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 【2017年6月県議会】日本共産党 丸山慎一県議代表質問◆2017/06/22)

 次に、地域経済について伺います。
 千葉県経済を活性化させていくうえで、それを支えている中小企業と労働者の状況を改善することが欠かせないという認識は誰もが共通していることだと思います。
 総務省の調査によれば、2014年7月現在で千葉県内の中小企業数は12万8900社、実に県内全企業の99・8%を占めています。そこで働いている労働者は約102万人で、県内企業に勤めている労働者全体の78%に上ります。この数字を見ただけでも中小企業は千葉県経済にとって決定的ともいえる位置を占めているのは明らかです。
 ところが中小企業の現状は厳しく、働き手を確保できなかったり、同一業種の中での価格競争にさらされて適正な利益を上げられる環境にない企業が少なくありません。後継者が見つからず存続が危ぶまれている企業もあります。県は、こうした中小企業の置かれている実態について、どう認識しているのか伺います。
 若者のなかで、安定を求めて大企業志向が強まる中、中小企業の人材をいかに確保するのかは、企業の未来を左右する決定的な課題であり、中小企業が必要としている人材の確保と育成で県の果たすべき役割は極めて重大です。
 兵庫県では、中小企業の人材確保や若年者の県内での就職や定着を図るため、若手社員の奨学金返済を支援する中小企業への補助を始めました。学生時代に借りた高い奨学金に苦しんでいる若手労働者に対して返済支援制度を設けている中小企業に、年6万円を上限に、入社から3年間補助をする制度です。今年度予算で650社、1700人分として7900万円を計上していますが、毎日、問い合わせが来ていると話していました。千葉県でもこうした制度を実施すべきではないでしょうか。また、義務教育9年間のなかで県内の中小企業の果たしている役割や魅力を伝える努力を行い、地域の中小企業への就職定着を促進する取り組みなども検討する必要があると思いますが、どうでしょうか。
 従業員が数人程度の小規模企業は、多くのところで業務に追われる状態が恒常化しているため、様々な行政の支援制度なども把握しづらく、補助制度があることを知っても、申請書類の作成や役所への手続きなどができないことも少なくありません。小規模企業に対して、県が地域に出かけて行って行う丁寧な情報提供や申請事務への具体的な支援を進めることも重要だと考えますが、いかがでしょうか。中小企業、小規模企業への有効な支援を強め、活性化が県全体の経済発展につながるためにも、元気戦略や中小企業振興条例の検討を進めてきた「経済活性化推進会議」のような機関を設置し、県内各地域の特徴を生かして産業振興と中小企業の活性化を合わせて進められるよう体制強化を図るべきだと思いますが、どうでしょうか。

 いわゆる「働き方改革」に関して、1月の公労使会議では、少子化の要因の一つとして千葉県内の働き方について分析が行われています。千葉県の合計特殊出生率は1・32で全国を下回り、有配偶者出生率も全国より低く、未婚率は全国を上回っています。30歳から39歳の未婚者の所得分布では所得200万円未満の割合が、男性は25・1%、女性は40・3%となっており、所得が低いことが結婚を妨げている要因であることを浮き彫りにしています。労働時間でも千葉県は週60時間以上働く雇用者の割合が10・2%と全国より高く、通勤時間も98分で全国より23分も長く上から2番目で、これが家事や育児の時間をそぐ大きな要因となっています。こうした分析結果について県としてどう認識しているのか、お答えください。
 長時間労働や長時間通勤、非正規の正社員化と給与の引き上げなどの解決は、労働者の生活をより豊かにしていくだけではなく、千葉県の未来にとってもきわめて重要な課題となっています。県として、どのような手立てを取ろうとしているのか、伺います。いま国では、月に100時間未満の時間外労働を容認する労働法制の改悪を進めようとしていますが、長時間労働を助長することにもなりかねません。県として異を唱える必要があると考えますが、どうでしょうか。最低賃金も時給842円ではまともに生活することすらできません。思い切って引き上げるよう国に求めるべきだと思いますが、お答えください。

 労働者の賃金を確保することに関連して、千葉県から委託を受けて県庁で働いている民間労働者の給与についてお伺いします。県は、委託業者が社員に支払う給与について労働基準法や最低賃金法を順守することを義務付けています。しかし、それが守られていない事例が内部告発で寄せられました。県庁庁舎の警備業務で、実際に支払われている賃金は最低賃金さえ満たしていません。
 県は、2014年度から3年間、警備業務を東京に本社を置く「オーチュー」という会社に委託してきました。オーチューの警備社員は1年契約で、勤務形態に応じた賃金となっています。「日勤」「夜勤」のほかに「当務」と呼ばれる24時間勤務の3種類の勤務形態でシフトを作成し、8人でローテーションを組んでいます。「日勤」は8時30分から18時30分まで、休憩時間を除いた実働7時間30分で日給7000円。時給に換算すると933円でかろうじて千葉県の地域別最低賃金時給842円を上回っています。しかし「夜勤」は実働11時間45分で日給8000円、時給換算で681円にしかなりません。「当務」は実働16時間15分で日給1万3000円、時給に直すと800円にしかならず、ともに最低賃金を下回っています。県はこうした実態を把握しているのでしょうか、お答えください。最低賃金を下回って働かせている株式会社オーチューについて、どう認識しているのか。一刻も早く是正の措置を取るべきではありませんか、お答えいただきたい。
 そもそも入札の段階からこうなることは予測できていました。3年間の業務について入札が行われたのは、2014年2月で、23社が応札した結果、オーチューが落札しました。しかし、3億853万2千円の予定価格にたいして、落札額は2億1805万2千円で70・7%です。予定価格の中の人件費分は2億4338万6千円となっており、この落札額では人件費分にもなりません。これではまともな賃金など支払えるはずがなく、落札したときにわかっていたはずだと思いますが、県の認識をお聞かせください。最低賃金を下回ることはあってはならず、こうした事態を繰り返さないために、人件費積算額を下回る落札額は除外する規定を設けるなど制度自体を是正する必要があると思いますが、お答えください。
 同時に、是正のためには、これまで繰り返し提起してきた「公契約条例」の制定がもっとも効果があります。最低賃金法や労働基準法を守るのは、どんな企業でも当然のことですが、県が発注するあらゆる業務でこれを貫くためにも「公契約条例」を制定すべきだと思いますが、お答えください。

 次に、国民健康保険の県単位広域化について伺います。
 来年4月から始まる広域化は、国民健康保険が抱えている構造的な危機を克服するためとの理由で導入されたものですが、現状の困難を打開するものとはとても言えません。
 国民健康保険の実態は極めて深刻です。保険料が高いためなかなか払いきれず、千葉県全体で保険料滞納世帯は実に24万1千世帯、4世帯に1世帯が払えていません。知事は、滞納世帯の多さについてどう考えているのか、お答えください。その大多数が「払いたくても払えない」世帯だと考えますが、知事の認識はいかがでしょうか、大事な問題なのではっきりとお答えいただきたい。
 滞納世帯に対する厳しい保険料の取り立てと保険証の取り上げが悲惨な出来事を生んでいます。流山市で息子さんと二人暮らしだった女性は、胸のしこりに気づいていましたが、保険料を滞納していたために保険証を取り上げられ、受診をためらっていました。しこりから膿が出るほどになってやっと病院にかかり乳がんだとわかったときには手遅れで、1年後には亡くなりました。警備の仕事でもらえる給料は14万円、5万3千円の家賃を払うと食べるのがやっとでした。病院の職員は「氷山の一角だ」と語っています。知事はこうした実態があることをご存知でしょうか。どう感じていらっしゃるでしょうか。お答えください。
 背景には、国民健康保険の構造的変化があります。高齢化が進んで医療費支出の増大をもたらし、保険料の引き上げにつながっています。一方、加入者のなかで年金生活者を中心にした無職と非正規労働者が増えて全体の8割近くを占め、加入者の所得水準は年々低下してきました。保険料が上がるのに所得は下がる――。これでは保険料を払えない世帯が増えるのも当然です。国保が抱えるこうした深刻さについて県はどう認識しているのか、お答えください。しかし構造的変化を避けることはできません。医療費支出の増大や加入者所得の低下は、当面、このまま進んでいくと考えざるを得ません。これを解決するには、所得が減っても払える保険料に引き下げる以外にありません。国が支出を増やして保険料の引き上げを抑制すべきだと考えますが、認識をお聞かせください。

 ところが今回政府が持ち出してきた都道府県単位の広域化は、市町村が担っている国保のなかの財政権限だけを都道府県に引き上げて、新たに導入した納付金の制度を利用して、相対的に所得の低い市町村を所得の高い市町村に支えさせようという仕組みであり、国の責任を放棄するものと言わざるを得ません。
 これまで国保は、市町村が必要な医療費支出を計算して徴収すべき保険料額を決めていました。広域化では、県が市町村に納付金の額を示し、これにもとづいて市町村が保険料額を決めることになります。ところが県が納付金の額を決定するにあたって市町村ごとの加入者の所得を勘案することにしたため、所得によって納付金の額が左右されることになりました。ここに広域化の根本問題の一つがあります。
 県が行った試算では、県内市町村の中で保険料が上がるのが29市町村、下がるのが25市町村となり、半数の市町村が半数の市町村を支えるという国の狙いがくっきりと表れる結果となりました。市町村に市町村を支えさせるような広域化の仕組みは、国の責任放棄と言わざるを得ないと思いますが、見解をお聞かせください。
 同じ試算で、最も保険料が上がる市町村の増加額は2万3480円にものぼり、最も増加率の大きな市町村は20・1%もの負担増になることも明らかになりました。これほど大きな負担増は、県民の負担能力を超えたものになると考えますが、県の認識はいかがでしょうか。
 保険料は所得に応じて支払う応能負担と決まった額を支払う応益負担の組み合わせで算定されます。船橋市の国保の医療分でみると、応能負担が63%で応益負担が37%の比率になっています。しかし広域化にあたっての千葉県の比率は54対46となっているので、船橋市の場合、県の言うままに従うと、応能負担が減って、応益負担が増えることになります。その結果として、所得が少ない世帯ほど負担が重くのしかかってきます。広域化では、県が市町村に標準保険料率を示すことになっていますが、これで応能負担と応益負担の平準化を推進するようなことがあってはなりません。保険料は応能負担を中心にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一つ、広域化の大きな問題は、県が国保の運営方針を策定して市町村に圧力をかける仕組みが導入されることです。そしていま策定が進められている千葉県の運営方針素案での最大の焦点の一つが一般会計からの繰り入れです。市町村では保険料の引き上げを抑えるために、一般会計からの繰り入れを行っていますが、県の運営方針素案では、解消・削減に努めるよう求めています。しかし県の資料によれば、その額は基金と合わせて一人当たり全県平均で1万1260円にもなります。もしもこれが無くなれば、最大の引き上げ額2万3480円が3万4740円に跳ね上がる可能性が出てきます。こんな大幅な保険料の引き上げにならないように、少なくとも、一般会計からの繰入金は100%市町村の裁量に任されていることをあらためて確認し、運営方針の記述から削減方針を削除すべきだと思いますが、お答えください。
 県は、今回の保険料試算結果について、市町村ごとの数値は明らかにしていません。しかしこれが、県民の間に不信や不安を広げています。50年ぶりの大規模な制度改変を行おうというのですから、すべての情報を県民に公開し、県民的議論を促し、県民の理解を得ながら進めていくべきではありませんか。お答えいただきたい。

 最後に、子どもの教育にかかわって県教育委員会が今年度から始めた小学校3年生の少人数学級と教員未配置についてうかがいます。
 県教委では昨年度まで、小学校1年生はすべて35人学級、2年生と中学1年生については35人学級の選択制、その他の学年は38人学級となっていました。今年度からは、小学校3年生も35人学級を選べるようにしました。これは関係者の願いに応えたものであり一歩前進と言えます。しかし大きな課題も残されています。35人学級の実施によって学級の数が増えるのに先生を増やさないことです。実施のための独自の予算もまったく計上されていません。県教委は、現在配置している少人数指導の加配分を当てればいいと言いますが、これでは学校現場は不安になるのは当然です。
 こうした県教委の不十分さを背景に、今回、小学校3年生で実際に35人学級を選択したのは134校で19校は選びませんでした。理由は、3年生を35人にしても4年生が38人のままなので、また元に戻さなければならないことや、学級が増えてしまうと教室が不足するというものなどです。せっかく少人数学級を拡大したのに実施できないでいる学校があることについて、県教委はどう認識しているのかお答えください。
 とりわけ、教室不足で実施できないのは重大です。すでに35人学級を導入している中学校1年生でも「教室が確保できない」という理由で8校が35人学級を断念しています。教育条件の整備という教育委員会として最も責任を負わなければならない教室の確保を市町村教委とも連携して解決する必要があると思いますが、どうでしょうか。
 今回の35人学級について全教船橋教職員組合が船橋市内の学校長にアンケートを取りました。このなかで「35人学級は必要か」という設問に対して、回答が返ってきた23校中、22校が必要だと答えています。「4年生から6年生でも必要」との回答もありました。実施にあたっての課題では、「小学校4年生への進級時に現状の38人学級にもどってしまうこと」を上げたのが18校、「少人数担当教員が学級担任になって引き上げられてしまうこと」というのが16校、「教室が不足する」が6校となっています。自由回答では「急な発表で増員もないのは疑問」、「教員が不足する」などの回答が寄せられています。学校運営に責任を負っている現場からのこうした声について、どう感じているのか、お答えください。こうした不安や疑問を正面から受け止め、本格的に解決して、安定的に少人数学級を進めていくために、必要な教員の配置と全学年での実施を早急に進めるべきだと思いますが、どうでしょうか。

 学校が思い切って踏み切れないのは、教員不足という深刻な実態があるからです。今年3月1日現在で、千葉市を除いた県内公立小中学校での教員未配置は92校に上りました。出産休暇や育児休暇、療養休暇などで長期にわたって欠員となる先生の補充ができなかった結果です。こうしたなか、今年1月末、船橋市内の市立小学校で、欠員が補充されなかったために担任を配置できず、3年生の3学級を2学級に統合せざるを得なくなりました。その結果、1クラスが50数人となる信じがたい事態となってしまいました。
 この学校では、昨年9月と12月、病気療養と出産休暇で相次いで2人の先生が欠員となりました。しかし代替教員が配置されなかったため、教務主任と音楽専科の先生が担任となり穴を埋めました。それぞれの先生が担っていた業務は、他の先生も分担し、先生方の努力で乗り切ろうとしていました。ところが1月に入って、さらに欠員が1人出てしまったため、ついにやりくりしても担任を配置できなくなり、苦渋の決断で学級を統合したものです。5日間だけだったとはいえ、50人を超える学級で授業をせざるを得なくなったことについて、県教委としての責任をどう考えているのか、お聞かせください。今後、こうした事態の無いようにするために、どういう手立てをとっているのか、お答えください。
 現実には改善どころか、今年度は4月の年度当初から、小学校で49校、中学校で24校が未配置となり、5月になっても小中合わせて56校もの未配置が出ています。何の手立ても取られていない、何の反省もしていないと言わざるを得ません。生徒にとっても先生にとっても学年の始まりであり、最も大事な時であるにもかかわらず、こうした事態となっていることに対して、県教委としてどう認識しているのか、お答えください。

 未配置の最大の要因は、長期の欠員を補充する安定した仕組みがないことにあります。欠員が出ると、登録している講師に電話で当たりますが、別の仕事についている場合も多く、教育事務所では「2月ともなると難しい状況だ」と話していました。
 こうした状況を踏まえて市町村では独自に臨時講師を採用し、その中から代替教員を確保する仕組みを作っているところがあります。昨年度、こういう形で市町村の臨時講師を代替配置したのは3市1町となっています。市町村で始まっているこうした努力は貴重ですが、本来、県教委の責任で確保すべきです。認識をお聞かせください。
 同時に、臨時で代替教員を日常的に確保しようとしても、非正規という不安定雇用のためうまくいかない場合も少なくありません。欠員が出たらただちに配置できるようにするために、正規の教員を県教育委員会が確保すべきだと思いますが、お答えください。教育事務所管内など一定の地域全体で見れば、毎年、欠員が出る人数はそう変わるものではなく、少なくとも、その人数を県として確保すべきだと考えますが、お答えください。

 長期の欠員自体を減らしていくことも重要な課題です。千葉県の長期療養休暇は2015年度で578人に上っており、毎年600人前後で推移しています。このうち、神経・精神疾患が192人とこれも毎年200人前後となっており、多忙化が拍車をかけています。これを改善していくために、社会問題になっている教師の多忙化と正面から向き合い、解決の手立てを取って行くことは、急務の課題となっています。
 多忙化には事務量の増大や研修時間が増えていること、子どもへの対応が複雑になってきていることなどたくさんの要因がありますが、そのなかの一つに部活動への指導があります。2007年、文部科学省が「運動部における休養日などの設定例」として、「中学校では週2日以上の休養日の設定」「土日については家族や部員以外の友達、地域の人々などとより触れ合えるようにするという学校週5日制の趣旨に配慮」「長くても平日は2〜3時間程度以内、土日は3〜4時間程度以内」など具体的に例示をして実施を求めています。ところが千葉県では、内容を伝達するだけで実態をまったくつかんでいませんでした。昨年度、文科省が行った調査では、千葉県の部活動の運動実施時間は、1週間の平均時間で男子は18時間18分、女子は19時間3分となっており、ともに文字通り全国トップ、全国で一番、部活動の時間が多い県となってしまっています。平日の平均では最小の岐阜県の2倍、土日は最小の鳥取県の1・7倍にも上ります。この現状について認識をお聞かせください。県教委として、いままでの延長ではなく、こうした状況を是正するために、学校ごとに個別的に改善を求めるなどの思い切った手立てが必要だと思いますが、どうでしょうか。

 以上で、最初の質問を終わります。