【2022年9月県議会】日本共産党 みわ由美県議 千葉県議会議員定数条例案(自民党案)への討論
日本共産党を代表して、自民党提出、発議案第3号千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例の一部を改正する条例(案)、に反対し、討論を行います。
昨年6月にスタ一トした千葉県議会議員定数等検討委員会では、委員長より、勝浦市・夷隅郡選挙区の強制合区の取り扱い、人口の少ない選挙区と人口の多い選挙区の定数が逆転している選挙区の是正、都市部と人口減少地域との人口格差が拡大する現状における1票の較差の是正および適正な議員総定数についての検討項目が示され、各党・会派から、それぞれ案が提出されました。
改めて云うまでもなく、選挙は議会制民主主義の土台であり、その制度の検討、改定に当たっては、多様な民意をできるだけ正確に反映することが大原則です。そのためには、一票の価値の平等を実現することが、なによりも、最優先されなければなりません。同時に、有権者数に相応しい議員数が、きちんと確保されていなければならず、わが党は、ただただ議員数を減らせばいいという議論にも与しません。千葉県は、議員一人当たりの有権者数が全国的にみても多く、これ以上、総定数を、減らす道理はありません。
この立場から、日本共産党は、既に、昨年9月に、委員長私案と、2020年の国勢調査確定値をふまえ、党としての案を、公表しました。その内容は、第1に、1票の較差は極力なくし1対2未満、最大でも1.64におさえること、第2に、議席に結びつかない、いわゆる「死に票」を多くうむ1人区は、現行制度での制約をうける1選挙区を除く12選挙区すべてで解消すること、第3に、多様な民意が反映できる議会構成を保障するため、少なくとも議員総定数は現行の94議席を基本にすること、となっています。
一方、自民党提出の本条例案をみると、強制合区や逆転区は解決していますが、黙過できない重大な問題点があります。
第一に、「一票の価値の平等」はどうか。一票の較差を2倍未満に縮小にすることを求める請願が今議会に提出されたように、較差は1対2を超えない、これは、県民も強く望んでいることであり、もっとも重要な問題です。ところが自民党案では達成できていません。
本条例案では、現在の3.06倍よりは、確かに較差は若干縮小していますが、依然、最大較差2.69倍にも及び、12選挙区が、2倍以上となっているではありませんか。到底、認めることは出来ません。地域の実情を勘案して等と、自民党は、言いますが、だからといって、一人で2.7票分も投票していい、とならないことは明白です。速やかな解消が必要です。
第二は、「定数1」の選挙区解消の問題です。定数1では、2位以下に投票した有権者の民意が切り捨てられてしまうため、「死に票」が大量に発生します。自民党案では、その「定数1」が、13選挙区から11選挙区になったにすぎず、これからも、議席に結びつかない多くの票を生み出すことになります。これでは、多様な民意を切捨ててもかまわないのか、との誹りは免れません。
同じ千葉県内の自治体に住んでいるのに、住む場所によって、一票の価値が、約2.7倍も違う、住む場所によって、せっかく投票してもほぼ半分の票が議席に結びつかない、これでは到底、県民の理解や合意は、得られません。
以上、縷々指摘したように、本条例案は、多様な民意の反映と、民主主義の大原則に、背を向けたものと言わざるを得ません。
よって、自民党の本条例案には、反対を表明し、定数等の抜本的見直しを求めて、討論を終わります。