パラリンピックの児童・生徒の観戦中止を緊急に申し入れました
日本共産党千葉県議団は東京パラリンピックの「学校観戦プログラム」の中止を求めて、知事と県教育長に緊急にもう申し入れを行いました。申し入れ書の全文は下記のとおりです。
【申し入れ全文】
2021年8月20日
千葉県知事 熊谷俊人 様
千葉県教育長 冨塚昌子 様
日本共産党千葉県議会議員団
東京パラリンピック「学校連携観戦プログラム」の中止を求める緊急申し入れ
コロナ禍の8月24日から9月5日まで東京パラリンピックが開かれる。千葉県を含む一都三県の全会場は原則無観客となったが、「学校連携観戦プログラム」は実施される。県内では8月17日現在、不参加を決めている自治体がある一方で、6市2町31,436人、県立学校1,867人、私立学校2,097人など合計35,000人余が幕張メッセを会場とする4競技の観戦を予定している。新規感染者が急拡大は止まらず、「緊急事態宣言」は9月12日まで延長され、子どもたちへの感染も広がり、病床ひっ迫も深刻な事態である。
こうしたもとでのパリンピックへの学校観戦強行は、極めて重大な問題があり、断じて認められない。その第一は、児童・生徒および引率者(教員)を感染リスクに晒すことである。知事は「障害がある人もない人も交流できる社会」を掲げるが、命と引き換えてよい教育的効果などありえない。県は、会場まで原則として貸し切りバスなどで移動し、公共交通を使わない。最大入場数は3,000人で、会場では大声で応援しない。観戦者の入れ替え時に座席を消毒する。など感染予防対策を講じているというが、リスクそのものはゼロにはできない。
第二は、参加する児童・生徒の保護者から「同意」を得るとしているが、これは、県自ら子どもたちを動員する計画をすすめておきながら、最悪の事態となった場合の責任だけは同意した保護者や学校現場に負わせるものである。子どもたちを感染リスクから守る県自身の責任を投げ出したと云われても仕方がない。
第三は、コロナ収束に全力をあげなくてはならないはずの県が、逆に、感染拡大を増幅させかねないことである。知事は県民に「外出半減」をよびかけておきながら、その一方で、学校観戦は、パラリンピックは特別だというメッセージを発すれば、「それだったら」との気分や雰囲気が蔓延して感染拡大防止対策の実効性が弱まってしまうことは、行政の側も先の東京五輪大会でも思い知らされたはずである。
そもそも感染拡大の防止は、行政と県民や業者がそれぞれの立場でともに力を合わせることが重要であり、そのためにはお互いの信頼関係が築かれていなければならない。
ところが、東京五輪の際は、感染防止のため学校観戦を中止したにもかかわらず、なぜ、より事態が悪化している中でのパラリンピックに子どもたちを動員しても大丈夫だといえるのか。どうして一般県民の観戦は許されないが、児童・生徒なら観戦を認められるのか、あまりにも矛盾に満ちた対応である。この間、我慢を強いられている県民が到底納得できるような話ではない。県民の不信を増幅させることは避けられない。
よって、以下、緊急申し入れするものである。
1.東京パラリンピックの中止を政府など関係機関に求めること。
2.東京パラリンピック「学校連携観戦プログラム」の取りやめを決断すること。
以上