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 【2018年6月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議代表質問 2018/06/20)

 千葉市花見川区選出の寺尾賢です。日本共産党を代表して質問いたします。
 はじめに、一昨日の大阪北部地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
まず知事の政治姿勢について伺います。「森友」「加計」疑惑の新たな資料が次々と明るみになり、公文書の改ざん、資料の隠ぺい・廃棄、虚偽答弁が平気でまかり通り、このあまりにも異常な事態に、国民の不信と怒りがますます広がっています。安倍首相は自らの責任を認めませんが、国民の多くは「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員もやめる」「もし働きかけをしているのであれば責任をとる」との首相答弁につじつまを合わせ、首相を守るためにこれらが行われたことを見抜いているのではないでしょうか。与党であろうが、野党であろうが、その政策の違いを問わず、国政でも、地方政治でも、責任者の答弁にあわせて事実を曲げる。行政組織が時のトップを守るためにウソを繰り返し、国民と議会を欺くなどということは、悪質極まる行為ではありませんか。これでは立法と行政監視の機能を危うくし、民主主義が根底から突き崩されてしまいます。知事の認識を伺います。
 国民をごまかすということで言えば、首相が「憲法9条に自衛隊を明記しても何も変わらない」としているのも同じです。だいたい、いままでと何も変わらないのならわざわざ改憲する必要はありません。
 自民党がまとめた改憲案では、「戦力は保持しない」「国の交戦権は認めない」という9条2項の後に「前条の規定は、自衛の措置をとることを妨げない」として、自衛隊を明記する条文を書き加えます。その自衛隊は、災害救助に汗を流している自衛隊ではありません。強行された安保法制によって集団的自衛権を行使する自衛隊、長距離巡行ミサイルや空母を持ち、専守防衛を投げ捨てた自衛隊、戦地の「日報」を隠し、幹部自衛官が国会議員に罵詈雑言を浴びせるなど文民統制が効かない自衛隊です。国民をごまかすようなやり方で最高法規である憲法を変えるなど断じて許されないと思いますがどうか。自民党改憲案は、いままでと何も変わらないどころか、自衛隊を書き込むことで9条2項の制約を取り払い、無制限の海外での武力行使に道を開くものではありませんか。それぞれ見解をお聞かせください。
 千葉県弁護士会は5月18日の総会で、全国に先駆けて自民党改憲案に反対する決議を採択しました。決議では「憲法の基本原則の一つである恒久平和主義を著しく損なう危険性が大きい」と指摘しています。わが党は先日、拝師徳彦県弁護士会会長らと懇談しましたが、拝師会長は「戦争は最大の人権侵害。いまの状況で自衛隊が憲法に明記されれば、自衛のための必要最小限度の枠を超えるのは明らか」だと述べました。
 そこで伺います。様々な政治的立場の弁護士が参加する弁護士会が採択した今回の決議をどう受け止めますか、お答えください。
 この間の朝鮮半島をめぐる平和の激動は、憲法9条の値打ちとともに9条に基づく外交の重要さを浮き彫りにしています。4月の南北首脳会談に続き、6月12日には歴史上初の米朝首脳会談が行われました。両首脳が署名した共同声明では、「朝鮮半島の完全な非核化」と「北朝鮮に対する安全の保証の提供」を相互に約束し、朝鮮半島における永続的な平和体制の構築に向けて協力する「新しい米朝関係」を確立することが表明されました。
 紆余曲折はありますが、今回の会談によって長年の敵対関係、軍事対軍事の悪循環を乗り越え、対話による非核化と平和体制構築を一体的、段階的に進める方向が打ち出されたことは大きな前進です。安倍首相が固執する「圧力」一辺倒では世界から孤立するだけです。朝鮮半島と北東アジアの平和と安定にわが国が貢献する道は、国際紛争を対話と外交で解決するという憲法9条の基本精神を生かすことだと思いますが、知事もそう思いませんか、ご答弁下さい。
 対話よりも圧力を強調し、軍拡にひた走る安倍政権のもとで、陸上自衛隊が今年度から導入するオスプレイの木更津駐屯地への暫定配備計画が大きな問題となっています。当初の計画であった佐賀空港への配備が難航していることが理由とされますが、地元・木更津では7月1日にオスプレイ暫定配備反対の県民大集会が予定されるなど猛反発しています。
 知事は、記者会見などで「住民の皆さんの不安、事故のないようにしっかりと国もやっていただきたい」と言いつつも、暫定配備については「何ら決定していない、事実にもとづかない報道」などと国の説明を鵜呑みにしています。
 一方、報道などで木更津市長は、「整備と配備では次元が違う」と述べています。昨年2月から同駐屯地で始まった定期整備に伴うオスプレイの飛行は、機体整備状況を確認する、いわゆる試験飛行が中心です。しかし配備となれば、日常的に同駐屯地および周辺を飛びまわり、オスプレイの実戦基地に変貌することを意味します。整備と配備の違いについて、知事はどのような認識をお持ちですか、答弁を求めます。
 また市長は、わが党と懇談した際、「何年続くかわからないのに、暫定などと言えない」との意見で一致しました。暫定と言えば一時的、ほんの短い間だけと考えるのが自然ですが、いったん配備されればそれが長期に及ばないという保証はありません。木更津市長の懸念は当然だと思いますが、知事は暫定ということをどのようにお考えですか、お聞かせください。
 5月22日の日米合同委員会合意で木更津駐屯地の駐機場増設計画が明らかになりました。すでに配備されているCH47大型輸送ヘリコプターのためとしていますが、オスプレイの暫定配備に向けたものと見る方が自然です。「まだ決まっていない」どころか、オスプレイ配備に向けた基地整備が着々と進められているのでありませんか。正式発表されてからでは遅いのです。
 一連のオスプレイの問題について県は、これまでも、これからも地元と連携しながら対応するとしています。そうであれば、少なくとも地元の住民・自治体の合意がなく、事故などの不安も解消されないもとで、「暫定配備」は認めないという立場を明らかにすべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 そもそもオスプレイは回転翼と機体がアンバランスで操縦が難しく、オートローテーション機能もついていません。現に2016年12月に沖縄県名護市沖、2017年8月にオーストラリア沖、同年9月にはシリアと、重大な墜落事故が相次いでいます。5月に米海兵隊が公表したオーストラリア沖事故の最終報告書では、重い機体の回転翼にダウンウォッシュ・吹きおろした強風が跳ね返ったことが事故原因としてあげられる一方で、パイロットの「人的ミスは一切なかった」としています。故障や整備不良でもなく、機体自体に構造的な問題を抱えていることは明らかです。これだけ短期間に事故を繰り返すオスプレイが安全だと言い切れますか。木更津はもちろん、沖縄、首都圏をはじめ日本のどの空も飛行させてはならないと思いませんか、お答えください。

 次に成田空港の機能強化について伺います。
 3月13日の4者協議会において、「再見直し案」の内容で、成田空港の「更なる機能強化に関する確認書」が交わされ、基本的合意に達したとされています。その内容は、スライド運用の飛行時間を30分短縮し、空港全体では午前5時から深夜0時半の運用とする、A滑走路の飛行時間を深夜1時間延長する、夜10時以降の便数制限を撤廃するというものです。これでは夜の静かな時間がこれまでの7時間から4時間半に短縮され、住民にいっそうの耐え難い苦しみを押し付けるものとなり、到底容認することはできません。
 4者協議会で交わされた確認書には、「200回を超える住民説明会を開催し丁寧に説明した」と記されています。しかし、この1年間に行われた説明会では、「スライド運用は谷間地域には適用されない」「スライド運用はごまかしである、空港の運用時間に合わせて生活しているのではない」「誰一人、スライド運用に賛成した者はいない」など、スライド運用への不満が出され、さらに「第3滑走路建設や夜間飛行時間の延長は空港の発展のみであり、反対」、あるいは「23時までという約束はぜひ守ってほしい」など、とりわけ夜間飛行時間制限の緩和策に批判が集中し、反対の声が多く出されています。知事は、昨年6月以降の説明会で出された住民の声をどのように受け止めていますか。まずお聞かせください。
 昨年、知事は「空港の機能強化について住民の理解と協力が得られるよう最大限努力する」と答弁していました。昨年、行ってきた住民説明会をふまえ、今年1月31日に、国土交通大臣に対し「成田空港の更なる機能強化に関する再要請」を行っています。その中では「住民から、この見直し案でも深夜早朝時間帯を中心とした航空機騒音への不安が払しょくできない…などの強い意見が寄せられている」と、昨年の見直し案では住民の理解が得られないとの認識を示し、国による更なる検討を要請しています。そこで伺います。今回、合意された「再見直し案」とは、大前提であり、知事も最大限努力するとしてきた「住民の理解と協力」が得られたという認識なのか。何をもって、そう判断されたのか、お答えください。
 機能強化策の一つであるC滑走路建設で、横芝光町の多くの住民が新たな騒音被害を受けることになります。私は横芝光町の航空機等騒音対策協議会の方と、騒音エリアとエリアの間、いわゆる谷間地域と言われる地域の方からお話を伺ってきました。
 谷間地域で暮らしている方は、今年5月12日の朝、約1時間の間に21回ものB滑走路への着陸機の騒音を体感したと、その記録を見せてくれました。「着陸はより低空で進入するため騒音は想像を絶するもので、とても屋外では生活できない」と憤っていました。これが50万回、現状の2倍もの発着回数となったらどうなるのか。率直に伺います。知事はこれで人間らしいまともな生活ができると思っているのでしょうか、お答えください。
 C滑走路建設後は、その南側にある横芝光町の中心部がすっぽりと騒音コンター内に入ってしまうことになります。その数は街の推計でも3500戸から4000戸ともいわれています。町の世帯数は約1万であり、実に4割もの世帯が騒音下での生活を余儀なくされることになります。知事、これは街こわしともいえる異常な事態ではありませんか。これで地域との共生などと言えるのか、お答えください。
 開港から40年、この間ずっと、朝6時から夜11時までの飛行時間が守られてきました。それは国、県、NAA、周辺自治体、そして周辺住民との間で取り交わされた重い約束だったからです。
 1971年には、当時の友納知事と橋本運輸大臣との間で、夜11時から、翌朝6時までの運行ダイヤは認めない、夜10時以降の便数制限を行うとの合意がされていました。1972年には、成田空港から郷土とくらしを守る会、平和塔奉賛会、三里塚農民組合の3者が、当時の航空局長立会いのもと、空港公団総裁と現行の飛行時間を確認し、覚書も交わされています。
 さらに2013年の離着陸制限、いわゆるカーフューの弾力的運用の時も、夜10時台の便数制限を引き続き厳守すること、なし崩し的に運用時間を拡大しないことで合意された確認書が取り交わされていました。現行の飛行時間は40年間守られ、その都度確認されてきた、住民への重い約束だったのではありませんか。現行の飛行時間について、知事の基本認識をお聞かせください。現行の飛行時間は、内陸空港として地域との共存、共生をはかり、周辺住民の命とくらしを守るためのものだったはずです。その根拠は何だったのか、お答えください。
 成田空港の開港に至る経緯で最大の問題は、国策として住民や自治体の了承も得ずに強引に空港建設を進めたことにありました。国は地元の合意を得るどころか事前説明すら怠りました。そのために国と地域の間で、地域内でも賛成派と反対派の対立が深刻化するなか、「成田空港問題シンポジウム」とそれに続く「成田空港問題円卓会議」において、繰り返しの真剣な議論が行われ、1998年に国と旧空港公団から示されたのが「地域と共生する空港づくり大綱」でした。幾多の苦難の上に「地域と共生する空港づくり」「空港づくりは地域づくり」との基本理念が確認されてきたのです。そして、言うまでもなく地域の主体はそこに住み暮らしている住民です。だとすれば、機能強化策の前に知事がやるべきことはただ一つ、現行の飛行時間を守ることです。住民の健康と生活、生業を守る立場に立って、現行飛行時間の厳守を求めるべきです、知事の答弁を求めます。

 次に県立病院について伺います。県ではこの間、救急医療センターと精神科医療センターを統合し千葉市美浜区に新たに整備する(仮称)総合救急災害医療センターの計画を進めていましたが、昨年11月、市原市にある循環器病センターについてもこの新病院と統合することを前提として「あり方検討」を行う方針が出されました。それから半年以上が経ちましたが、ここに至るもあり方検討のための委員会は開かれていません。その背景には何よりも住民や自治体の強い反対の声があります。
 1月10日には市原市を含む2市3町行政連絡協議会と長生・夷隅地域市町村によって森田知事あての要望書が提出され、センターの機能維持と医師確保などが要望されました。さらに3月26日には市原市地域保険医療協議会による同様の要望書、4月16日には広範な市民によって取り組まれた7万筆を超える移設反対署名が市原市を通じて県に提出され、「循環器病センターの救急機能が失われるようなことがあれば、本市の救急医療体制そのものが崩壊する」などの声が寄せられています。循環器病センターの存続・拡充を求めるこれらの声は当然だと思いますが、知事はどう受け止めているのかお答えください。
 こうした状況にも関わらず、県は循環器病センターのあり方検討を行う方針そのものは撤回していません。本来は昨年度中に行うはずだった新病院の基本設計を一時中止したうえ、設計の契約期間の1年延長まで決めてしまいました。これにより当初の計画であった2022年度の新病院完成は不可能な状況となりました。
 県は昨日の本会議で、新病院の整備の緊急性等を総合的に勘案して、現在の基本計画に基づいて整備を進めることとし、来月から基本設計を再開したいと表明しました。基本設計の再開は当然ですが、半年以上に渡って関係者と地域住民に不安と混乱をもたらした責任は重大です。そこで伺います。(仮称)総合救急災害医療センターの基本設計の再開にあわせて、新病院への統合を前提にした循環器病センターの「あり方検討」を行うという方針についても、白紙撤回を表明すべきではありませんか。はっきりとお答えください。
 循環器病センターでは昨年10月に脳神経外科の医師2人が東千葉メディカルセンターに異動したことに加えて、今年4月にはさらにもう2人が異動になり、従来24時間365日受け入れていた脳卒中救急患者の時間外受け入れが一切できなくなりました。
 県は非常勤医師を確保し時間外受け入れの再開を目指すとともに、周辺の医療機関にも受け入れを要請していると言いますが、センター長は「脳卒中の救急も月40数例、1年間で500件くらいの救急を受けており、これを受けなくてほかにお願いするということはありえない」と話しており、住民からは「周辺の病院も常に満床状態で余裕がない。循環器病センターがなくなったらどこに行けというのか」と不安の声が上がっています。脳卒中救急患者の時間外受け入れ再開のために、緊急に他の県立病院から医師を配置するなど手立てを取るべきではないでしょうか。
 2016年12月の県議会で、「早急な整備・充実を求める」請願が採択された佐原病院はどうか。この3月、20年以上に渡って先送りされ続けてきた耐震化に向けて、ようやく「耐震改修基本計画報告書」がまとめられました。報告書では工事による「地域医療及び病院経営に与える影響を最小限に抑える」として、今年度中に具体的な工法を検討するとしています。
 しかし工事期間中は一般病床159床が最大で90床にまで縮小されます。また騒音や振動の影響を少なく抑えるやり方にすると、病床が少ない状態は1年半以上も続くことになります。佐原病院ではこの間も患者数の減少に歯止めがかからず、2011年度には7万人を超えていた入院患者が5年後の2016年度には5万人を切るところまで激減しています。これらはすべて医師数の減少を放置してきた県の責任です。関係者からは「今回の工事によって一度離れた患者が戻ってくるのか、さらなる患者数の減少につながるのではないか」という不安が広がっています。そこで伺います。こうした不安に応えるためにも、現在の病床数と病院機能は将来に渡って維持することをはっきりと表明すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 そもそも佐原病院は耐震不足の本館だけでなく、全館の老朽化が進んでいます。今回の耐震改修に伴う老朽化対策は一部に留まっており、県議会で採択された請願でも「建て替えなどの施設整備」が要望されているように本来であれば全面的な建て替えこそ必要です。佐原病院の診療体制の拡充を図るためにも、耐震改修に留まらず将来の建て替えに向けて速やかに検討を始めるべきだと思いますがお答えください。
 県としていま行うべきは、地域住民の願いにこたえ、循環器病センターや佐原病院をはじめとする県立病院全体の機能の充実を図ることです。とりわけ医師確保をどう図るのかは喫緊の課題ですが、佐原病院では脳神経外科、泌尿器科に加えて小児科、麻酔科の常勤医師もいなくなり、2012年に30人いた医師数は半分にまで減少しました。昨年策定された県立病院新改革プランでは、佐原病院について「将来的に安定した医師確保を図」るとされていますが、現実には県立病院のなかでこんなにも医師が減り続けているのは佐原病院だけです。
 県は、若手医師については臨床研修プログラムの改善などによってできるだけ確保したいとも言ってきましたが、この10年でレジデント終了後に県立病院群に採用された医師の配属先を見ても、佐原病院に配属されたのは36人中2人しかおらず、現在まで勤務している医師は一人もいません。そこで伺います。県は佐原病院の医師確保を図れなかった責任をどう認識しているのでしょうか。いままでのやり方では医師確保は困難だと言わざるを得ないがどう打開を図るのか、お答えください。
 循環器病センターの混乱、佐原病院の困難のおおもとには、「地域医療からの撤退」を掲げる保健医療計画と「県立病院経営健全化・将来構想」があります。「県立病院が担うべき政策医療とは、がん、循環器などの高度専門医療など全県や複数圏域を対象とした医療」であるとされたことで、東金病院は廃止され、佐原病院では耐震化が先送りされたうえに、医師数の減少によって本来の役割を果たせない状態が続いています。
 循環器病センターのあり方検討でも高度専門医療と地域医療に分けて検討を行うとしており、地域医療への県の責任を投げ捨てようとしていることは明らかです。県が責任を負っている地域医療の衰退をこれ以上招かないためにも、「将来構想」の撤回・見直しが避けられないのは明らかですが、知事の認識をお聞かせください。