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 【2018年2月県議会】日本共産党 加藤英雄県議代表質問 2018/02/22)

 日本共産党を代表し、質問いたします。
 初めに知事の政治姿勢として憲法問題について伺います。
 知事はこれまで「憲法は最高法規であり、知事として尊重遵守は当然」、また「戦争のない平和な社会は県民すべての願い」と答弁されてきました。これに異論はありませんが、問題はいま千葉県で憲法が遵守されているのかどうか、大きな疑問を抱かざるをえません。
 憲法25条では「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されています。しかし医療費が払えずに病院へ行くのを躊躇し、命を落とすようなことが千葉県内でも起こっています。これで憲法25条が尊重遵守されていると、知事は思われますか、お答えください。憲法26条では「義務教育は、これを無償とする」としていますが、現実に学校では副読本などの購入が義務付けられ、給食費や修学旅行費用の納入など、とても無償とは言えません。これでも憲法が遵守されていると、知事は思われるのか。知事が「憲法を遵守する」というその真意は、憲法で規定されている内容を実現していくということなのではありませんか、知事の認識をお聞かせください。
 「戦争のない平和な社会は県民すべての願い」という知事の言葉もその通りだと思います。しかし世界では、いまなお各地で武力衝突が起こっています。2001年に起こったアフガニスタン戦争では、日本を除くサミット参加6カ国のすべてが戦死者を出し、その数は3,120人にもなりました。お隣の韓国も戦死者を出しています。しかし日本はただ一人の戦死者も出さず、ただ一人の外国人の命も奪っていません。知事はこのことをどう評価されますか、お答えください。これは憲法9条があったからだと考えますが、知事の認識はどうか。
 安倍首相は、この憲法9条を変え、そこに自衛隊を書き込むとしています。自衛隊を明記しても何ら変わるものではないとも表明していますが、だとしたら何も憲法を変える必要などないではありませんか。「二度と戦争はやらない、軍隊は持たない」と定めている憲法9条は例外を認めていません。しかしここに自衛隊を併記すれば、「戦争はやらない、軍隊は持たない。しかし自衛隊は保持する」となり、「軍隊を持たない」例外として、自衛隊が「軍隊」として動き出すことになるではありませんか。ここにこそ安倍首相の真の狙いがあると思いますが、知事の見解を伺います。
 これが現実のものとなったら、県内の自衛隊も軍隊として動き出すことになります。県民の中から戦死者がでる危険な事態にもなりかねません。絶対にそんなことにさせてはならない。知事も言っているように、県民の願いである「戦争のない平和な社会」をつくるためにも、憲法9条を今のまま残すべきだと思うが、知事はどうお考えか。
 北朝鮮の蛮行を理由に、防衛強化のためにも憲法改定をという論調もありますが、これも問題です。たしかに北朝鮮の度重なる蛮行は許せません。だからといって軍事的対応でいいのか。軍事に対し軍事で対抗すれば、ことはエスカレートし不測の事態で戦争状態にならないなどという保証はどこにもありません。絶対に戦争は回避し、一人の犠牲者も出さずに解決する道を真剣に探究する必要があると思うが、知事の認識はどうか。そのためには、国際社会が一致して経済制裁をすすめ、対話による解決を図る必要があります。知事もそのことを国に働きかけるべきではありませんか、お答えください。
 憲法をめぐる議論が広がり、世論も大きく動いています。1月の共同通信の世論調査では、「安倍首相のもとでの憲法改正」に「反対」が54.8%となり、昨年12月の調査よりも6.2ポイント増えて過半数を突破しました。ここにそ憲法改正に関する民意があると考えますが、知事の認識をお聞かせください。

 次に、来年度予算案について質問します。暴走を続ける安倍政治による社会保障の自然増抑制と新たな負担増、勤労者実質賃金の減少などで国民のくらしは、いま大変です。まず伺いますが、総額1兆7289億円におよぶ来年度の県予算は、何よりも県民生活と地域経済を支えることを最優先する、これに異論はないと思いますが、知事の認識をお聞かせください。
 そこで、切実かつ緊急な福祉、医療、教育の施策を実施するために、提案された当初予算案の最小限の見直し、とりわけ歳出の増・減などの組み換えを提起します。
 最初に、2822億8700万円の民生費について、87億4000万円の増額を求めます。その使い道は、特養ホーム不足の解消をめざす緊急対策として72億円。介護施設職員待遇改善12億円、重度障害者医療費助成改善に3億4000万円です。
 県は来年度も特養ホーム1床あたり450万円、536床分の補助金を計上しましたが、それでも特養は不足しており、とりわけ、独居世帯や高齢者のみ世帯は深刻です。あと72億円増やせば、要介護度3から5の独居世帯1790人と、高齢者のみ世帯の要介護度5の345人の入所待ち解消が可能です。緊急対策を講じるべきです。お答えください。
 介護労働者の平均賃金は全産業平均を月10万円も下回り、労働実態は深刻です。「福祉の初心」を生かせず、退職する職員も多くいます。県として、およそ600ある介護保険施設一箇所当たり200万円の助成を行い、介護職員の待遇改善、人手不足打開に踏み出すよう求めます。お答えください。
 重度障害者医療費助成改善の3億4000万円は、一部負担金をなくすための増額です。制度が現物給付になったとはいえ、新たに負担を強いられた障害者は、約43000人。無料だったのに月6000円以上負担するようになった方は1100人を超えます。県は制度維持を理由にしますが、障害者支援よりも、制度維持を優先させるなどというのは、まさに本末転倒です。障害を持つ方が安心して医療を受けられるよう、ただちに一部負担金をなくすべきです。お答えいただきたい。
 623億8100万円の衛生費を、31億円増額し、県として、子どもの医療費の通院助成を中学3年まで拡げるよう求めます。来年度も県の医療費助成は、通院は小学3年、入院は中学3年に据え置かれたままです。この間、市町村のがんばりで、県内どこでも中学3年まで入院・通院とも助成しています。高校3年まで対象を拡げているところもあります。県が中学3年まで通院助成すれば、市町村の努力とも相まって、県内全市町村で高校3年まで医療費助成が受けられる展望が開かれます。子育て世代支援へ思い切って増額すべきです、お答えください。
 教育費では24億円の増額を求めます。その内容は、小学4年と中学2年での35人学級実施分11億4000万円、年収250万円未満世帯の私学施設整備費等24万1500円の全額免除に11億6000万円、17ある夜間定時制高校の給食継続に1億円の上乗せです。
 世論に押されて、今年度県教委は、小学校3年でも35人の学級編成が選択できるように一歩前進させ、学校現場では歓迎されています。国に教員定数の改善を求めることは必要ですが、だからと言って国待ちになる必要などありません。県の責任で、毎年計画的に少人数学級を前進させることが求められています。
 来年度、私学の経常費補助単価の県単独上乗せが高校で21500円、幼稚園7100円となり、それぞれ1000円引き上げたことは一定の前進です。しかし私学に通う家庭では、収入の多い少ないにかかわりなく授業料とは別に施設整備費等の負担が家計に重くのしかかっています。
 夜間給食は、定時制高校に通う生徒にとってかけがえのないものです。この間、関係者、子どもたちの合意も納得もなく、廃止を決めたことは断じて認められません。給食が果たしている「食」と「コミュニケーション」の役割を投げ捨てるものであり、県教委の責任は極めて重大です。少人数学級拡大、私学施設整備費等免除、定時制夜間給食廃止撤回を決断し、県民の強い願いに応えるべきです。それぞれについて答弁を求めます。
 指摘した増額の合計は142億4000万円です。これを確保するために、見直し、凍結、先送りなどで減額する事業を提案します。その要は、何といっても不要不急な大型開発の浪費を改めることです。
 前年度比で8.9%増と最も増えている土木費1206億7500万円は、102億6000万円の圧縮を求めます。具体的には外環道、圏央道、北千葉道路の直轄事業負担金全額と北千葉道路県施行分の半減で合わせて52億2000万円。道路ネットワーク事業で新たに着手する30カ所で5億円、行き詰まっている金田西、つくば沿線区画整理事業への繰出金27億8000万円、水あまりのうえ、洪水対策の効果が期待できない八ッ場ダム建設の治水負担分16億円、港湾事業で1億6000万円をそれぞれ減額します。
 来年度の圏央道、外環道、北千葉道路の直轄負担金は42億3700万円計上されています。外環道の大幅減の一方、圏央道は33億3000万円で昨年比1.7倍増。北千葉道路も8億4000万円で1割以上増額です。県は、負担額は事前に協議するといいますが、国に言われるままに右から左に出しているというのが実態です。
 道路ネットワーク事業については「これから入札、契約するから」などと、各事業の具体的な内容はおろか、事業費すらも明らかにしません。これでは予算案を審議しようがありません。これらの事業の圧縮、先送り、凍結を求めますが、それぞれお答えください。
 503億2300万円の農林水産業費では、農業への営利企業の参入や、広域農道など過大なインフラ整備に関する予算31億9000万円の減額を求めます。所得補償、価格保障を中心とした多様な形態の営農を支えることに、もっと力を入れるべきと考えます。
 商工費の企業立地補助金は、昨年度比1.4倍の7億2000万円です。来年度26社を見込んでいますが、新規分22社の5億9000万円は削減すべきです。補助金を出して大企業を誘致しても雇用創出も地域経済への効果もないことは、茂原IPS社の例でも明らかではありませんか。大企業呼び込み型の経済政策から決別を求めます。答弁下さい。
 このほかに、市原、鶴舞桜が丘高校統廃合関連1億6000万円、県立図書館集約化計画の予算、議員海外派遣3000万円も削減して、先にのべた増額分を生みだします。
提案した歳出の組み換え規模は142億4000万円です。一般会計予算総額のわずか0.82%。その気になればできます。県民の暮らしを支える大きな効果が期待でき、県民の消費も増え、景気も回復し、県税収入増にもつながります。この王道を進むべきではありませんか、お答え下さい。
 加えて、歳入では、わが党が繰り返し指摘している大企業への法人事業税超過課税は、2018年度上限いっぱいの20%課税で235億円が見込まれます。仮に5%としても60億円近い財源が確保できます。もっと暮らしの予算を増やすために、負担できる十分な体力がある大企業への法人事業税超過課税実施の決断を求めます。

 次に、官製談合事件について伺います。
 いま県に求められていることは、原因究明と再発防止であり、最大の基準は県民の不信を一掃することにあります。しかし実際の県の取り組みはどうか。残念ながら県民の不信を助長するものだと言わざるをえません。
 県土整備部に事実関係の調査や実態把握のための「業務適正執行推進本部」を立ち上げました。しかしこのメンバーの中に、逮捕された業者や自民党県議とともに、「県議を囲む会」に参加していた幹部職員も含まれているのです。いったい何のための組織なのか。知事、これで県民が納得するとお考えか、まず伺います。いま必要なのは、どんな些細なことであっても県民の不信を招かない毅然とした対応です。そのためにも知事が断固たる姿勢を示し、先頭に立って原因究明と再発防止に全精力を傾注することだと思うが、どうか、お答えください。
 ここで改めて知事に確認しておきたいのは、「(自民党)県議を囲む会」に部長級の幹部職員が参加していたというこの事実は、問題なかったのか、それとも不適切だったのか、この認識についてです。県土整備部は議会答弁で明確に「不適切だった」と答えています。一方、行政改革推進課は「飲食代を負担していれば不適切だとは言えない」と答弁しています。知事の認識はどちらなのか、はっきりとお答えいただきたい。
 知事に伺いたいのは、森田県政のもとで3回も工事契約をめぐる職員逮捕、官製談合事件が起きていることへの認識です。今回の事件を受けて知事は「県民の皆様に申し訳ない。気を引き締めてコンプライアンスを守る」と述べています。しかし、3年前の水道局での逮捕事件でも、知事は「県民の信頼を損ね、大変申し訳ない。コンプライアンスを守り、県民の信頼をしっかり受け止めたい」との発言をしています。事件が起こるたびに、同じような発言を繰り返す、しかしそれが守られずに、また事件が起こってしまっている。再発を防止できなかったことへの知事自身の責任をどう認識されているのか、お答えください。知事、県民にお詫びをし、再発防止を誓ったのに、なぜ再発してしまったのか、なぜコンプライアンスが守れなかったのか、これについて知事はどう考えているのか、お答えいただきたい。
 あってはならない事件が、なぜ繰り返されるのか。その要因の一つは、県の対応策、防止策の甘さにあり、そのことが、コンプライアンスを推進するための職員研修用のテキスト「汚職の防止に向けて」にも表れています。テキストには「必要最小限に」とか「原則として」などという言葉が盛り込まれ、県の断固たる姿勢が示されていません。「やってはならない」とどんなに指示しても、「必要最小限に」などの前提がつけば、対応は限りなく甘くなり、結果として本人任せにならざるを得ません。基準を曖昧にする、これらの言葉は使わないようにすべきと思うがどうか、お答え下さい。
 また、契約業者以外の土木事務所への立ち入りを全面的に禁止すること、会食も飲食も、自らの負担にかかわらず、一切の同席を禁じること、弁護士などを含んだ第3者委員会を立ち上げて検証と防止策の検討を進めること、基本指針を条例として定め罰則を設けること、指名競争入札を禁止し、すべて一般競争入札にするなどの改善を求めるものですが、知事の答弁を求めます。
 再発が防止できなかった最大の要因は、幹部職員の事件を絶対に起こさないという姿勢が欠落していること、そして知事がそのためのイニシアチブを放棄していることにあると思います。
 幹部職員がまず襟を正さなければ、職員に法令を守れと指導することはできません。同時にそのための知事のイニシアチブが決定的になります。12月22日の記者会見で知事は、「会食」という言葉の解釈について問われても、「非常に難しい」などと、問題を棚上げしきわめて曖昧な答えをしています。罰則があったほうがいいのでは、という質問にも回答がありませんでした。第3者委員会の立ち上げについての質問にも、「職員を信じます」と答えただけでした。これが再発防止を県民に誓った知事の言葉なのか、これで県民の不信を払拭し、信頼を回復することができるのか。率直に伺います。知事、あなたはいったいどうしたいのですか。もっとイニシアチブを発揮すべきではありませんか、知事の明確な答弁を求めます。