2007年9月県議会報告

大もうけの大企業にこそ応分の負担をもとめ、県民の暮らしを支える財源をつくるべき
歳入・歳出の改革 日本共産党が主張しました


“これ以上の県民負担は困難” 法人事業税超過課税導入を決めた宮城県

 定率減税廃止や介護保険、医療の改悪による増税・負担増が県民生活を直撃し、明日への希望が奪われているもとで、千葉県は「みどり新税」という名の庶民増税を検討しています。一方、宮城県では、大企業への法人事業税超過課税導入を決めました。日本共産党県議団が訪れた際、県担当者は「この間の国の増税で県民の負担は増えており、これ以上負担を求めるのは困難だから」と説明していました。千葉県とは大違いです。
 日本共産党は、9月県議会で宮城県の事例を示し、「県民の暮らしは深刻だ、“みどり新税”はただちに断念し、大企業への法人事業税超過課税に踏みきれ」と強く迫りました。県の答えは「幅広く検討していきたい」という、従来からのくりかえしにとどまりました。

巨大開発の浪費にメスをいれ 福祉、医療、教育にまわせ

 知事は、財政難を口にし、「税収が伸びた分、国からの交付税が減らされる」と嘆いてみせますが、それは、制度の仕組み上、当たり前のこと。しかし、超過課税で増えた税収は、交付税の計算に含まれませんから、税収がいくら増えても、それを理由に交付税を減らされることはありません。千葉県で法人事業税を法律の限度いっぱい課税すれば、今年度268億円もの増収になります。
 いま大企業は、バブル期をこえる空前の利益をあげ、しかも、この間の減税で県内企業の法人二税の減税分は今年度だけで530億円。この10年間では3130億円にのぼります。
 日本共産党は、「財政難というなら、大もうけの大企業にこそ応分の負担を求めよ」「北千葉道路や、つくばエクスプレス沿線開発など巨大事業の浪費を見直し、県民の暮らしを守る財源をつくれ」と主張しました。

268億円あれば…こんなことできます

子どもの医療費 小学校卒業まで無料     60億円
私学助成全国平均への引き上げ         18億円
特養老人ホーム建設費(定員100名)一箇所 10億円
保育所建設費(定員100人)一箇所        3億円
国保の1万円引き下げ(一世帯当たり年額) 120億円

超過課税とは

 条例によって標準税率より高い税率で課税すること。法人事業税は最大20%まで上乗せできます。現在、東京、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、宮城(予)が導入。日本共産党は、中小企業をのぞく大企業への実施を求めています。

所得の低い人ほど負担が重い 消費税増税やめよ

 財界・大企業の意向をうけ、政府の経済財政諮問会議が消費税を17%に引き上げるという、とんでもない試算をだしました。消費税は、収入がなくても生活のために消費すれば無差別にかかり、所得の低い人ほど負担が重い税金です。福祉のためといいますが、この間、医療も、介護も、年金も、どんどん悪くなるばかり。89年の導入以降、国民が支払った消費税の総額は今年度末で188兆円。同じ時期に大企業が納めた税金は160兆円も減っており、消費税は大企業などの減税の穴埋めに使われた計算となります。
 日本共産党は、「消費税の増税をやめるよう国に要求せよ」と、知事に求めました。



みなさんの声が県政を動かしはじめています
議会改革の前進、“公団住宅守れ”請願採択など


民意を尊重する県政への転換めざし、これからも全力でがんばります

 「くらし守れ」の切実な請願や意見書の採択。議会改革の実現。県民の声が政治を動かしつつあります。一方、税負担のあり方や巨大開発の浪費、地方自治などをめぐって、民意に反する知事の姿勢も目立っています。共産党は「県政のゆがみを正せ」とつよく主張し、知事と論戦しました。



県民の願い実現へ

公団(UR)住宅売却・削減やめよ

 入居者を追い出して賃貸住宅を減らし、用地も売却してしまおうという国の動きがつよまっています。公団住宅が引き続き公共住宅としての役割をはたし、居住の安定をはかってほしい、と願う請願が全会一致で採択され、国への意見書が可決されました。

原爆被爆者認定見直しを

 実情にあわない、きびしすぎる認定基準のため、被爆者手帳を持っている人の9割以上が原爆症と認めてもらえずに、苦しんでいます。認定基準をもっと合理的なものにすべきだ、との判決が相次いでいます。この願いを国に伝え、基準の見直しを求める意見書が全会一致で可決されました。

こども医療費 通院助成3歳までに

 2歳までだった、県のこども医療費通院助成年齢が、この10月から3歳までに引き上げられました。ねばり強い県民運動の成果です。でも多くの市町村が独自の努力で、就学前まで、さらに小学6年までと制度を拡充しており、県の制度の遅れは歴然です。さらに前進させましょう。



開かれた県議会へ 議長に申し入れ

検討委員会が設置され、改革へ大きな一歩が


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議長(左端)に申し入れる小松実、丸山慎一、岡田幸子、みわ由美の各県議
 今期県議会のスタートにあたる5月16日に、いち早く共産党は議長にあてて、(1)十分な発言機会の保障と民主的運営の徹底、(2)県民への議事公開の徹底、(3)公金使用の透明性の確保、の3点にわたる議会改革の申入れを行ないました。これが契機となって議会内に「千葉県議会あり方検討委員会」が設置され、検討がすすめられてきました。

費用弁償は交通費の実費支給に

 これまで議会開会中に議会に来ると、一日あたり1万4600円(千葉市内の議員は1万2200円が支給されていた「費用弁償」は、この6月議会から、交通費のみの実費支給へと、大幅に減額されました。大きな一歩を踏み出しました。

常任委員会の議事を完全公開に

 これまで委員長の許可制だった委員会の傍聴は、本会議と同様に「原則自由」となります。また、これまで要点筆記のメモしかなかった委員会の記録は、すべて音声録音し、議事録としてホームページに公開されます(08年6月議会から)

政務調査費の領収書添付・公開めざして

 議員一人あたり月額40万円の政務調査費の使途について、現在は領収書の添付が義務づけられていません。共産党はその添付と公開を一貫して要求。検討委員会でのこれからの検討事項となっています。清潔な開かれた議会をめざし、全力をつくします。



住民の願いに なぜ耳を傾けぬ 日本共産党が知事を追及

産廃処分場裁判控訴

 東総地域に計画されすでに建設がすすむ産廃処分場について、県が建設を許可したのはまちがいだったとして、千葉地裁が許可取り消しを命ずる判決を下しました。この地域は優良農作地帯で、野菜生産は地域の重要な産業。巨大な産廃処分場は許せない、環境と農業を守れ、と住民のみなさんが裁判に立ち上がり、長い闘いをすすめてきました。
 判決の趣旨は、業者の財務状況が悪く、これでは適正な産廃処理が担保されず、環境が守れないから、という常識的なもの。ところが知事は、この判決を不服として控訴しました。業者の財務状況について県に不可能な調査を要求している、国の許可制度に問題があることを控訴によって世に問うのだ、などとしています。
 環境をいかに守るかの原点を投げ捨てた、こんな逆立ちは許せません。共産党は民意にそむく知事の姿勢をきびしく告発し、控訴を取り下げよ、と要求しました。

市町村合併押し付け

 千葉県内の市町村数は合併によって80から56に減り、06年からは、次の「合併第二ステージ」が始まりました。住民投票で合併しない道を選択した自治体にも「合併してもらいます」等々、住民自治を無視した県主導の押し付けは、大問題です。
 その第二ステージの突破口とされた長生郡市1市6町村の合併協議は、協議会の委員数が、茂原市だけ13人で、あとの6町村は5人ずつという不平等なもの。県から派遣された複数の合併担当職員が全体をとりしきり、まさに上からの押し付け合併そのものでした。その強引な運営が自治体間の亀裂を生み、根深い相互不信を残して事実上破綻しました。
 この過程で、長生村が住民の意向調査のために実施したアンケートの結果、圧倒的多数が「合併反対」を表明。ところが知事は記者会見で、「合併しなければ大変なことになるのを分かった上でアンケートに答えているのか疑問」などと侮辱発言。ここでも民意不在ではないか、共産党の追及に、知事は反省どころか、感情的な言葉を投げ返す始末でした。

なんでも民営化すればよくなるの? 福祉への株式会社参入の問題点を指摘

 これまで公的責任でささえられてきた福祉の仕事を、企業のもうけ仕事に変質させる大改悪が、「構造改革」「規制緩和」の名ですすめられてきました。営利目当ての株式会社が福祉分野に参入したらどうなるか。
 介護事業最大手のコムスンでは、事業所の責任者が「身体介助にくらべて介護報酬の低い家事援助は断った」と語っています。事業所を開設しても、採算がとれなければすぐ撤退。利益優先、利用者をかえりみない商法が大問題でした。今回の事件で、介護サービスの低下や打ち切りが絶対に起きないよう、県が責任をはたせ、とつよく要求しました。
 市川市内の企業立保育園では、マンション一階の店舗用ワンフロアーを、高さ50センチ程度の衝立で仕切って、乳児から年長のこどもまで預かるという、粗雑なものでした。施設を認可する県は、開設にあたり現場を見ていませんでした。必ず現場を確認せよ、共産党の要求に県もこれを約束。認可基準の強化についても検討を約束しました。

後期高齢者医療制度の中止を

 75歳以上の高齢者(いわゆる「後期高齢者」)だけを集めて、他と切り離して、新しい医療制度に組み込み、高い保険料を取り立てたうえ、安上がりの差別医療しか施さない。人権も生存権もじゅうりんする、「現代の姥捨て山」というべきとんでもない制度が、来年4月から発足しようとしています。千葉県では、一人当たり平均保険料(厚生年金208万円受給者)は年額7万6500円の見込みです。絶対に許せません。制度を中止せよ、この声が全国にわきおこり、千葉県でも署名運動がすすんでいます。県からも国に制度の中止を求めるべきだ、共産党はつよく主張しました。

悪影響をおさえる努力を県に求める

 もしこの制度がスタートすれば、高齢者の大変な苦難と混乱がさけられません。現在よりもぐんと高くなる保険料を払いきれないお年寄りが続出し、保険証を取り上げられてしまいます。こうした影響を少しでも軽減するため、県としてあらゆる努力をつくせ、と要求しました。



あまりにも過大、ずさんな 八ツ場ダム計画の見直しを


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八ツ場ダム建設予定地を視察する日本共産党県議団(左から、岡田、みわ、小松、丸山の各県議)
 群馬県吾妻渓谷に計画されている八ツ場(やんば)ダムは、総事業費4600億円。うち千葉県の負担分は建設費だけで403億円、金利を含めると760億円にのぼる巨大事業です。
 図は、千葉県が「ダム必要」論の根拠に使う「水需給計画」が、給水人口も、給水量も、いかに過大であるかを示したものです。
 水は工業用水にも使うとのことですが、いまでも工業用水は日量14万トンも売れ残っています。台風などの洪水対策の面でも、この60年間の川の流量から見て、ダムの効果には疑問が出されています。
 法律に基づいて千葉県がこのダム事業から撤退すれば、すでに投入した147億円を含め、229億円が節約できます。日本共産党は、「架空ともいえる過大な水需要をはじき出し、いまでも水が余っているのに新たなダムを建設する必要はない」と厳しく指摘し、事業からの撤退を求めましたが、県は明確な根拠を示せないまま「必要なダム」との答弁に終始しました。

グラフ

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特別支援教育 教室・教員不足 ただちに解消を

 今年4月から本格的に始まった特別支援教育。「学習障害(LD)」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「高機能自閉症」などの子どもたちへの教育の充実に期待が寄せられ、県内で新たに3万人の子どもたちが対象となりました。
 ところが、4月に通級指導教室が必要な1993人のうち、115人が教室不足のため通えませんでした。県教委はそのことを事前に把握していながら、何の手だてもとっていません。また、各小中学校には、対象となる子どもたちへの支援に関する教員研修や関係機関との連絡調整、保護者の相談窓口など、全面的な推進の役割をはたす「コーディネーター」が置かれていますが、新たな教員が派遣されないため、学級担任や教務主任の先生が兼務で務めており、多忙をきわめています。
 日本共産党は、必要な教員の確保や教室不足の解消、県立学校の増設など教育条件の整備を強く求めました。



歴史の歪曲は許さない

「集団自決」削除の不当な検定撤回求める意見書を提案

 政府・文部科学省が高校の歴史教科書検定で、沖縄戦での「集団自決」について、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除させたことへの怒りの声が、全国に広がっています。沖縄では県議会と県下41市町村議会すべてが意見書を採択し、検定撤回と「日本軍の強制による」との記述の復活を求め、県民大会には11万人が結集しました。
 日本共産党は、県議会に検定意見の撤回を求める意見書を提出。「歴史の事実を、未来に生きる子どもたちに正しく伝えてこそ、平和な社会を希求し、悲惨な戦争を再び起こさない道を歩むことができる」と、議場で訴えました。しかし、自民党が反対し、県民の願いを葬り去りました。



県民の願いに各党・会派の態度は  ○賛成 ×反対
意見書・請願の趣旨 共産 自民 民主 公明 ネット 社民 市民の会
「テロ特措法」延長、「新法案」提出に反対する意見書 × × ×
習志野基地へのパトリオットミサイルPAC3配備中止を求める意見書 × × ×
消費税の増税に反対する意見書 × × ×
後期高齢者医療制度の凍結と抜本的見直しを求める意見書 × ×
「2万円米価」を保障する制度の確立を求める意見書 × × ×
子どもの通院医療費助成対象の就学前までの引き上げ、窓口自己負担廃止の請願 × × ×