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 【2019年2月県議会】日本共産党 みわ由美県議代表質問 2019/2/18)

 日本共産党、松戸市選出、三輪由美です。党を代表して質問します。まず、知事の政治姿勢について伺います。安倍政権が10月から強行しようとしている消費税の10%増税について、先の議会で知事は「(消費税は)安定的財源として充実させていくことがふさわしい」と、まるで消費税増税を推進するかのような答弁をしました。
 しかしここへきて「消費税は必要」との立場の学者や経済人からも、警告の声が次々とあがっています。藤井聡内閣官房参与・京都大学大学院教授は、「消費税増税は凍結すべきだ。10%への税率引き上げは日本経済を破壊する」「増税すれば、消費は低迷し、国民の貧困化がさらに加速するのは間違いない」と警鐘を鳴らし、いまの時期の増税は「栄養失調で苦しむ子どもにさらに絶食を強いるようなもの」だと痛烈に批判しています。鈴木敏文セブンイレブン元会長は、文芸春秋1月号で「いまのタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまう」「国内景気がさらに悪化して、消費の減少、企業倒産の増加、失業率の上昇といった負の連鎖に直面する可能性もある」と懸念の声をあげています。知事はこれらの声をどう受け止められますか。知事の見解をお聞かせください。
 経営者の側はどうか。東京商工リサーチの昨年9月の調査によれば、資本金1億円未満の中小企業の6割が「10%で景気が悪くなる」と答え、「10月の増税は延期・中止すべき」とする企業は半数にものぼるなど、立場の違いを超えて「消費税をいまあげるべきではない」という声が広がってきています。消費税増税は景気を冷え込ませ、日本経済と国民のくらしに取り返しのつかない打撃を与えることは明らかであり中止すべきです。
 そもそも消費税は所得の低い人ほど負担が重い最悪の税制ですが、知事、少なくとも、「いまの時期の増税は延期を」の声をあげるべきではありませんか、お答えください。
 さらにいま、安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」が、まるで訳のわからない奇々怪々なものになっていることへも強い批判が広がっています。複数税率に加えて、安倍首相が突然、ポイント還元も言い出したからです。ふたつが組み合わさるとどうなるか。消費税の実際の負担率が、ひとつ、食料品なのかそれ以外なのか、ひとつ、カードで買うのか現金で買うのか、ひとつ、大手スーパーで買うのか、中小小売店、コンビニで買うのか。買う商品、買い方、買う場所によって異なります。なんと消費税の実質負担率は、3%、5%、6%、8%、10%の5段階にもなってしまいます。
 例えば、(資料をご覧ください)リポビタンDの実際の税率は10%、8%、5%にわかれます。オロナミンCは、食料品扱いなので、8%、6%、3%です。知事、こんな複雑怪奇な制度は国民に混乱と負担を招くだけ、しかもポイント還元されるのは僅か9カ月で、これに要する経費は、増税による増収分を上回ります。知事、こんなやり方はおかしい、筋がとおらない、そう思いませんか。お答え下さい。
 日本チェーンストア協会、日本チェーンドラッグストア協会など、業界団体も「混乱が生じる」ことへの懸念を表明し、見直しを求める異例の「意見・要望」を政府に提出しています。昨年末の読売新聞や毎日新聞の世論調査でも、「キャッシュレス還元反対」「ポイント還元反対」の声は6割をこえています。初めから増税などしなければいい、という国民の声は当然だと思いますが、知事の見解を伺います。
 しかも、重大なのは、毎月勤労統計の不正が明らかになり、消費税増税の前提も崩れていることです。政府は消費税増税の根拠のひとつに「賃金の上昇」をあげていましたが、安倍内閣による偽装だったことが発覚し、2018年実質賃金は下方修正され、伸び率がマイナスになる可能性が明らかになっています。賃金上昇は偽装だった、と言わざるを得ません。消費税増税の前提そのものが崩壊しているではありませんか。知事の見解をお聞かせ下さい。
 いま必要なのは、国民のくらしを破壊する消費税増税ではありません。国民のふところを温める経済、景気へと政治の転換を図ることです。そのためにも消費税に頼らない税制へと切り替えることです。大企業への行き過ぎた優遇税制を見直せば4兆円。大株主に有利な証券税制の見直しで1.2兆円の財源が出来ます。今こそ税金の集め方を変え、消費税の増税は中止すべきです。声を上げるべきですが、どうか。知事の答弁を求めます。
 政治姿勢の2つ目に、国の新年度軍事予算に関連して伺います。安倍政権は昨年12月、新「防衛大綱」、「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。その規模は5年間で27.4兆円もつぎ込む空前の大軍拡計画となっています。その内容は護衛艦の事実上の空母化や、相手の射程圏外から攻撃できる長距離巡航ミサイルの導入など、いわゆる攻撃型兵器の配備などです。断じて許されません。これは明らかに「専守防衛」を建前としてきた自衛隊から、「海外で戦争できる軍隊」へと変貌させるものでありませんか。
 しかも中期防計画にもとづく初年度、来年度の軍事費は、7年連続の増額で5兆3000億円規模となり、その一方で、社会保障の自然増分は1200億円も削減する、まさに逆立ちした予算です。こんなおかしな税金の使い方をどうお考えか、知事の認識をお聞かせください。
 次に2019年度県予算案について質問します。いま地方自治体に求められているのは何か。安倍政権による消費税増税、社会保障費の自然増分カットなど、暮らし破壊の暴風雨に抗して、住民の福祉を増進し、教育、子育てへの責任を果たすことです。地方自治体が、政府の「下請け機関」や「国言いなり」であってはなりません。そういう千葉県の予算が求められていると思いますが、知事の認識をまず伺います。
 その立場から、今年度に続き新年度予算案について、配布資料のように歳出の組み替えを提案します。初めに、増額する予算です。第1は、ひとり親家庭の医療費負担軽減です。高すぎる国保料が払いきれず、保険証がないため、我慢して手遅れで命を失う事態は後を絶ちません。県として、とりわけ負担軽減が切実な「ひとり親家庭」の未就学児にかかる国保料、均等割り分を助成するよう提案します。12億円でできます。また、償還払いのひとり親家庭の医療費助成を、現物給付、窓口無料に改善するよう提案します。1億4000万円でできます。それぞれ、お答え下さい。
 2つ目は、特養ホーム建設補助の大幅増額です。県は、新年度一床あたり450万円の補助金を1403床分計上しましたが、それでも1万1000人を超える特養入所待ちはなくなりません。「介護難民」です。独り暮らしの高齢者および緊急度が高い高齢者のみ世帯の入所待ちの解消をめざし、1250床分56億円の増額を求めます。ご答弁下さい。
 また、県も2020年に介護施設で働く職員が1万4000人も足りないとしています。職員確保のために、潜在有資格者の再就業支援金制度をつくり、まずは新年度、1人につき10万円、7000人分として7億円を提案します。
 3つ目は、子どもの医療費助成です。県の制度は、入院は中学3年まで助成しますが、通院はいまだに小学3年で留まっています。市町村が独自に上乗せして、県内どこに住んでいても中学3年まで入院と通院が助成されています。高校3年まで助成しているところもあります。県が31億円を追加して中3までの通院助成にふみきれば、全県で高校3年まで医療費助成を拡げる展望が開かれます。知事、決断すべきです。お答え下さい。
 4つ目は、教育です。教員の多忙化を解消し、一人ひとりの子どもたちと向き合ううえで、少人数学級の拡大は急務です。しかし35人学級は小学校3年、中学校は1年までのままで、遅々として進んでいません。県は、教員配置は国の責任だ、と繰り返しますが、それでは、様々な問題への的確な対処が求められる、いまの学校現場の負担は軽減されません。新年度、県独自に150人程度の正規教員採用分として7億5000万円を確保し、小学4年と中学2年で35人学級を実施するよう求めます。ご答弁下さい。
 私学に通う子どもをもつ家庭の教育費負担軽減も切実です。県は、この間、不十分ながらも私学の経常費助成を増額し、授業料は、年収350万円未満世帯は全額、640万円未満世帯は、3分の2を免除しています。しかし家計には、年平均24万5000円を超える施設整備費等の負担が重くのしかかっています。新年度、まず年収250万円未満世帯の施設整備費等を免除するため、11億5000万円の増額を求めます。お答え下さい。
 定時制高校の夜間給食も、1億7000万円あれば復活できます。
 5つ目は、障害者医療の助成拡充です。これまでも取り上げてきましたが、障害を持つ方の多くは継続的にいくつもの医療機関にかからざるを得ません。受診のたびに払う窓口負担は大変です。昨年6月議会で、関係者が強く願い、わが党も繰り返し求めてきた精神障害の方への医療費助成の実施を求める請願が全会一致で採択されました。県は、これを重く受け止めるべきです。精神障害への医療費助成に必要な予算は12億円です。知事、直ちに実施すベきです。いかがですか。
 次に、これらの施策に要する予算をどう確保するか、提案します。結論から言えば、不要な大型開発、急ぐ必要のない大型公共事業の見直しです。住民の意見を聞いて必要ないものはやめる、あるいは、事業の規模を縮小する、延ばせる事業は先送りします。
 第1は、圏央道や北千葉道路建設の先送りで15億8000万円、アクセス強化の道路ネットワーク事業の見直し、圧縮で44億円を生み出します。来年度、道路ネットワーク整備予算は7%、42億円ふえ、619億円にも膨らんでいます。知事は「県民生活の利便性向上や経済活性化」を理由にあげますが、その根拠も費用対効果も十分な説明がありません。これまでも、渋滞解消や人・モノの物流などといって、巨大道路建設に突っ走ってきました。県民に根拠を示せないままの莫大な税金投入はあらためるべきです。来年度のこれらの巨大道路建設に関わる59億8000万円を圧縮するよう求めます。お答え下さい。
 第2は、過大な見積もりの計画ですすめている金田西、つくばエクスプレス沿線開発の先送りです。行き詰まっている金田西やつくば沿線の区画整理事業への一般会計からの27億2000万円の繰り入れを見送るよう求めますが、ご答弁下さい。
 第3は、家族営農や沿岸漁業に焦点を当てた支援に結びつかない予算の削減です。産地間競争力の強化や拠点漁港整備を重点的に整備するとしている港湾事業の圧縮で11億3000万円、広域農道整備など農業土木重視、利潤追求優先の企業参入を広げる可能性がある農地の集積加速化促進事業の見直しで28億2000万円を削減するよう提案しますが、いかがですか、お答え下さい。  
 第4は、立地企業補助金の圧縮です。税金をばらまいて大企業を呼び込めば、雇用創出や地域経済振興につながるという経済政策が破たんしていることは明らかです。同補助金のうち大企業向けおよび新規分5億3000万円を減額するよう求めます。ご答弁下さい。
 今回提案した税金の使い方の組み替え提案の規模は143億1000万円、これは新年度の県一般会計1兆7608億4500万円の0.81%です。僅か0.8%程度の組み替えで、暮らし福祉を支える施策を前進させることができます。県の財政力は全国4位なのに、県民一人当たりの社会福祉費46位、老人福祉費47位、児童福祉費45位、教育費45位と福祉教育最低クラスの歪みを正す大きな一歩となることを強調するものです。

 次に野田市での「児童虐待死亡事件」について伺います。10歳の女の子が父親から虐待を受け、繰り返し助けを求めていたのに亡くなりました。何があっても子どもの命は絶対に守らなければいけない、これが貫かれていたのか、厳しく問われます。
 第1は、一度は保護をしたにもかかわらず、その後一時保護を解除した判断が不適切だったのではないか、事態の重大性、緊急性に関わる認識です。一家が野田市に転居した後の2017年11月、女児に虐待が疑われるあざが見つかり、本人から「お父さん怖い。背中や首をたたく」「どうにかできませんか」との訴えがあり、県児童相談所が一時保護しました。しかし父親は虐待を認めず、母親は、父親からのDV被害を訴えていた、にもかかわらず児相は、12月27日、父方の親族宅から登校することを条件に保護解除を認めてしまったのです。しかも2018年2月26日、親族宅にきた児相に、父親は「自宅に連れて帰る」と言い放ちました。それを、児相は事実上了承してしまい、いつ女児が自宅に戻ったのかも把握していません。あまりにも杜撰な対応です。
 その過程で、児相は、女児が虐待を訴えたアンケートのコピーが父親に渡されていた事実や、父親が女児に、「お父さんに叩かれたのはウソ」などと書かせていた事実も掴んでいました。明らかに虐待が疑われているのに、父親がそれを一向に認めない、しかも子どもに「やってない」というウソの書面まで書かせた。そんな父親の所に女児を返せば、また虐待されるのは明らかではないですか。お答え頂きたい。なぜ虐待のリスクなど事態の重大性を踏まえた対応ができなかったのか、どこに問題があったのかお答え下さい。
 2014年に市原市で起こった事件も、生後8ケ月の男の子を一時保護しながら父親が虐待を認めず、その事実が曖昧なまま家庭に戻し、その後亡くなりました。背景に父親から母親へのDVがあったことなど、今回の事件とも共通した特徴があります。検証のために出された昨年5月の第4次答申では、「家庭復帰の際には、復帰する家族全体の生活歴等を詳細に把握する」こと、「DVの疑いがある場合は、単に暴力の有無だけに注目するのではなく、家族関係、特に支配・被支配の関係性に目を向けると同時に、虐待が隠蔽されやすいことにも留意する必要がある」と、指摘しています。が、今回の事件で生かされた形跡はありません。なぜ答申など、過去の教訓が生かされなかったのか。ハッキリとお答えください。
 また県の虐待対応マニュアルは、在宅復帰の際、「第一に留意すべきことは虐待の再発予防」と指摘し、在宅指導の条件として「家庭内にキーパーソンとなりうる人がいる」「児童相談所職員等の、援助機関の訪問を受け入れる姿勢がある」としています。しかし父親は、一時保護も認めず行政に訴訟をちらつかせる等、とても協力的とは言えませんでした。
 マニュアルでは「在宅による援助ケースと判断した場合でも、子どもや家庭の状況は日々刻々変化するもの」、「保護者があれこれ理由をつけて子どもに会わせないなど、関係する機関が子どもの状態を直接把握できない事態が続く場合は、悪い兆候として捉え、強制的な介入を検討すべき」とも指摘しています。しかし児相は、女児が昨年夏に続き今年1月にも長期欠席をしたにも関わらず、家庭訪問もしませんでした。今回の対応において、過去の事例から教訓として導き出された虐待対応マニュアルが生かされていなかったことは明らかではありませんか。お答え頂きたい。
 第2は、野田市の要保護児童対策地域協議会をはじめ、警察など関係機関との連携、情報共有の不足です。報道によれば自宅周辺の住民は、「死ね」などの男の怒鳴り声や「お母さん怖いよ」と泣き叫ぶ女児の声、何かを叩く音を聞いたといいますが、児相は把握していませんでした。学校や市、警察との情報共有、連携が適切に図られていれば、こうした状況は掴めていた可能性があったのではないでしょうか。
 必要な連携を図り、関係機関がそれぞれの役割を果たしていれば女児の命を救うことができたのは明らかです。今回の教訓を生かし、関係機関による虐待に関する情報共有、連携の改善をどう図るのか、お答えください。
 過去の事例から様々な教訓が示され、県児童相談所が関わった事案でありながらまたもや子どもの命が救えなかった。県の責任はあまりにも重大です。一体知事はどう受け止めているのか、お答え頂きたい。今回の対応について、第三者検証委員会の検証待ちにならず、速やかに県自身による内部検証を行い、結果を公表すべきです。答弁を求めます。
 第3に、子どもの命を守ることを最優先にした対応をするためには、それに相応しい体制を確立することが不可欠です。野田市を所管する柏児童相談所の虐待相談対応件数は、2016年度で1988件と10年間で約7倍に急増しています。また児童福祉司一人当たりの担当ケース数は平均15件から62件となっており、体制拡充は急務です。現場からは「そもそも千葉市を除いて千葉県内に6つしか児相がないのは少なすぎる」という声が上がっています。県内2位の人口である船橋市や3位の松戸市にもありません。現在進めている児童相談所の職員増員の前倒しなど抜本的に人員体制を拡充するとともに、県内に新たな児相の設置を行うべきだと思いますがどうか。あわせて職員研修の充実やスーパーバイザーの配置拡充など専門性の向上に向けて緊急に手立てを取るべきです。答弁を求めます。