【2024年12月県議会】日本共産党 浅野ふみ子県議 議案・請願への討論
日本共産党の浅野ふみ子です。
党を代表して議案と請願の主なものについて討論を行います。
議案第12号は、医師免許等のオンライン申請に関するものです。申請手続きでマイナンバーの利用が可能になります。同制度は、社会保障、税、災害対策の3分野に限定していた個人情報の利用を、昨年4月の法改定により、すべての行政分野においてマイナンバー利用の対象が拡大されました。それにより、法定事務に準ずる事務や条例で措置した自治体事務にもマイナンバーの利用が拡大できます。しかし、そもそも、政府が国民一人ひとりに生涯変わらない番号をつけ、多くの分野の個人情報を紐付けすること自体、プライバシー権の侵害や、個人情報の漏えいなど重大問題がつきまといます。よって、本議案に反対します。
議案第32号は競馬組合規約の改正に関するものです。そもそも競馬は射幸心をあおるギャンブルです。ギャンブル依存症家族会との懇談で、ギャンブル依存症が招いた多重債務など家族を巻き込む深刻な実態を伺いました。千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画では、県内で過去1年以内にギャンブル等依存が疑われる者は約3万5千人と推計され、ギャンブル依存症の予防や相談、治療・回復の対策を講じるとしています。そのギャンブルに、自治体が、まるで賭博の胴元のように直接かかわることは認められません。同様に、議案第33号の宝くじの当せん金についても、公営ギャンブルであり、より射幸心をあおられるように変質させられており、自治体がやるべきことではありません。わが党は、これまでの態度を改めて、議案第33号にも反対します。
次に、請願についてです。
請願第39号は、国に対して、訪問介護基本報酬の引き上げと、介護報酬の再改定を早急に行うよう、意見書の提出を求めるものです。3年に一度の介護報酬の改定により、訪問介護の基本報酬が今年4月、2~3%引き下げられました。これにより、請願者が実施した県内の訪問介護事業所を対象にしたアンケートでも、半数を超える事業所が収益が悪化したことが明らかになりました。しんぶん赤旗日曜版の調査でも、訪問介護事業所がゼロ、もしくは1ヶ所のみという自治体が県内にもあることがわかりました。従来からの人手不足もあり、自宅で介護を受けながら生活している方に欠かせない身体介護や生活援助などのサービスが受けられず、このままでは介護崩壊を招きかねません。埼玉県など9つの県議会で「訪問介護の報酬引き上げ等」に言及した意見書が採択され、衆議院でも全会一致で「必要な措置を」と決議しています。千葉県議会でも、本請願を採択し国に対応を求めるべきです。
請願第41号は、県と教育委員会に対して、教員の未配置を完全に解消するための抜本的な対策を求めるものです。千葉県では、教員の未配置が増え続け、昨年度末には469人となり過去最多を更新しました。今年度の始業式時点では196人、9月1日は330人が未配置です。教育委員会は対策を講じていると言いますが、未配置解消は全く進んでいないことは明らかです。丁寧な教育を受けられなくなる子どもたちが最大の被害者であり、小中学校の不登校の数は過去最多となっています。特別支援学校の未配置もかつてなく増えています。すべての児童・生徒が安心して学び成長できる学校教育を実現するためにも、未配置をなくすことは急務です。ところが県教育委員会は、1クラスの児童の人数は35人までとなっているのに、36人を超えてもかまわないとの通知を今年2月市町村教育委員会に出し、小学1年生で36人の学級があります。教員の未配置解消どころか、少人数学級推進にも逆行するものであり、直ちに改めるべきです。文教常任委員会でも、「尋常でない忙しさ」や教員不足など、教育現場の深刻な状況を少なくない議員が取り上げ、改善を求めていますが、その思いを県議会として示すためにも、本請願を採択することを呼びかけます。
請願第42号、第43号は、すべての子どもの教育費の負担軽減を求める請願です。44,808名分もの署名が添えられています。請願者が、この請願に込めたものは、貧困と格差から子どもたちを守るため、教育予算を大幅に拡充し、奨学のための給付金制度、修学援助制度の拡充、学費等の実質無償化です。そして、災害からかけがえのない命を守るために、耐震化補助の予算増額、必要な非常食や備蓄品購入のための助成です。さらに、私学経常費助成の増額、学校給食の無償化などを求めています。そのどれもが、切実な当然の願いです。これを県議会として正面から受け止め、応えるべきではないでしょうか。よって、請願第42号ならびに第43号の採択を呼びかけます。
以上で討論を終わります。