特定教科書の排除と授業への介入・統制に抗議し、「事務連絡」の撤回を求める申し入れ(2015/08/12)

千葉県教育長 内藤 敏也 様
 
    2015年8月12日 日本共産党千葉県委員会/日本共産党千葉県議会議員団

一、千葉県教育庁は8月4日、2016年度に実教出版の「高校日本史教科書」を選定した県立高等学校の校長に対して、「選定理由の追加提出について」なる県教委指導課教育課程室長名の「事務連絡」文書を発出した。今回の「事務連絡」は2種類あるが、いずれも昨年度と同主旨のものである。同文書は、各校長が県教育庁に提出していた当該教科書の選定理由書について、「採択のための説明が不十分」などとして、昨年11月27日の「平成27年度使用高等学校用教科書の採択結果について(通知)」を踏まえた指導計画や資料の提出を求めるとともに、さらには「ヒヤリング」まで実施するという、驚くべき強圧的な内容となっている。
 この間の県教育庁による当該教科書排除および授業内容への露骨な介入・統制に対して、教育関係者、県民などから厳しい批判があがっているもとで、その声を無視し、特定教科書の排除を目的とした学校現場への度重なる「圧力・介入」を強行していることは断じて許されない。わが党は、県教育庁に断固抗議するとともに、「事務連絡」の撤回と特定の教科書排除中止を強く求めるものである。

二、わが党の議会論戦を通じて、県教育庁が持ち出している当該教科書を排除する根拠は、完全に破たんしている。
 一連の措置について、県教育庁は「生徒に混乱が生じないようにするため」の指導だと強弁しているが、同教科書を使用したことによる「生徒の混乱」の事実は、何ら示すことができない。さらに「事務連絡」がとりあげている国旗・国歌に関して、「一部の自治体に強制の動きがある」との記述について、文科省が「職務命令をもって命ずることを強制とすることは誤りとはいえない」としていることを否定していない。また、県教育庁が問題視している第二次世界大戦と南京事件の犠牲者数についても、当該教科書以外の出版社も同じ数字を記述しており、なぜ、実教出版だけが問題なのか、その理由は一切明らかにできない。
 何が何でも当該教科書を使わせないという県教育庁のやり方は、まさに教育基本法が禁じている「不当な支配」そのものであり、教育の自主性を奪い、学校現場に不安と混乱をもたらす以外の何ものでもない。

三、今回の「事務連絡」も、この間、県議会における日本会議に所属する一部議員を中心にした当該教科書への異常な攻撃と気脈を通じたものである。その背景には、安倍政権が狙う「戦争する国」づくりと呼応した、いわゆる「お国のために血を流す」人づくりがある。戦後、日本国民は、政治や行政による不当な介入から教育の自主性を守り、戦前のような画一化された「国定教科書」の復活を許さない闘いを進めてきた。
 わが党は、戦後70年を迎え、わが国の侵略戦争への歴史認識が問われているもとで、政府が過去の誤りへの反省の立場を表明した「河野談話」や「村山談話」を学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力が求められていることを重ねて指摘するものである。
                                     以上