無症状者へのPCR等無料検査の再開・拡充とワクチン接種促進を求め申し入れを行いました。
県が無症状者対象のPCR等一般検査事業を5月31日中止したことを受けて、日本共産党千葉同県議団は申し入れを行いました。
【申し入れ全文】
2022年6月7日
無症状者対象のPCR等無料検査事業の再開・拡充と
4回目を含む迅速なワクチン接種促進を求める申し入れ
千葉県知事 熊谷俊人 様
日本共産党千葉県議会議員団
県は、昨年末から開始した無症状者対象の無料のPCR等一般検査事業を、5月31日で中止した。県民からは、なぜ中止か、疑問の声も寄せられている。
そもそも新型コロナウイルス感染症は、無症状の陽性者が感染を拡大させることが特徴であり、専門家も繰り返し指摘してきたように、対策の基本は、ワクチン接種(集団免疫)と併せて、いかに陽性者を確認、保護・治療し、新たな感染者を抑えるかである。そうしてこそ、次の感染急拡大の大波を食い止めながら、日常の社会・経済活動を維持・継続させることが可能である。
県は、本事業を「感染拡大傾向時の不安」を理由にあげてきた。実際に昨年末から5月中旬までに、約24万人が検査を受け、1万3400人余の陽性が判明(陽性率5.56%)した。うち5月の大型連休中は、約1万6900人の検査で、635人(同3.76%)の陽性者が確認された。この検査は感染拡大抑止に一定の効果あったことは明らかであるが、いまだ感染不安は解消されていない。減少傾向の今こそ、県は、無料検査を維持・拡充し、感染急拡大の防止に傾注するべきである。
県は、中止の理由として、本事業は「感染拡大の傾向がみられる場合」の事業であり、この間、感染は減少したとしている。確かに5月中旬以降は、1000名前後から数百人へと減少したが、それでも昨年末の本事業開始時に比べると数十倍の感染者の多さである。医療機関、高齢者等福祉施設、学校、保育所などでのクラスター(感染者集団)発生も続いており、決して楽観できる状況とは言えない。
さらに県は、オミクロン株はデルタ株より重篤化する可能性は低いというが、デルタ株の時以上に高齢者や基礎疾患のある人等多くの命が奪われている。コロナによる深刻な後遺症に苦しむ方も後を絶たず、これを県は直視しなければならない。
また、黙過できないのは、県は、検査キットが出回り、不安な県民は自身で入手できるなどと述べていることである。自らは無料検査を中止しておきながら、県民に検査キットの入手(購入)を求めるなどというのは、県民への「自己責任、自己負担の押し付け」であり、コロナから県民の命と健康を守るという県の責任を投げ出すものである。到底認められない。
加えて、県は本事業の実績や効果、今後の感染動向の見通しなどについて、どんな分析・判断をして中止したのか、明確な根拠を示さず曖昧である。今年度、県対策本部は未開催なまま、中止という重大な方向が打ち出されたが、これでは、県庁の各部署の英知・意見を組みつくし、ことに当たる姿勢とは思えず、ごく一部の判断で決められたのではないか、との誹りは免れない。
よって、下記の事項を強く申し入れるものである。
記
1.無症状者対象のPCR等無料検査事業をすみやかに再開すること。
2.高齢者や障害者施設(通所も含め)の従事者・利用者、学校や児童施設の職員・児童・生徒・幼児、事業所などへの頻回無料検査を実施すること。
3.4回目も含めて必要なワクチン県接種会場を設置するなど、希望者の速やかに接種に努めること。また、4回目の接種については、希望者がひとり残らず申請できるよう、市町村と協力し、丁寧な周知の徹底など万全を期すこと。
以上