2008年12月県議会報告

くらし守りぬく 自治体ほんらいの姿とりもどせ 日本共産党

 大企業による冷酷な非正規労働者の解雇が列島を吹き荒れ、社会保障の切捨てや負担増とあいまって、社会不安はかつてないものとなっています。こんなときこそ県は、暮らしを守りぬく自治体ほんらいの役割を果たすべきだ、共産党はこの立場から論戦しました

許せません 県から50億円も補助金もらいながら 大企業が“ハケン切り”

 県が50億円もの補助金つきで茂原市に誘致した、日立系の大企業・IPSアルファテクノロジ。雇用拡大がうたい文句でしたが、正社員はすべて親会社からの横すべりで、同社独自の新規雇用は非正規労働者ばかり。話がちがうではないか、共産党は一貫して県を追及してきました。その非正規労働者を、同社は9月、10月のわずか2カ月で165人も解雇しました。

リストラ中止を企業に要請せよ 本会議で迫る

 県民の税金から巨額の補助金を受けた大企業として、社会的責任に反するではないか、県として“非正規切り”をやめるよう企業に要請すべきだ、共産党は迫りました。ところが県は「補助金交付を理由として、個別企業にリストラの中止などを求める考えはありません」と答弁。こんな無責任な話があるでしょうか。

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IPS訪問調査

共産党が工場を訪問、調査

 共産党は党独自に同工場を訪問して、聞き取り調査をおこない、“非正規切り”をやめて大企業としての社会的責任をはたすよう、つよく要請しました。

住居を失った労働者に県営住宅の提供を

 共産党はまた、解雇され住居まで失った県内労働者のために、空いている県営住宅を提供して支援するよう、県に申し入れました。県は、当面19戸を確保し、さらに増やす努力を約束しました。


「安心」かかげた県の補正予算 中身が巨大道路の整備とは-----

 12月補正予算は総額25億円。その7割が「道路・港湾」関係の建設事業で、うち6割が東京外環道路、圏央道、北千葉道路といった国直轄の巨大道路の整備予算です。福祉関連はなし。これがどうして「安心」の補正予算なのでしょうか。県民の暮らしにまったく目を向けない県政というほかありません。共産党はきびしく批判し、転換を求めました。

景気回復は家計あたためてこそ 国政でも地方政治でも

 経済の6割をしめる個人消費を豊かにしてこそ、景気は回復します。社会保障の切捨てによる生活苦と不安が限界に達している今こそ、政治のカジ取りをきりかえて、社会保障を手厚くすべきです。これは雇用拡大にも大きく貢献することが立証されています。

県民の願いに各党・会派の態度は   ○賛成  ×反対

共産 自民 民主 公明 市社無
消費税増税に反対する意見書 × × ×
国民健康保険証の資格証明書発行中止を求める意見書 × × ×
社会保障費を毎年2200億円抑制する方針の撤回を求める意見書 × ×
景気後退を口実とした大企業による大量解雇をやめさせるよう求める意見書 × × ×
ミニマムアクセス(MA)米の輸入中止を求める意見書 × ×
子どもの医療費無料化は中学校卒業までを目指し、当面、小学校卒業まで、所得制限を設けずに実施すること(請願) × × ×

「社会保障費2200億円カットやめて」の請願 自公が無言で否決

 限界まで達した社会保障の切捨て。日本医師会もカット中止を求める新聞の大広告をだしました。ところがその請願を、自民・公明の議員は一言の発言もなく、ダンマリで否決。


堂本県政2つのゆがみ 国いいなり 財界・大企業の利益第一

この大もとにメスをいれてこそ 県民が主人公の県政が
日本共産党は一貫して主張


県民の願いに背を向けた堂本県政の2期8年

構造改革路線を県にもちこんで

 小泉内閣発足と同じ2001年にスタートした堂本県政。知事は小泉「構造改革」路線を賛美し、国の言いなりに、暮らしと福祉切捨て、弱者に冷たい政治を容赦なく県政にもちこみました。

国保補助金バッサリ、資格証は全国トップクラス

 国保料が高すぎて払えない、この悲鳴が全国に。ところが知事は、2億円あった国保料軽減のための県補助金をバッサリ切り捨てて、とうとうゼロに。滞納者からの保険証とりあげも当然とする冷たい答弁を重ねました。千葉県内の資格証明書発行件数は全国トップクラスの多さです。

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障害者、高齢者の負担増につめたく

 難病のこどもたちへの県独自の医療費助成を廃止。小児ぜんそくだけでも、約2万6千人のこどもが助成を打ち切られました。重度障害者への医療費助成に所得制限をもちこみ、無料だった入院時の食事は本人負担に。障害者への福祉支援を「受益」などと呼んで、過酷な「応益負担」を障害者に強いる自立支援法。知事はこれを必要な制度だなどとして、負担軽減のための県独自の支援策は何もとりません。
 現代の「姥捨て山」、後期高齢者医療制度についても、国の言い分をそのまま繰り返し、県独自の支援策なしです。

病院の危機、県政に大きな責任

 自治体病院つぶしをねらった政府の「ガイドライン」。県は強引に市町村に押し付けて、病院再編に突っ走る構えです。銚子市立病院の廃止もそのなかで発生しました。県が東金病院の廃止を打ち出したことが、地域の医療の大混乱を招いたことも許せません。


県立高校つぶしと私学助成のピンハネ

 生徒が今後増える地域も含めて、17校も県立高校をつぶしました。「無駄な経費はつつしまなければ」との知事答弁は歴史に残るものです。私学助成では、自民党県政の時代でも、国からの助成金をピンハネして他に転用したりしませんでした。堂本県政になって強行され、ピンハネの用語が議会で飛び交っています。


財界の声で動く県政

 財界の意向のままに、その利益第一で動く県政。財界との定期的な懇談で声をうかがい、知事の肝いりで発足した行革委員会の「天の声」であやつられる県政です。

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巨大開発どこまでも

 将来的に人口が減少し、節水もすすんで、今でも千葉県は水余りなのに、「水源不足だ」などと強弁し、760億円(利子含め)も負担して八ッ場ダム建設に参画する堂本県政。

 道路なら生活道路の整備こそ優先して、との世論に逆行して、財界が待望する北千葉道路など巨大道路にばかり財源を優先投入しています。つくばエクスプレス沿線開発(総事業費2000億円)も重大な赤信号。財界要望の巨大開発が県財政をゆがめています。


税負担でも大企業優遇

 財政難を嘆く知事。それなのに、全国の工業県が当たり前に実施している、大企業の法人事業税への「上乗せ課税」の実施を、かたくなに拒否しています。共産党の一貫した要求で、知事は導入の検討を約束しながら、財界の反対であっさり中止に。140億円もの財源をみすみす手放しています。自公政府の大企業減税で、県内大企業は98年以降で合計3700億円も減税の恩恵を受けています。そのほんの一部を返してもらうことさえできない県政です。

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 その一方で知事は、税額の大半を県民と中小零細企業に負担させる森林環境税の導入に意欲を見せ、最悪の大衆課税・消費税の増税に賛成しています。


地域経済やせ細る

 堂本県政になってから、商店街を支援する県予算は激減(表)。全県800近い商店街全体で、わずか4千万円の小額。茂原市への進出大企業1社に50億円の補助とは、余りの違いです。新年度は、その立地企業補助金の上限を現行50億円から70億円に増額します。

 農業予算も堂本県政のもとで600億円から400億円に激減。千葉県はコメの消費量37万トンにたいし生産32万トンと「コメ輸入県」なのに、県は国・財界と一体で、減反は必要だ、などとまだ言い張っています。

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悪政の司令塔「行革推進委員会」

<知事が連れてきた財界利益を代弁するメンバー>

樋口広太郎(アサヒビール会長) 加藤寛(元政府税調会長) 勝又基夫(千葉トヨペット代表取締役社長) 前田晃伸(みずほフィナンシャルグループ取締役社長) 豊島秀直(元公安調査庁長官)


この路線を引きつぐ知事ではくらしは守れません



県民運動の力 共産党の議会論戦 スクラム組めば政治は動く

 国民の暮らしをどん底に突き落として恥じない、財界とアメリカ言いなりの冷たい政治に、国民の反撃が始まっています。人間をモノのように使い捨てにする“ハケン切り”を告発し、押し返す連帯の力が、政治を動かしつつあります。県議会で共産党は現在4議席ですが、暮らしを守る一貫した論戦で議会世論をつくり、ねばり強い県民運動と連携して、県政を動かしてきました。「県民が主人公」をつらぬき、国や財界の言いなりにならない、地方自治を真に尊重する新しい知事が誕生すれば、暮らし第一の県政が必ず実現します。

こども医療費助成

 入院だけの助成だったこの制度を、通院にまで広げ、0歳児から3歳未満、さらに入学前へと対象年齢を広げ、窓口無料化方式の採用まで、長い年月をかけて改善させてきた力は、文字どおり、県民の要求運動と共産党の議会での奮闘でした。自民党、公明党が住民請願を何度否決しても、うまずたゆまずたたかい続けてきました。

私学助成

 堂本県政が国からの助成金に手をつけてピンハネを始めたのは、重大な問題でした。共産党はきびしく告発し、助成の充実を求める決議を全会一致で可決させました。何十万という県民請願も繰り返し議会に提出されました。その結果、県も、高校と幼稚園についてはピンハネを中止せざるを得なくなりました。それでも生徒一人当たりの千葉県の助成額は全国最下位レベル。引き上げがどうしても必要です。

三番瀬保全

 共産党は20年らい、東京湾の新たな埋立てやめよと県に迫ってきました。8年前の知事選挙。堂本候補は当初、三番瀬保全を公約していませんでした。共産党推薦候補が「埋立て中止」を堂々と主張し、県民世論が盛り上がるなかで、堂本候補の主張に盛り込まれました。当時の埋立て計画は白紙撤回され、今も許していないのは大きな成果です。しかし三番瀬を横切る高速道路建設に固執する堂本知事のもと、「再生」の名で開発しようとする動きも根強く、引き続く頑張りが必要です。


清潔、開かれた県政へ ふんとうした共産党議員団


政務調査費報告 領収書公開が決まる

 県民の税金から県会議員に支給される政務調査費。各議員からの実績報告で領収書を県民がみることができないことは、開かれた議会という点から大きな問題でした。共産党は一貫して領収書添付の義務づけと公開を主張、議会内での論議をリードしてきました。12月議会でついに、そのための条例改正が実現しました。

 共産党がこの間、提案してきた議会改革のうち、議会開会中の費用弁償を交通費の実費に減額することや、常任委員会の正式議事録作成はすでに実現。着々と前進しています。

談合業者にきびしく 指名停止要領の改正へ

 他県で談合が発覚し、大半の県が指名停止処分にしている悪質業者が、千葉県では堂々と公共事業を受注している問題を共産党は告発し、もっときびしい態度をとれと主張してきました。千葉県の規程では、談合の発覚だけでなく、会社役員が刑事告発されて初めて指名停止になるという甘いもので、こんな甘い基準にしているのは全国で3県だけ。共産党の繰り返しの要求で、ようやく県も指名停止要領の改正を約束しました。

私学の授業料減免制度 利用の拡大へ県としてとりくみを

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ゆきとどいた教育を求める署名の提出集会に参加する共産党県議団
 県立とくらべ著しく重い私立高校の授業料負担。家計の悪化で払えない生徒が増え、深刻な状況です。県には授業料減免制度がありますが、利用している生徒は全体の3・5%。全国平均の21・3%とは格段の開きです。制度の周知を学校まかせにするのでなく、県として特別の手立てをとるべきだ、と提案。県は独自の周知を検討すると約束しました。


千葉県政なぜ??

千葉市の消防本部が銚子、館山の消火を指令

 県内31ある消防本部を7つに統合して広域化したうえ、消防救急無線をデジタル化し、なおかつ全県を二つに区分けして通信指令を2系統に集約する大再編を、県がすすめています。デジタル化による通信性能の弱点や、百億円以上になる市町村の財政負担を共産党は問題にしてきました。加えて、2系統指令になると、たとえば県の南部や東部を管轄する千葉市の消防本部が、銚子市や館山市の火災の消火指令を現地に発することになります。消防は一刻を争う緊急対処が生命。雲のかなたの100キロ遠方から、その指令とは。

県立の福祉施設をまたもや民間まかせに

 県が直営で運営していた県立の生活保護の入所施設・松風園を、民間事業者の運営にまかせる「指定管理者」制度の導入が決まり、その事業者が決定しました。県立の各種施設を片っ端から民間に明け渡す同制度は、自治体を変質させるものですが、なかでも福祉施設の明け渡しは、県民福祉の向上という自治体ほんらいの使命に照らしても大問題であり、共産党はつよく反対しました。この制度は自民・民主・公明の賛成で導入されたものです。