【2021年9月県議会】日本共産党 みわ由美県議 議案・請願討論
日本共産党を代表し、議案、請願の主なものについて、討論をおこないます。
まず、議案第1号一般会計補正予算案についてです。
補正の中心は、新型コロナウイルス感染症対策で、その内容に異論はなく、賛成します。そのうえで、五輪・パラリンピックが強行された8月、9月は、連日過去最多を更新する感染急拡大が止まらず、事実上の医療崩壊で相次ぐ「自宅死」など、県民の命と暮らしにかつてない重大な影響と不安をもたらしました。第5波の検証をふまえ、感染が減った時こそ機を逃さず、今度こそ、次の大波を起こさせないため、対策の抜本強化が必要です。
第一は、ワクチン接種と一体の無症状者に対する大規模検査を集中することです。事業所や学校、施設等での定期的・頻回検査の実施、家庭への検査キットの配布等で、無症状の感染者を確認・保護し、第6波をしっかり抑え込むべきです。
第二は、今のうちに医療と保健所体制を、抜本的に強化することです。政府の「原則自宅療養」方針は撤回させ、千葉県は「入院が原則、少なくともホテル療養」とし、早急に十分な臨時医療施設の開設準備と医療スタッフ確保の具体化に、全力を挙げるべきです。
また、県が管轄する13保健所での、8月一か月間のいわゆる「過労死ライン」である月80時間以上の残業をした職員は70人、うち100時間以上は、過去最多の27人に上り、最長は214時間であることが委員会質疑で明らかになりました。県は、保健師の増員を検討すると答弁しましたが、保健所体制の抜本的な拡充は、待ったなしです。以上指摘しておきます。
議案第9号は、千葉県社会福祉センタ一を、新たに県有施設として設置するものです。
施設の設置自体には賛成ですが、問題は、最初から施設管理を、営利を目的とする企業にも委託できる指定管理者制度をセットで導入することです。それにより福祉における公の責任が、曖昧にされることは認められません。
そもそも「公の施設」は、地方自治法第244条「住民の福祉を増進する目的」で、と規定されており、委員会質疑でも県は、当施設が福祉団体や県民福祉に供するためと強調していたではありませんか。よって本議案には賛成できません。
議案第25号は、2011年の東京電力・福島第一原子力発電所事故に伴う損害賠償請求の和解です。今回、示された和解による未賠償額は、3681万円余となりますが、そもそも、未曽有の被害をもたらした福島原発事故の全責任は、東電と政府が負うべきものです。千葉県には何の責任もありません。原発事故に伴う経費は、原発を推進してきた東京電力と電力業界、そして政府の責任において、無条件で全額を支払うのは当たり前です。よって、本議案には反対します。
次に請願についてです。
請願第45号は、9月末に期限を迎えた、診療報酬等の特例的な加算措置の延長を求めるものです。特例措置は、新型コロナ患者の受入れの有無にかかわらず、必要な感染対策をとって診療を行う、全ての医療機関に対して適応されており、特に入院施設を持たない医療機関にとっては、事実上の減収補てんとも、なっています。
1年を超えるコロナ禍で、感染症患者を受け入れた医療機関はもちろん、それ以外の医療機関も、ワクチン接種などコロナ対策に関わり、地域医療を支えるため奮闘してきました。医療供給体制を維持し、医療崩壊を回避するため、全ての医療機関への支援が不可欠です。
この間、日本医師会、日本看護協会、四病院団体協議会をはじめ、多くの関係団体も延長を要望しています。全ての医療機関に対する支援に、政府が責任を果たすことを求め、本請願の採択を主張します。
最後に請願第46号は、消費税を5%に引き下げるよう意見書の提出を求めるものです。この間、2度の消費税引き上げは、日本経済と暮らしに大打撃をもたらし、さらにコロナ危機が追い打ちをかけたことで、中小零細業者や非正規労働者、年金生活者などの暮らしは、窮地に追い込まれました。
今日、苦境に立つ国民の暮らしを守るうえで、消費税の減税は緊急かつ重要であり、仮に税率を10%から5%に引き下げた場合、10兆円を超える景気刺激策を、実施したと同様の効果があり、GDPの5割以上を占める個人消費を活性化させ、経済活動の好循環を生み出すことは明白です。
福祉の財源というなら、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革や、歳出の浪費を、聖域なく削減すれば、十分に確保できます。大企業は、コロナ危機の下でも、2020年度の内部留保を7兆円も増やし、利益は過去最高です。日本の富裕層ビリオネラの資産総額は、2019年14.1兆円から2021年22.7兆円へと逆に、空前の規模で増やしています。背景には大企業と富裕層への、不公平な税制の歪みがあり、その是正がつよく求められています。
すでに世界では、パンデミック・世界的コロナの大流行をうけ、本年8月時点で、62の国と地域が、「付加価値税」(消費税)の減税を実施・予定しており、もはや経済と暮らし再生のため、消費税減税を実施することは、世界の大きな流れです。
よって、本請願を採択するよう、心から訴え、討論を終わります。