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 【2018年12月県議会】日本共産党 加藤英雄県議代表質問 2018/12/06)

 日本共産党を代表し質問いたします。初めに知事の政治姿勢についてです。
 安倍内閣は、来年10月に消費税を10%に引き上げることを決めました。増税による国民負担増は4兆円を超える規模になります。しかしいま国民は、これほどの負担に耐えられるでしょうか。県内をみても、労働者の昨年の名目賃金は10年前と比べて月額で1万円も減っており、物価変動を加味した実質賃金は10年で91・2%へと約1割も減っています。これでは今度の増税を受け止められるだけの体力があるとは言えません。しかも全国の実質賃金の変化は94・2%ですから、千葉県の賃金減少率は全国でも大きなものとなっています。
 こんなときに消費税の増税を強行すれば消費が冷え込み、経済に取り返しのつかない打撃を与えることになります。千葉県の経済をみても、県内総生産は名目で2007年度に20兆3380億円を記録して以降、これを上回った年はありません。物価変動を加味した実質でも、2013年度の20兆0270億円から2年連続縮小しています。こうした状況で消費税を増税していいのか、知事はどうお考えか、まず伺います。
 安倍内閣は、来年からの消費税増税を、うそとごまかしで強引に進めようとしています。
 首相は、消費税は「みんなが払う公平な税金」だと言っていますが、はたしてそうでしょうか。消費税は、収入がある人も無い人も、みんな同じ税率での負担が求められるもっとも不公平な税金です。実際に年収2000万円以上の世帯の消費税負担率は1・5%ですが、年収200万円未満では8・9%にもなります。しかも10%に増税されると複数税率を導入しても、2000万円以上の負担率1・8%に対し、200万円未満は10・5%と格差が広がります。消費税ほど不公平な税金、弱いものいじめの税金は無いと思うが、知事の認識はどうか、お答えください。
 政府は、消費税増税は「社会保障を維持するため」などと言い続けていますが、これこそまったくのごまかしです。消費税が増税されるたびに、医療費が上がり、年金が削られてきました。増税されても、保育所の待機児童は解消されず、特別養護老人ホームへの入所待ちで介護殺人や介護自殺など痛ましい事件が後を絶ちません。来年10月の消費税増税でも、これに合わせるかのように後期高齢者医療の窓口負担を倍に引き上げ、要介護1と2を介護保険からはずすなど、財務省から、社会保障をなで斬りにするメニューが公表されました。消費税が増税されても社会保障はドンドンひどくなってきています。どこに消費税は消えたのでしょうか。それは大企業や富裕層への減税の穴埋めです。
 消費税導入以来、国民が支払った消費税の総額は372兆円、一方、大企業への法人3税の減税総額は291兆円に上ります。実に消費税の8割が大企業減税の穴埋めに消えたことになります。これでは、いくら消費税が増えても社会保障に回るはずがありません。消費税を増税する一方で大企業には減税、こんなおかしな税金のあり方を知事はどうお考えか。知事の認識をお聞かせください。
 今回の消費税増税では、適格請求書・インボイス制度の導入が大きな問題になっています。2023年10月から始まるインボイスの義務づけで、売り上げが年1000万円以下の非課税業者は、税務署の登録番号が受けられないため、インボイスを発行できません。取引先は仕入れ税額控除が出来ず、自ら負担せざるを得なくなり取り引きの継続が困難になります。非課税業者は全国で500万、千葉県内でも15万に上るとされており、影響はきわめて大きなものとなります。
 先日、青年経営者のみなさんと懇談する機会がありましたが、そこでも話題は消費税増税に集中しました。
 ネットショップを経営している青年は、「税込み価格で値段を付けているが、来年10月に消費税が10%に増税されたときに、その分、値段を引上げられるかどうかは、周りとの関係できまる。同じ商品を扱っている他業者が上げないのに、自分のところだけ上げたら売れなくなってしまう。『がまん大会』のようなもので、体力が無くなれば辞めるしかない」と不安を語り、インボイスについても「仕入れ先には消費税の免税業者がいるが、インボイスが導入されたらその業者への支払い消費税が控除できなくなるので、きつい。取り引きを止めなければならなくなるかもしれない」と話していました。消費税増税とインボイスの導入で小規模事業者が廃業や倒産の危機に瀕することになるのは明らかですが、知事の認識はどうか。インボイスの導入は止めるよう国に働きかけるべきですが、お答えください。
 大企業への行き過ぎた優遇税制を見直せば4兆円の財源が出来ます。法人税率を安倍政権以前に戻せば2兆円の財源を生み出すことが出来ます。たったこれだけで来年の消費税増税は必要なくなります。税金の集め方を変え、消費税の増税は中止すべきだと考えますが、お答えください。

 次に憲法についてです。安倍総理は憲法の改定案を提出すると宣言しました。
 その内容は、憲法9条に自衛隊を書き込み、緊急事態条項を設けることなどとなっています。もしもこのまま実施されれば、自衛隊は、現在の9条が定めている戦力不保持の例外として、軍隊として動くことになります。緊急事態条項も、政府が緊急事態を宣言すれば、総理大臣と内閣に権限が集約され、国会を通さなくても法律と同じ効果を持つ政令が作れるようになります。ナチスドイツが、民主的なワイマール憲法の下でも戦争に突き進んだのは、この緊急事態条項があったからです。権限を内閣に集中し、国民の権利を制限する緊急事態条項は戦争への扉を開くものだと考えますが、知事の見解はどうか。
 安倍総理は、憲法改定を進めるために、来年の参議院選挙までに国民投票を実施する構えでいます。知事も9月議会で「国民各層の意見を十分踏まえ」とか「広く国民的な議論のもとに」などと答えていました。しかし、あと半年あまりで国民的議論が担保できるでしょうか。戦争に向かって大きく踏み出すような憲法改定は断念すべきと思うがどうか、あわせてお答えください。

 次に、子どもの貧困対策について伺います。県は2015年「千葉県子どもの貧困対策推進計画」を策定し、とりくみを開始しました。政府は、こどもの貧困が改善傾向にあると言いますが、はたして本当にそうなのか。まず県内での実態について伺います。
 夏休みは給食がないため体重を大きく減らす子、修学旅行代が払えない子、親が仕事でいつも夕食は店の弁当を買いに来る幼い兄弟の姿など、胸痛む実態が県内でも広がっています。またこの間の県の指標をみると、2015年の高校進学率は、県平均では2年前より上昇しているのに、生活保護受給者の進学率は逆に低下し、高校中退率も悪化するなど、格差がいっそう広がってきています。
文科省の調査では、県内で「朝食を毎日食べる子が減る傾向」にあり、小学6年生の約15%、中学3年生の約22%に、毎日の朝食習慣がないとされています。経済的困窮や、非正規雇用の拡大など親の就労状況の悪化が背景にあるとも言われ、深刻な実態が明らかとなっています。知事は、いっそう深刻となる「子どもの貧困」の現状、実態をどう認識しているのか、まず伺います。
 県は、県内の子どもの貧困率はわからないと言いますが、山形大学の戸室健作准教授の調査では、千葉県の子どもの貧困率は、2012年に10・4%となり、20年前の約3・3倍に急増しているとしています。この結果をどう受け止められるのか、お答え下さい。
 県の現状把握、調査は極めて貧弱だといわなければなりません。2015年の計画策定時に、県内5市の生活保護世帯、僅か188人の保護者の実態調査をしただけで、その後は行われていません。これで県内の子どもの貧困の実態が掴めるでしょうか。
 例えば松戸市では、職員を二人確保し、市内の小学5年生と中学2年生の全児童生徒とその保護者、合計13,578人を対象に調査票を配布し、大規模な「子育て世帯生活実態調査」を実施しました。生活・健康、家計の状況、教育、就労や住環境など、幅広い調査を行い、「4人に1人が生活困難層」との結果を公表しています。市の担当者は「市内の子どもや親のおかれた現状をしっかり把握することが、貧困対策にとって重要」と語っていました。県レベルでも沖縄、広島、東京、大阪などで本格的な調査が行われています。知事、今こそ「子どもの貧困対策」に本腰を入れて取り組むためにも、市町村とも協力して、総合的な実態調査を、緊急に実施すべきではありませんか。お答え下さい。次期計画は、それに基づき、子どもの貧困を根絶する明確な数値目標も掲げた、実効ある計画に見直すべきです。答弁を求めます。
 次に、県が生活困窮者自立支援法に基づき、町村で実施している学習支援事業について伺います。県のアンケ一トでは、学習支援事業に参加した最大の理由が「参加費がかからないから」次に「子どもが参加したがったから」となっており、その結果「成績も伸び、ためになった」「もっと回数や教科を増やして」と期待の声が強く寄せられています。しかし17町村中10町村での実施に留まっており、埼玉県では23町村すべてで学習支援教室を多彩に開設しているのと比べても極めて不充分です。県の責任で、この事業を早急に全町村に広げ、ひとり親家庭なども含め生活困難を抱えたすべての子どもたちに、学習支援の機会を保障すべきです。お答え下さい。
 貧困対策の最後に経済的支援について、ひとり親家庭の医療費助成制度の改善を求めて伺います。全国では都道府県の約7割、32自治体で、基本的に窓口での負担がない現物給付となっています。千葉県は償還払いで、一旦窓口で医療費を立て替えなければならず、これがひとり親家庭の大きな負担となっています。
 先日、この春大阪から千葉に転居してきた40代で、高校生の息子さんと二人暮らしのシングルマザーの方から訴えがありました。「昨年、悪性脳腫瘍に倒れ大きな手術をして、毎月約3万円の医療費がかかります。大阪と違って千葉では窓口で一旦、立て替え払いをしなくてはならず、毎月18万円ほどの傷病手当だけの生活では、その負担が大変です。千葉の制度を知らなかった私が悪いのか。千葉では病気のシングルマザーは生きていけないのでしょうか」と涙を浮かべていました。知事に率直に伺います。千葉に転居されてきたシングルマザ一の方にこんな辛い思いさせていいのか。お答え頂きたい。 
知事、県試算でもあと一億円程の予算で現物給付に改善することが可能です。今こそ決断し、ひとり親家庭の経済的負担を軽減すべきです。答弁を求めます。
 同時に、子どもの医療費通院助成を18歳まで広げてほしいの声は切実で、その道を開くためにも、県による通院費助成の拡大は必要不可欠です。東京都の「子供の生活実態調査」でも、医療の受診抑制の理由について、自己負担金が払えなかったと答えたのは、16歳から17歳では2・7%、とりわけ困窮層では18・8%に上ることが明らかになりました。お金がなくて医者にかかれないなどということがあってはなりません。18歳までの医療費助成に道をひらくためにも、知事、子どもの医療費通院助成を、中学3年生まで拡大すべきですがどうか。答弁を求めます。

 次に、クロマグロの漁獲量規制、いわゆるTAC法に基づく管理と、沿岸漁業への支援について伺います。
 水産庁は7月から日本周辺のクロマグロの漁獲規制を、漁獲可能量を示すTAC制度に移行させ、沿岸漁民や漁協には事前説明もいっさいなしで漁獲量配分を示し発表しました。クロマグロの漁獲枠は、30キログラム以下の小型魚とそれ以上の大型魚に分けられます。それを近海を生業とし、漁業経営体の94%を占める小規模な沿岸漁業と、船団を組んで大型の網で魚を一網打尽にする、大型まき網などの沖合漁業との枠に分け、さらに小型沿岸魚業の漁獲枠が県ごとに割り振られます。今回の配分枠は総量で小型沿岸魚業には2050トンに対し、大型中心の沖合漁業は、その2・2倍の4560トン、しかも大型魚の沿岸漁業への配分は、大型まき網などの4分の1以下と極めて理不尽なもので、明らかにニッスイ、ニチロなどの大規模経営体優遇の漁獲割り当てになっています。
 これに怒った全国の沿岸クロマグロ漁民は、6月25日に「配分根拠を明らかにせよ」「大型船優先の配分に反対」「沿岸漁民は生活できない」など、農水省前でプラカードと大漁旗を掲げ怒りの声をあげました。これには「この日は外房での漁は休み」と、千葉の沿岸小型漁船漁協からも多数の漁民が駆けつけています。
 千葉県でも漁協が主体となって生産や漁場行使の調整を担うなど、漁協における話し合いによって秩序ある漁業が行われています。そのルールを無視した、水産庁の上からの押し付けに漁民のみなさんが怒るのは当然ではありませんか。知事の認識をお聞かせください。今回の大型漁船優遇の漁獲枠の根本見直しを国に強く求めるべきではありませんか、お答えください。
 わが党は、勝浦市にある沿岸漁船漁業協同組合で役員の方々からお話を伺ってきました。マグロはえ縄漁を営む方は「7月に、3か月間の割当枠を超えてしまったと県から連絡があった。それで自主的に8月、9月は獲らなかった。目の前にマグロがいるのに獲れない。収入はゼロだった」と、資源維持のために漁獲枠を守っていると話されました。他の方は「今年の割当量は、去年の実績の半分程度だ」と話し、さらに「定置網に大型のマグロがかかり、漁獲枠を超えてしまった。その分、自分たちが獲る枠が少なくなるのでは」と不安を口にし、組合長からは「今回の漁獲割り当ては、意欲を持っている若手の漁師がやる気をなくす」との声も寄せられました。
 さらに漁協では、マグロの産卵期は3カ月、自主的に禁漁のルールをつくり、操業時間の短縮も行って、資源の維持・管理に自ら努力している取り組みも話されました。
 知事は、漁業資源を守り、千葉の水産業を支え、地域経済に貢献してきた、これら沿岸漁民の声をどう受け止められますか。 
 知事、海に囲まれた千葉県の主要産業ともいえる漁業を担っている、沿岸漁民のところへ足を向け、その切実な声に耳を傾けていただきたい、なさるかどうか、合わせてお答えください。
 そもそもクロマグロ資源の減少の要因は、言うまでもなく大中まき網など大型遠洋・沖合漁業の乱獲にあります。そこにメスを入れずに、沿岸漁業を切り捨て、漁業と漁場を企業に開放する仕組みに変えようというのが、いま論議されている水産改革、漁業法の改正です。
 今回の法改正の問題の一つは、漁協や地元漁業者を優先してきた、養殖などの定置漁業の漁業権を、地元の頭越しに、知事が企業に直接与え、地元優先のルールは廃止するとしていることです。これでは力のある企業の沿岸漁業への参入・支配が広がり地元漁民が狭い漁場に追い込まれていくことになります。沿岸、近海の漁業権が、漁協一括ではなくバラバラにされ、混乱と対立が広がるのは必至ではありませんか。
 海にはそもそも農地のような個人所有のエリアはありません。地元の海がその地域の専用漁場とされ、漁業権を付与された漁協を中心に漁民たちがルールをつくり、共有で利用する、いわゆる浜の秩序が作られてきました。これは戦前、都会の資産家や企業が優良な漁場を占有し地元漁民が利用でなかった、その反省の上につくられ、70年維持されてきたものです。
 利潤を追求する企業が、わが物顔で地元の海を利用できるようになったら、浜の秩序は乱れ、小規模沿岸漁民が切り捨てられていくことになります、こんな規制緩和は断じて認めることはできないと思うが、知事の見解を伺います。
 もう一つの問題は、海の議会と言われている海区漁業調整員会を公選制から知事の任命制に変えようとしていることです。海区とは大臣が定める海の区割りで、漁業調整委員会は各県に設置されています。千葉県の海区漁業調整委員会も現在、公益代表と、公選によって県内の漁協などから、漁民の代表が参加し、漁業権の免許などの知事の諮問に答えたり、自らの漁業調整も行っています。任命制になれば漁民の声が届きにくくなることは必至であり、企業優先の委員会にもなりかねません。
 知事、漁業調整に漁民の声を公平に反映させる民主的な制度である、現在の公選制の維持を国に強く求めるべきではありませんか、お答えいただきたい。
 今回の「水産改革」は漁民の要求から出てきたものではありません。政府の規制改革推進会議が昨年、検討を開始し、水産庁も一体で作業を進め、今年5月に「改革案」としてまとめたものです。
 衆院農林水産委員会で行われた参考人質疑でも、「地域漁民の生業が保障されるのか」「企業優先に変更するのは戦前のシステムに後戻りすることになる」などの懸念の声が出されています。
 70年ぶりの法改正というなら、拙速な強行は避け、漁民、漁協も含めた国民的な議論こそ必要だと思うがどうか、知事の見解を伺います。