「宿泊税」導入の中止を申し入れました

お知らせ

「宿泊税」導入の中止を申し入れました

日本共産党千葉県議団は、2024年9月5日に米不足への対応をすすめている「宿泊税」を導入しないよう、申入れを行いました。


 要望書全文は以下の通りです。

千葉県知事 熊谷俊人 様

2024年9月12日
日本共産党千葉県議会議員団

 千葉県は、観光振興財源検討会議を設置して宿泊税導入を検討してきたが、このほど県の素案が公表された。
 宿泊税は、ホテルなどの宿泊客に支払いを求めるもので、素案では1人1泊150円を一律に徴収しようというものとなっている。昨年の県内宿泊者数約2800万人で試算すると年間約42億円の新たな課税となる。統計によれば、その6人に1人が県内居住者で、約7億円が新たな県民負担となる。
 しかも今回の素案の最大の特徴は、いっさいの例外や配慮を認めず、厳しく冷たく取り立てるものとなっていることである。
 すでに実施している東京都では、民宿を課税対象から除外し、宿泊料金1万円未満は非課税としている。大阪府も7000円未満は非課税となっている。
 京都市や長崎市では、修学旅行生への課税を免除しているが、千葉県にはその規定もなく、教育の一環として行われている修学旅行生からも情け容赦なく徴収しようとしている。
 また市町村が、県とは別に宿泊税を導入する場合、素案では単純に上乗せして宿泊者の負担を増やすことにしているが、福岡県では、その分を県の宿泊税から差し引き、宿泊者の負担が増えないようにしている。
 千葉県以外の自治体は宿泊税の導入にあたって、課税対象や負担額、修学旅行生などへの配慮を行っているのに、千葉県の素案では例外を認めていない(外国大使等の公務宿泊のみ免除)。こうした県の姿勢に対して、宿泊業者や自治体から批判や憂慮の声が上がっている。
 一方、宿泊税導入による約42億円の新たな税収の使い道については、観光事業者支援、人材育成、ワーケーション推進、アクセス向上など幅広く上げており、県に広く裁量が与えられている。これでは、宿泊業者、とりわけ中小規模の事業者や地域の活性化につながる保証はないと言わざるを得ない。
 そもそも「取りやすいところから取る」ようなやり方で県民や千葉県を訪れる人たちに新たな税金を強制し、宿泊業に打撃を与えること自体、大きな問題を含んでいる。

 以上の理由から、現在検討が進められている「宿泊税」の導入は中止し、予算を組み替えることによって中小規模の宿泊業者への支援強化を求めるものである。

以上