質問・発言のTOPへ

 【2017年12月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 2016年度決算討論(2017/12/22)

 日本共産党を代表して、昨年度決算にたいする討論を行います。
 特徴の一つは、無駄な開発が加速していることであり、その一つが今年1月に策定された「千葉港長期構想」です。30haもの海域を埋め立てたり、巨大な橋を2本もかけて臨港道路を通そうとしていますが、その理由は、現在のコンテナ取扱量が20年後には3倍、30年後には4倍になるという途方もない想定です。決算委員会でその根拠を求めましたが、答えることができませんでした。しかも事業費が数千億円単位になるのは目に見えているのに、どのくらい費用がかかるのか、まったく算定していません。こうした開発は借金で進められ、その返済は子や孫の世代に押し付けられることになり、県の責任が厳しく問われます。
 もう一つの無駄な投資が、昨年3月にまとめられた水道局の「施設整備長期計画」です。
 水の供給能力を増やす計画になっていますが、必要性について県は、「核家族化が進み、単身世帯が増えるため、2024年に使用水量が一日当たり113万立方メートルになる」との推計値を挙げました。しかし、この20年間で、1日最大給水量が最も多かったのは2001年の104万立方メートルで、それ以降、これを超えたことがありません。なのに、なぜ使用水量を引き上げなければならないのか。それは設備拡大で増える水源が八ッ場ダムと思川開発であり、まともに将来推計をやって計画を見直すと八ッ場ダムが必要なくなるからです。何の根拠もなく、指摘に反論できないのに、過大な推計に固執するその姿は、理性を失った暴走そのものです。
 こうした大規模開発で利益を上げるのは、工事を受注する大企業に限られていますが、千葉県では、企業立地補助金でも大企業には最高額70億円という大盤振る舞いです。この間、京成電鉄やQVCジャパンなどの大企業にも支出されていますが、「雇用促進のため」と県は理由をあげました。しかし、雇われた正社員の数は把握しておらず、建前だけだと言わざるをえません。
 地球温暖化対策でも大企業の利益最優先の姿勢が明らかになりました。
 県内で計画されている石炭火力発電所について知事は「地球温暖化問題は重要だが、安定性や経済性も欠かせない」と答えましたが、この二つは両立しません。県の環境基本計画では、地球温暖化対策は「待ったなし」としており、経済については「あり方を見直さなくてはならない」と書いています。もはや、どちらを選択するか、疑問の余地はありません。ところが決算委員会では、「バランスは国が考えること」などと述べ、無責任な態度に終始しました。安定して安価で供給される石炭は、企業に大きな利益をもたらしますが、地球環境には取り返しのつかない打撃を与えます。石炭火力の新設計画は断念を求め、環境基本計画など県自身が決めた計画の立場に立って真摯に温暖化対策を実行すべきです。
 大企業の利益を優先する一方で、県民の福祉や教育には背を向け続けています。
公立小中学校では代替教員の未配置が広がっていますが、委員会では、「講師が不足しており見つからない」ことを理由にあげました。しかし、そんなことは初めからわかっていることです。不足しているなら、なおさら事前に確保しておかなければ穴は埋まりません。必要な人数を年度当初に確保する仕組みを一刻も早く作るべきです。
 学校の校舎や設備も老朽化も進んでおり、教育に大きな支障をきたしています。
 県立学校からの2668件の改修要望にたいして、予算措置されたものは608件しかありません。要望のなかには「生徒が危険にさらされているもの」「法令で指摘されているもの」「教育に支障が出ているもの」などすぐに改修が必要なものがたくさん残されています。県は、「優先順位を決めて進めている」と言いますが、生徒がけがをしているような実態を見れば、悠長なことを言っている場合ではありません。予算を思い切って増額し、現場の要望に応えるべきです。
 児童虐待への対応でも、子どもたちが最優先になっていません。
 2015年度、児童相談所の一時保護人数は1155人、保護期間は2ヵ月とされているのに、それを超える子どもが314人もいます。最長は499日で1年半近くも一時保護所での生活を余儀なくされています。親元に帰ることができない子どもたちのために、児童養護施設を充実させ、里親に登録している方々への支援を抜本的に強化して、受け入れ先を増やすことを急務の課題として進めるべきです。
 「働き方改革」が叫ばれているのに、県の責任による長時間労働が深刻です。
 知事部局では、1ヵ月の最長残業時間は216時間にもなっており、1700人も職員を減らしてきた「定員適正化計画」がその背景となっています。
 教員も、文部科学省の調査で「学内勤務時間」が1日あたり11時間を超えており、過労死ラインといえる1週間に60時間以上の勤務が、小学校で3割、中学校では6割近くになっています。教育庁側も「深刻な状況だ」と認めましたが、解決策は教員を増やす以外にありません。しかし、この点での認識はきわめて希薄であり、「深刻だ」という認識にふさわしい行動をとるべきです。
 県立病院でも、夜勤回数が月に10回以上の看護師が750人で、有給休暇がまったく取れていない人も7人います。
 医師では、月の残業が80時間を超えている人が29人、年間の最高残業時間は佐原病院の内科医で1358時間でした。医師不足のなか、県立病院がかろうじて役割を保っているのは、想像を絶する長時間労働に支えられているからであり、一刻も早く解決すべきです。
 最後に、県職員が逮捕された官製談合事件についてです。
 土木事務所の所長と維持課長が逮捕、起訴されるという前代未聞の事態が起こり、県民の不信が広がっています。しかも千葉県では、2012年度に銚子土木事務所で逮捕者を出し、2014年度にも水道局で職員が逮捕されています。あってはならない事件が繰り返される要因の一つは、県の「コンプライアンス指針」自体の甘さです。禁止事項なのに「原則として」などの「修飾語」がついており、これでは「自覚に任せる」のと同じで「指針」とは言えません。
 しかも、その甘い「指針」さえ守られていません。談合業者と部課長級職員が高級料亭で「県議を囲む会」を開いていたと報道されましたが、決算委員会では「おおむねその通り」と認めました。利害関係人と職員が酒食の場を共にするのはコンプライアンス指針で禁止されており、当局も「適切でなかった」と答えています。それを部長や課長がやっていたのでは、部下に「守れ」と言えるはずがありません。記事では県議も同席しており、これも問題です。議会の側も談合を醸成するようなことは、絶対にやるべきではありません。
 以上、様々な、しかも深刻な内容をはらんでいる昨年度決算に賛成できるはずがありません。決算認定に反対を表明し、討論を終わります。