IPSアルファの事業譲渡および日立ディスプレイズ「事業構造改革」に関する申し入れ(2010/09/24)

千葉県知事 森田健作 様
     2010年9月24日 日本共産党千葉県議会議員団

 わが党は、県が企業立地補助金を交付するIPSアルファテクノロジをめぐり、これまでも貴職への申し入れや、議会での質疑を行ってきたが、その後の状況は、極めて憂慮すべき事態となっている。
 日立ディスプレイズ(日立DP)は、6月30日付でIPSアルファ支援会社を設立し、同日中に支援会社はパソニックに譲渡された。パナソニックは、IPS株式の92%を取得し、今年10月1日付で、商号を「パナソニック液晶ディスプレイ株式会社」に変更し、本社を兵庫県姫路市に移すことを明らかにしている。
 今回の譲渡に際し、日立DP社の子会社からIPSに出向していた289名は、転籍となるとのことであったが、姫路工場への配転が条件とされたため、およそ160名の労働者が、家庭の事情などで退職を余儀なくされた。中には、退職後、ハローワークで紹介された派遣会社を通じて、IPSの工場で働いている人もおり、仕事は変わらないのに、賃金だけが大幅にダウンしている。
 また日立DP社からIPSに出向していた約500人は、新設分割会社「IPSアルファ支援会社」に移籍し、労働条件は継承されるとのことであった。しかし、この支援会社はIPSに「吸収」されるため、今後、賃金ダウンなど労働条件の後退が危惧されている。これでは「会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」で定められた「労働条件の継承」が事実上守られず、脱法行為ではないか、との指摘もある。
 現在、IPSは、24時間のフル稼働であり、従業者数は、今年3月末より100人余り増えているものの、しかし、逆に正社員は100人以上減っている。同社が正社員を非正規社員に置き換え、不安的雇用をひろげて利益を追求していることは明らかである。
 IPSの親会社だった日立DP社も、「事業構造改革」をすすめ、製造部門のコスト削減を図るため、製造請負の新会社(日立ディスプレイプロダクツ)を設立した。1800名が転属(転籍)、出向となるが、54歳以上は賃金が3割減額となり、54歳未満もその年齢に達した時点で同様に減額される。その際、減額分は一括で補てんされるが、基本給が下がることから、退職金や年金などに大きな影響がでるものと思われる。また、今後の新規採用者は年齢に関わりなく、賃金は3割カットの水準となる。
 このように、一連のリストラは、労働者をまるでモノのように扱い、失業や不安定雇用を拡げて、利益を求め続ける大企業の姿を改めて明らかにするものであり、その社会的規制を必要としている。同時に、そういう大企業にたいして、雇用確保と地域経済振興を目的とした県の補助金が何の効果もないことを示しており、かかる補助金のあり方が厳しく問われている。そこで、以下の事項について、かさねて貴職に申し入れるものである。

1.IPSについて
〆2鵑離螢好肇薹弉茲鬚瓩阿觧態を正確に掌握し、同社に対して、安定雇用および退職者の生活安定について万全の対策を求めること。
雇用確保と地域経済振興に何の効果もない県の補助金を凍結すること。
2.日立ディスプレイズをめぐる状況を把握し、同社に対して雇用における企業の社会的責任を果たすよう厳しく申し入れること。
3.国に対して、労働者派遣法の抜本改正を求めること。
                             以上