2017年度千葉県予算編成にあたっての要望 2016/11/17)

千葉県知事 森田健作 様
2016年11月17日 日本共産党千葉県委員会
日本共産党千葉県議会議員団

 本年7月の参議院選挙後、安倍自公政権は、平和、民主主義、暮らしを破壊する暴走政治を加速しようとしている。安保法制=戦争法は、集団的自衛権発動を前提にした日米共同訓練の変質・強化、南スーダンPKO(国連平和維持活動)での自衛隊任務の拡大など全面的な運用段階に入っている。また、首相は、自民党案をベースにした「改憲議論」までも公言している。暮らしと経済では「アベノミクス不況」がますます深刻になるもとで、従来型の借金頼みの大型開発への「バラマキ」をくり返している。さらに、医療、介護、生活保護などの社会保障改悪、「働き方改革」の名による労働法制改悪を企てている。環太平洋連携協定(TPP)批准強行、原発再稼働容認、強権的な沖縄米軍新基地建設なども極めて重大である。もはや安倍政権の暴走政治は一刻の猶予も許されない。
 同時に参院選において、32にある1人区のすべてで野党統一候補が擁立され、そのうち11選挙区で勝利し、その後の新潟知事選挙においても、安倍政権に国民の厳しい審判が突きつけられた。市民と野党の共同が広がりをみせていることは民主主義の発展として大いに注目される。
 来年度の地方財政をめぐって、国の責任で地方の一般財源総額を抜本的に増額する必要があるにもかかわらず、微増にとどまり、交付税は減額、臨時財政対策債は増やす方向である。加えて、総務省は「集約化」の名で、中心都市に近隣市町村の施設・サービスを集約し、周辺地域の切り捨てをはかり、「公共サービスの産業化」と称したサービス縮小と営利化を進めようとしている。これらは到底容認できない。
 こうしたもとで、国の暴走政治に立ち向かい、民意に応えて、平和と県民の命、暮らしを守りぬく地方自治体の使命はますます重大となっている。その責務を果たす千葉県政への転換が切実に求められており、そうした立場に立った2017年度県予算編成および県政運営を求めて、以下、要望するものである。

一、重点要求事項
1.安保法制=戦争法の廃止、木更津駐屯地での日米オスプレイの整備拠点化を許さない
 安保法制(戦争法)強行成立の暴挙から1年。同法は、地球規模での米軍への戦争支援を決めた新ガイドラインの実効性を担保し、▽集団的自衛権の行使▽「戦闘地域」での米軍への兵站▽戦乱が続く地域での治安活動▽米軍を防護する武器使用などが可能となる。これらは戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法9条の乱暴な破壊であることは明白である。
 安倍政権が今年3月に同法を施行したもとで、木更津駐屯地における沖縄米海兵隊及び陸上自衛隊導入予定の新型輸送機オスプレイの定期整備拠点化計画が進められている。
 知事は、戦争法について事実上「合憲」との立場を表明し、オスプレイの木更津駐屯地使用問題も、同基地使用を前提とした対応になっている。これは平和と平穏な生活を求める県民の願いに背くものと言わざるを得ない。
❶安保法制=戦争法の廃止および「集団的自衛権行使容認」の閣議決定撤回を国に申し入れること。
➋沖縄米軍新基地建設反対のたたかいと連帯し、木更津駐屯地のオスプレイ整備拠点化に断固反対すること。また、日本国内でのオスプレイの訓練に反対し、沖縄をはじめ日本からの全面撤去を国に求めること。
❸内戦状態が続く南スーダンPKOへの自衛隊派遣は、日本の若者が「殺し殺される」危険を現実のものとするものであり、その撤退を政府に要求すること。併せて非軍事的人道支援、民生支援の強化を求めること。

2.安倍政権による憲法改悪は認めない
 自民党の憲法改正推進本部は、2012年に同党が決めた「憲法改正草案」はそのまま国会の憲法審査会に提案することはしないものの、「歴史的公式文書」であると確認し、改憲案を検討する憲法審査会の再開を目指している。
 自民党の憲法改正草案は、侵略戦争を反省した現行憲法の前文を削除し、戦力は持たないと定めた9条2項も廃止して自衛隊を「国防軍」に変えるなど、憲法の平和原則を踏みにじったものである。基本的人権を「永久の権利」とした97条は削除し、国民の権利を「公益及び公の秩序」の名で制限できるようにするなど、政府を縛る憲法を逆に国民を縛るものに変えてしまう。
 知事は、憲法については「様々な意見がある」などとして、議論を促しているが、これは、事実上、自民党の改憲策動を後押しするものに他ならず、断じて容認できない。

❶憲法「改正」に反対するとともに、憲法を生かす政治への転換を求めること。
➋政府および国会に対して、改憲案づくりの憲法審査会は再開しないよう要求すること。

3.国の悪政から県民の暮らしと地域経済を守る県の責務を果たす
 大企業が儲かれば、それがいずれは庶民に回るという、いわゆるトリクルダウン(アベノミクス)の破たんは明らかであり、暮らしを応援し、国民消費を高める経済政策への転換が求められている。
 消費税率を5%から8%に引き上げた結果、国民の実質所得は落ち込み、個人消費がマイナスになるなど、日本経済の低迷は深刻かつ長期化している。知事は、景気は「緩やかながらも回復の傾向」との認識を示し、「消費税増収分は社会保障並びに少子化に対処する経費に充てる」としているが、これは、あまりにも現実とかけ離れた言い分と言わざるを得ない。
 この間、政府の審議会では、医療、介護、生活保護など社会保障の大改悪案が出され、来年の通常国会に法案及び予算の提出を狙っている。安倍政権は、長時間労働・過労死を促進する「残業代ゼロ法案」の成立や、多国籍企業の利益は拡大し、県内農林水産業に深刻な打撃を与え、食の安全、医療・保険、雇用などを脅かすTPP批准強行を狙っている。
 この暴走に対して、多くの国民が厳しい批判の声をあげ、安倍政治を許さない市民の共同が広がっており、千葉県も悪政からの防波堤としての役割の発揮が強く求められている。
❶庶民を苦しめ、景気を後退させる消費税率10%への引き上げはきっぱり断念し、社会保障の財源は富裕層や大企業の応分の負担によって確保するよう、国に求めること。
➋子どもの通院医療費助成対象をただちに中学3年までに引き上げること。
❸特養ホームならびに認可保育所を大幅に増やすこと。
❹県として、返済不要の給付型奨学金制度を創設すること。
❺公契約県条例を制定するとともに、地元の仕事確保につながる住宅リフォーム助成の県制度をつくること。

二、要望項目
1.社会保障の解体を許さず、県民の生存権を守りぬく
 安倍政権は、かつて小泉内閣が行った社会保障予算の「自然増削減」を復活させ、より乱暴に推進している。そのために、年金、医療、介護などの公的保障を変質させる制度改悪を容赦なく強行している。
 この暴政から暮らし、命、福祉などを守りぬく県政の役割は重要である。

(1)公的年金削減ではなく、老後の生活を支える年金制度へ拡充を
 安倍政権は、「特例水準解消」(2013年〜2015年度)による2.5%削減、「マクロ経済スライド」発動による0.9%削減など年金の連続削減を強行した。その結果、年金支給水準は、この4年間でマイナス3.4%、1.7兆円も目減りした。

(価上昇時でも賃金が下がれば年金額を引き下げ、「マクロ経済スライド」の強化による年金支給額を抑制する年金の改悪に反対すること。
株価吊り上げのために、年金積立金をリスクマネーに投入することを中止するよう政府に要求すること。
0貭螳幣紊僚蠧盛睥霄圓悗稜金一部支給停止、支給開始年齢のさらなる引き上げ、公的年金等控除を含む年金課税見直しをやめるよう国に求めること。
ず把稱歉稠金制度導入を国に求めること。

(2)県民の命と健康を守る医療へ
 安倍政権は、都道府県に対して、▽市町村を監視させ、国保料(税)引き上げと滞納者への徴収強化を推進する「国保の都道府県化」(国保の監督)、▽地域医療の再編計画を策定させ、病床削減を促進する「地域医療構想」の導入(病床削減)、▽医療給付効率化をせまる「医療費適正化計画」強化(給付費管理)という3つの権限を集中し、「医療費削減」を強権的に推進しようとしている。

1)医療費負担の軽減にむけて
|羈悖廓までの通院・入院医療費の窓口完全無料化を早期に実施すること。
難病患者の負担の引き下げを国に求めるとともに、県として、ぜん息など小児慢性特定疾患の治療費助成を拡充すること。
70歳から74歳の窓口負担2割への引き上げを元に戻すこと。
ぐ緡妬欷泳_悪による入院食費の負担増、「患者申出診療」(混合診療)、紹介状なしの大病院受診追加徴収など患者負担増や保険外診療拡大の撤回を求めること。
ィ沓戯舒幣紊料觚負担引き上げ(原則2割)、高齢者高額療養費自己負担額の現役世代同水準への引き上げ、一般病床患者からの居住費徴収、預貯金など資産に応じた入院時の食費・居住費の負担増導入、「かかりつけ医」以外の受診追加負担、市販品類似薬の公的保険外しなど、新たな医療費負担の中止を国に迫ること。
Ω經高齢者医療制度の速やかな廃止を国に求めるとともに、県独自の負担軽減策を講じること。
Г劼箸蠖堂板軼医療費等助成事業を「現物給付」に改めること。

2)「千葉県地域医療構想」を撤回し、安心して必要な医療が受けられる医療体制の整備を
”他穏鏝困硫,靴弔韻鬚笋瓠△垢戮討琉緡天で必要なベッド数を確保すること。
⊃芭妬鷭靴糧緩榲な増額を求めること。
8立病院の医師と看護師の確保・養成、夜間救急・小児科・産科の体制強化、総合地域周産期医療センターの充実を進めること。医療事故の原因徹底究明と再発防止にとりくみ、県民の信頼回復に努めること。
っ楼莪緡鼎鯣菠世気擦晋立病院再編計画は廃止し、県立病院存続と充実をすすめること。
ヅ貔虱侫瓮妊カルセンターへの負担を地元周辺市町村へ押しつけることをやめ、広域に行われる3次救急に対する県の支援を拡充し、その責任を果たすこと。
Υ埜郢嬪楡校の定員を抜本的に増やし、看護師就学資金貸付制度の増額、貸付枠の大幅拡大を行うこと。
Э祁織ぅ鵐侫襯┘鵐兇紡个垢詼全な対策をとり、各種ワクチン接種への助成を行うこと。

3)高すぎる国保料・税の負担軽減へ
 年金生活者や非正規労働者、自営業者など国保加入者の支払い能力を超えた高すぎる保険料(税)が支払い切れず、滞納世帯が増えている。滞納制裁として正規保険証がとりあげられ、生活困窮者の受診抑制、重症化、死亡事例、生計費の差押えなど大きな社会問題となっている。
々駟櫃悗慮補助金を復活し、国保料(税)一世帯1万円の引き下げをめざして県の支援を拡充すること。
国保の「広域化」を中止し、市町村国保への国庫負担の増額を国に求めること。
C惨保険証や資格証明書の発行中止、国保法第44条にもとづく窓口負担の軽減について、実効ある制度になるよう市町村に働きかけること。

(3)介護保険の負担軽減と充実を
 2014年の介護保険法「改定」により、「要支援1・2」の訪問介護、通所介護が保険給付から外され、市町村の「地域支援事業」に置き換えられた。特養ホーム入所対象は原則「要介護3」以上となり、軽度者(要介護1・2)を施設サービスから排除した。さらに財務省財政制度審議会の「建議」では、介護保険の対象を「要介護3以上」に重点化し、「要支援者」「軽度者」を公的保険から除くことまで提言している。

〕用料「2割負担」(所得160万円以上)、介護施設利用の低所得者への「補足給付」(食費・居住費軽減)縮小の撤回を国に要求すること。
高額介護サービス費の負担上限額引き上げ、軽度者生活援助原則自己負担、軽度者福祉用具・住宅改修原則自己負担、要介護1・2通所介護の地域支援事業移行、65歳〜74歳および75歳以上の利用料原則2割に反対すること。
市町村「地域支援事業」におけるサービスの後退を食い止めること。
じとして、介護保険料・利用料の本人負担の軽減をはかること。
テ値椒曄璽犒設への県補助金(一床あたり450万円)を維持し、入所待機者解消を図ること。
Ω費による介護労働者の労働条件改善を国に求めること。

(4)生存権を保障する生活保護制度を
 安倍政権は2013年、生活保護法の「大改定」を行った。保護申請時における書類提出の義務化や親族への扶養紹介強化などによる申請の「門前払い」を強め、申請権・受給権を侵害し、生活保護の機能を骨抜きにしようとしている。ナショナルミニマムである生活保護基準の切り下げは他の制度の基準にも連動しており、生活保護の後退は国民生活を支える制度の全面的な縮小につながるものである。

\験菠欷遒凌柔舛よび受給する権利を守り、相談者に対する窓口での対応を抜本的に改善すること。
∪験萇渊や住宅扶助、冬期加算の引下げの撤回を国に求めること。
8緘医薬品押しつけや医療扶助給付の減額、母子加算の見直し、一定期限での保護打ち切り導入などに反対すること。
に椰佑両況を無視した過度の「就労指導」をやめるとともに、「就労」に応じないことを理由にした一方的な保護費減額を行わないよう国に要求すること。
ゥ院璽好錙璽ーを増員し、基準を大きく超えている担当世帯数を減らすこと。
μ砧祖螻杤蒜饅蝓脱法ハウスへの指導・対策を強化すること。
О緡甜給券交付や生活福祉資金貸付制度の充実など、困窮者の暮らしを支援すること。

(5)保育の公的責任を果たし、待機児童解消の緊急対策に総力を
 いわゆる「隠れ待機児」「潜在的待機児」も含めて、保育所待機児童解消が緊急かつ切実となっている。安倍政権が打ち出した「1億総活躍プラン」の「子育て支援策」の柱は、規制緩和による「詰め込み」や有資格保育士が半分でよい企業主導型保育の推進である。これは、認可保育所の拡充を求める強い願いに背を向け、保育の質を低下させ、子どもたちの健全な発達と成長、子どもたちの命と安全さえも軽視するものと言わざるを得ない。

’Р鎚欅藹蠢設に力を入れ、待機児童を解消すること。
∋劼匹盪勸蕕匿契度のもとで、県の支援を強め、鉄道高架下、空き店舗利用、「賃貸型」など保育環境の悪化を招かないようにすること。
J欅藥里梁臧賃上げと職員配置基準の抜本的な引き上げをはかること。
こ愼己欅蕕梁腟模・過密化を解消するとともに、指導員の労働条件を改善すること。
ヂ身する児童虐待を防止するため、児童相談所や児童養護施設の不十分な職員体制を早急に改善すること。子どもの命を第一に守るため、児童相談所のマニュアルの徹底・実行、市町村との緊密な連携、市町村任せにしない県の責任ある対策を実施すること。
児童養護施設の拡充をはかること。

(6)障害者(児)への支援拡充
―電擔歓半祿下圈併)医療費は窓口完全無料にし、65歳以上で新たに重度障害になった人の対象除外をやめること。
各種障害者施設への待機者解消は施設の増設ですすめること。
施設等の職員の待遇改善や研修の充実をはかり、入所者・利用者の命と人権を守ること。
ぢ汽浦福祉センターの「3年間集中期間」(2015年〜2017年度)は撤回し、一人ひとりにふさわしい処遇を徹底すること。

(7)生活困窮者、子どもの貧困の解消へ
 岾丙垢班郎ぁ廚広がる中で、住まいを失うことのないよう、県営住宅を増設すること。
県営住宅家賃減免制度の周知を徹底し、その利用を居住者に積極的によびかけること。
「子ども食堂」の実態を調査し、県として必要な支援を行うこと。
な貉夘禹匆鰭慂〇禹餠眤濾佞琉稾鷆癲扮簑擽癲防堋Ъなど制度を拡充すること。