません、なぜ、設置しなかったのか。この時、水位計の設置について、どんな認識でいたのか。あわせてお答えいただきたい。
 一昨年、県が行った危機管理型水位計設置についての意向調査では、21市町村が県管理河川への水位計の設置を求めていました。しかしいまだに水位計は設置されていません。いったい何のための調査だったのか。
 市町村が求めているのに、なぜ水位計の増設に踏み出さなかったのか。お答え下さい。
国交省は、社会全体で洪水に備えるとし、「水防災意識社会」の再構築に向けた計画を策定し、そこでは「施設では守り切れない大洪水は必ず発生するもの」との基本認識が示され、そのうえで「意識を変革し」とまで強調し、洪水対策を求めています。
 国が警鐘を発していたにもかかわらず、この間の県の対応は、明らかに危機意識が欠如したものでした。県行政こそ「意識を変革し」危機感を持った、恒常的な河川整備、洪水対策が求められていると思うが、あらためて知事の基本認識を伺います。

 最後に、過密状況が深刻になる柏特別支援学校について伺います。
 柏特別支援学校には、現在243名の児童生徒が在校し、教室数は33でその内、教室の合同使用が18にもなり、「普通学級」「重複学級」の2クラス・7名程度が合同で教室を使用するという、本当に狭い状態が続いています。柏特別支援学校の過密化・狭隘化はこれ以上放置できない状態だと思うが、教育長の認識を、まず伺います。
 来年度以降はさらに深刻になっていきます。来年度は30名程度が入学を希望しており、12月議会で教育長は「3教室増やして対応し教室は確保できる」と答弁されました。
 しかし増やす教室とは、廊下の一部に仮設の教室を仕立てるだけではありませんか。
これで、教育環境が整っていると言えるのか。教育条件整備という県教委の責任が果たされるのか、お答えいただきたい。
 日常的に使用している廊下の一部を教室に見立てるというのは、初めてのことであり、こんなことが広がれば、学ぶ環境がことごとく破壊されていくことになります。
設置基準がないからと、こんな安易な対応をするのではなく、教室棟の増築などをただちに具体化すべきではありませんか、お答えください。
 柏市、流山市のつくばエクスプレス沿線では、宅地開発、マンション建設が進められ、今後も人口増が見込まれています。それに伴って、特別支援学校へ入学を希望する、児童生徒も急増していくことが容易に推測できます。(仮称)東葛特別支援学校が2022年度に開校しますが、柏特別支援学校エリアでの今後の児童生徒数の推移は、どうか、お答えください。
以上で1回目の質問を終わります。

◯森田健作知事 共産党の加藤英雄議員の御質問にお答えします。
 まず、政治姿勢についてお答えいたします。
 陸自オスプレイの暫定配備に関する判断や方針についての御質問でございますが、暫定的な配備に関する木更津市と防衛省との合意は、15回にわたる住民説明会や市議会の決議を受けた重い判断と考えております。県といたしましても、国との間においても、陸自オスプレイの運用等に関する情報共有を図るなど、市と連携しながら、県民の安全・安心の確保に向けて対応を進めてまいります。

 次に、2020年度予算案についてお答えいたします。
 予算の配分に関する御質問でございます。県では、令和元年度及び2年度予算において、被災した住宅や農業用ハウス、中小企業等の復旧について、被災者の方々の負担軽減を念頭に通常よりも踏み込んだ支援を行うこととしたほか、治水対策の強化や地域防災力向上への支援の拡充など、防災・減災対策にも重点的に予算を措置したところでございます。また、地域経済振興のため、中小企業振興資金の融資枠の確保や道路ネットワーク事業の整備促進などにも力を入れております。

◯今泉光幸総務部長 私からは2020年度予算案についての1問にお答えいたします。
 私学助成における所得の低い世帯への負担軽減についての御質問ですが、県では、年収350万円未満の世帯に対しては授業料全額減免や入学金軽減など、さまざまな学費助成を行ってきたところであり、全国的にも手厚い制度となっております。令和2年度からは、さらに保護者の経済的負担を軽減するため、入学金について補助額を5万円から15万円に引き上げ、実質無償化を行います。今後とも入学金軽減制度や授業料減免制度など、私学助成全体を一体的に運用しながら所得の低い世帯の負担軽減に努めてまいります。

◯石川 徹総合企画部長 私からは知事の政治姿勢について、陸自オスプレイの木更津市への暫定配備に関する5問にお答えいたします。
 初めに、オスプレイの配備と非核平和千葉県宣言についての御質問でございますが、陸自オスプレイは、島嶼防衛に向けた迅速な輸送とともに、災害救援や離島の急患輸送の役割を果たすと国から聞いております。また、平成6年10月に決議された非核平和千葉県宣言は、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の願いがあらわされているものと理解しております。
 次に、国に情報提供を求めるべきとの御質問ですが、県としても、県民の安全・安心の確保に向けて、引き続き国との間において陸自オスプレイの運用等に関する情報の共有を図ってまいります。
 次に、暫定配備の期間についての御質問でございますが、暫定配備期間について、木更津市長は5年以上は考えていないと発言されており、県としても、市長の考えを尊重しております。
 次に、広域的立場としての県の対応についての御質問でございますが、防衛省と情報共有した内容については、引き続きしっかりと全市町村に提供し、丁寧に対応してまいります。
 最後に、暫定配備の受け入れについての御質問でございます。暫定的な配備に関する木更津市の合意は、駐屯地を抱える地元住民の意見を踏まえた重い判断と考えております。

◯横山正博健康福祉部長 私からは2020年度予算案についての6問につきましてお答えいたします。
 まず初めに、子ども医療費助成の通院助成拡大についての御質問でございます。県内市町村におきましては、助成対象を高校3年生までとするなど、独自の取り組みがなされていることは承知しておりますが、県といたしましては、現行制度の内容は支援の必要性の高い年齢をカバーしており、今後も安定的に維持運営していくことが重要であると考えております。また、本制度は統一した制度のもとに、国、県、市町村が一体となって取り組んでいく必要があることから、あらゆる機会を通じて全国統一の制度の創設について、引き続き国に要望してまいります。
 次に、ひとり親家庭6歳未満の子供にかかる国民健康保険の均等割についての御質問でございます。国民健康保険制度は、法に基づく全国統一の制度であり、制度上の課題については、制度設計者である国が責任を持って対応すべきものと考えております。県では、子供にかかる均等割保険料の軽減措置の導入について、従来から国に要望しているところであり、今後も全国知事会等と連携しながら要望を行ってまいります。
 次に、重度心身障害者の医療費助成に係る一部負担金についての御質問でございます。県では、平成27年8月の現物給付化の際に実施主体である市町村との協議を重ね、関係団体の意見を伺いながら、その結果を踏まえて制度改正を行い、通院1回、入院1日につき300円の自己負担をいただくことといたしました。本制度は、国、市町村、制度利用者が応分の負担をしながら維持していくものと考えております。
 次に、特別養護老人ホームの入所待ちに関する御質問でございます。急速な高齢化の進展に伴い、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみ世帯の増加が見込まれる中で、在宅介護が困難な高齢者が入所する特別養護老人ホームの整備は大変重要であると認識しております。このため、市町村に対する事業量調査の結果をもとに、要望のあった全施設について設備事業補助金を計上しているところであり、今後も市町村と連携して、入所の必要な方が一人でも多く入所できるよう整備促進に努めてまいります。

 ただいまの答弁で設備事業補助金と申し上げましたが、整備事業補助金の誤りでございます。失礼いたしました。

 次に、介護施設職員確保についての御質問でございます。介護職員の処遇改善については、従来から介護報酬において処遇改善加算が実施されており、さらに令和元年10月からは、経験、技能のある介護職員に対し月額8万円相当の賃金改善等が行われるよう、介護職員等特定処遇改善加算が実施されているところでございます。今後も介護職員の賃金の状況を踏まえつつ、介護人材の確保、定着に向けた処遇改善が図られるよう、国に要望してまいります。
 最後に、保育士の人件費への補助に関する御質問でございます。県では、保育士確保・定着促進のためには給与の底上げが必要であるとの認識から、保育士の給与に補助を行う千葉県保育士処遇改善事業を市町村と連携して実施しているところでございます。本事業は、保育士確保についての県内の厳しい状況を考慮し緊急的に創設したものであり、本来、保育士の処遇改善は、国において公定価格の引き上げなどにより取り組むべきであるものと考えることから、引き続き国へ要望してまいります。

 もう1点、訂正をさせていただきます。恐れ入ります。先ほど重度心身障害者に関する答弁で、負担について国、市町村などと申し上げましたが、正しくは県、市町村でございました。訂正しておわび申し上げます。失礼いたしました。

◯吉野 毅商工労働部長 私からは2020年度予算案についての質問のうち2問についてお答えいたします。
 まず、商店街向け予算についての御質問でございますが、この予算は商店街自体の活性化に向けて、その商店街が一体となって行う意欲的な取り組みに対し支援することを目的としたものでございます。また、個々の商店に対する支援につきましては、県制度融資による金融支援や、県産業振興センターにおいて、専門家による売り上げ拡大などの相談対応を行っております。
 次に、立地企業補助金に関する御質問ですが、来年度予算案に計上している立地企業補助金のうち、新規分26件は既に県が計画認定を行っている企業などの投資案件であり、来年度にその支出が見込まれるものを計上しているものでございます。今後も本県経済の活性化を図るため、企業立地の促進に努めてまいります。

◯半田徹也農林水産部長 2020年度予算案についてのうち、農業次世代人材投資事業の準備型の予算を増額し、期間を延長すべきとの御質問にお答えをいたします。
 この事業は、平成29年11月の国の行政事業レビュー等におきまして、交付対象者の見直しや交付単価の水準についての検証を実施すべきであるなどの指摘を受けております。このため国では、本事業が新規就農者の早期の自立や地域への定着にとって、より効果的なものとなるよう検討することとし、事業の実施状況や成果の分析及び評価を始めたところでありまして、県としては国の動向を注視してまいりたいと考えております。

◯河南正幸県土整備部長 私からは2020年度予算案についてのうち4問、河川洪水対策についての6問、計10問にお答えいたします。
 初めに、2020年度予算案についてでございます。危機管理型水位計の設置を急ぐべきとの御質問ですが、昨年の災害時の経験から、台風の襲来など、非常時において河川の水位情報を確実に監視することは極めて重要と認識しており、まずは水位周知河川において、避難判断等の基準となる水位観測地点を対象に危機管理型水位計を次の出水期までに設置することとしました。その他の箇所につきましては、今後、市町村の意向を確認するとともに、設置方針を策定した上で具体の検討を行ってまいります。
 次に、土木事務所の交通安全対策と道路維持の予算についての御質問ですが、交通安全対策としては、歩行者の安全を確保する歩道整備や円滑な交通確保のための交差点改良、道路維持としては、道路環境を良好に保つための除草や小規模補修などを行っております。これらの事業の予算案については、各土木事務所の要望を踏まえ事業の進捗状況や効果などを勘案し、所要額を計上しております。
 次に、直轄事業負担金についての御質問ですが、県において実施されている直轄事業は、道路ネットワークの基幹となる圏央道等の整備、利根川等の堤防整備、港湾事業や土地改良事業など、県民生活の利便性の向上や県民の安心・安全、生産基盤の充実強化を図る上で大変重要な事業であると考えております。直轄事業負担金は、これらの事業を進めるための法令に基づき、その費用の一部を負担しているものでございます。
 次に、道路ネットワーク事業の予算に関する質問ですが、圏央道など高速道路ネットワークとアクセスする道路や北千葉道路は、県内の広域的な幹線道路網を形成し、県内全域において、生産性の向上、防災力の強化や地域の活性化を図る上で重要な道路であり、今後ともこれらの整備を着実に推進してまいります。
 次に、河川洪水対策についてでございます。初めに、河川の整備についての御質問でございますが、県では、人口や資産が集中する地域の河川や浸水被害が発生した河川などについて、長期的な河川整備の基本方針を定めた上で段階的に整備を行うため、おおむね20年から30年で時間50ミリメートル相当の降雨に対応した整備を行う計画を策定し、着実に治水対策を実施しているところです。近年、甚大な被害を引き起こす台風や集中豪雨などが頻繁に発生していることを踏まえ、今後とも河道改修や調節池の整備を着実に進め、早期に治水効果を発現できるよう努めてまいります。
 次に、土木事務所の河川維持の予算についての御質問ですが、土木事務所では河川機能を維持するため、老朽化した堤防や護岸の補修、河道内に堆積した土砂の撤去、陥没やひび割れした管理用通路の補修などを実施しております。河川維持の予算案については、各土木事務所の要望を踏まえ緊急性や効果等を勘案し、所要額を計上しております。
 次に、国の中小河川緊急治水対策プロジェクトについての御質問ですが、関連しますので、一括してお答えいたします。
 平成29年末のプロジェクト策定に際し、限られた時間の中での検討であったことから、危機管理型水位計を設置する候補として水位計が設置されていない河川の数、155を最大の数値として国に報告したものです。当時、既存の水位計108カ所を含む河川監視システムの老朽化が著しく、計画的な更新が必要であったことから、この更新と一体的に危機管理型水位計の設置についても検討し、プロジェクトの期間内の設置を考えておりました。
 次に、市町村への意向調査後の水位計の増設についての御質問ですが、平成29年末のプロジェクト策定後、県では、既存の河川監視システムの更新と危機管理型水位計の設置に向け一体的に取り組み始め、平成30年度に市町村に対し、設置を希望する河川等の意向を調査しました。その結果、21市町村から40河川について設置要望があり、36カ所の具体的な設置箇所が示されました。この要望箇所の中には、既存の水位計で水位把握が可能な箇所や干満の影響を受けやすいなど、十分な効果を発揮できない箇所も多く見られたことから、平成30年度においては、当初の計画どおり、意向調査の実施後に必要な検討を行った上で、プロジェクト期間内に危機管理型水位計を設置することとしておりました。
 最後に、危機感を持った河川整備、洪水対策が求められるとの御質問ですが、県では高度成長期以降、頻発する洪水被害に対し、再度災害防止を目指して集中的に河川改修を実施し、また、急激に都市化が進展する地域を中心に計画的に河川整備を進めてきました。あわせて治水機能を維持するため、堆積土砂の撤去等を適切に実施してきており、その結果、水害による浸水家屋数が減少するなど、治水安全度の向上が図られてきたと考えております。一方で、全国各地で大規模な水害が頻発し、施設では防ぎ切れない水害は必ず発生するとの認識から、県では市町村や気象台等と構成する減災対策協議会を設置し、連携して水害リスクの周知や警戒避難体制の充実などを進めており、ハード、ソフト一体となった対策に取り組んでいるところです。

◯保坂 隆都市整備局長 私からは2020年度予算案についてのうち1問にお答えいたします。
 区画整理事業の一般会計からの繰出金についての御質問です。県では、金田西地区やつくばエクスプレス沿線地区において、交通ネットワークを生かした利便性の高いまちづくりを目指し土地区画整理事業を進めております。各地区とも整備が進展し、地元市や地権者の皆様方から早期完了を求められていることから、引き続き地元市と連携しながら事業を推進してまいります。

◯澤川和宏教育長 私からは、まず、2020年度予算案についてお答えいたします。
 小学校4年生及び中学校2年生の35人学級の実施についての御質問ですが、県教育委員会では、国の定数を活用しつつ少人数学級を推進してまいりました。引き続き35人以下学級の早期拡充など、教職員定数の改善について、全国都道府県教育長協議会等を通じ、国に要望してまいります。なお、令和2年度当初予算案においても、国の定数措置を踏まえ、小学校専科に係る加配の拡充など、定数の改善を図ったところです。
 次に、代替教員の配置についての御質問ですが、御提案について詳細がわからないため見解を述べるのは控えますが、一般論として申し上げますと、年度当初から1年間を通して各学校で勤務する正規教員の定数は国が措置することが基本であり、国への要望が必要になってまいります。なお、今後とも必要な講師の確保に努めてまいります。
 次に、県立柏特別支援学校についてお答えいたします。
 過密化、狭隘化についての御質問ですが、柏特別支援学校は、開設時の昭和56年度には小中学部児童生徒数76名からスタートし、今年度は小、中、高等部、合わせて243名となっております。同校では、これまで特別教室を普通教室に転用すること、児童生徒の様子、障害の程度を勘案して、2クラスが1つの教室でともに学習すること等を工夫しており、先生方の努力と相まって、何とか学級経営が成り立っていると承知しております。
 次に、教育環境に関する整備についての御質問ですが、令和2年度の学級数については、今年度と同じ51学級程度を見込んでおり、児童生徒の実態等を踏まえながら、現状の使用教室数での対応を想定しております。また、来年度からは廊下等の共用部を活用した3つのスペースを新たに設置する予定であり、児童生徒が情緒を落ちつかせたり、少人数で学習する等、多用途に活用することでより効果的な教育ができるものと期待しております。
 次に、教室棟の増築など、直ちに具体化すべきでないかとの御質問ですが、県教育委員会では、第2次県立特別支援学校整備計画に基づき、(仮称)東葛飾地区特別支援学校の令和4年度の開校に向けて準備を進めており、これにより高等部が分離され、14教室程度が小学部、中学部で新たに使用できる見込みです。
 最後に、今後の柏特別支援学校エリアでの児童生徒数の推移についての御質問ですが、柏市及び流山市の人口は増加しておりますが、柏特別支援学校の児童生徒数の今後の推移については、就学先の決定に当たり、本人、保護者の意向を正確に予測することができないことから、現時点で正確な見込みをお示しすることは困難です。第2次県立特別支援学校整備計画が令和3年度に終了することから、次期計画の策定に向け、今後の児童生徒数の推移について、来年度以降、推計作業を開始する予定です。

◯早川 治警察本部長 私からは令和2年度予算案に関し、信号機設置についての御質問にお答えをいたします。
 信号機の新設について、県警では県民の御要望等を踏まえつつ、信号機の更新や維持管理経費が増大している現状も考慮しながら、警察庁が示しております信号機の設置指針に合致し、設置の必要性、緊急性が高い箇所に措置をしているところでございまして、これらの点を勘案し、令和2年度当初予算案では、所要額として信号機22基の新設経費を計上しているものでございます。県警では、信号機を設置しない場合でも安全対策が必要と考えられる箇所につきましては各種交通規制を実施するなど、道路管理者と連携した措置を講じることとしておりますほか、交通安全教育や広報啓発、悪質、危険な違反の指導取り締まりなどを含めた総合的な対策により交通事故防止を図ってまいりたいと考えております。

◯加藤英雄議員 それでは、再質問をさせていただきます。
 まず、オスプレイの暫定配備ですが、木更津市と防衛省の合意書は重く受けとめる。しかし、合意書に書いてある5年以内を目標にというのを知事がよしとするのであれば、県民の皆さんに対して、5年以内は我慢をしてください、5年以内は耐えてくださいということになるんですよ。それでよろしいのかどうか、知事、お答えください。
 それから、国保の均等割分の免除、制度設計は本来国の責任だというお話がありましたが、そもそも論でお聞きします。協会けんぽにもないこの負担、人頭税とも言えるこの負担、私、こんな負担はおかしいし、あってはならないと思うんですが、県は基本的な認識として、どういうふうに見ていらっしゃいますか。軽減措置を国に求めているということですが、ということは、ひとり親家庭の均等割分の負担感は大きい、重い負担を抱えているという、そういう認識をお持ちだからこそ、国に要望しているんですよね。基本的な認識です。お答えください。
 特養ホームの補助金の増額についてですが、私たちの提案はごくごく最小限のものです。自宅で入所を待っている要介護3から5、特にひとり暮らし、老老介護世帯3,482人、入所させるためにはあと255床。この分を増額すれば全員の入所の見通しが立つんですよ。このひとり暮らし、老老介護の世帯は特養入所、緊急を要するという認識でいるのかどうか、基本認識をお示しください。
 それから、35人学級の実施の点ですが、国の標準法を活用してこれまでやってきたということですが、定数の中には基礎定数と加配定数と県単定数があります。率直にお聞きしますが、県の条例で県単定数をふやせば、県独自の教員採用で35人学級に踏み出すことは可能なのかどうか、まず1点。この点で全く法の縛りはないというふうに思うんですが、その辺、教育長の認識、いかがでしょうか。
 それから、教員の未配置の解消ですが、いろいろ努力しているとは言ってきても、解決するどころか、現実、ふえてきているんですよね。1月1日付の未配置は全県で219名で過去最高ですよ。なぜこんなにもふえてきているというふうに教育長は分析しているのか、率直な思いをお聞かせください。
 問題は、教育現場がどうなっているのかということなんですよ。柏市では、毎月、未配置の状況を一覧表にしています。産休の方が今月何日に復帰するのかというのも明記されています。2月1日付の柏市の未配置は17校、23名。深刻なのは小学校です。全42校の小学校の中で、実に未配置は15校、36%ですよ。3分の1以上の学校で教員の未配置、教員が配置されていないというのが現状なんです。30学級規模の小学校で見て3人も未配置という学校まで生まれているんですよ。こういう現場の実態、教育長は御存じなのかどうか。これ、1点目。
 それから、こういう実態を教育長はどう受けとめているのか。2点目、お答えください。
 やっぱりこれまでの延長ではなくて抜本的な対応が必要だというふうに私は思うんですが、どんな対応をしていくのか、改めてお伺いをいたします。
 それから、信号機の設置についてですが、信号機を設置しなくとも安全対策を行っていると本部長の答弁がありました。私、基本認識を伺いたいんですけど、来年度22基でしょう。7年前の4分の1まで設置数は減るんですよ。県警では、信号機は県内で既に充足しているという判断なんですか。新設必要箇所は少なくなっているという認識なんですか。1点目、お答えください。
 2つ目、昨年、各警察署から設置要望総数というのは何カ所出されているんですか。
 それから、昨年の交通事故の死者数は172人、全国最悪です。そのうち高齢者が90人、高齢者の死亡のうち歩行中の死亡者が49人、横断中で亡くなった方31人。これは、この事故を少なくするにはやっぱり信号機の設置が必要だということを示しているというふうに思うんですが、お答えください。
 第10次交通安全基本計画の計画年度は来年度1年間、最終年度になります。あと1年で死亡者数150人まで減らすという目標、どうやって達成しようとしているのか、見込みをお話しください。
 それから、直轄事業負担金についてですが、利便性の向上など重要な事業だというお話がありました。法的義務があるのかどうかというのを、私、第1問で述べました。その法の解釈について伺います。道路法の第50条、河川法の63条、港湾法52条、土地改良法第90条、条文ではどう規定されていますか、それぞれお答えください。
 その上で、その条文では負担しなければならないという義務規定が生じているのかどうか、お答えをいただきたいというふうに思います。
 それから、河川整備の問題です。時間降雨量50ミリ対応の河川整備ですが、目標年次が答弁できない、20年から30年の計画で対応していると。県の最上位の計画に当たる総合計画をひもといてみたらば、1996年、平成8年、ちば新時代5か年計画のときに初めて1時間当たり50ミリ程度の降雨にも安全である整備を進めるというのが出てきているんです。もう25年ですよ。総合計画は県民への約束でしょう。はっきりと部長、責任を持って完了年度をお示しください。
 それから、15年前、堂本知事のとき、2005年のアクションプランで整備率は5割でした。15年たって1割しか進んでいません。年平均5キロ程度です。このペースでいけば、延長840キロの整備はあと60年以上かかるんですよ。県民にどう説明するのか、お答えいただきたいというふうに思います。
 それから、水位計の問題ですが、明らかに水位計を含めて洪水対策、県は軽視してきたと言わざるを得ません。国の緊急プロジェクト以降、他県はどうだったのかというと、神奈川では危機管理型水位計34基つけています。茨城68基、群馬127基、埼玉29基、栃木でも19基。設置ゼロは千葉だけじゃありませんか。市町村の意向調査もやっていながら、こんな事態になっている。これは部長の責任重大だと思うので、なぜこんな事態になっているのか、ぜひ答弁をいただきたいというふうに思います。

◯石川 徹総合企画部長 私からはオスプレイ暫定配備期間についての御質問にお答えいたします。
 木更津市と防衛省との合意は、木更津駐屯地を抱える地元住民の意見を踏まえたものであり、尊重しております。県としても、国との間において、陸自オスプレイの運用等に関する情報共有の内容、方法等について調整を図るなど、県民の安全・安心の確保に向けて対応を進めてまいります。

◯横山正博健康福祉部長 私からは、まず、国保制度のひとり親の均等割制度の認識についての御質問ですが、所得のない子供に対する均等割につきましては、子育て世代にとって経済的負担になっていることから、この軽減について、国に要望を行っているところでございます。
 それから、特養整備にかかる認識についての御質問でございます。入所が必要な方が一人でも多く特別養護老人ホーム等介護施設に入所できることは非常に重要なことと認識しております。このため県では、特養ホームの整備について補助単価を全国上位の450万円としているほか、施設の開設に必要な経費の補助を行うなど、積極的に整備を進めているところでございます。

◯澤川和宏教育長 私からは、まず、再質問のうち35人学級についての質問にお答えをさせていただきます。
 35人学級の実現など、教員の定数については国が措置することが基本というのが私どもの考えでございます。県単定数につきましては、本来、国が措置すべきものについて国が措置してないといったものについて均衡を欠くと、そういった形で我々が判断しているものについて措置しているというところでございます。先ほどの答弁の繰り返しになりますが、35人学級の拡充に向け、引き続き全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望してまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、講師未配置の拡大についての要因分析ということでございます。近年、全国的に教員採用選考の倍率が低下してございまして、その流れもありまして、講師の確保に困難を来しているといったところが全国的に見られるところでございます。特に年度末について、年度当初は講師が確保できていても、年度末になるとなかなか補充講師が見つからないといったことで未配置の講師が拡大していると、そういうふうに分析しているところでございます。
 続きまして、その実態を認識しているのか。また、その実態の受けとめはどうかということでございます。これまで県の教育委員会でもさまざまな工夫をしながら講師の確保に全力を尽くしてきたところでございます。ただ、時には年度末、急な欠員が生じたといったことで講師が補充できないという事態も生じているところであり、大変心苦しく思っているところでございます。今後とも市町村教育委員会と連携しながら、まず講師を新たに任用する、そういった事態を早目早目に把握して講師の確保に努めていきたいというふうに思っております。
 あと、今後の対応についての御質問でございます。まず、未配置の講師の解消のためには、計画的で長期的な観点に立って新規採用教員の増を図ることが重要だというふうに考えております。これまでも計画的な新規採用教員ということをやってきておりまして、今年度につきましては、前年度を上回る採用者数を確保したというところでございます。あわせて講師名簿を登録した方が実際に講師になっていただくことも重要だというふうに考えておりまして、今年度につきましては、2月からSNSを通じまして、講師採用に係る情報をリアルタイムで発信する、そういう努力をしながら講師の確保に全力を尽くしているところでございます。

◯早川 治警察本部長 まず、信号機の整備が充足しているのかという御質問だったかと思いますけれども、令和2年度予算案におきまして、信号機の新設の所要額については予算案において計上しているものと認識をいたしております。

 それから、2つ目として設置要望に関する御質問であったかと思いますが、平成30年度末に取りまとめました信号機の設置要望につきましては948カ所でございますが、ただ、これは昭和の時代から含めまして累積をしているもので、この中で指針に合致し、かつ設置の必要性、緊急性が高いと認められた箇所は52カ所でございまして、これにつきましては今年度と令和2年度で設置をしたいということで考えております。

 それから、交通事故死者の中で高齢者が半数以上を占めておるわけで、横断中の死者が多いということに関しての対策ということでございますけれども、この点につきましては、現在推進をしておりますゼブラ・ストップ作戦を関係機関、団体の御協力もいただきまして、一層強力に展開をして、ドライバーの歩行者保護意識の徹底を図ることなどによりまして事故防止に努めてまいりたいと考えております。これを含めまして、その他、飲酒運転を初めとする悪質、危険な運転の違反の取り締まり、あるいは交通安全教育、広報啓発の一層の充実といったことによりまして、交通安全基本計画に示しております150人以下とするということを目標に努力してまいりたいというふうに考えております。

◯河南正幸県土整備部長 私からは、初めに直轄事業負担金についての御質問にお答えいたします。
 直轄事業負担金は、国が直接行う道路、河川等の公共事業について、地方財政法及び各個別法に基づいて、各地方公共団体にその負担を求めているものです。先ほどお話のございました、まず道路法でいきますと、第50条におきまして「国道の新設又は改築に要する費用は」ということで、その中で「都道府県がその3分の1を負担し」という形で書かれております。また、河川法につきましては、第60条のほうにおきまして、同じく、こちらのほうも「都道府県は、その区域内における一級河川の管理に要する費用については、政令で定めるところにより、改良工事のうち政令で定める大規模な工事に要する費用にあつてはその10分の3を、その他の改良工事に要する費用にあつてはその3分の1を、災害復旧事業に要する費用にあつてはその10分の4.5を、改良工事及び修繕以外の河川工事に要する費用にあつてはその2分の1を負担する。」と定められております。また、港湾法のほうでは、第52条におきまして、「国土交通大臣がする港湾工事に係る費用のうち次の各号に掲げる施設の建設又は改良に係るものは、当該港湾の港湾管理者が当該各号に定める割合で負担する。」という形で規定されております。
 続きまして、河川改修のほうの完了の年度についてのお話ですが、県では、人口や資産が集中する地域の河川や浸水被害が発生した河川などについて、長期的な河川整備の基本方針を定めた上で段階的に整備を行うこととして、時間50ミリメートル相当の降雨に対応した整備を現在進めております。これらの整備は、おおむね20年から30年で行う計画に基づいて着実に治水対策を実施しているところであり、必要な予算を確保しながら早期に治水効果を発現できるよう努めてまいります。
 次に、15年間の中で1割しか進んでいない、急ぐべきではないのかというような御質問でございます。これにつきましては、先ほども答弁させていただきましたが、再度災害防止を目指して集中的に河川改修を実施したり、急激に都市化が進展する地域を中心に計画的に河川計画を進めております。また、全国各地での大規模な水害が発生し、施設では防ぎ切れない水害が必ず発生するとの認識から、県では減災対策協議会を設置して、ハード、ソフト一体となった取り組みに取り組んでいるところであり、しっかりとこれからも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 私から最後になりますが、危機管理型水位計の設置を急ぐべきとの御質問でございます。昨年の災害時の経験から、まずは水位周知河川において、避難判断等の基準となる水位観測地点を対象に危機管理型水位計を次の出水期までに設置することとしました。また、その他の箇所につきましては、今後、市町村の意向を確認するとともに、設置方針を策定した上で具体の検討を行ってまいります。

◯半田徹也農林水産部長 土地改良法90条でどう書いてあるんだというお尋ねでございました。「国は、政令の定めるところにより、国営土地改良事業の施行に係る地域の全部又は一部をその区域の全部又は一部とする都道府県に、その事業に要する費用の一部を負担させることができる。」というふうに規定されております。

◯加藤英雄議員 今回の質問で、私は、河川整備や洪水対策がいかに後景に追いやられてきたのかというのを指摘しました。この間の災害への対応から何を学び取るのか。それは、県民の命と安全に直結する分野の人と予算は絶対に削ってはならない、これをやっぱりしっかりと教訓にすべきだというふうに思います。いざというときの対応のためにも恒常的に緊張感を持った手厚い施策が必要だし、災害に強い千葉県づくりのためにも、必要な分野に人員と予算を確保した県政へと切りかえることが今ほど求められているときはないということを強調して、質問を終わります。