「授業料徴収事務取扱要綱」の撤回を求める申し入れ(06/03/13)

授業料滞納への対応は「出席停止」や「退学」などの行政的な処分でなく、教育的見地を最優先にして行われるべきである
-------「授業料徴収事務取扱要綱」の撤回を求める申し入れ-------

千葉県教育長 佐藤健太郎様

                    2006年3月13日
                         日本共産党千葉県議会議員団

 一、県立高校における授業料滞納が増加しているとして、県教委は、滞納7ヶ月で出席停止、引き続く2ヶ月の滞納で退学処分を行うことなどを内容とする「千葉県立高等学校授業料徴収事務取扱要綱」を制定し、4月1日から実施するとしている。生徒の「学ぶ権利」に直接にかかわる、教育的配慮を著しく欠いたこのような重大な規定が、県民的論議も議会の審議も経ることなく拙速に制定・実施されようとしていることにたいし、日本共産党はつよく反対し、要綱の撤回を要求するものである。

 一、県教委の実態調査によっても、授業料滞納の理由には、リストラによる収入不安定や借金返済による困窮など、経済的理由が大きな比重をしめている。授業料滞納は社会状況を反映した家庭のさまざまな困難を背景としており、そのことに最も心を痛め、苦しんでいるのは、生徒自身である。その生徒に救いの手をさしのべ、励まして、教育の機会を保障し人間的な成長を支援する、これこそが「教育の場」たる学校の対応でなければならない。現に学校現場では、少なからぬ教員がそうした立場で必死の努力を重ね、成果をあげている。こうした努力を支援するのが教育行政の役割のはずである。

 一、「要綱」は、こうした教育的努力とはまったく逆に、出席停止や退学などの処分をいかに遺漏なく執行するかの手続き規定となっており、およそ非教育的なものと言わなければならない。生徒の全生活を受けとめ、人間的むすびつきと信頼を基礎として指導援助にあたるべき担任が、「授業料納入促進委員会」に組み込まれて、納入の督促や取り立てにあたるとなれば、生徒との信頼関係はもはや成り立たない。これは学校が「教育の場」であることを放棄するものと言っても過言ではない。

 一、県教委は「要綱」制定の理由に「負担の公平」をあげているが、これは、県がもっぱら財政上の見地から県民負担を強化する場合に用いる議論であり、自治体リストラ推進の常套句のひとつである。こうした議論を教育の場に持ち出すのは、きわめて不適切である。日本共産党は県教委にたいし、財政事情を優先して教職員削減や高校統廃合をすすめたり、授業料滞納者を退学に追い込むような、リストラ推進の政策を根本から改めるよう、つよく要求する。憲法や教育基本法の精神を堅持し、教育の機会均等を子どもたちに保障すること、そのためにも、よりよい教育条件の整備に全力をつくすことを要求するものである。
                                   以上