【2024年9月県議会】日本共産党 浅野ふみ子県議 代表質問
日本共産党市川市選出の浅野ふみ子です。党を代表して質問します。
最初に知事の政治姿勢についてです。
自民党岸田文雄氏が政権を投げ出し、総裁選まっ只中です。岸田政権の3年間は、「聞く力」など全く感じられない3年間です。
そこで伺います。退陣は、裏金問題への不信の広がりや、物価高騰への無策、戦争国家づくり、統一協会との癒着、原発回帰、人権軽視への国民の怒りに追い詰められた結果ではありませんか、知事の見解をお聞かせ下さい。
私は、自民党は看板だけ変えても、誰が新総裁になっても、裏金事件の幕引きをはかり、庶民の暮らしは省みず、人権、憲法9条をないがしろにする政治では国民に見放されると思います。
民意を受け止める政治をすすめる、という点では県政運営でも同じです。知事は就任時のあいさつで「今日の千葉県の発展は千葉新三角構想を進めたおかげ」とのべました。この構想は、成田空港や道路などのインフラ整備とともに、幕張、成田、かずさに産業の集積を図るという、1980年代から90年代初めの、いわゆるバブル期の自民党知事時代の巨大開発です。
558億円もつぎ込んで建てた幕張メッセ国際展示場は、稼働後も2016年度までに、県と千葉市併せて378億3200万円を負担しました。かずさアカデミアパーク事業への投資額は、2022年度までで基盤整備費とDNA研究所などの運営費で1901億円におよびます。
しかし、事業は行き詰まり、県財政は重いツケを背負うことになったではありませんか。バブルの初期1987年度の地方債残高は、約9669億円、県民一人あたり18万4千円です。2002年度には2兆円を突破しました。1兆円も上積みされたことになります。
財政再建を迫られた県は、定員適正化計画等にとりくみ、職員の大幅削減や県独自に賃金カットをすすめてきました。バブル期、知事部局の常勤職員数は1万人を超えていましたが、その後、6千人台まで急減しました。余りに減らしすぎで、いま8千人近くまで回復したとはいえ、この間の台風・豪雨災害や新型コロナなど、県民の命に関わる対応に大きな支障を来し、職員は長時間過密労働で心身共に疲弊しているではありませんか。バブル期にすすめた新三角構想のツケが、その後の県財政に大きな困難をもたらした、と思いますが、知事は、その事実は認めますか、お答え下さい。
知事は「10年後、20年後の千葉県の発展に向けた経済産業施策にとりくみ、高速道路ネットワークの整備を強力にすすめる」とものべ、この間巨大道路づくりを加速させています。これらは県民の願いから出発したものなのでしょうか。私は、背景に県内経済界からの声があると考えます。
県経営者協会は、今年も知事に主要幹線道路の整備と企業誘致の推進を要望しました。県は、この要望に応え、2024年度当初予算では北千葉道路と圏央道に約57億円を、富津館山道4車線化に向けた予算も計上しました。この57億円という金額は、中学3年までの医療費通院の県の助成分と、県の保育士待遇改善補助金の倍加に匹敵します。さらに「千葉北西連絡道路」や「新湾岸道路」などの早期事業化、圏央道の全線早期開通・4車線化などを掲げ、東京湾アクアライン6車線化、「東京湾口道路」の話しまで出ています。
まさに巨大道路づくりに突っ走っている知事といえます。たしかに新しい道路ができれば、便利になるかもしれませんが、しかし、費用対効果も考えるべきはないでしょうか。医療、福祉などを後回しにしてまで、いま優先させる必要があるのか、一度ブレーキをかけ、見直してみたらどうですか。このまま突き進めば、バブル時代の二の舞になる。大きなツケを、また背負うことは避けられないと思います。あわせてお答え下さい。
さらに地域経済の振興という視点から見ると、知事は、マスコミのインタビューで「一定のリスクを取り、産業用地を用意しておくことが大事」と述べるなど、産業用地を造成し企業進出を強調しています。産業用地なら、貴重な税金を使って整備してもすぐに使われなくてもかまわない、ということですか。答弁を求めます。
2024年度当初予算の立地企業補助金は35社・4件6億3790万円。一方、商店街支援事業は3920万円で、一商店街あたり6万5千円弱、まさに雀の涙です。地域の雇用やコミュニティーを支え、いま頑張っている中小零細業者を支援するための予算を、大幅に拡充すべきではないですか。
知事、経済界ばかりに顔を向けず、県民の願いに向き合う県政こそ求められています。昨年8月から9月に実施した世論調査では、県政への要望は、災害対策、高齢者福祉の充実、子どもへの支援、医療体制の整備、仕事と子育て・介護の両立が上位を占めています。税金の使い方は、何よりも物価高騰から暮らしを守り、福祉・医療・教育、中小零細業者や地場産業育成を最優先する、そういう県政への転換が求められていると思いますがいかがですか、お答え下さい。
次に、船橋市での乳児虐待死事件について伺います。昨年7月、生後11ヶ月の男児千巴弥ちゃんが、26歳の母親による暴行疑いで死亡しました。いかなる事情があろうとも虐待は絶対に許されません。しかし、またもや幼い命が奪われ、胸が痛みます。
千巴弥ちゃんは2022年8月生まれです。報道では、千葉市の西部児童相談所がネグレクトで生後5日目から一時保護し、約7ヶ月間乳児院で過ごしました。昨年4月に一時保護が解除され、母、父、姉との4人での家庭生活が始まり、千巴弥ちゃんは保育所に通いました。保護者は出産1ヶ月後には船橋市に転居し、2度3度と市内転居。2度目の転居先でも保育園の入所を希望するも、待機児が多く入れませんでした。
深刻なネグレクト、度々の転居、経済的困窮など、子育て環境は極めて不安定で、母親自身も心身共に困難を抱え、虐待リスクの高い家庭であったことは明白です。だからこそ行政がどう援助したのかが重要です。知事もそう思いませんか。千葉市西部児童相談所に続いて、県市川児童相談所船橋支所が直接関わりながら、幼い命を守れなかった責任は重大です。どう認識しているのか。知事の見解を伺います。
この間、県は、「関係機関が連携した上で必要な対策は行われていた」「適切だった」と言い張ります。しかし、やっと開示した公文書は、個人の利益を害する恐れがある等として肝心の指導・援助の内容は真っ黒です。県がどう対処したのか、県民には見えません。
「千葉県子ども虐待対応マニュアル」は、冒頭に、児童福祉法第2条の改定で、子どもの健全育成について、保護者が第一義的な責任を負うが、国及び地方自治体は、保護者と共に責任を負い、子どもの最善の利益の実現のため支援を行う、と明記されています。県市川児相も「乳児は、脆くて弱い。自らは虐待から逃れられず、発信することも出来ないため、切れ目ない支援が必要」と述べています。
だったら子どもの最善の利益のため、切れ目ない支援が尽くされたのか。厳しく問われます。県は第3者検証委員会で検証すると言いますが、そこでの結果待ちでなく、まず、県自ら検証し、今度こそ再発防止に活かすべきですがどうか。その際、県内での児童相談所や関係機関どうしの連携がどうだったか、徹底検証を求めます。それぞれ、お答えください。
なぜ、虐待死を防げなかったのか。最大の問題は、県自ら乳児を目視で安全確認するという基本が極めて不十分で、虐待リスク判断の甘さがあったことです。生後5日目から親に育児を任せられないほどの高い虐待リスクを、県は低く見ていた。結果として、市などの関係機関にほぼ丸投げになっていました。
例えば、県は引継ぎで、子どもに直接一度も会っていません。2023年4月25日に、千葉市児相から県市川児相への引継ぎ移管協議がありました。全国児童相談所長会の「申し合わせ」では、引き継ぎ、移管する場合、原則48時間以内に、「子どもを直接目視することを基本」として安全確認を実施する、となっていますが、県は、「緊急性に乏しいと判断されるケースを除き」の例外規定を持ち出し、乳児に直接会っていません。初めから、緊急性に乏しいと判断していたと言わざるを得ませんが、いかがですか。
しかも1ヶ月以上も後の5月30日にようやく、千葉市西部児相と県市川児相が、引継ぎのため家庭訪問を行いましたが、面接したのは母親とだけ。当時生後9ヶ月の乳児には会っていません。この事実はお認めですね。乳児に会いもせず状況確認ができますか。親子との信頼関係を築く適切な指導につながったと言えますか。あわせてお答えください。
結局、県は、一度も、乳児を直接目視で確認することなく、6月7日からの継続支援をスタートさせました。手抜きにも程があると思います。県が作成したリスクアセスメントシートはほとんど黒塗りですが、児童の身体的虐待、心理的な虐待等の状況を記載する欄があることはわかります。初期調査報告書には、児童の安全確認の欄、援助方針会議録にも、児童の虐待リスクの緊急度アセスの結果欄があります。乳児の身体状況を直接確認していないのに、正確な記載も適切な対応もできますか。県として、あまりに無責任ではありませんか。お答え下さい。
県の支援内容はどうか。千葉市が一時保護を解除した主な理由は、保育所の利用と家庭が関係機関の訪問を受け入れる、という2点でした。が、すでに転居しており、ちょうど県が責任を持つ6月7日から保育園に行けず、24時間家庭で過ごすなど、虐待リスクが大きく高まる新たな事態になっていました。しかし県はそう、判断できませんでした。千葉市から引き継いだ県として、保育所入所や、家庭への手厚い援助など、困難に寄り添う丁寧な支援が必要だったはずです。それをしなかったのはなぜですか。お答えください。
結局、千葉市と引継ぎを始めた4月25日から事件までの3ヶ月間で、県が、乳児を目視で安全確認したのは6月12日の家庭訪問たった一回きり。知事、県自ら乳児を安全確認するという基本が極めて不十分で、虐待リスクの判断を誤ったことが、虐待死を防げなかった要因の一つではありませんか。見解を伺います。
今回の事件の背景には、県児童相談所の職員不足や、とりわけ勤務経験5年未満の職員が多い問題、定員の2倍を超える一時保護などの問題があることを指摘せざるを得ません。野田市での小4女児虐待死事件の時にも、改善が強調され、県も一定努力していますが、事態は深刻化しています。2年後の県児童相談所の新設は一歩前進ですが、直ちに、県予算の大幅増額で、抜本的な体制強化に全力をあげるべきです。答弁を求めます。
次に青年学生への支援について伺います。
若者たちの置かれている現状は、極めて深刻です。学費が高く、千葉大学では年間53万5800円だった授業料が64万2960円へと2割値上げされました。千葉商科大学も年間106万円、千葉工業大学も139万円で、学生生活に暗い影を落としています。もともと日本の学費は世界と比べても異常に高く、経済協力開発機構―OECD35カ国で日本は3番目の高さとなっています。この背景にあるのが教育費への公的支出の低さです。その割合を見ると日本は2・8%で、OECD諸国では下から2番目。OECD平均と比べても1・3ポイント、金額にして約2兆円も少なくなっています。政府に、大学の授業料大幅引き下げと、そのための教育費の大幅増額を求めるべきだと考えますが、どうでしょうか。
苦しい生活に異常な物価高が襲ってきて、「月に1万円から2万円程度支出が増えた」というのが学生たちの実感です。ある学生は、親からの仕送り5万円、アルバイト5万円で生活していましたが、これでは足りずバイトを週2回から4回に増やし、「疲れて勉強に身が入らない」と話していました。学生支援機構が毎年行っている「学生生活調査結果」では、2012年度からの10年間で、保護者からの仕送りは121万円から12万円も減っています。一方、バイト収入は32万円から約5万円増えており、仕送りが減った分をバイトで補おうとしても、補いきれない実態が見て取れます。その分が食費にしわ寄せされ、調査結果では、下宿やアパートで暮らしている学生の食費への支出は年26万2400円、1日平均700円という驚くべき水準となっています。知事は、学生が置かれている苦しい実態と、収入を得るために学業が妨げられている状況について、どう認識しているのでしょうか、お答えください。
学生が学問を身につけて社会に出て行くのは、学生自身の人生だけの問題ではありません。社会進歩のためにも、社会全体を豊かにする上でも、欠かせないものです。学業に支障が出るほどバイトを増やさなければならない状況を解消し、学問に専念できる環境をつくり出すのは社会の責任であり、社会全体で解決しなければならない課題だと考えますが、知事の認識をお聞かせください。
熊谷知事は、千葉県が策定した「第4次青少年総合プラン」へのあいさつで、「子ども・若者は、社会の宝であり、その健やかな成長は、将来の千葉の発展の礎」と述べていますが、「千葉県のために子どもの成長が必要」というこの発想自体に大きな問題があります。国の「こども大綱」では「こどもまんなか社会」をめざすとしており、それは、「全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができる社会」だとしています。しかし知事が「まんなか」に据えているのは「千葉県」で、そのもとにこどもや若者を置いています。これはまったく逆であり、「こどもまんなか社会」という政府の大綱の精神にも反するのではないでしょうか、お答えください。
格差と貧困が広がり、日々の生活もままならない若者が少なくありません。千葉県として、いまこそこうした若者に光を当てる必要があります。例えば学生にとって負担になっているのが住居費です。アパート代が高いため、千葉の大学に神奈川から2時間もかけて通っている学生もいます。全国の自治体では若者の定住や就労促進を目的に家賃を補助しているところもあり、千葉県でも、所得の低い若者に対して家賃補助制度を創設し、生活を支援すべきではないでしょうか。
学生にとって重い足かせとなっているのが、返さなければならない奨学金です。卒業した時に300万円から400万円もの借金を抱え、30台半ばから40歳くらいまで返済していかなければなりません。これにたいして県が、教員採用での奨学金の代理返済に踏み切ったのは一歩前進です。これを広げて、県職員の他の職種でも実施すべきではないでしょうか。また、民間企業が代理返済する場合、支援を行っている県が増えていて、内閣府の調査で、やっていないのは千葉県を含む5府県だけです。若者と中小企業を支えるために、取り残されている状態から抜け出して千葉県でも実施を決断すべきです。あわせてお答えください。
学費の軽減も極めて重要な課題となっています。神奈川県では県立保健福祉大学の入学金を来年度から半額に引き下げると公表しました。千葉県でも県立保健医療大学の入学金の減額や廃止を検討すべきだと考えますが、どうでしょうか。授業料も思い切った引き下げを実施すべきです。お答えください。
若者の中で非正規労働者が増えていることが、安定した未来を奪っている大きな要因となっています。総務省の調査では、30歳から34歳までの男性の場合、正規労働者は59%が配偶者がいるのに、非正規では22・3%で正規の3分の1にとどまっています。結婚や子育てには安定した収入が必要であり、収入の長期的保証がない非正規では、結婚や出産の決断ができないのは当然です。知事は、非正規雇用が労働者の4割を占め、その人たちが結婚や出産をしたくてもできない状況にあることを、どう認識しているのでしょうか。県庁の中でも非正規雇用が増えてきていますが、まずは、これを改善すべきです。あわせてお答えください。
次に県内における有機フッ素化合物・PFAS汚染について伺います。
海上自衛隊下総航空基地周辺で、高濃度の有機フッ素化合物・PFASが検出され、汚染の実態が次々と明らかになってきています。
今年3月と6月に県と柏市が行った、人工水路・金山落の上流水路におけるPFAS調査では、いずれも国の暫定指針値を上回る高濃度のPFASが検出されました。3月の調査では6地点で暫定指針値を超え、最大で1リットルあたり1,800ナノグラムと国の指針値50ナノグラムの36倍となっています。6月の調査では4地点の水路で指針値を超え、最大で21,000ナノグラム、実に国指針値の420倍もの高濃度が示されました。
並行して柏市、鎌ヶ谷市、白井市が高濃度地点周辺の地下水・井戸の調査を行っています。柏市と鎌ヶ谷市では、2回の調査でいずれも暫定指針値超えのPFASが検出され、鎌ヶ谷市では、最大で指針値の700倍、35,000ナノグラムが検出されています。
県と3市は、6月に下総航空基地に対し、PFASを含む泡消火薬剤等の使用についての調査を依頼して立ち入り調査も行い、さらなる詳細調査の依頼を行っています。
今、急がなければならないのは、汚染源を特定し、汚染の範囲・実態を明らかにすること、健康被害を起こさない対策を講じることです。
そこでまず3点伺います。1点目、県も下総基地に対し「泡消火薬剤等」と特定した調査依頼をしていますが、今回の水路、井戸等の調査などから、汚染源についてはどのような認識を持っているのか。2点目、汚染源特定のために、下総基地内の土壌調査なども行うべきではないか、3点目として、関係市とも協力して水質等の調査範囲をさらに拡大し、汚染の実態、全体像を明らかにして県民に公表すべきではないか。
そもそもPFASとは、人工的につくられた有機フッ素化合物の総称であり、4700種以上あるといわれ、PFOS、PFOAなどが含まれています。PFOAは半導体やフッ素樹脂加工のフライパンなどに使われ、PFOSは主に泡消火薬剤として使用されてきました。日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律・化審法」で、PFOSが2010年に、PFOAが2021年に製造・輸入が原則禁止とされました。
健康への影響も、コレステロール値の上昇や発がん性などの可能性が指摘され、住民の不安はいっそう高まっています。現に、柏市や鎌ヶ谷市で行った住民説明会でも、「飲み水は買っている。1カ月1万円、いつまで続ければいいのか」「子どもも水はこわいと言って、プール遊びもできない」など、不安の声があいつで出されています。
関係市ではウォーターサーバーのレンタル料や、浄水器購入への補助などを打ち出していますが、県も関係市への支援を行うべきではないか。市町村とも協力し、希望する関係住民の、PFASの血中濃度を測定する血液検査と健康診断、健康影響フォローを実施すべきではありませんか。あわせてお答えください。
泡消火薬剤の使用・訓練が要因だとするなら、PFAS汚染は下総基地周辺だけに留まりません。
防衛省は、2020年2月に「防衛省・自衛隊におけるPFOS処理実行計画」を策定し、PFOSを含む泡消火薬剤等の交換及び処理を2023年度末までに完了するとしていました。
現に県内では、2022年度末時点で、館山航空基地には、PFOSを含む泡消火薬剤が2200リットルも処分されずにいまだに保有されていました。
さらに、2019年度末時点で見れば、県内では松戸駐屯地で60リットル、下志津駐屯地6リットル、木更津駐屯地500リットルが保有されていました。ということは、これらの基地でも2010年4月まではPFOSを含む泡消火薬剤を使用した消火訓練などが行われていたということです。
そこで伺います。県の責任において、これら自衛隊基地周辺の水路、河川、土壌等の調査を行うべきではないか。県内の調査結果を県民に公表すべきではありませんか。
PFASの環境基準の見直しも求められています。
内閣府食品安全委員会は6月、「健康影響評価書」を公表し、人が生涯にわたって毎日摂取し続けたとしても健康への影響が無いとされる、耐容1日摂取量を体重1キログラムあたり20ナノグラムとしました。しかしこれはアメリカ環境保護局のPFOSで0.1ナノグラム、PFOAで0.03ナノグラムの基準や、欧州食品安全機関のPFOSとPFOAを含む4種類の合計で0.63ナノグラムとの設定と比べてもかなり緩いものとなっています。
環境省は8月、「PFAS、Q&A集」を改訂しましたが、健康への影響は極めて過小評価したものとなっています。例えば人体への影響では「国内において個人の健康被害が発生したという事例は確認されていない」とし、飲み水についても「PFOS、PFOAの摂取が主たる要因とみられる個人の健康被害が発生したという事例は国内において確認されていない」などと、健康被害が発生していないから大丈夫だと言わんばかりの内容となっています。
健康被害が発生してからでは遅い、いま求められているのは、予防的対応、健康被害を起こさせない基準値を示し、安全管理を徹底することです。人体へのリスク評価を見直し、予防原則に立った摂取基準に改め、少なくとも欧米並みの基準とするよう、国に求めるべきです。お答えください。
次に精神障害者への支援について伺います。
障害者基本法は「等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される」との理念のもと、共生社会を実現することを目的としています。今年県は、同法に基づく「第八次千葉県障害者計画」を策定しました。
計画によると、身体・知的・精神のいわゆる障害者手帳の所持者数は2017年度末の26万4125人から、2022年度末には28万9912人と増加しています。中でも精神障害保健福祉手帳の所持者は5年間で約1・5倍、2万人超の増加であり、他の障害に比べても増加数・率ともにはるかに多くなっています。
これは全国的にも同様で、私が住む市川市でも精神障害の増加傾向が最も顕著となっています。精神障害者への支援の強化・拡充は障害者施策全体を考える上でも重要性が増していると考えるが、知事の認識を伺います。
精神障害のある方が地域生活を送るためには、住まいや日中活動、在宅サービスなど様々な支援が欠かせません。今回はその中でも医療費助成について伺います。
県の重度心身障害者(児)医療費助成制度は2020年8月、ようやく精神障害者にも広がりました。しかし、その対象は1級のみであり、2級・3級は助成を受けることができません。「障害者の生活と権利を守る千葉県連絡協議会」は、身体障害者の半数以上が医療費助成の対象となる一方で、精神障害は14%しか対象とならず、身体障害者並みをカバーするために「せめて精神2級への拡大を」と求めています。
また、ある精神障害2級の方の1年間の精神科外来とその処方薬の窓口負担は、自立支援医療の1割負担で所得に応じた上限額があっても、6万4950円だったそうです。もし1回300円の障害者医療費助成の対象であれば、5000円におさまる試算となり、実に10倍以上の負担となっています。県の障害者医療費助成の対象となる精神障害者は非常に限られており、自立支援医療制度を活用しても負担が重くのしかかる現状を、知事はどう受け止めているかお答えください。
精神障害のある方にとって、自立支援医療制度の対象にならない精神科以外の診療も、自身の心の安定や自己肯定感の向上に非常に大きな役割を果たしています。
中学3年の頃から人間関係の構築が困難になり、統合失調症と診断された方のご家族よりお話を伺いました。30代の息子さんは精神1級ですが、以前は医療費を気にして医療機関を敬遠していました。ところが、精神1級が医療費助成の対象になり、今では自ら進んでMRI検査に行くようになりました。一時は、生きることをあきらめそうになったこともあった息子のその変化を目の当たりにした母親は、「親に負担をかけずに病院に行ける事は、息子の前向きに生きる力になっている」とお話くださいました。
「第八次千葉県障害者計画」では、「精神障害のある人の地域生活の推進」には「医療費の患者負担が課題」と明記されています。その認識があるのならば、医療費助成の対象を拡大すべきではないでしょうか。おとなりの茨城県では、今年度より一定の条件があれば、精神2級の方も医療費助成が受けられるようになりました。報道によれば、条件付きを含め全国では既に9つの県が精神2級を対象としています。ただちに精神2級も障害者医療費助成の対象にすべきではないでしょうか。お答えください。
障害者基本法では、「社会的障壁」を「障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」と規定しています。障害種別や等級により対象外とする「制度」は、社会的障壁そのものです。すべての障害者を対象とした医療費助成制度の創設を国に求め、それまでは県独自に助成すべきです。お答えください。
次は子どもと教育についてです。
今、学校に行けない・行かないという小中学生は県内で1万2千人を超え、過去最多です。県の「不登校児童生徒等実態調査」では、学校に行きたくないと思ったきっかけは、「先生が好きではなかった、怖かった」「勉強が分からない、授業についていけなかった」「嫌がらせやいじめがあった」が上位となっています。また、学校を休んでいるときの気持ちは、「自由な時間でうれしい」「ほっとする楽な気持ち」が多い一方で、「勉強や将来が心配」「学校の友達が自分のことをどう思っているか気になる」など、子どもたちは不安を抱えています。「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、「無気力でなんとなく登校しない。登校の意志はあるが、漠然とした不安を抱え登校しない、できない」が59.6%と、子どもたちが学校生活で傷つき、悩み、言葉にならない叫びを発しています。
県教委は「不登校支援のゴールは登校だけではない」としながら、指導の結果登校できるようになったのは25.1%、と登校数しかカウントしていません。学校に行けない・行かない子どもに求められる支援は、子どもと心を通わせ、様々な悩み、ストレスを取り除くことが大事ではないでしょうか。お答えください。
一方、保護者の気持ちはどうか。「登校を頻繁に促した」は少数で、「子どもの気持ちを理解するよう努力した」「登校するかどうかは、子どもの意思を尊重した」「無理して学校に行く必要はないと思う」と、子どもを理解・尊重しようと必死です。そういう保護者の心情に寄り添った千葉県の支援になっているでしょうか。お答えください。
千葉県が取り組む不登校支援は、相談機関の紹介パンフレットの作成・配布、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置、オンラインやSNSの相談事業、オンライン授業の配信などです。子どものカウンセリングや、保護者や教職員への助言・指導を行うスクールカウンセラーの配置は、小学校は隔週1日384校を510校へと拡大したものの、月1日が126校もあります。東京都では、子どもの悩みにこたえるには週1日では少なく、週2日は必要だと配置を厚くしています。県内すべての小中学校で、週1日以上のスクールカウンセラーを配置し、子どものカウンセリングや保護者などへの助言を拡充すべきです。お答えください。
県立高校は、スクールカウンセラーが全校で週1日配置になりましたが、さらに拡充すべきだということは言うまでもありません。また、学校や家庭などの様々な悩みを支援につなげる校内居場所カフェは、「先生や親に言えないことを言える」「今日は居場所カフェがあるから学校に行こう」と登校のモチベーションにもなるなど、貴重な場となっています。安定的に運営できるよう支援を拡充し、この間実施の13校から広げるべきではないでしょうか。
県教委に求められることは、今、学校に行けない・行かない子どもへの支援を充実させるとともに、学校に行けない・行かない子どもを新たに生まない教育、抜本的な教育条件の改善です。それは、「学校に行きたくないと思ったきっかけ」をなくすこと。つまり、勉強が分からない、を解決し、嫌がらせやいじめをなくしていくことです。一人一人の子どもに向き合う丁寧な教育、分かる喜びを実感できる授業、子どもの意見を尊重することです。それらを実現する上で、少人数学級の実現と教員の増員は極めて重要です。教育長の認識を伺います。
山形県では、一人一人の子どもに、より「耳を傾け、声をかけ、手をかける」丁寧な指導を目指す、「教育山形『さんさん』プラン」で少人数学級を実施しています。小学1年~4年まで18人から33人、小学5年~中学3年まで21人から33人の少人数学級で、学力の向上といじめ・不登校の未然防止をめざしています。大切にされているという安心感で、欠席率が低下。少人数学級だと勉強にやる気が出るという生徒が多く、一人一人への適切な指導の成果が表れています。必要な教員は、加配教員を最大限に活用し、不足分を県独自で確保し、学年1学級で34人以上の場合は非常勤講師を県が配置をしています。
知事、千葉県議会では、25年前に少人数学級の実現を求める決議を全会一致で採択しています。今こそ県独自で教員を確保し、35人よりも少ない少人数学級の実現計画を立てるべきではないでしょうか。お答えください。
最後に、地元、市川市河原地域の県道の工事に関する問題です。
写真をご覧ください。
県道市川浦安線の行徳橋の架け替え工事にあたり、このように自宅の目の前に約2メートルの高さのコンクリートの壁が、数十メートルにわたり、何の説明もないまま工事が進められ、目の前に立ちはだかりました。住民が怒るのも無理はありません。車が通れなくなり、改善策を求める住民に、葛南土木事務所はコンクリートの壁を30センチメートルほど後ろにずらして道路幅を広げると提案しました。ところが、「別の対策をしたから道路は広げない」と、180度主張を変えたのです。現地確認で、事前説明が一切ないまま工事を進め、道路を狭めた非を認めながら、あまりにも不誠実な対応だと言わざるをえません。
そこで伺います。千葉県が関わる公共事業で、大きな影響を受ける住民への説明会が工事前に開催されないことが、かつて一度でもあったでしょうか。
県道工事の説明会を開かなかった責任は、千葉県にあります。その非を認め何らかの対策が必要だと考えたからこそ、いったんはコンクリートの壁の移動を提案したのではありませんか。あわせてお答えください。
その後も、住民要望の改善や説明会に県は対応せずに工事は続けられ、住民主催の説明会に葛南土木事務所が来たのは、県道の工事開始から1年半も経過していました。住民は、「車が通行できるようにすべき」「コンクリートの壁をやり直さないなら、代替措置を」と重ねて要望しましたが、葛南土木事務所は回答期限を2回も引き延ばし、その間、一度も工事を中断しませんでした。一昨日、初めて葛南土木事務所主催で住民説明会が行われたものの、事態はなんら改善されていません。度重なる不誠実な対応に、住民は不信を募らせています。県道の整備自体は、利便性や安全性の向上につながる面もありますが、だからといって地元住民の生活が著しく不便になって良いのでしょうか。「元に戻して欲しい」とまで住民が主張する事態は、該当箇所に関する説明会を行わずに工事を進めた県に責任があるのは明らかです。住民の納得の得られるよう、対策を検討し説明すべきだと思うがどうか。お答えください。
コンクリートの壁とは別の問題もあります。ご覧のように、この間の大雨で土砂災害が発生しています。
崩れたところは、傾斜を緩め応急対策がされたものの、そのまま、今後市川市に移管するとしています。市川市に丸投げするやり方は、あまりにも無責任ではないでしょうか。これ以上、県道工事で被害を広げないよう、県の責任で早急に斜面の安全対策を講じるべきです。責任ある答弁を求めます。
本来、公共事業とは、住民への丁寧な説明と合意形成の努力をしてこそ、住民の協力を得られ、事業を進めることができるはずです。住民軽視の姿勢を改め、住民参加のまちづくりを徹底するよう求めます。以上、一回目の質問を終わります。
◎熊谷俊人知事 共産党の浅野ふみ子議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、政治姿勢についてお答えをいたします。
岸田内閣に関する御質問ですが、岸田首相の総裁選不出馬については、御自身が政治家として熟慮の上で判断されたものと受け止めています。
新産業三角構想に関する御質問ですが、千葉新産業三角構想は、県の成長戦略の基礎となった重要なものであり、この構想の下、進められた各地域の整備は、本県の発展に大きく寄与したものと考えております。なお、県の財政状況については、過去には大変厳しい時期がありましたが、これはバブル経済崩壊後の景気悪化による税収の減に加え、高齢化の進展による社会保障費の増、景気対策としての公共事業の実施による公債費の増など、義務的経費の増加の影響が大きかったものと認識をしています。
道路ネットワーク整備についての御質問ですが、広域的な幹線道路などの整備効果として、例えば、外環道の開通により沿線地域を中心に製造品出荷額や観光入り込み客数の増加、企業立地による雇用の創出などの経済効果をもたらしており、さらに、周辺の生活道路では、交通の転換による渋滞の緩和や交通事故件数の減少など、生活環境の改善も図られています。引き続き本県の将来の発展や県民生活の利便性の向上を図るため、圏央道や北千葉道路など、広域的な幹線道路の整備を推進するとともに、交通安全対策や渋滞対策など、県民生活に密着した道路の整備に努めてまいります。
巨大開発についての御質問ですが、県としては、道路ネットワーク等の社会資本の整備や産業用地の確保等による産業振興を図ることで、県民生活の利便性向上や雇用環境の改善につなげるとともに、経済の活性化による税収の増加も期待できると考えています。また、事業を実施するための財源としては建設地方債を発行することになるため、引き続き、将来負担にも留意しながら、健全な財政運営に努めてまいります。
産業用地整備についての御質問ですが、将来の県内経済の持続可能な発展を実現するためには、今後も雇用や投資を呼び込む企業誘致を進めていくことが重要と考えています。しかしながら、本県においては、他団体に比べ産業用地が不足をしており、急な企業進出への対応が困難であることから、今後の成長戦略や立地需要を見極めつつ、産業用地の整備を進めていくことは必要不可欠であると考えています。
中小企業者支援についての御質問ですが、県内中小企業は、物価高騰や人手不足など厳しい経営環境に置かれています。県としては、こうした課題に対応するため、産業振興センターにおける伴走支援や、身近な支援機関である商工会、商工会議所等の体制の強化、生産性向上のための設備投資への補助制度の創設など、様々な形で中小企業への支援の充実に努めているところです。
県予算について、福祉や事業者支援などを最優先すべきではないかとの御質問ですが、県としては、医療、福祉の充実や教育の振興、中小企業への支援をはじめ、幅広い分野にわたり必要な予算を計上し、総合計画に掲げた施策を確実に実施することが、将来の千葉県の発展や豊かな県民生活の実現につながるものと考えています。
次に、青年学生への支援についてお答えいたします。学生の学業が妨げられている状況と、学問に専念できる環境に関する御質問は関連いたしますので一括してお答えをいたします。
意欲のある学生が経済状況に関わらず安心して学べるよう就学機会の確保を図るために支援することは、社会的に求められていると認識をしています。このため、県では、千葉県社会福祉協議会を通じて、低所得世帯を対象に、無利子で教育支援資金の貸付けを行うとともに、独り親家庭の学生には母子父子寡婦福祉資金制度により無利子の修学資金等の貸付けなどを実施しているところです。
非正規雇用についての御質問ですが、非正規雇用の労働者については、雇用が不安定であることや、正規雇用に比べ賃金が低いなどといった課題があると考えています。そのため、県では、希望する方が正規雇用として就労することができるよう、正規雇用への転換に取り組む企業への国の助成金の活用を促すとともに、若者の就労支援施設であるジョブカフェちばにおいて、正規雇用に向け、相談から企業とのマッチングに至るまで、一人一人に寄り添った支援を行っているところです。
最後に、精神障害のある人への支援の強化、拡充についてお答えをいたします。
県内の精神障害者保健福祉手帳の所持者数は増加傾向にあり、精神障害のある人の医療、福祉、住まい、就労などが包括的に確保され、精神障害があっても安心して暮らせる地域づくりが重要です。県では、第8次障害者計画において、精神障害のある人の地域生活の推進を柱の1つに位置づけ、医療、福祉の関係者、市町村、当事者とその家族などと連携、協働し、支援体制の充実を図っております。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。
◎穴澤幸男副知事 私からは、まず、青年学生への支援についてお答えいたします。
県職員への奨学金返済支援についての御質問ですが、県では、職員確保の観点から様々な取組を行っており、県の獣医師として就業を希望する獣医学専攻の学生を対象に、国と連携して修学資金を給付する事業を今年度から実施しております。今後も、その効果等も見ながら、様々な人材確保策を研究してまいります。
職員の雇用形態についての御質問ですが、非常勤職員である会計年度任用職員については、公務の能率的かつ効果的な運営のため、事務補助をはじめ、各種相談や窓口対応など、フルタイムの勤務を要しない業務に配置しております。引き続き、従事する職務の性質などを踏まえながら、常勤職員と非常勤職員の適切な配置に努めてまいります。
次に、市川市河原地域の県道工事についてお答えいたします。
説明会の開催についての御質問ですが、事業の実施に当たっては、事業の規模等にもより異なりますが、事業計画を策定した際のほか、測量や用地交渉の着手前、工事計画策定時等の各段階において、適宜説明会の開催や地元自治会への回覧などを通じて住民への周知を図っております。
コンクリート擁壁の移動についての御質問ですが、当該側道については、従前の道路幅を確保しコンクリート擁壁を設置しましたが、住民からの御意見も踏まえ、側道がより通行しやすくなるよう段差を解消するなど可能な対策を実施してきたところです。なお、一部の住民から要望をいただいた擁壁の移設による道路幅の拡大についても検討を進めてまいりましたが、必要な歩道幅が確保できないことなどから、移設できない旨を御説明しているところです。
住民への説明についての御質問ですが、県としては、地域住民の方々からの要望を踏まえ、必要な対策を検討してきたところです。地元の皆様の御理解が得られるよう、検討内容や工事内容について、丁寧な説明に努めてまいります。
最後に、安全対策についての御質問にお答えいたします。
本年8月の台風7号の接近に伴う大雨の影響により、当該側道脇ののり面の一部が崩れたため、崩れた箇所の勾配を緩くするとともに、強固なシートでのり面を保護する応急工事を実施したところです。今後は、占用物を移設の上、のり面全体について勾配を緩くし、シートで保護するなど、安全対策工事を実施してまいります。
私からは以上でございます。
◎黒野嘉之副知事 私からは、まず、乳児虐待死事件についてお答えをいたします。
まず、行政の援助に関する御質問ですが、児童虐待への対応においては、児童相談所や市町村などが、それぞれの機能を生かした役割分担の下に情報共有を行い、連携して対応することが重要であると考えております。
次に、本事案に対する認識に関する御質問ですが、本事案は、虐待により児童が死亡した痛ましい重大事案と認識しており、大変重く受け止めております。児童相談所の対応については、児童虐待死亡事例等検証委員会におきまして、しっかりと検証してまいります。
次に、本事案の検証に関する御質問ですが、児童虐待死亡事案の検証に当たっては、より専門的な知見に基づいた客観的な視点からの意見をいただく必要があると考えております。このため、学識経験者や弁護士など、児童虐待に関する専門家で構成します児童虐待死亡事例等検証委員会において検証しているところでございます。
次に、関係機関の連携に関する御質問ですが、本事案におきましては、関係機関の情報共有や連携の状況も含め、今後しっかりと児童虐待死亡事例等検証委員会で検証してまいります。
次に、当該家庭の緊急性に関する御質問ですが、個々のケースにおける緊急性につきましては、千葉県子ども虐待対応マニュアルなどに基づき、児童相談所内での会議などにおいて総合的に評価しているところです。
次に、引継ぎのための家庭訪問に関する御質問ですが、市川児童相談所は、令和5年5月30日に本児に会っておりませんが、同日に行った千葉市西部児童相談所及び市川児童相談所による家庭訪問は、移管を受ける市川児童相談所がスムーズかつ確実に援助などを開始できるよう、保護者と面談することを目的に実施したものです。
次に、当該乳児の状況確認、指導、評価などに関する御質問につきましては関連するため、一括して答弁させていただきます。
市川児童相談所及び千葉市西部児童相談所は、本事案の引継ぎのため、令和5年5月30日に家庭訪問を実施し、本児の保護者と面談をしたところです。また、市川児童相談所は、移管後の同年6月12日にも家庭訪問を行い、保護者と面談するとともに、本児の状況を目視するなど、状況確認のための調査などを行いました。その後も市川児童相談所は船橋市と連携して本児の状況を確認しており、必要な対応をしていたものと認識しております。
次に、虐待リスクの判断に関する御質問ですが、個々のケースにおける虐待リスクについては、千葉県子ども虐待対応マニュアルなどに基づき、児童相談所内での会議などにおいて総合的に評価しているところです。
次に、当該乳児の安全確認と死亡の要因に関する御質問ですが、市川児童相談所は、船橋市と役割分担しながら家庭訪問を行い、本児の状況を目視するなど、安全確認はできていたものと認識しております。今回の事案については、児童虐待死亡事例等検証委員会において、しっかりと検証してまいります。
次に、児童相談所の体制強化に関する御質問ですが、県では、児童相談所の新設と建て替え、計4か所の整備をするとともに、専門職の確保、育成やICTを活用した業務の効率化を図るなど、児童相談所の体制強化に努めているところです。
次に、第4次青少年総合プランの知事あいさつはこども大綱の精神に反するものではないかとの御質問ですが、令和5年12月に国が策定したこども大綱では、子供や若者の権利を保障し、誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることによるこどもまんなか社会の実現を使命としております。令和5年3月に県が策定した第4次青少年総合プランは、社会のみんなで成長を支え、子供、若者一人一人の可能性を広げる千葉の実現を目指すこととしており、こども大綱の使命に反するものではないと認識しております。
次に、所得の低い若者への支援についての御質問ですが、本県では、千葉県社会福祉協議会を通じて、低所得世帯を対象に、ひとり暮らしをする場合のアパート代なども含め、無利子の教育支援資金の貸付けを行うなどの支援を実施しているところです。引き続き、経済的に困難な状況にある方に対し、進学や修学の継続による将来的な自立につながるよう支援を実施してまいります。
次に、民間企業の奨学金代理返済への支援についての御質問ですが、県では、中小企業における若手人材の確保、定着のためには、まず、若者と企業の相互理解を深めていくことが重要と考えており、双方のマッチングを促す交流会の開催や、働きやすい職場環境づくりに向けた専門家派遣などに取り組んでいるほか、今年度も仕事体験ツアーを実施するなど、取組の充実を図ったところです。若手人材の確保のために奨学金の代理返済などを行う企業への支援については、今後、他団体の実績などを踏まえて本県の在り方を研究してまいります。
次に、保健医療大学の入学金及び授業料に関する御質問2問につきましては関連しますので、一括してお答えいたします。
国においては、令和2年度から大学等の入学金、授業料の減免制度の創設や、給付型奨学金の支給拡充といった措置を講じており、保健医療大学においても、対象となる学生が当該制度を利用しているところです。本制度は、今年度から支援対象が拡充され、さらに来年度からは扶養する子供が3人以上いる世帯の学生等については、所得制限なく一定の上限額まで授業料等を無償とすることとされております。今後も、こうした国などの動向を注視するとともに、要件に該当する学生が漏れなく制度を利用できるよう周知徹底してまいります。
次に、有機フッ素化合物PFAS汚染についてお答えいたします。
金山落周辺の汚染源についての認識に関する御質問ですが、県では、金山落におけるPFOS等の超過原因を把握するため、周辺の事業所や下総航空基地について、PFOS等を含む泡消火薬剤の保管や使用状況などの調査を行いました。基地については、過去にPFOS等を含む泡消火薬剤を保管していたことから、現在、基地内の水路における水質調査を依頼するなど、引き続き原因究明に向けて調査を進めているところです。
次に、下総基地の土壌調査などの実施に関する御質問ですが、土壌中のPFOS等については、現時点で環境影響に係る評価指標が示されておりません。そのため、国に対し、評価指標及び土壌汚染対策の検討を進めること、測定方法を確立することについて、全国知事会を通して要望しているところです。
次に、汚染の全体像を明らかにし公表すべきではないかとの御質問ですが、県では、周辺市と協力して超過原因を把握するための調査を進めているほか、汚染の範囲を特定するため、水路や地下水の調査を行っており、引き続き汚染の全体像の把握に努めてまいります。調査結果について、これまでもホームページ等により公表してきたところであり、今後も周辺市や関係機関などの協力を得ながら公表してまいります。
次に、ウォーターサーバーのレンタル料や浄水器購入への補助についての御質問ですが、県内の一部の市において、浄水器の設置などに係る補助事業を実施していることは承知しております。県としては、地下水汚染防止対策に関する補助を行うとともに、関係市からの要請があった場合には、井戸水の衛生確保に関する助言などを含め、適切に対応してまいります。
次に、PFASの血液検査や健康診断、健康影響フォローの実施についての御質問ですが、健康診断や健康影響フォローについて、国の専門家会議は2024年8月時点の知見として、PFASの暴露と健康影響の関係は十分ではなく、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が個人に生じるかも明らかになっておらず、血中濃度の基準の設定や、健康影響の評価は困難であるとしております。県としては、国に対して、人の健康に影響が出る摂取量の目安に関する知見の集約などについて要望してまいります。
次に、自衛隊施設周辺の調査と公表に関する御質問ですが、県では、県内の河川などにおけるPFOS及びPFOAの状況を把握するため、令和3年度から水質汚濁防止法に基づく水質測定計画において、公共用水域及び地下水の調査項目に位置づけ、調査を実施し、その結果を毎年公表しております。引き続き測定計画に基づき水質調査を行っていくとともに、暫定指針値の超過が確認された場合は、国が定めるPFOS及びPFOAに関する対応の手引に基づき、適切に対応してまいります。
次に、PFAS基準に関する御質問ですが、国の食品安全委員会は今年6月に評価書を公表し、PFASのうちPFOS及びPFOAについて、最新の科学的知見などに基づいた耐容1日摂取量を示したところですが、国際的に整合性の取れた健康影響評価は確立されていないとしております。県としては、全国知事会を通じて、PFASについて、引き続き国内外の健康影響に関する知見の集約に努めることや、知見に応じた評価指標の取扱いを早急に検討することなどについて国へ要望しているところであり、今後とも、機会を捉えて国に対して要望してまいります。
次に、精神障害のある方の医療費負担についての御質問ですが、自立支援医療制度のうち、精神通院医療は、精神疾患に係る通院医療費の自己負担が1割になる制度であり、さらに、受給者の所得区分に応じた自己負担の上限額が設定されており、負担軽減が図られているところです。
次に、重度障害者の医療費助成に係る対象者拡大についての御質問ですが、重度心身障害者(児)医療給付改善事業は、医療費の助成を通じて重度障害のある人の自立を支援する制度であり、精神障害については、身体障害及び知的障害との均衡を考慮した結果、障害の程度について、精神障害者保健福祉手帳1級を対象としたものです。本制度の対象者の検討に当たっては、実施主体である市町村との協議を重ね、関係団体の意見を伺いながら、その結果を踏まえて現行の制度といたしました。
次に、全ての障害者を対象とした医療費助成制度創設についての御質問ですが、県では、より手厚い支援が必要な重度障害のある人に対し医療費の助成が必要と考え、重度心身障害者(児)医療給付改善事業を実施しておりますが、これは本来、国が全国一律の制度として実施すべきであり、全国知事会などを通じて国に要望を行っております。引き続き、実施主体である市町村と連携し、重度障害のある人が安心して医療を受けられるよう努めてまいります。
最後に、校内居場所カフェの拡充についての御質問ですが、県では、貧困や家庭環境など、様々な原因により困難な状況にある子供を早期に発見し、福祉的な支援につなげていくため、校内の居場所の設置、運営を中核地域生活支援センターに委託するモデル事業を実施しているところです。今後の進め方については、モデル事業の状況を踏まえ、関係機関などと協議しながら検討してまいります。
私からは以上でございます。
◎冨塚昌子教育長 初めに、大学授業料の引下げと教育費の増額に関する御質問ですが、大学の授業料減免など、高等教育の修学支援の充実については、国が所管し取り組んでいるところであり、国において適切に対応していくものと考えています。
次に、不登校児童生徒の支援についての御質問ですが、不登校の状況にある児童生徒に対しては、学校に登校するという結果に着目するのではなく、児童生徒が抱える悩みに寄り添い、粘り強く支援することが重要だと考えています。県教育委員会では、訪問相談担当教員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを含むチーム学校による教育相談体制の構築や、子どもと親のサポートセンターでの多様な相談事業等により、支援の充実に努めております。
不登校児童生徒の保護者の支援についての御質問ですが、学校や関係機関等が保護者の抱える不安や悩みに寄り添い、継続的に支援することは、不登校児童生徒の精神的な安定にもつながるもので、大変重要だと考えています。そのため、県教育委員会では、教育相談体制の充実を図り、必要に応じ心理や福祉等の専門機関と連携して対応するとともに、保護者が悩みを抱えたまま孤立することがないよう、不登校の子供を持つ保護者同士が集い、語り合う場を設けるなど、きめ細かな支援に努めています。
スクールカウンセラーの配置についての御質問ですが、県教育委員会では、これまで計画的に教育相談体制の充実を図っており、今年度も全ての公立小中学校にスクールカウンセラーを配置しています。現在、中学校は週1回の配置であり、小学校については月1回の配置から順次隔週、おおむね月2回へと配置日数を増やしています。本年度は510校が月2回、128校が月1回の配置となっており、引き続き配置の充実に努めてまいります。
最後に、少人数学級に係る2問については関連しますので、一括してお答えいたします。
県教育委員会としては、一人一人の児童生徒に応じ、きめ細かな指導が重要であると考えており、これまでも国からの定数を活用し段階的に少人数学級を推進してきたところです。今年度は、小学校第5学年まで35人学級編成を標準とすることに加え、中学校第1学年で35人学級を選択できるようにするとともに、他の学年においても38人学級を選択できるようにしています。教職員定数は、国が措置することが基本であり、さらなる少人数学級の推進に向けても国による措置が必要であることから、柔軟な学級編制や配置ができるよう、一層の定数の改善について、引き続き国に要望してまいります。
以上でございます。
◆浅野ふみ子県議 政治姿勢について、知事はバブル時の借金増が県政運営の足かせになったと認めず、バブルの二の舞になる巨大道路造りにブレーキをとの警鐘にも耳を傾けようともしません。今、県民の暮らしがどうなっているか御存じだと思いますが、総務省発表の7月の家計調査では、支出の割合の大きい食料は1.7%も減少し、物価高で牛肉や豚肉から安い鶏肉に切り替えて節約をしている、こういうふうに報じています。帝国データバンクの価格改定動向調査では、食品メーカー195社が9月に1,392品目も値上げし、買物の品数を少なくするなどの消費行動が続いている、これが県民の実態です。
そこで伺います。知事、こういうときの地方自治の仕事は何だと思いますか。地方自治法には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ること」とありますが、これを投げ出すのでしょうか、お答えください。
中小零細業者への支援の拡充についても、厳しい経営環境にあるとか、設備投資への支援などお答えになりましたけれども、でも、不十分です。県内の商店街はこの20年間で275も減り、会員数、商店数は約半数減の1万7,000、人口1,000人当たりの小売店数は全国で46番目の少なさです。県の調査でも、商店街にとって後継者不足や空き店舗が増えているなどの深刻な問題があると明らかにしていますよね。伺います。その解決のための方向性も打ち出していますが、それもやらない、商店街が衰退してしまう、そういう千葉県でよいとお思いでしょうか、お答えください。
乳児虐待死事件について。必要な対応をしていた、こういうふうに答弁がありました。県としての責任が全く感じられない答弁でした。その上、5月30日の千葉市児相と県市川児相の引継ぎのための家庭訪問、これは引継ぎを目的としていたから保護者と面談したんだと、子供と会っていないと認めました。子供と会わずに援助方針をつくったということですね。子供と直接会わずに、目視で安全確認せずに、どうして適切な援助方針を立てることができるでしょうか。関係機関との適切な役割を分担している、情報共有している、こういうふうにおっしゃいましたが、県としての責任があると思います。
報道によると、千葉市長は、当時は身体的虐待がなかったと把握しているが、いま一度どうだったのか検証しないといけない、こういうふうに言っています。県市川児相の所長は、死亡につながるのを想定できなかったかというと、配慮が足りなかった、こういうふうに言っています。そして、県市川児相が訪問頻度を上げようとした矢先に事件は起きました。県が支援を引き継いでから僅か3か月です。県の援助方針が適切だったか、見直しも必要だったのではないか、問われます。それには、子供に直接会うことが絶対不可欠、どうしても必要です。
伺います。千葉市児相からの引継ぎ、移管協議から事件までに県は何回子供と会ったか。直接目視で安全確認をしたのは何回か、はっきりとお答えください。
ネグレクトで大事なのは子供の安全確認です。生後8か月から11か月の乳児は、人見知りや嫌々もするし、物をつかんで何でも口に入れます。つかまり立ちをしたり、目を離せない状態です。さらに、家庭には年の離れていないお姉ちゃんもいました。誰でも手いっぱいになります。そういう状況で、最も弱い乳児が犠牲になりました。
伺います。再発防止にしっかりと取り組んでいくと言いますが、何が大事だと考えていますか。関係機関の切れ目ない支援とともに、県が直接子供の安全確認に責任を負い、実施することが必要ではないでしょうか、お答えください。
青年学生支援についてですが、県が行っている貸付けとか、国が来年度から3人以上扶養の多子世帯、これなどを行うからって、こういうふうに言いますけれども、これでは不十分だから言っているんです。現在、奨学金を借りる学生は2人に1人、保育士の若者に話を聞きました。大学卒業後、41歳まで毎月1万5,400円を返還すると。総額320万円もの重い負担に苦しんでいます。昨年12月の一般質問で、民間企業の奨学金返還への支援をやっていないのは残り10県と、こういうふうに紹介しましたけれども、その後、新たに5つが支援に踏み出しました。ほかの県の状況を見てと、こういうふうに言いましたけれども、既に残りあと5つだけになっています。県内では30余社で代理返済を行っています。
伺います。千葉県がこの事業を実施すると、千葉県の今と未来を生きる若者たちへの支援、中小企業への支援、さらに将来千葉県で暮らし働こうという若者の希望にもなると思うが、どうか、お答えください。
障害者医療費助成については、均衡を考慮して、こういうふうに答弁されました。障害者施策の重要性を述べながらも、でも、そういうふうに言って、均衡性を考慮するというふうに言って対象を拡大しないのは不公平ではないでしょうか。とてもじゃないけれども均衡ではないと思います。統合失調症でも1級の方は医療費助成の対象で、前向きに生きる力になっている一方、2級が対象外なのは明らかに不公平であり、社会的障壁そのものです。
伺います。均衡、これを言うのならば、身体は5割、知的37%、精神14%だけを対象とするのではなく、全ての障害者を医療費助成の対象にすべきではないでしょうか、お答えください。
教育環境について。少人数学級を行っている山形県教育委員会は、いじめや不登校、特別支援、生徒指導上の諸問題を解決していくためには、生活の基盤となる学級をより少人数にしていく必要がある。また、子供の学習は生活と一体であり、安定した学級、良好な人間関係、教師のきめ細やかな指導で学力も高まる、こういうふうに言っています。実施のきっかけは、長年の関係者の願い、世論に押された当時の知事の記者会見でした。小中学校の義務教育段階では30人程度の学級編成が望ましい、橋の1本や2本節約してでも、二、三年かければできる、こういうふうに言ったんです。この「さんさん」プランは、今年度の当初予算は4億9,300万円です。人口約6倍の千葉県で同様の事業を実施する、そういうふうにすると約29億5,800万円、千葉県の当初予算の僅か0.14%です。
知事に伺います。決してできないことではないと思います。学校の主役である子供のため、少人数学級、35人よりも少ない、千葉県独自の30人学級の実現を決断すべきではありませんか、お答えください。
市川市河原の県道工事について、様々お答えがありました。工事前に適宜説明会を行う、住民への周知を図る、こういうふうに言われましたけれども、これは本当に当然のことだと思います。当たり前のことです。一昨日、緊急に行われた葛南土木事務所主催の説明会でも、住民の皆さんが口々に、そもそもの問題は県が事前説明会を開催しなかったことだ、なぜ開かなかったのか、こういう意見が次々と出ました。そして、自治会長は、工事期間などの簡単な説明は県からあったが、数字で言われても分からない、だからでき上がって初めて擁壁、壁に驚いた、県は会長には説明したと言うが責任を押し付けられても困る、会長も困っています。住民からは、今後の工事予定や市川市への移管についても説明してほしい、この斜面は最終的にはいつまでこのままか、土砂崩れ防止や安全対策など現場を見て確認してほしい、様々な要望が出されました。葛南土木事務所はそれに対して、これまでできることはやってきたが、あれもこれもできない、今の現場の安全対策を精いっぱいやっている、こういうふうに言いました。
そこで伺います。知事、土木事務所の限られた体制で、現場の皆さんは様々な仕事をされていると思いますが、実態は深刻です。体制を強化し、住民の皆さんのお困り事、心配や不安に寄り添い、誠意を持って、事前説明会を開かなかったその県の責任があるんですから、事態の打開のために真剣に改善策を検討すべきではないでしょうか。はっきりとお答えください。道路幅を広げるため、コンクリートの壁を後ろに移動させることは難しいと、こういうふうにおっしゃいました。でも、住民の皆さんは大変な不便を被っているんです。道路幅は確保したと言うけれども、それでも車を通せない、今そういう困難に直面しています。
伺います。別の方法も検討すべきではないでしょうか。新しくコンクリートの壁を造り直して道路幅を広げる工法を検討すべきだと思いますが、どうか、お答えください。
以上、2回目の質問とします。
◎高梨みちえ総務部長 物価高騰等の状況における地方自治体の責務についての御質問ですが、県としては、幅広い分野にわたり必要な予算を計上し、総合計画に掲げた施策を確実に実施することが、豊かな県民生活の実現や、将来の千葉県の発展につながるものと考えております。なお、物価高騰対策につきましては全国的な問題であり、県としては、これまでも国の対応を踏まえた上で支援を実施してきたことから、引き続き国の動向を注視し、適切に対応を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◎商工労働部長野村宗作 商店街に関する御質問でございますけれども、商店街は、地域住民にとって、買物の場だけではなく、地域のコミュニティーを支える重要な役割を果たしているところだと認識しておりまして、その中で、厳しい経済環境の中で、後継者不足や空き店舗の増加など様々な課題があるものという認識をしてございます。県では、そのために商店街が行う施設整備やイベントなどの補助、商店街への専門家派遣等の支援を行っておりますけれども、今後も商店街の要望、関係団体等の意見を聞いて、必要な支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
それから、民間企業の奨学金の代理返済に関する御質問でございますけれども、企業が経済的に厳しい状況にある若い方々のために奨学金の代理返済を行うということにつきましては、本県で働くそういった若い方々の人材の確保、定着など、様々な効果があるものと認識しておりますけれども、また、他団体において、そうした企業に対して支援をしているということも承知しておりますけれども、他団体の状況を見ますと、補助対象ですとか上限額等、支援の在り方等が様々になってございますので、その辺、本県といたしましては、他団体の実績、効果等も踏まえまして、本県の在り方を研究してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎岡田慎太郎健康福祉部長 幼児虐待死事件についてお答えします。
援助方針の策定に関する御質問ですが、関係機関と連携して、本児の状況などを確認するための調査を行い、必要な対応をしていたものと認識しております。
それから、子供との面会に関する御質問ですが、市川児童相談所で1回、船橋市で2回、計3回目視をしております。
それから、再発防止についての御質問ですが、今回の事案につきましては検証委員会においてしっかりと検証を行い、虐待により貴い命が二度と失われることがないよう、虐待防止対策をしっかり行っていくことが県の果たすべき責務と考えているところです。
次に、重度心身障害者(児)医療給付改善事業についてでございます。
全ての障害者に対象を拡大すべきとの御質問でございますが、重度心身障害者(児)医療給付改善事業は、医療費の助成を通じて重度障害のある人の自立を支援する制度であり、対象者の検討に当たっては、実施主体である市町村との協議を重ね、関係団体の意見を伺いながら、その結果を踏まえ、現行の制度としたところでございます。
以上でございます。
◎冨塚昌子教育長 35人より少ない学級編制をとの御質問ですが、教職員定数は国が措置することが基本であることから、毎年、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望書を提出し、35人以下学級を義務標準法の改正により早期に拡充することを求めております。少人数学級の充実に必要な定数の充実については、引き続き国に対し要望してまいります。
以上でございます。
◎四童子隆県土整備部長 市川市河原地域の県道工事、住民の方々への説明と擁壁の移設に関する御質問でございますけれども、当該側道につきましては、従前の道路幅以上の幅を確保した上で、さらなる住民からの御意見も踏まえまして、側道がより通行しやすくなるよう段差解消などの対策を実施してきたところでございます。今後とも、地域の皆様の御理解が得られるよう、丁寧な説明に努めてまいります。
以上でございます。
◆浅野ふみ子県議 国が措置することが基本だという少人数学級について、山形県は県独自の取組をしている、そういうことも紹介しました。そして、障害者のこの医療費助成についても、現行の制度の説明のみでした。あまりにも冷たいと思います。今、県に求められているのは、全ての県民の命を守ることではないでしょうか。物価高騰に悲鳴が上がっていて、そして、商店街なども支援をしていくって、こういうふうに言いましたけれども、でも、もっとさらに充実させていく必要があるんじゃないか、こういうふうに提案をさせていただきましたが、それについてもちゃんと検討しようともしない。
県独自の役割が求められていると思います。国任せではなくて、千葉県として、地方自治の本旨として、ちゃんと住民の暮らしを守っていくという、そういう責任を果たすべきではないでしょうか。そのためには、巨大道路建設よりも、県民福祉の充実に全力を挙げるという県政の転換が必要です。抜本的なその転換を求め、温かい千葉県政の実現を目指して頑張る決意を申し上げ、質問を終わりとします。