「千葉県教育振興基本計画」の撤回を求める声明(2010/04/09)


2010年4月9日 日本共産党千葉県議会議員団

一、3月23日の千葉県教育委員会会議で、「みんなで取り組む『教育立県ちば』プラン(千葉県教育振興基本計画)」が策定された。この計画は、今年1月の「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の提言を踏まえて策定されており、森田知事の特異な歴史観を千葉県の教育に持ち込むものである。これはとうてい容認できるものではなく、わが党は計画の撤回を強く求めるものである。

一、森田知事が、アジアへの侵略戦争を「正義の戦争」と描く歴史教科書の採択を画策している「日本教育再生機構」の代表委員を務めていること、その団体の同じ役職にある人物を県教育委員に任命したことを、日本共産党は厳しく批判してきた。先の県議会で知事は、南京大虐殺や日本軍「慰安婦」について「事実かどうかいろいろな考え方がある」などと答弁したが、わが国の加害の歴史的事実を認めず、他国を侵略した過ちへの反省の立場も示さないこうした姿勢は、絶対に許されるものではない。

一、その知事の肝いりで設置された「千葉県の教育を元気にする有識者会議」で、戦後教育を「自虐史観にたった教育」などと攻撃し、その戦後教育が子どもたちから誇りや元気を奪ったなどと誹謗する逆立ちの議論が行われたことは、由々しい問題であった。同会議の提言は、そうした議論にもとづいて「愛国心」「道徳教育」「親学」などをことさらに強調したものであるが、その内容は今回の基本計画にそのまま引き継がれている。基本計画が太く打ち出した「国家や郷土にたいする誇り」等々の教育目標が、日本の侵略戦争を認めず、戦後教育を否定し、憲法の精神とも相容れない歴史逆行の立場と結びついていることは、きわめて重大な問題と言わなければならない。

一、ほんらい教育とは、憲法が謳う平和と国民主権、民主主義の精神に立脚し、子どもたちに学ぶ喜びを実感させると同時に、しっかりとした学力と市民道徳を身につけさせ、次代を担う主権者としての人格を形成していく営みである。この教育の中身に行政が介入してはならないこと、教育行政の責務は、教育の目的達成のために、必要な正規教員の確保、少人数学級推進、家庭の教育費負担軽減、学校の耐震化促進など、あくまでも教育条件の整備に力をつくすことにこそあることは、言うまでもない。この大原則を逸脱して、行政の長が教育内容に介入するようなことを、断じて許すわけにはいかない。

一、今回の計画素案に対するパブリックコメントには364名から延べ840件の意見が寄せられたが、素案にはなかった「国旗・国歌の意義や大切さの理解を深める取組」が基本計画に盛り込まれたことが示すように、「有識者会議提言」や国の学習指導要領に則った意見のみが取り入れられている。国や県の方針に否定的な意見には最初から聞く耳を持たない、こうした扱いは、パブリックコメントを単なる形式的な手続きの一つにおとしめ、県民を愚弄するものである。今後の千葉県教育を方向づける計画が、このようなやり方で策定されてよいわけがなく、手続き的にも認めがたい。日本共産党は重ねて、基本計画の撤回を求めるものである。                    以上