【2025年2月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 議案・請願への討論

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【2025年2月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 議案・請願への討論

 日本共産党を代表して討論を行います。
 議案第1号、来年度一般会計当初予算案ですが、道路直轄事業負担金のうち、北千葉道路が47億円から70億円へと1・5倍、圏央道は27億2千万円から56億8千万円へと2・1倍に増えています。今議会に上程されている当初予算は骨格のはずなのに、1・5倍とか2倍に増額されているのは異様であり、大規模な高速道路や自動車専用道路を全県に張り巡らせる道路ネットワークに関する予算は最優先で確保する「聖域」になっていると言わざるをえません。
 その一方で舗装道路修繕費は、今年度の79億円から来年度は57億円へと22億円も減額され、歩道整備などの交通安全対策費も69億2600万円から、わずか3分の1に減っています。6月県議会に提出予定の補正予算、いわゆる肉付け予算で増額されると思いますが、高規格道路とあまりにも扱いが違いすぎます。
 しかも今年度、各土木事務所から本課への舗装道路修繕費の要求額は89億8100万円でしたが、予算に計上されたのは79億円で約10億円も減額され、交通安全対策費も約20億円も削られています。来年度予算で、安全対策や舗装修繕が遅れれば人命にもかかわるので、6月補正での増額が事務所からの要求額に追い付くよう強く求めておきます。
 当初予算に含まれている病床機能再編支援事業、1億7419万2千円は、来年度削減される97床の病床削減のための補助金です。県が作成している「指標で知る千葉県」によれば、人口10万人当たりの病院病床数は43位で、わざわざ補助金までつけてさらなる削減を進めることは許されません。
 こうした内容を含む当初予算にはきっぱりと反対いたします。

 議案第17号、特別会計港湾整備事業ですが、千葉港長期構想にもとづく埋め立てのために1億6900万円が計上されています。千葉港長期構想は、2013年を起点にして、2047年を目標年次に定め、千葉港の貨物量が大幅に増えることを前提に、埋め立てなどで港を拡張しようというものです。しかし、総貨物量でみると、2023年は1億2623万トンで前の年より1038万トンも減っています。常任委員会では、「コロナなどで一時的に減少しているもの」と答える一方で、目標達成については「将来を見通すのは難しい」と答弁しました。見通しもなく根拠もないのに、そこに向かって毎年莫大な税金をつぎ込むのでは県民の納得は得られません。よって本議案には反対します。

 議案第18号、特別会計土地区画整理事業ですが、柏北部中央地区は計画人口2万6千人に対して、現在の居住人口は1万3700人で5割程度にとどまっています。運動公園周辺地区では4割にも達していません。それでも昨年の常任委員会では、「計画年度において人口は上回る」と強弁していましたが、今回の常任委員会では、「一概に言えない」と達成できない可能性を認めました。実際に、この1年で増えた人口は、柏北部が300人で目標達成まであと41年、運動公園は470人で27年かかります。最終的に保留地が売れ残れば税金投入の可能性もあり、根本的な見直しが求められていますが、その姿勢が欠落している本議案には反対いたします。

 議案第24号、特別会計流域下水道事業は、来年度からの市町負担金の値上げ分19億3112万円が反映されており、住民などの下水道利用料金に転嫁されるのは明らかです。異常な物価高のなか、県が下水道料金を引き上げれば、住民生活に暗い影を落とすことになります。
 しかも、県の流域下水道は今年度、全体計画を見直しましたが、江戸川左岸流域下水道では、当初計画と比べて処理水量は1日当たり108万㎥から52万4千㎥へと半分以下になりました。しかし、江戸川第1終末処理場の能力は現在の1系列から8系列へと8倍に増やそうとしています。常任委員会では、今後、取り込む計画になっている松戸市金ケ作処理場と市川市菅野処理場の分も含めて、「人口で考えれば5系列で足りる」と答弁しました。だとしたら残り3系列分が余ることになりますが、これについては「計画人口に入っていない新たな開発が予定されており、その分として8系列すべてが必要」との答弁でした。しかし、全体計画にも入っていないような開発で、しかもその開発で計画通り下水道への接続人口が増えるかどうかなど、まったく根拠は不透明です。これらの大問題をはらんでいる本議案に賛成するわけにはいきません。
 港湾にしても区画整理にしても流域下水道にしても、過大な需要予測にもとづく過大な事業による矛盾が、覆い隠せないところまで来ていると言わざるをえず、これまでの県政運営の最も大きな問題の一つとして、根本的な見直しを求めます。

 議案第50号、職員給与に関する条例の改定案は、国に準じて給与表を見直すことが含まれていますが、8級以上を大くくり化するため、年数がたっても給料は上がらなくなります。これまでは数千円程度でも毎年上がっていたものが、これからは、働き方や能力に対する評価によって給料が上がるようになります。その結果、さまざまな懸念が生じることが予測されるので、反対いたします。

 議案第67号、水産総合研究センター再編整備に関する契約案件ですが、対象になっている魚類飼育棟建築工事に異論を唱えるものではありません。しかし、この元になっている基本構想にはパブリックコメントでも「集約するのではなく、規模の維持もしくは拡大を検討してもらいたい」との意見が寄せられており、県民の理解を得られているとは言えません。よって本議案には反対します。

 請願第44号と47号は、ともに教職員の未配置解消を求めるものです。未配置教員の人数は昨年3月で469人に上り、毎年、過去最高を更新し続けています。しかも、学校の中には8人も9人も未配置になっているところもあるなど、異常事態と言っても過言ではありません。未配置になればその分、学校のなかでやりくりせざるを得ず、それによって子どもたちとともに過ごす時間が奪われ、学校教育そのものに重大な影響を与えます。これにたいして本請願は「必要な数の正規教員の採用」、「近隣都県並みの給料引き上げ」、「代替教員の確実な配置」などを求めており、採択すべきです。

 請願第49号、国に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書の提出についてです。核兵器禁止条約は、昨年9月までに73ヵ国が批准しています。しかし日本政府は、条約への参加を拒み、締約国会議へのオブザーバー参加さえ背を向け続けています。一方で、被爆80年を前に日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したことは、核兵器のない世界を願うすべての人々に励ましと勇気を与え、全世界への力強いメッセージになりました。こうした流れをさらに広げるためにも、本請願を採択して政府に条約参加を促すべきです。

 以上で、討論を終わります。