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 【2017年12月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議 議案・請願討論(2017/12/22)

 日本共産党を代表して議案・請願の主なものについて討論を行います。
 議案第5号、第6号は来年度から実施される国民健康保険の都道府県単位化=広域化に向けて、保険給付費など県が各市町村に交付する交付金と各市町村が県に納める事業費納付金についてそれぞれ条例を制定するものです。
 県の国保運営方針案では新たに「策定の背景」という項目が加えられ、国保は「低所得者の加入者が多い、年齢構成が高いこと等により医療費水準が高い、所得に占める保険料負担が重い」という構造的な問題があるため、県が国保の財政運営の責任主体として中心的な役割を担うとされました。
 ところが11月に公表された来年度標準保険料についての試算では、県平均の一人当たり保険料は103205円となり、2016年度に比べて1214円、1.2%の引き上げとなりました。県は試算において各市町村の保険料の伸び率を一定水準以内に抑える激変緩和措置を行いましたが、その結果激変緩和をしなかった場合よりも多い31市町村で引き上げとなり、さらにそのうち21市町村は最大引き上げ幅である3.2%で、3000円から4000円も保険料が上がることになりました。
 加えて今回の試算結果も、比較対象である2016年度の保険料は一般会計からの法定外繰入や財政調整基金からの繰り出し分をなかったものとする理論値として算定されており、仮にそれらがなくなれば一人当たりの引き上げ額は県平均で約8000円に跳ね上がります。運営方針案では法定外繰入の計画的な削減・解消を求めていますが、そんなことをすれば払える保険料になるはずがありません。抜本的な公費拡充こそ不可欠であり、このまま広域化を進めることは許されません。よって議案第5号、第6号に反対します。
 議案第14号は八千代ポンプ場、場外監視制御設備の更新工事の契約についてですが、東芝プラントシステム株式会社による1社入札となっています。原則として1社入札は認められておらず、県は「入札が少ないと予想される場合」「工期に制限があるなど現場の状況による場合」「予算上の制約がある場合」などに例外的に認めるとしていますが、工事の対象企業は33社あるなどそれらの要件が当てはまるとは言えません。よって議案第14号に反対します。
 議案第17号は県職員の給与と退職手当の改定にかかわる補正予算です。人事委員会勧告に基づき、知事部局の行政職で平均約58000円の給与引き上げが盛り込まれる一方で、退職手当については平均約79万円の引き下げとなっています。数年のうちに退職する職員については給与引き上げより退職手当の削減の影響が大きく、退職後の生活設計もままならなくなります。退職手当の引き下げは人事委員会勧告には含まれておらず、国家公務員に準じて慣行として行なっているにすぎません。影響を考慮し、退職手当の引き下げはやめるべきです。一方、議案第20号では知事や議員など特別職の期末手当の引き上げが提案されていますが、県民の生活実態に照らしても引き上げは必要ありません。よって退職手当の引き下げを行うための議案第21号とともに、議案第17号、議案第20号に反対します。
 次に請願についてです。請願第77号は22000筆を超える署名が添えられ、障害者の方々のくらしの場の拡充と県の重度心身障害者医療費助成制度の改善を求めるものです。県は障害者向けグループホームについて3年間で1200人の整備目標を超過達成しましたが、待機者数は今年4月1日時点で175人といまだに多く、見込みを上回って希望者が多かったことを認めています。ところが次期障害者計画の素案でも3年間で1200人の整備目標は変わっておらず、教訓が生かされていません。また重症心身障害児など医療的ケアを必要とする児童のための医療型障害児入所施設は、待機者数が2年間で1.5倍以上に増えているにもかかわらず、次期計画期間の定員増はゼロとなっています。これでは真剣に待機者解消を図ろうとしているとは思えません。速やかに整備を進めるべきです。
 2015年8月から重度心身障害者医療費助成制度が現物給付化されましたが、県は現物給付化に伴い入院1日、通院1回300円の一部負担金を導入するとともに、65歳以上の新規障害者手帳取得者を制度の対象外にしました。今年1月に県が行った影響調査では、2016年度の一部負担金の総額は3億4000万円に上り、1ヶ月当たりの負担額が3000円から6000円未満という方が966人、6000円を超える方が1142人もいることが明らかになりました。償還払いの時にはなかった負担であり、重度障害者の方にここまで重い負担を強いることは許されません。また年齢制限の影響については調査すら行っていません。あらためて実態をつかみ、障害者の方がお金の心配なく医療を受けられるように一部負担金の徴収と年齢制限を撤廃すべきです。あわせて全国25県で実施しているように精神障害者も対象に加えるべきです。障害者権利条約に照らしてもこれらは当たり前の願いであり、速やかに応えなければなりません。よって本請願の採択を求めます。
 請願第78号、79号、81号、84号、85号は、私学も含め、教育予算の大幅増額と教育条件整備のさらなる拡充を求めるものです。県教委は今年度から、小学3年生で35人学級を選択可能とする少人数学級の拡充を行いました。学校現場では、小学校低学年は学校に慣れる大切な時期であり、少人数での学習集団、生活集団となる35人学級が歓迎されています。県独自に教職員の確保をすすめ、すべての学年で35人学級を実現できるようにすべきです。学校施設の老朽化、整備の遅れも深刻です。雨漏りや床がめくれ上がるなど県立学校からの施設整備の要望は昨年度で2668件ありますが、措置されたのはわずか2割程度に留まっています。県立高校の洋式トイレの整備は24%、全国「ワースト4」と報道されるなど、教育予算の拡充は、まさに急務となっています。教員配置や施設整備など教育条件、教育環境整備という県教委としての責任を果たすべきです。
 請願第80号と継続となっていた請願第49号は、いずれも定時制高校における夜間給食の継続を求めるものです。先月、夜間定時制高校の給食のあり方について「最終報告」が出され、来年度からすべての定時制高校で夜間給食を廃止するという内容が示されました。しかし文教常任委員会の審議では、現在、給食を実施している12校に対し、校長などからの聞き取りは行ったものの、生徒たちと深くかかわっている教職員や栄養職員、何よりも生徒たちからの聞き取りすら行われていなかったことが明らかになりました。これで給食廃止を強行するなど到底認められるものではありません。定時制高校における夜間給食は、単に生徒たちへの栄養補給の場になっているだけではありません。それは、本来の食事とはどんなものかを学ぶ場であり、家族団らんに代わり、友人、教師たちとコミュニケーションをはかる生徒たちの居場所であり、バランスの取れた栄養によって健康を維持するための命綱の役割も果たしています。給食廃止には一片の道理もありません。
 あわせれば10万筆を超える署名に託された、教育にかかわるこれらの請願の採択を強く求め、以上で討論を終わります。