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 【2018年9月県議会】日本共産党 丸山慎一県議代表質問 2018/09/25)

 日本共産党を代表して質問を行います。
 まず、北海道の地震や台風21号、西日本豪雨など、かつてない規模の災害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。これまでの枠を超えた救済復興対策を急ぐため力を尽くす決意を表明し、最初に知事の政治姿勢について伺います。
 今年6月、政府は「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太の方針2018を閣議決定しました。このなかには、消費税10%への引き上げや、防衛力の大幅強化、大企業優遇策などが列挙されています。とりわけ、消費税増税で国民に負担増を強いる一方で、社会保障制度の連続改悪を推し進めようとしていることは重大です。
 この間、75歳以上の医療費窓口2割負担の導入、年金受給開始年齢の引き上げ、介護保険でも要支援のヘルパーとデイサービスが市町村事業へと移行し、保険給付の対象外となりました。特別養護老人ホームへの入所は要介護度3以上に限定され、1割だった利用料に2割負担が持ち込まれました。さらに今年8月からは一部を対象に3割負担が実施されました。ある居宅介護支援事業所では、負担が増えた28人の中で5人がデイサービスやショートステイの回数を減らしました。その分、家族の負担が重くなり、「介護疲れで家庭が壊れてしまうかもしれない」と悲痛な声が聞こえてきています。骨太の方針ではこのうえさらに、要介護度1、2を保険給付から外し、現在無料となっているケアプラン作成への利用者負担を導入しようとしています。このまま進めば文字通り「保険あって介護なし」です。県として国に強く撤回を求めるとともに、県独自の利用料軽減策を講じるべきです。お答え下さい。
 県の高齢者保健福祉計画では2020年度の特養ホームの利用見込みはおよそ2万6千人、整備目標は3万人となっています。しかし、今年1月、申し込んでも入れない入所待ちが1万1千人もいるため、仮に整備目標を達成したとしても7千人以上が入所できません。高齢者人口はこれからも伸びていくため入所希望者も増え、ますます入りづらくなります。保険料を支払い、入れる資格があって、入りたいと申し込んでいるのに何年も待たされる。こうした状態が介護自殺などの悲劇を生んでいます。入所待ちの状況などの実態にそって、希望する誰もが入れるように整備目標を改めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 特養ホームの整備を進める上で、介護職員の確保は切実です。昨年、開設するはずだった特養ホームのなかで、職員を確保できなかったために1年も開所が遅れたところがありました。入所待ちを無くすためにも介護職員の確保は緊急の課題です。ところが、千葉県内に11校ある介護福祉士養成校では548人の入学定員にたいして232人、4割程度しか入学していません。県では、養成校の教員を小中学校に派遣して介護のやりがいなどを伝える努力をしていますが、残念ながら効果は上がっていません。入学者が少ない要因は、やりがいを感じていても給料が安いために生活することすらおぼつかないことにあるからです。県でも2020年度に介護職員が1万4千人も不足するとしており、事態は一刻を争います。国でも処遇改善を進めることになっていますが、千葉県でも、保育士への助成に続いて、介護職員にも財政的支援を行うべきだと考えます。知事の見解を求めます。
 県は、消費税による収入は、すべて社会保障に充てているとしています。しかし、今年度予算でみると社会保障費2808億円にたいして、消費税収入は1116億円にしかならず、全額充てても全く足りません。県として県民生活を支えるために必要な社会保障費は、財源にかかわらず確保するのは当然だと思いますが、お答えください。
 消費税は所得の低い人ほど収入に対する負担割合が重くなり、暮らしにますます重い荷を背負わせることになります。しかも消費を冷え込ませて景気にブレーキをかけることになり、どこからみても最悪の税金です。社会保障の財源に最もふさわしくありません。財源は消費税に頼らず、莫大な利益をため込んでいる大企業や富裕層に、応分の負担を求めて確保すべきだと思いますが、認識をお聞かせください。
 政治姿勢の二つ目は、憲法についてです。安倍首相は、9条に自衛隊を書き込むことなどの憲法改定案を次の国会に提出したいと明言しました。しかも来年7月の参議院選挙前に改憲の国民投票を行うとする自民党麻生派の申し入れに、「考え方は全く同じだ」と応じました。このまま進んでいけば、ほんの9カ月程度で国民投票が実施されることになります。しかし、先週の共同通信世論調査では臨時国会に改憲案を提出することに51%が「反対」し、過半数となっています。主権者である国民に十分な議論も保障しない、あまりにも性急なやり方に自民党内からも異論が出ていますが、知事はどうお考えでしょうか。
 安倍首相が憲法9条に自衛隊を明記して戦争ができる日本に作り変えようとしているなか、千葉県では、来年6月、「武器見本市」の会場として幕張メッセが使われようとしています。いうまでもなく「武器」は、戦争や武力紛争の際に、戦闘員、非戦闘員を問わず、人を傷つけ、人の命を奪うために使われるものです。「武器見本市」の開催は武器の使用を奨励するものであり、国際紛争を解決する手段として戦争や武力の行使を禁じている憲法の立場に反するのは明らかです。県条例でも、幕張メッセの設置目的は「本県の産業の振興及び文化の発展を図るとともに、本県の国際化に資するため」としており、武器見本市はこれに反します。千葉県議会が決議した「非核平和千葉県宣言」でも「国際社会の理性を信頼し全世界の協力により、戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求するものである」としており、ここにこそ県民の願いがあります。憲法に基づく地方自治体として、人の命を奪うことに手を貸す「武器見本市」に、幕張メッセを提供すべきではないと思いますが、お答え下さい。

 次にオスプレイについて伺います。
 自衛隊が購入するオスプレイ17機のうち、最初の5機が秋までに日本に納入される予定となっていましたが、一昨日、地元との調整が間に合わないとの理由で、防衛省が「納入延期の方針を固めた」との報道がありました。しかし、延期は1〜2カ月程度で、「年度内の納入を目指して千葉県や木更津市との協議を続ける」とも報道されており、木更津暫定配備の方針を変えたわけではありません。
 ところが、知事はこれまで、暫定配備先について「何ら決定していない」と繰り返しており、7月12日の会見では、「決定していないものは、『うわさ』だ」とまで言っています。しかしマスコミは今年の3月、いっせいに「配備先は自衛隊木更津駐屯地で調整中」と報道しました。これにたいして防衛省は抗議も反論もしていません。今回の納入延期報道でも木更津が前提になっています。これでは住民が心配するのは当然のことです。それを単なる「うわさ」だとして退けるのでは、県政を託されている知事として、あまりにも無責任ではありませんか。決定しているかどうかはともかく、「木更津で調整中」という報道は根拠のあるものだと考えますが、知事の認識はいかがでしょうか。
 防衛省は、納入延期の動きがあるとはいえ、あとほんの数ヶ月で配備しようというのに、配備先についての情報を示していません。決定前に、地元自治体や住民に相談があってしかるべきです。ところが知事は、「決まっていない」と繰り返し、まったく問題にしていません。その間に準備が進められ、オスプレイが千葉県に配備されることになる。知事の姿勢は、県民をだますような、こうしたやり方に手を貸すのと同じことです。千葉県はもちろん、全国のどこに配備されようが、こんなやり方は許されないと思いますが、お答えください。
 防衛省が秋に配備しようとしていたオスプレイを配備できなくなったのは、住民の大きな反対の声があったからです。その背景には、オスプレイほど危険な軍用機はないという事実があります。
オスプレイは一昨年12月に沖縄で墜落しました。昨年8月にオーストラリアで墜落し、9月にはシリアでも墜落しています。わずか10カ月の間に3回も墜落している飛行機など、どこにもありません。しかも、昨年9月に公表された沖縄での墜落事故に関する米軍の調査報告書では、原因はパイロットのミスだとされています。しかし報告書では、パイロットには疲労やストレスの兆候は見られず、任務遂行能力や専門的技術に対する懸念が全くなく、有効な資格を有するクルーチーフだったと記しています。これでもミスは起きる、ここにオスプレイの特殊性があります。構造がきわめて複雑で、操縦の難易度が極めて高いため、ミスの頻度も高く、頻繁に墜落事故を起こすのがオスプレイです。これまで、知事は、オスプレイ自体の安全性について、「国に安全対策を要望している」としていますが、公式の場で安全かどうか、自らの認識を示したことは一度もありません。10ヵ月の間に3回も墜落するオスプレイが本当に安全だと考えているのか、知事自身の認識をぜひ伺いたいと思います。
 7月1日に行われたオスプレイ配備に反対する木更津での集会には2200人が集まりました。4年前の集会は500人、2年前は1300人ですから、やるたびに参加者が倍増しており、ここに県民の思いが表れています。オスプレイの配備はここ数ヶ月と切迫しており、決定されてから動くのでは遅すぎます。千葉県として県民の思いに応え、国にたいして、きっぱりと配備反対の立場で臨むことを強く求めるものですが、知事の認識をお聞かせください。

 次に石炭火力発電所について伺います。
 温室効果ガスによる地球の気温上昇について「気候変動に関する政府間パネル」では、このままいけば今世紀末には、極端な高温や豪雨などの頻度が増加する可能性が高いと指摘しています。日本でもその兆候はすでに表れており、7月の西日本豪雨や40度を超す猛暑などで多くの命が失われました。農業や水産業などにも重大な影響が出ています。温暖化対策は文字通り人類の生存がかかった緊急課題となっています。
 ところが千葉県内では、温暖化対策に逆行する石炭火力発電所の建設計画が進められています。千葉市内の蘇我火力発電所では環境影響評価方法書への知事意見が6月に出されましたが、環境への負荷をできる限り避けるとか、海への放水温度を下げて生物への影響を小さくする、可能な限り効率の高い発電施設を導入するなど、すべて石炭火力発電所をつくることを前提にした意見になっています。しかしいま問われているのは、そもそも石炭火力を建設していいのかということです。今年3月に出された環境省の報告書によれば、地球温暖化対策に関するパリ協定の目標を達成するためには、石炭火力からの二酸化炭素排出量を現在より4000万トン減らす必要があります。しかし、全国の石炭火力の新増設計画がすべて稼働すると逆に3000万トン増えることになります。
 こうした危機感を背景に国内でも、兵庫県の赤穂市や高砂市、宮城県仙台市などで、計画されていた石炭火力発電所の中止が相次ぎました。千葉県内でも市原市での建設中止に続き、袖ケ浦市の計画も石炭を使わず液化天然ガスに燃料を転換する検討に入ったと報道されています。市原でも袖ヶ浦でも知事は建設を前提とした意見を出してきましたが、世間は、はるか先を行っています。石炭火力発電所は、どんなに条件を整えても認められない、この流れが加速していることについて、知事はどうお考えでしょうか。お答えください。
 石炭火力は、採算が合わないことも指摘されています。国内の電力需要は2010年から5年間で10%も減り、その一方で、コストが下がっている再生可能エネルギーは発電量に占める割合が2010年の9%から2016年には15%になりました。これらを背景にアクサやチューリヒなど国際的な大手金融機関が石炭火力から融資を引き上げ、国内でも日本生命が石炭火力への新規の投融資を全面的に取りやめる方針を明らかにしました。環境省も、石炭火力への投資は十分利益を回収できない「座礁資産」になる可能性が高いと指摘しています。石炭火力は経済的にも成り立たなくなっているという今の状況について、知事の認識をお聞かせください。
 環境省は、お互いが競争関係にあるなかで、電力業界の自主的取り組みでは排出削減が進まないことを指摘していますが、これは当然のことです。企業は、もうけを上げることを目的としており、人類の未来よりも自分たちのいまの利益を優先させる可能性があるからです。そこで求められるのは企業から独立した行政や政治の役割です。仙台市では、「指導方針」を策定して石炭火力の市内への立地を自粛するよう強く求めるとともに、立地を検討する場合でも中止を含む複数の計画案を作成するなど厳しい手続きを定めています。ところが千葉県では、温室効果ガスの排出について、「地域ごとに考えることに意味はない」などと驚くべき答弁をしてきました。地域での取り組みを強化している仙台市と比べて、あまりにも認識が遅れています。いまでも、「地域ごとに考えることに意味はない」などと考えているのか。はっきりとお答えください。
 石炭火力が計画されている千葉市中央区の蘇我地域は川鉄公害訴訟の結果、硫黄酸化物を始め様々な環境規制がかけられていますが、いまでもPM2・5などの基準が達成されず大気汚染が深刻です。「毎日掃除をしてもベランダや窓ガラスが真っ黒になる」など周辺住民の多くが粉塵被害を訴え、中央区の町内自治会連絡協議会も改善を求める要望書を提出しています。いまでも大気汚染に苦しんでいる地域に、新たな排出源となる石炭火力の建設など許されないと思いますが、いかがでしょうか。
 環境省は、温暖化対策が進まなかった場合を想定した2100年の天気予報を公開しています。そこでは、札幌市は41度、東京や名古屋では44度という想像を絶する気温になることが示されています。しかし、このときの世代は壊れた地球を受け取る以外にありません。この未来を変えられるのはいまを生きている私たちの世代だけです。知事として持っている権限や影響力をすべて使って、石炭火力発電所の建設を中止させるべきではありませんか、お答えください。

 次に道路について伺います。
 まず始めに北千葉道路についてです。市川市から船橋市までの約15kmに自動車専用部と一般部を合わせて8車線の巨大な道路を建設する計画が進められています。県は、その目的として、成田空港への移動時間の短縮、周辺道路の渋滞緩和、緊急時の輸送ネットワークの強化などをあげていますが、どれだけ短縮できるのか、どれだけ緩和されるのか、まったく示していません。船橋市で行われた説明会でも「開通後はどの程度の交通量になるのか」との質問に、「現時点ではわからない」と答えています。何台車が走るのかもわからずに、莫大な税金を使って巨大な道路建設が進められていく。これでは建設先にありきだとの批判は免れないと思いますが、認識をお聞かせください。
 これまでも大型道路には最優先で、まるで聖域のように税金が投入されてきました。外環道や圏央道、北千葉道路の印西成田間への直轄事業負担金は、国から言われるままに、毎年100億円もの県費が投入され、その累計はすでに3000億円を超えています。これに新たな8車線の北千葉道路が加われば、さらに膨らむことになります。今回整備しようとしている15キロメートル部分の総事業費や県の負担はどの程度を見込んでいるのか、お答えください。
 大型道路の建設はこれだけに留まるものではありません。圏央道や富津館山道の4車線化、銚子連絡道路、長生グリーンラインの整備促進、国道16号バイパスの具体化、そして三番瀬の貴重な干潟を破壊する第二湾岸道路の早期具体化なども掲げています。問題は、これらが、県民が望んだ道路なのかということです。県が行った県民世論調査では、生活道路の整備、交通事故対策、通学路の歩道設置などの要望が上位を占め、高速道路や大型道路とはなっていません。この県民の願いに応えるのが県の在り方だと思いますが、知事の認識を伺います。また、三番瀬をはじめとした千葉県の貴重な自然が、道路建設で破壊されるようなことがあってはならないと思いますが、お答えください。
 では、県民が望む身近な道路整備はどうなっているでしょうか。船橋市内を横切る木下街道は事故が多発していましたが、船橋法典駅から東へ400mの歩道が整備されたため、歩行者を巻き込んだ事故は、歩道ができる前の4年間で7件から、歩道整備後は歩行者の飛び出しを除けば、自転車との事故1件だけとなっています。歩道整備は命にかかわる大事な事業であり、最優先して予算を確保すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また木下街道では、さらに東へ歩道整備が進められており、一刻も早い完成が求められていますが、認識をお聞かせください。
 通学路の歩道も遅れたままです。県が管理している道路で交通安全指定道路のうち通学路は1154kmですが、まったく歩道がない区間が325kmも残されています。年間で4から5kmというこれまでの歩道整備のペースでは、すべて完了するまで80年もかかります。通学路のこうした実態について、知事はどうお考えでしょうか、お答えください。
 問題なのは生活道路の整備に携わっている土木事務所からの要望額や要望箇所が毎年カットされていることです。土木事務所からの要望額98億円にたいして72億円、要望箇所も7割程度しか予算がついていません。現場の状況を熟知している土木事務所が、必要と判断した箇所を要望しているのに、それが先送りされ、大型道路には優先的に予算が配分される。こんなおかしな話はありません。土木事務所からの要望は満額予算として計上し、県民の命と安全を守るべきだと考えますが、お答えください。