特定教科書の排除と授業への介入・統制に抗議し、その中止を求める申し入れ(2015/05/21)

千葉県教育長 内藤 敏也 様
    2015年5月21日 日本共産党千葉県委員会/日本共産党千葉県議会議員団

一、千葉県教育庁は4月24日、今年度、実教出版「高校日本史教科書」を使用する10校の県立高等学校の校長に対して、指導課教育課程室長名による「年間学習指導計画等の提出について」なる「事務連絡」を発出した。この「事務連絡」は、この4月から当該教科書による授業を行うにあたり、昨年8月4日付事務連絡にもとづき、該当校に提出させていた追加資料などが使われているかどうか、再確認するためのものとのことである。
 昨年、県教育庁が高校教科書採択時に学校現場へ圧力をかけた際、わが党は、本会議での自民党議員の質問に呼応した「教育基本法が禁じる『不当な支配』であり、学校現場に不安と混乱をもたらし、かつ教育の自主性を奪うものである」と厳しく批判した。県民からも同様の声が上がった。
 しかし、県教育庁は、その批判を一顧だにせず、それどころか、ついに学校での授業内容にまで異常な圧力をかけている。わが党は、断固抗議するとともに、「事務連絡」を撤回し、特定教科書排除の圧力を直ちに止めるよう強く求めるものである。

一、今回の「事務連絡」では、国旗・国歌の取り扱い、第二次世界大戦の犠牲者数、南京大虐殺の犠牲者数の3点について、授業実施年月日、授業を参観した管理職名、あらかじめ計画した補助教材・資料の使用などについて学校に報告を求めている。これは、まさに常軌を逸した行政による授業への露骨な介入、統制以外の何ものでもない。即刻、中止すべきである。
 県教育庁は、「教科書の記述により、生徒に混乱が生じないよう授業が実施されることを第一に考えている」などとしているが、しかしこの間、当該教科書を使用したことによる「生徒の混乱」の事実はいっさい確認されていない。県教育庁があげている「事務連絡」発出の根拠はまったく成り立たない。
 加えて、現行の教科書検定制度そのものには問題があるが、当該教科書は、その検定を通ったものであり、県教育庁も使用できる教科書であることは認めている。にもかかわらず、先にあげた3点について、「生徒に混乱を生じる恐れがある記述だ」と強弁していることは断じて認められない。まさに事実上の「二重検定」と言わざるを得ない。

一、今回の背景には、安倍政権が狙う「戦争する国」づくりと呼応した、いわゆる「お国のために血を流す」人づくりがある。この間、極右勢力が侵略戦争美化、歴史偽造、教育の国家統制への動きを強めていることは極めて重大である。
 戦後、日本国民は、政治や行政による不当な介入から教育の自主性を守り、戦前のような画一化された「国定教科書」の復活を許さない闘いを進めてきた。
 わが党は、戦後70年を迎え、わが国の侵略戦争への歴史認識が問われているもとで、政府が過去の誤りへの反省の立場を表明した「河野談話」や「村山談話」を学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力が求められていることを指摘するものである。
                                      以上