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 【2017年9月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議代表質問 2017/09/22)

 千葉市花見川区選出の寺尾賢です。日本共産党を代表して質問いたします。
 はじめに、北朝鮮による度重なるミサイル発射、核実験の強行は、わが国と地域の平和と安定にとって重大な脅威であり、国連安保理決議に反する許しがたい暴挙です。強く抗議するものです。同時に、偶発や誤算による軍事衝突となれば、おびただしい犠牲を払うことになり、絶対に回避しなければなりません。経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、米国と北朝鮮の直接対話による平和的・外交的解決を強く求め、最初に知事の政治姿勢について質問します。
 今年7月の国連会議において、歴史上初めて核兵器禁止条約が採択されました。同条約は、核兵器の使用はもちろん、開発、実験、製造、保有なども禁止し、核兵器によって脅す、つまり「核抑止力」も認めていません。画期的な意義をもつ核兵器禁止条約について、知事の率直な感想をお聞かせ下さい。
 条約の採択は、核兵器廃絶への大きな一歩です。千葉県議会も1994年に「非核平和千葉県宣言」を全会一致で決議し、「国際社会の理性を信頼し、全世界の協力により、戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求」し「核兵器の廃絶」を訴えています。そこで伺います。知事も当然、この宣言と同じ立場に立っていると思うがどうか、お答えください。
 条約には国連加盟国の3分の2に当たる122カ国が賛成しました。国連会議を成功に導いたコスタリカの女性外交官をはじめ、オーストリア、アイルランドなど、いわゆる「小さな国」が存在感を示し、広島・長崎の被爆者を先頭にした日本と世界の市民運動が大きな役割を果たしました。核兵器にしがみつく国々はいよいよ追い詰められ、国際政治を動かす主役が一握りの大国から多数の国々の政府と市民に代わっています。こうした世界の大きな変化について、知事の見解を伺います。
 内外から大きな失望と批判をかったのは日本政府です。条約の交渉そのものに参加せず、国連大使は条約に「署名しない」と言い放ちました。今年8月、広島・長崎の被爆者が安倍首相に対して「いったいどこの国の首相か」と強い怒りを突き付けたのは当然です。長崎市長も「核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できない。核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを」と訴えています。核保有国アメリカ言いなりでは、唯一の戦争被爆国としての国際的責務は果たせません。政府に対して、核兵器禁止条約への参加を求めるべきです。お答えください。
 政治姿勢の二つ目は、2019年度から陸上自衛隊が導入するオスプレイについてです。佐賀空港への配備計画が難航しているもとで、防衛省が木更津駐屯地や九州地方の陸上自衛隊への暫定配備を検討中と報じられました。防衛省は「報道は事実誤認。検討中であり何ら決定していない」と答えており、知事は記者会見で「国から具体的な話はない。何も決定していないからコメントは差し控える」と述べましたが、決まってからでは遅いのです。2019年度からの佐賀空港への配備は困難であり、木更津駐屯地への暫定配備は否定されていない、このことははっきりしています。
 相次ぐオスプレイの重大事故に、県民の不安と不信は募るばかりです。ハワイ、沖縄に続いて、8月にはオーストラリアで墜落事故を起こしましたが、米軍は早々に飛行再開を強行し、日本政府は無批判に容認しています。県や木更津市が求めた飛行自粛すら、まったく無視している日米両政府を許してよいのですか。お答え下さい。
 オスプレイは8月末にもエンジンから白煙を上げて大分空港に緊急着陸し、いっしょに訓練を行っていたもう1機も、エンジントラブルで岩国基地に1ヶ月以上とどまっていることが明らかになるなど、構造的な欠陥は明白です。暫定配備はもちろん、定期整備も含めたオスプレイの飛行中止・撤去を強く求めるべきです。ご答弁下さい。危険なオスプレイは日本のどこにも飛ばさないよう重ねて求めるものです。
 政治姿勢の最後は、新たな県の総合計画案「次世代への飛躍 輝け!ちば元気プラン」についてです。この計画は、今後4年間の県政運営の基本方向を定め、「くらし満足度日本一」をめざす基本構想の総仕上げとしていますが、問題はその中身です。単に過去2回の総合計画を踏襲するのではなく、この間の計画によって県民の暮らしはどうなったのかをきちんとふまえることが重要です。
総合計画というからには、県民の切実な願いにどう応えていくのか、暮らしを支える最優先課題は何か、その財源をどう作り出すのかを明確に打ち出したものでなければならないと思いますが、まず、伺います。
 従来の延長線上ではなく、抜本対策が求められているものの一つが保育所待機児童の解消です。この間、待機児童は減るどころか今年4月1日現在で1787人に増えました。県は「定員増を行ってきたが保育ニーズが大幅に増加した。都市部を中心に慢性的に待機児を抱えている」と言い、いままでと同じように民間保育所の増設や、認定こども園、小規模保育、家庭的保育、事業所内保育の推進を並べています。しかしいま必要なのは、低賃金・不安定雇用の広がりによって共働き世帯が増加しているもとで、安心できる保育所に預け、働きたいという親の当り前の願いに応えることです。保育士給与補助制度の拡充とともに、詰め込みなど保育の質を犠牲にするやり方ではなく、正確な保育需要の掌握をもとに、認可保育所を中心に抜本的な定員増を図るべきだと思いますがお答え下さい。
 訪問介護など在宅介護サービスや、特養ホーム待機者の解消など高齢者施策の充実も切実な課題です。この間、特養ホームは一定数増床されているものの、入所待ちは1万1千人を超え、深刻な事態は一向に改善されていません。新計画案では広域型特養ホームの必要な目標数を決め、市町村と連携して整備するとしていますが、これもいままでのやり方と同じです。新計画案の特養ホーム整備目標は、待機者ゼロを明確にするよう求めますが、ご答弁下さい。
 地域包括ケアシステムへの支援が強調されていることは見過ごせません。これは国が進めている医療・介護一体改革の一つで、その狙いは、本人と家族の自己責任、ボランティアの活用や住民同士の助け合いによって給付を抑え、負担を増やすことにあります。多くの高齢者を苦しめている重い保険料・利用料の軽減や、介護職員の待遇改善こそが急がれると思いますが、見解をお聞かせ下さい。
 従来の延長線上にあって最も問題なのは、不要不急の大型開発の浪費、大企業利益奉仕の温存です。こことの決別は、県民の願いを実現するための財源確保にとっても避けて通れません。今回も圏央道、外環道、北千葉道路などの巨大道路整備と企業立地、千葉港の整備などが強く打ち出されています。これらの事業に数千億円規模の費用を投じるからには、必要性や経済波及効果など根拠が明示されるべきですがそのような記述はありません。
 広域的な幹線道路ネットワークの整備は、救急医療機関への移動時間短縮に必要だとのことですが、救急車が患者搬送に時間がかかるのは受け入れる病院がなかなか決まらないことが主な要因であって、道路が整備されていないからではありません。また県民に不便をかけないために、県内の多くの地域から概ね1時間で県都千葉市に到着できるようにするとも言いますが、現実にどんな不便を被っているのか、1時間になればどう便利になるのか、具体的な根拠は説明できません。
 6月議会で厳しく指摘した北千葉道路や千葉港もしかりです。必要性や費用対効果を度外視した莫大な税金投入をいつまで続けるつもりか。不要・不急の巨大開発の浪費を改め、県民の福祉、医療、教育こそ優先させるべきです。ご答弁下さい。
 京葉臨海コンビナートの競争力強化のために緑化規制の緩和なども掲げていますが、「かずさアカデミアパーク」構想の破たんや、茂原市の旧IPS社の撤退による雇用悪化と地元経済の衰退を招いたことへの反省は今回も見られません。企業を呼び込み、そのおこぼれにあずかるというような経済政策とは縁を切り、地域の特性を生かした農林水産業、中小企業の育成と振興に軸足を置くべきです。お答え下さい。
 こうした巨大事業の浪費の背景には、県内財界の意向があります。千葉県経済協議会は、京葉臨海地域立地企業の設備更新に対する支援や工業用水の負担軽減、工業団地整備、圏央道、北千葉道路の早期整備、第二湾岸道路の具体化などを提言しており、新計画にはこれらがしっかり位置づけられています。何があっても県内財界の要望、利益は聖域扱いということなのでしょうか、答弁を求めます。

 次に医療問題について伺います。政府は医療・介護の一体的改革という名目で社会保障費の削減を進め、医療から介護、施設から在宅へと「川上から川下」へ患者を押し流す動きが進められています。そのなかで様々な仕事を負わされる県の姿勢が問われています。
 まず来年度からの都道府県単位化=広域化に向けて準備が進められている国民健康保険についてです。県は広域化にあたって国保の保険者になるとともに、財政運営の責任主体として市町村に事業費納付金を課し標準保険料率を示すことになります。同時に、保険料の算定方法や保険料徴収の在り方などについて定める国保運営方針を策定し、市町村は運営方針に従う努力義務を負います。
 しかし国保を巡る最大の課題は「低所得者が多く、医療費水準が高い」という構造問題をどう解決するかにあります。全国知事会は構造問題の解決のために「1兆円の国庫負担増」が必要だとしていましたが、国は広域化を進める一方で抜本的な公費拡充には背を向け3400億円にとどまりました。
知事もいっしょになって求めた1兆円の国庫負担増も実現していないのに、これで国保の構造問題が解決できるのでしょうか。お答えください。
 9月8日、県は標準保険料率についての第3回試算結果を公表しました。今回の試算結果には国からのいわゆる公費拡充分が反映され、今年度広域化が行われたと仮定すると一人当たり標準保険料は103955円となり、2015年度に比べて県平均1012円の引き下げになりました。
 ところが市町村ごとに見れば16団体で保険料が引き上がり、浦安市や船橋市で1万円近く、四街道市では2万円近くの引き上げとなっています。相対的に所得の高い市町村が所得の低い市町村を支えるという広域化の本質が表れていますが、住民の立場からすればどの市町村でもこれ以上の負担増が耐えられないのは明らかです。
相対的に所得が高い市町村に保険料の大幅な引き上げがもたらされる広域化の仕組みには、大きな問題があると思うがいかがでしょうか。
 県は保険料の急激な負担増とならないように今回の試算で3パターンの激変緩和措置を実施しました。今後市町村と協議して引き上げ幅の上限を決めるといいますが、これは一度市町村に配分したお金を引き上げ、保険料が上がる自治体に再配分するだけにすぎません。激変緩和はあくまで時限措置であり、結局は全体が上がっていくことになります。
こうした激変緩和措置をやらなければならないこと自体が広域化の大きな矛盾であり、今回の国の公費拡充ではまったく足りないことを表していると思うがお答えください。
 さらに国から公費拡充がされたといっても問題はその中身です。制度開始にあわせて拡充される1700億円のうち800億円は保険者努力支援制度ですが、拡充分は保険料収納率や医療費水準などをもとに市町村がポイントでランク付けされ、交付金配分に差がつけられます。
 都道府県も同様です。たとえば一般会計からの法定外繰入について、県が繰入をいつまでに解消するのか、「市町村ごとの個別の計画を作成している場合」に評価されます。また「医療提供体制の適正化の推進」も掲げられ、病院のベッド数をどれだけ減らしたかによってポイントがつく仕組みになっています。全国に比べて千葉県が相対的に低い保険料収納率については高い配点がされており、収納率向上のために滞納処分の強化に努力した自治体ほど加点されることになります。そもそも医療費がかかるからお金が必要なのに、医療費が増えた自治体には配分が少なくなる仕組みです。
保険者努力支援制度は医療費削減のために市町村どうし、都道府県どうしを競い合わせることが目的であり、これでは住民にさらなる負担が強いられるのは明らかだと思うがどうでしょうか。
 県は運営方針骨子案で、一般会計からの法定外繰入の「削減・解消」を掲げています。国は公費拡充を行う代わりに法定外繰入の削減・解消を進めるとしていますが、医療費削減という条件付きで交付される今回の公費拡充では、市町村が保険料抑制のために独自に行う法定外繰入の代わりにならないことは明らかです。
今回の県の試算では、2015年度も今年度も法定外繰入や財政調整基金からの繰り出しはないものとして計算されています。仮にそれらがなくなれば、一人当たり保険料は引き下げどころか約1万円もの引き上げになります。
一般会計からの法定外繰入の是非はあくまで市町村独自で判断すべきであり、運営方針で法定外繰入の「削減・解消」を掲げるべきではないと思いますがどうか。
 いま何より求められているのは、払える水準に保険料を引き下げるとともに、資格証明書の発行や有無を言わせぬ差し押さえなどをやめさせ、誰もが安心して医療にかかれるようにすることです。ところが県は運営方針骨子案で、納付勧奨の実施や多重債務に陥りかねないクレジットカード納入を推進し、短期保険証や資格証明書の活用も求めています。
 千葉市のある自営業者の方は200万円以上の国保料を滞納していたものの、分割納付の誓約を行い少しずつ納めてきました。ところが機械的な徴収強化を進めた結果、突如資格証明書に切り換えられてしまい、窓口での10割負担を強いられるなど理不尽な滞納処分を受けていました。相談が寄せられたことで解決できましたが、いまでも多くの自治体でこうした保険証の取り上げや差し押さえが横行しているのが実態です。滞納世帯の多くが払いたくても払えない世帯であり、こうした世帯から無理やり保険証を取り上げることなど許されません。そこで伺います。
収納率向上のために滞納処分を強化するのではなく、滞納世帯の生活実態を深くつかみ、保険料減免や納付猶予などを適切に行えるようにこそすべきだと思うがどうか。
そのためにも国に対して抜本的な公費拡充を強く求めるとともに、県独自の補助金を復活させ保険料抑制を図るべきだと思うがお答えください。
 医療費削減のためのもう一つの仕組みが、2025年に必要な病院ベッド数を定めた地域医療構想です。千葉県では2025年時点で約5万床と3000床不足する見込みですが、2016年度の病床機能報告との比較では急性期が8000床近くも過剰だという一方で回復期が1万床以上の不足となっています。病床削減や病床機能の転換は、「地域の実情に応じて都道府県、医療関係者等が話し合い、自主的な取り組みを基本として」進めるとされていますが、実際にやられていることはまったく逆です。
 地域医療構想では知事の権限が強められ、自主的な議論がまとまらない場合、民間病院に対しては、「過剰な医療機能」に転換せず、不足している医療機能を担うように要請・勧告することができます。さらに公的医療機関に至っては命令や指示を出すことができます。従わなければ医療機関名の公表なども可能です。
あくまでも自主的な取り組みを基本にするといいながら、知事の権限で強権的に病床削減を進めることなどあってはならないと思いますがお答えください。
 焦点になるのは県が直接責任を負っている県立病院です。地域医療を担う県立佐原病院は病床機能報告では227床すべてが急性期となっていますが、香取海匝医療圏全体では回復期が400床不足する一方で急性期が1000床も過剰とされています。
 6月に策定された「千葉県立病院新改革プラン」では、「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」という新たな視点が加えられ、佐原病院については国際医療福祉大学附属病院の影響などを踏まえて「今後の急性期機能のあり方を検討する」と明記されています。また「病院として在宅医療を強化する方針」「将来的に地域で担うべき役割については地域医療構想調整会議等で協議・調整していく」という記述もあり、救急医療など急性期機能を削減していく方向が示唆されています。そこで伺います。
佐原病院の病床数と、急性期を中心とした病床機能は将来に渡って維持すべきだと思うが県の考えをはっきりとお答えいただきたい。
 この間も指摘しているように佐原病院では診療科の休止や縮小が相次ぎ、入院・外来患者が大きく減少しています。最大の要因は医師不足であり、関係者からは「がんの手術も一部しかできず、20年前の体制だ」という声が上がる状況です。
 8月に開催された香取海匝圏域の地域医療構想調整会議では、「常勤医師の減少により、入院ベッドが空いていても、救急患者や手術、入院患者の受け入れができない状態」「病床数を機械的に削減することは、地域医療に大きな混乱をもたらす」という意見が出されるなど、地域医療構想そのものが現場の実態とまったく合っていません。そもそも地域医療構想は国が勝手に決めた推計値や計算方法を押し付けて出されたものです。
地域の実情に合わない地域医療構想はきっぱりと撤回するよう国に求めるべきではありませんか。