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 【2017年9月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議代表質問◆2017/09/22)

 次に農業問題について、種子法の廃止に関して伺います。
 1952年に制定され、農業の根幹である優良な種子の生産、普及を促進し、農業振興に大きく寄与してきた主要農作物種子法が今年度で廃止となります。マスコミでも「法律が一つなくなる以上の重大な意味を持つ。戦後日本の国家と国民のあり方を壊す大変化だ」と報道されました。
 政府は種子法廃止の最大の理由として、民間の品種開発の意欲を阻害していることをあげています。しかし1986年の法改正ですでに民間の参入は可能となっており、現に県内でも「みつひかり」など、民間企業が開発した種子によるコメの栽培が行われていると聞いています。そこで伺います。
知事も政府が言うように、これまでの種子法が民間の種子開発を阻害していると認識されているのか。お答えください。
 千葉県農業の振興、特にコメ生産において、種子法に基づいて県が果たしてきた役割は極めて大きなものがありました。農業総合研究センターで千葉の土壌と気候に合った種子の研究と品種改良を重ね、早生(わせ)品種で夏の低温にも強く大粒でおいしい「ふさおとめ」を1996年に、玄米品質や味が優れている「ふさこがね」を2004年に、種子法に基づく奨励品種として決定してきました。
 コシヒカリを含め、種子生産のもとになる原種などの提供や農業普及指導員約130人による種子生産ほ場の決定、ほ場と種子の審査などを厳格に行い、農業団体等とも連携し安定的な種子の供給を行ってきました。
種子法によって、制度的にも保障された体制のもと、安全で良質な、そして安価な種子を農家に供給してきたことが、コメ農家を支援し県の稲作振興に大きな役割を果たしてきたと思うがどうか、知事の認識を伺います。
 種子法に基づいて生産された良質の種子を購入する比率、いわゆる種子更新率は県内でも9割を超えており、厳格に管理・生産された優良種子によるコメ生産が主流となっています。主食用米の食料自給率は100%であり、国民の主食、コメを供給するための安全、安価、良質の種子の確保は、食料安全保障という点からも重要な問題となっています。
 政府は当面、現行法に代わるガイドラインを示すとしていますが、いまだにその内容は明らかにされていません。すでに県内の農業4団体連名で、優良な種子の確保に引き続き県が中心的な役割を担うよう、知事あての要請が出されるなど、種子の安定供給への懸念が示されています。これまで県が主体となって行ってきた種子生産が、まちがっても後退するようなことは絶対にあってはなりません。そこで今後の県の対応について具体的に伺います。
 一つ目に、法を根拠にした補助金が、1988年に一般財源化されました。法が廃止されれば種子生産のための予算確保の根拠がなくなることになります。県は種子の安定供給と農家支援のために、これまで通り、予算確保をすべきと思うがどうか。
 二つ目に、法に基づいて県が優良な品種を決定してきた、奨励品種制度も根拠を失うことになります。これまで農業総合研究センターにおいて続けられてきた、千葉の土壌や気候に合った優良品種の研究・開発は県の責任で継続すべきだが、どうか。
 三つ目に、優良な種子を安定的に供給するために、ほ場の指定や種子の厳格な審査などに責任を負ってきた、専門的な知見を有する農業普及指導員の役割は欠かせません。引き続き技術職員の増員、育成を進めるべきと思うが、どうか。お答えください。
 国が示すとしているガイドラインはあくまで技術的助言であり拘束力はありません。北海道では、すでに4月に道機関や農業団体、試験場などで構成する「種子生産の在り方検討部会」を立ち上げ、法廃止後の優良種子の安定供給に関し、拘束力のある対応なども含めた検討を独自に進めています。県もこれまで、種子生産ほ場設置要領や種子審査実施要領などを作成し、種子生産の公的責任を果たしてきました。
法廃止後、県も独自の拘束力を持った種子生産にかかわるルール、枠組みづくりを検討すべきではありませんか、お答えください。
 いま世界の種子市場は、モンサント、デュポンなど大手8社が市場の7割以上を占有していると言われています。政府は農業競争力強化支援法に「種子生産に関する知見の民間事業者への提供を促進」することを規定していますが、法廃止によって将来、日本の種子市場が多国籍企業に支配されてしまうのではとの懸念も指摘されています。
 参議院でも、「種子が国外に流出することなく」「特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めること」とする付帯決議が確認されています。種子法廃止によって日本の種子生産が外資系多国籍企業に明け渡され、支配され、独占されるなどということになれば、農業競争力強化どころか日本の農業を弱体化させ、安全・安心な国民の食が失われかねない事態になります。こんなことは断じてあってはなりません。
種子の国外流出を防ぎ、外資系企業などによる支配・独占に歯止めをかけるなどの手立てを、国に強く求めるべきだと思いますが、お答えください。

 次に、石炭火力発電所新設計画と自然エネルギーの普及について伺います。
いま千葉県内では、千葉市の蘇我と袖ケ浦市の2ヵ所で石炭火力発電所の建設計画が進められています。発電能力は合わせて307万キロワット、二酸化炭素排出量は年間1800万トンに達します。
温暖化対策が厳しく求められているときに、大量の温室効果ガスを出す石炭火力発電所の新設計画にたいして、知事としてどういう認識をもっているのか、まず伺います。
 事業主は法律の手続きにもとづいて関係書類を提出していますが、そのなかでは二酸化炭素が発生することは認めているのに影響評価の対象にしないとしており、とても地球温暖化について真剣に考えているとは思えません。これに対して環境大臣は、「国の二酸化炭素排出削減の目標・計画との整合性を判断できず、現段階において是認することはできない」との意見を提出しています。
この大臣意見について、知事はどう受け止めているのか、お答えください。
 一方、計画への千葉県知事の意見は「是認できない」などの記述は一切なく、地球温暖化に関する記載は一番最後で、全体の10分の1程度の分量しかありません。これに対して兵庫県赤穂市の石炭火力発電所計画への兵庫県知事意見では、地球温暖化が冒頭に記述され、意見全体の3分の1を占めています。そこでは「二酸化炭素総排出量の増加が国の目標達成に支障を及ぼす懸念もある」と明記し、「増加に見合う削減方策を行い、二酸化炭素総排出量を増加させないこと」を求めています。
兵庫県知事の姿勢に比べても、温暖化に対する森田知事の思いの軽さが表れていると言わざるを得ませんが、いかがでしょうか。
 昨年の質問でも指摘しましたが、1カ所の石炭火力発電所が、日本全国、全世界に地球温暖化の悪影響を及ぼすことになります。しかし、環境影響評価という法的手続きで意見を言えるのは設置県である千葉県知事しかいません。
その意見は、単に千葉県としての意見だけでなく、他の都道府県や世界の人々の思いを受けて出されなければならないと思いますが、認識をお聞かせください。
 諸外国では石炭火力発電からの撤退が広がっています。フランスやイギリス、カナダが相次いで廃止に向けた方針を発表し、世界最大の温室効果ガス排出国である中国でも、石炭火力発電の新増設の抑制や計画の取り消しを行っています。
地球の未来を科学的に見据えて、千葉県知事として石炭火力新設計画にたいして、きっぱりと断念するよう求めるべきだと考えますが、お答えいただきたい。
 石炭火力から撤退するためには、自然エネルギーをいかに増やすのかを真剣に考える必要があります。千葉県の「環境基本計画」では、来年度までに太陽光発電導入量を2727メガワットにするとしていますが、今年3月末で稼働しているのは1867メガワットです。県では認定施設が3900メガワットを超えているので「おおむね順調」としていますが、認定をとっても事業に入らないものが多数想定されており、目標達成の根拠にはなりません。
少なくとも認定を取っている事業者に意向調査をするなど、今後の見通しを明らかにする必要があるのではありませんか。
また県が助成を実施している家庭用太陽光パネルは普及目標がありません。県として普及目標を設定すべきではないですか。あわせてお答えください。
 いま太陽光発電などを活用した多様な取り組みが広がっています。その一つが農業に活用したソーラーシェアリングです。今年3月、匝瑳市飯塚地区の農地約3.2ヘクタールに、288世帯分に相当する1000キロワットの「匝瑳メガソーラーシェアリング第1発電所」が出来ました。発電と農作物の栽培に太陽光を分配して農地を立体的に使い、作られた電気と農作物の両方を販売できるので農家の収入増につながります。新たな分野でもあり若者の関心も高く、匝瑳では30代の青年3人を含む農業後継者が生まれています。太陽光が遮られることによる収穫量減収への心配も、大豆やブルーベリーなどはかえって直射日光よりも収穫量が増えていると話しています。青年の参加と採算性の向上で金融機関の融資も得ることができ、地域で農業の未来を描くことができるようになってきました。
県としてこうした先進的な取り組みにたいして、先進事例の普及、進め方の情報提供、初期投資への助成、利子補給の実施など支援を広げるべきだと考えますが、お答えください。
 石炭火力発電所に対しても毅然とした態度が取れない、自然エネルギーの促進でもやるべきことがやられていない。この背景には、地球温暖化に対する危機感の無さがあると言わざるを得ません。県の「環境基本計画」は、「温室効果ガスの排出量削減に資する太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入や、省エネルギー・節電の一層の促進が求められている」と指摘し、「地球温暖化は、まさに、私たち人類を含めた生物の多様性に関わる重大な危機であり、人類の英知を結集し、『待ったなし』で取り組まなければならない」と述べています。
知事も当然、「待ったなし」の課題だと認識していると思いますが、あらためて伺いたいと思います。
 また基本計画では、「大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会構造のもとで、人の活動が急激に拡大した現在においては、その影響が自然の持つ復元能力を上回ってしまっています」と指摘し、「環境の危機を克服するため、人の活動が環境に大きな負荷を加え続けていることを一人一人が十分認識し、日々の暮らしや経済活動のあり方を見直さなくてはなりません」と、きわめてまっとうな立場を表明しています。
「経済活動の在り方を見直す」というこの立場も極めて重要だと思いますが、どう見直すのか、知事の認識をお聞かせください。
 企業の利潤と地球温暖化防止策とは対立する場合があります。石炭火力でも、最大の動機は石炭が安く安定して入手でき、儲かるからに他なりません。しかし、ここに待ったをかけなければ地球温暖化から脱出することはできません。それができるのが、様々な権限を持ち、企業から100%独立した立場にある行政であり、知事です。
たとえ経済活動を一定制限しなければならなくなったとしても、企業に対して温暖化ガスの排出抑制を求めるのがその役割であり、責任だと思いますが、どうでしょうか。

 次に性的少数者、いわゆるLGBTの人権について伺います。同性愛者や性同一性障害者などLGBTの方々は、長い間差別や偏見に苦しめられてきましたが、近年、国内外で大きな変化・発展がありました。
 2008年の国連総会には「性的指向や性自認に関わらず、人権がすべての人に平等に適用される」という声明が提出され、日本を含む66ヶ国が賛同しています。IOC・国際オリンピック委員会は2014年の総会で、「オリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込む」とする決議を採択しました。また米国連邦最高裁は2015年、「同性婚を認めない州法は憲法違反」とする判決を出し、米国内での同性婚合法化の動きが進みました。
 国内でも2004年、性同一性障害特例法が施行され、性別適合手術の実施など条件を満たせば戸籍上の性別変更が可能になりました。今年8月には性同一性障害者を対象に健康保険証への通称名の記載が認められました。そこでまず伺います。
知事はLGBTの方々の人権を保障しようという国内外の流れについて、どう感じていますか。率直な見解をお聞かせください。
 一方で当事者が抱える困難は依然として大きいものがあります。この間、話を伺った方は、身体は男性、心は女性という性同一性障害ですが、「学校で髪の毛を短くすることを強制されとても辛かった」「違和感のある男性として就職し、いつも自分を偽って生きている。休日だけ女性の姿になり自分を取り戻せる」と話していました。ある同性愛者の方は、「自分の性的指向を表明すれば異常者だと思われる。自分を押し殺し、沈黙して生きるしかない」「同性愛者はパートナーが入院しても家族として扱われず、病状の説明を受けることも立ち会うこともできない」と訴えていました。
知事はこうしたLGBTの方々の苦しみをどのように受け止めますか。誰もが当たり前の人権を保障され、自分らしく生きられる社会でなければならないと思いますが見解を伺います。
 こうしたなか各地の自治体で、LGBTの方々の願いに応える取り組みが始まっています。今年7月にはLGBT自治体議員連盟が設立され、研修会も開催されました。私も参加しましたが、豊島区・文京区・世田谷区・中野区などでそれぞれ、条例や行動計画のなかにLGBT施策を位置付け、職員や教職員向けの「対応マニュアル」の作成、住民を対象とした講演会の開催など先進的な取り組みに学ばされました。
 とりわけ、2015年4月から「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を施行した渋谷区では、性的少数者への理解を広げるための区民向けパンフレットの発行や専門の相談窓口である「にじいろ電話相談」の実施、コミュニティスペースなどを備えた多様性社会推進のための拠点施設である「男女平等・ダイバーシティセンター」の運営などとともに、条例に基づく同性パートナーシップ証明書を発行しています。同様の制度は世田谷区や札幌市など全国に例がありますが、行政が「結婚に相当する関係」と認定することで同性パートナーの権利保障をはかるものです。そこで伺います。
渋谷区などの先進的な取り組みを県内市町村にも普及するとともに、千葉県でも可能なものは取り入れるべきだと思いますがいかがでしょうか。
 県では2015年2月に改定された「人権施策基本指針」の「様々な人権課題」の項目に、「性的指向・性同一性障害」についての記述が盛り込まれましたが、具体的な取り組みとしては差別や偏見をなくすための啓発や相談窓口の周知にとどまっています。今年度から人権ユニバーサル事業としてLGBTに関わる講演会なども行われるとのことですが、規模も内容もさらに充実させる必要があります。
 私たちはこの間、県内のLGBT当事者団体のみなさんと懇談を行い、具体的な要望を伺ってきました。県としてまず早急に行うべきことを提案します。
 一つは、LGBTへの理解を広げる取り組みを抜本的に強めることです。学校教育、医療・介護、公共施設、災害時などLGBTへの理解が求められる場は無数にあります。広く県民への理解を促すことも必要です。しかし県民向けのパンフレットはわずかしか部数がなく、周知には程遠いものです。
一般職員や教員向けの研修を行うとともに、相談・窓口対応についてのマニュアルを策定すべきではないでしょうか。
県民向けのパンフレットも量・質ともに充実させ広く配布すべきだと思いますがお答えください。
 二つは、相談体制の拡充です。一人で悩みを抱える当事者にとって、いつでも安心して相談できる窓口をつくることは急務です。千葉県にはLGBTについての専門の相談窓口はなく、保健所などに相談が寄せられても多くは国の相談窓口などを紹介する対応に終始しています。
県として、LGBTについての専門の知識を持った相談員が対応する相談窓口の設置を検討すべきではないでしょうか。
 三つは、県営住宅の入居要件の緩和です。千葉県では多くの自治体と同様に県営住宅の入居要件に「同居親族要件」が残っているため、同性パートナーが排除されています。しかしこうした要件については国連から撤廃が求められており、国では2012年の公営住宅法改正によって「同居親族要件」が削除されました。渋谷区や世田谷区などでは同性パートナーの区営住宅への入居を認めています。
同性パートナーが県営住宅から排除されることのないように、入居要件の見直しなど手立てを取るべきだと思いますがお答えください。

 最後に私の地元を流れる花見川について伺います。千葉市花見川区の1級河川・印旛放水路、通称花見川では、多くの市民がジョギングやサイクリング、釣り、バードウォッチングなどを楽しんでいます。また流域には桜並木など豊かな自然が広がるとともに、花島観音や花島公園など市民の憩いの場も点在しています。
 多くの市民に親しまれている花見川ですが、この間河川敷の不法占用が問題になってきました。また住民から、「すぐにゴミが溜まるので定期的に清掃してほしい」「川底に自転車が沈んでいた」などの情報も寄せられています。そこで伺います。
日常的な清掃の強化など、花見川の環境保全の取り組みを強めるべきだと思うがどうか。
 花見川のさらなる活用のためには、サイクリングコース沿いの老朽化したトイレの改修や休憩所の整備、案内看板の整備なども求められます。またこの間住民から、「花見川に、矢切の渡しのような和船を浮かべて楽しむ取り組みができれば、地域の活性化にもつながる」などの声も出されています。これらを行うための県としての施策も求められています。
 県では中小企業地域資源活用促進法に係る県内の地域資源を指定しており、地域資源を活用して事業化等に取り組む中小企業を対象に様々な支援を行っています。こうした制度が適用されれば地域活性化の可能性も広がります。そこで伺います。
千葉市などとも協議を行い、花見川の地域資源としての指定を検討すべきではないでしょうか。
 昨年12月2日付の東京新聞によれば、東京湾に注ぐ主要河川の河口部で独自に放射性セシウム濃度を調べたところ濃度が低下していないこと、花見川では1キログラム当たり最高789ベクレルと、「他の河口より突出して高かった」と報じられています。
 県が昨年12月に行った測定では、173ベクレルで「除染の必要はない」としていますが、堆積物に蓄積されたセシウムは底生生物などを通じて環境に大きな影響を与えることも懸念されます。そこで伺います。
住民が安心して憩うことができる花見川にしていくためにも、花見川河口部のセシウムについて、除染など必要な措置を取るべきだと思いますがお答えください。
 以上で一回目の質問を終わります。