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  【2018年12月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議 2017年度決算討論(2018/12/21)

 日本共産党を代表して、2017年度決算認定について反対の立場から討論を行います。昨年度決算は県税収入の増加などによって、歳入が前年度比2.3%増の1兆6686億円となりましたが、その予算の使い方はあまりにも逆立ちしたものだと言わなければなりません。
 第一は、千葉県が進めてきた過大な見通しに基づく巨大開発に反省がないということです。今年度で清算期間が終了する千葉ニュータウンは、昨年度までで1100億円を超える大赤字となっていますが、当初計画から見直された14万3000人の計画人口にいまだに44000人も足りず、どう考えても達成できないことは明らかです。
 幕張新都心も昨年度までで500億円を超える赤字となっていながら、就業・就学人口は計画で掲げた15万人に対して7万人と半分にも足りません。しかも昨年から1000人減少しています。ところがこれらの計画の破たんに対して、「一定の役割を果たしてきた」「経済状況の変化が要因」などとまったく反省がありません。これでは何のための計画なのかということになります。
 水道局では昨年度の一日最大給水量は103.3万トン、一人当たりの一日最大給水量が341リットルとなっていますが、2020年度には一日最大113万トン、一人当たりで375リットルにもなる計画になっています。水道局の中期経営計画でも「節水意識の高まりや節水型機器の普及等により、1人当たりの水道使用量は、近年減少傾向」にあり、「この傾向は今後も続くと見込まれることから、給水収益の大幅な増加が望めない状況」だと認めています。それでも八ツ場ダムありきでこの過大な見通しにしがみつくなど到底県民の理解は得られません。抜本的な反省と見直しが必要です。
 第二に、こうした開発の一方で医療・福祉・教育を支える予算は絶対的に不足していることです。県内で11000人の入所待機者がいる特別養護老人ホームの整備について、昨年度は1297床しか整備されず、これ自体が目標の半分程度にとどまっています。しかも目標そのものが、多くの市町村で国の「自然体推計の計算式」に基づいて立てられていますが、この計算式には待機者数が考慮されていません。これではいつまでたっても待機者は解消されません。
 重度心身障害者医療費助成制度の一部負担金が障害者に大きな負担となっていますが、制度開始時から昨年度まで、この一部負担金を徴収しなくても予算の範囲内に収まっていたことが明らかになりました。県は一部負担金について、「現物給付化にともない利便性の向上が図られることをふまえた」といいますが、障害者の方々に受益者負担の考えを当てはめること自体が誤りです。年間12万円以上の負担を強いられている方もいるなかで、根拠も必要性もない一部負担金は速やかに廃止すべきです。
 教育の分野でも、深刻な教員未配置に手立てを打たず、教員の多忙化を加速させています。私立高校に通う生徒の負担軽減についても、年収590万円未満世帯まで授業料全額免除を拡充した神奈川県など他県に比べ、授業料全額免除は年収350万円未満世帯にとどまり、埼玉県で行っている施設設備費の減免にも踏み出そうとしません。
 巨大道路建設には満額予算が計上される一方で、各土木事務所の予算は要望の7割程度しか措置されず、県営住宅の計画修繕予算は4年間で10分の1以下に激減しています。くらしを支える予算が圧倒的に足りないのは明らかではないでしょうか。
 第三に、県政の土台である雇用や農業、地域経済を支える姿勢がないことです。千葉県の非正規雇用の割合は昨年度39.7%、5年前に比べても高くなっています。ところが県は、立地企業補助金によって4年間で3200人の雇用を生み出してきたといいながら、正規・非正規の割合もつかんでおらず、新たに創設した「雇用創出支援」では、正社員の2倍も非正規社員を雇用する計画になっています。県が補助金を出して非正規雇用を促進するなど許されることではありません。
 農業の分野では、「年間450人の新規就農者の目標達成に向けてあと50人増やしたい」といいますが、新規就農に大きな役割を果たしている青年就農給付金について、この5年間で4倍に利用者が増えているのに新たな計画では目標を50人も引き下げています。これでは本末転倒です。
 第四に、県職員の深刻な労働実態に抜本的な手立てを取っていないことです。昨年度、時間外勤務が月45時間を超えた職員数は736人、3ヶ月以上の長期療養者数・休職者数は109名でいずれも5年間で最多となっています。職員労働組合のアンケートでは、「業務量に対して人員が少なく、班員全員が時間外をしている」などの声が多数寄せられており、正規職員の抜本的な人員増が必要なことは明らかです。
 さらに指摘したこれらの問題に加えて、障害者雇用率の水増しが全庁的に発覚しました。教育庁では昨年度だけで、本来障害者雇用率に加えてはいけなかった人を110人も算入していましたが、千葉労働局には「障害者の任免状況の通報に関するチェックシート」を提出しています。このチェックシートには、原本または写しによって障害者手帳を確認したかどうか、所定労働時間が20時間未満の職員は算定から除外しているかという項目があり、これらにチェックを入れて報告していたことまで明らかになりました。あまりにもずさんであり、数合わせのための組織をあげた水増しそのものです。
 以上、様々な問題とあわせて県民の信頼を裏切る重大な内容を含んでいる昨年度決算を認定できるはずがありません。県政の抜本的転換を求めて反対討論といたします。