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 【2017年9月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 議案・請願討論(2017/10/11)

 日本共産党を代表して、議案と請願に対する討論を行います。
 まず、議案第1号、一般会計補正予算案ですが、この中に「県有施設長寿命化等推進基金積立金」として21億円が計上されています。これは、原案が示されている県有建物長寿命化計画を、事実上、執行していくために積み立てられているものです。もちろん、長寿命化計画のなかには、リハビリテーションセンターや児童相談所など必要な大規模改修や建て替えなどもあり、予算全体を否定するものではありません。しかし、高等技術専門校のように「施設集約化も選択肢に含めた適正配置をはかる」として統廃合を進める記述もあります。また佐原病院のように、地震対策を早急にとらなければならない建物であるにもかかわらず、建て替えも大規模改修も位置付けられていないものもあります。
 県民にとって必要な施設をきちんと存続させず、統廃合と集約化を柱にしている長寿命化計画は、県民の納得を得られるものとは言えず、それを推進する予算には反対いたします。
 
 次に議案第8号、千葉県総合計画案についてです。本計画案は、2010年から3年間の第1次総合計画、2013年から4年間の第2次総合計画に次ぐ、第3次にあたるものです。
 しかし代表質問でも指摘したように、今回の計画案では、子育て支援や高齢者福祉は、県民の期待に応える目標と計画になっていません。その一方で、不要不急の大型開発の浪費や大企業の利益最優先の姿勢が温存されたものとなっており、とても容認できるものではありません。
 しかも、これまでの二つの計画と比べても大きく後退しているものもあります。
 第1次計画には、教育環境の整備のところで「少人数教育などによる質の高い教育の推進」が位置づけられ、第2次計画では、これに加えて「段階的な少人数学級の推進など、児童や生徒の実態に応じたきめ細かな指導に努める」とされています。ところが今回提出されている第3次計画案では、少人数指導という言葉も少人数学級という言葉もいっさいありません。これは、「質の高い教育」や「きめ細かな指導」を投げ出したに等しいものです。
 子ども医療費助成制度では、第1次計画で「子ども医療費助成の充実を図ります」と書かれていましたが、第2次計画で「医療費助成を継続します」に後退し、今議会に提出されている第3次計画でも復活していません。森田知事は初当選した選挙で、中学3年生まで医療費助成の対象を引き上げることを公約にしていましたが、総仕上げである本計画案でこれ以上引き上げない宣言をするのは、最も重要な課題の一つである子育て支援に背を向けるものです。
 三番瀬についても、第1次計画では、「三番瀬の再生」という独自の項目を立て、「豊かな漁場の再生」「ラムサール条約への登録促進」などの計画が明記されていました。第2次計画でも、同じ言葉で記載されていました。ところが、今回の計画案では、「三番瀬の再生」という項目自体が削除されています。ラムサール条約への登録も一般的な書き方になり、「漁場の再生」では三番瀬という言葉自体無くなっています。これでは課題を投げ出したと言われても仕方ありません。
 こうした様々な問題を含んでいる総合計画案には、きっぱりと反対いたします。

 次に、議案第12号と13号についてです。
 両議案はともに袖ケ浦福祉センターの指定管理者を指定するものですが、これまでセンターを一体として指定していたものを、成人を対象にした更生園と子どもを対象にした養育園を分割してそれぞれ指定しようというものになっています。これで利用者が求める施設にすることができるでしょうか。
 2013年11月、職員による入所者への暴行死事件が起きました。最大の教訓は、県が行政改革と称してセンターの運営費を大幅に削ったため、ベテラン職員が大量に退職、そのあとを専門的な知識もない非常勤の職員で穴埋めせざるを得なくなったところにあります。入所者にたいする処遇もうまくいかず、入所者も職員もストレスがたまり、これが暴行死事件の背景になりました。もちろんどんな理由があろうと暴行することなど許されるものではありません。しかし、その背景を掘り下げることなしに再発を防ぐことはできません。ところが県は、正面からそれに立ち向かおうとせず、定員削減と施設分割で事実上の解体を進めています。今回の二つの議案もその延長線上にあるものです。
 この二つの議案に関連して、一般会計補正予算案には来年度から5年間の指定管理料として更生園が25億3200万円、養育園が9億3900万円の債務負担行為が設定されています。ところが更生園の年度ごとの金額をみると、来年度は5億5400万円なのに、最終年度は4億5500万円へと約1億円も減っています。これは80人の利用者数を最終年度に60人に減らし、職員数も減らすことを前提にしているためです。もしも利用者数が減らず、経費が足りなくなってしまったときには「協議することができる」とされているものの、補てんする保障はありません。これでは無理やりにでも利用者を減らそうとしたり、職員給与減額の圧力になるのは明らかです。
 こうした議案に賛成できるはずがありません。

 請願第66号、建設産業の再生を求めることについてですが、この請願は、建設技能労働者が減っている背景に賃金の低さがあることを指摘し、その引き上げを求めるものです。公共事業の設計労務単価が2012年度より39・3%引き上げられたのに、現場労働者の賃金には反映されていません。労働組合の現場調査でも「賃金が上がった」という回答はわずか1割程度しかなく、大多数が「変わらない」とか「下がった」と回答しています。本請願は、上がった労務単価が労働者の手に渡るようにという極めて当然の要求を掲げたものです。建設産業の未来にとっても大事な要求であり本議会として採択すべきです。

 最後に請願第71号は、成田市内の残土不法投棄による被害の救済と再発防止を求めたものです。業者によって埋め立てられた残土は、許可土量の4倍近くにおよぶ違法状態となっており、周辺地域では浸水被害やブロック塀の損傷などの被害が起きました。県は2001年に勧告を出しましたが、そのまま放置し続け、勧告後の10年間は、県が業者にどう対応したのか記録さえありません。しかも県の許可に対して、当時の下総町議会が反対の請願を全会一致で採択し、町長が県に意見をあげています。こうした経緯を見れば、周辺住民のみなさんが、被害の救済や、残土条例に住民同意を入れるよう求めるのは当然のことであり本請願は採択すべきです。

 以上で討論を終わります。