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  【2017年2月県議会】日本共産党 みわ由美県議「組織犯罪処罰法の改定(共謀罪法案)に反対する意見書」趣旨説明(2017/03/01)

 日本共産党を代表して、発議案第19号「組織犯罪処罰法の改定(共謀罪法案)に反対する意見書」について、議員各位の賛同を求め、趣旨説明を行います。
 ご承知の通り、いわゆる共謀罪法案は2000年代初めから、過去3回、国会に提出されましたが、国民の批判の高まりで、3回とも、廃案に追い込まれてきたのです。
安倍政権は、4回目の国会提出を狙っていますが、わが党をはじめ野党の国会での厳しい追及によって、同法案の危険性が浮き彫りになっており、到底認められません。
 第一に指摘したいのは、共謀罪は、まだ起きていない「犯罪」について、2人以上で話し合い「合意する」ことが、犯罪に問われるというものです。このほど明らかになった原案では、「共謀罪」の対象犯罪を277に絞り込んでいますが、犯罪実行の計画・合意だけで処罰するもので、内心処罰へと、国の刑罰権を拡大・大転換する本質に全く変わりありません。
 これは、実際に起きた犯罪行為を罰するとした、日本の刑法の大原則を踏みにじるものであり、同時に、「思想及び良心の自由は、これを犯してはならない」と定めた憲法第19条に背く違憲立法です。今朝の新聞は、一面で「『準備行為、曖昧』自民にも懸念」と報じていますが、与党内でも矛盾が広がっています。
 第二に、今回、政府は、取り締まりの対象は、テロ組織、暴力団、薬物密売組織など「組織的犯罪集団」に限る、「一般の人は対象にならない、従来の共謀罪とは全く別物」と言います。しかし国会で、金田勝年法務大臣は、集団について「それ以外のものも含まれる場合」があり、何が「共謀」に当たるのかを判断するのは捜査機関だと述べました。安倍首相も、組織的犯罪集団の「法定上の定義はない」と認めています。法務省も「正当に活動する団体」でも「犯罪を行う団体に一変したと認められる場合」には処罰の対象になるとの見解を示しています。
 結局、判断は、捜査機関に事実上、委ねられることになり、捜査機関の解釈や裁量次第で、労働組合や市民団体でも対象にされかねないということです。
 しかも金田法務大臣は、共謀罪をめぐる捜査の中で、将来的に、電話などの盗聴を可能にする「通信傍受法」を使うことも検討している、と明らかにしました。27日の衆院予算委員会でも、金田法務大臣は、「LINE(ライン)」上でのやりとりでも「共謀」が成立しうるとの考えをあらためて示し、いわゆる゛顔文字゛やイラストなどメールなどを使った日常会話も、警察の恣意的な解釈捜査で、犯罪の「共謀」に仕立て上げられる危険性が、鮮明になりました。この間、大分県警・別府署による労働組合事務所へのビデオカメラによる違法な隠し撮りという常時監視など、不当な捜査も行われてきました。「一般人は対象にならない」どころか、何の歯止めもないことは明白です。
 第三に、政府はこれまで、「テロ対策だ」と強調して、その根拠の一つに「国際組織犯罪防止・TOC条約」締結をあげてきました。しかし、これも国会の論戦で破綻しています。
 今国会への提出を狙う「共謀罪」法案の原案の犯罪の要件には「テロ目的」の記載が全くありません。もはや政府の言い分が成り立たないことを、自ら認めたのも、同然ではありませんか。
 日本は、すでにテロ防止のための13の国際条約を締結し、57の重大犯罪について、未遂より前の段階で処罰できる国内法も整備しています。
 もともとTOC条約の主眼は、その条文からしても、国連事務所による条約の説明(立法ガイド)でも、マフィアなどによる経済犯罪や麻薬取引などの犯罪の取り締まりを念頭においたものです。2005年当時、南野(なんの)千恵子法務大臣も、その立場から答弁していました。しかし、当時との説明の食い違いを今国会で追及された金田法務大臣からは、明確な答えはありません。
 しかも、金田法務大臣は、自らの答弁不能を棚に上げて「法案が国会に出されるまで質問するな」とする文書を作成していました。その責任は重大です。批判を浴びて文書は撤回しましたが、その後も共謀罪の肝心な部分の質問に対して、「法案ができたら説明する」と繰り返すなど、国会審議を軽んじる態度であり、三権分立の原則に反したことへの反省は見られません。
 最後に強調したいのは、共謀罪は、かつて戦前の時代に、一般の人々の思想・良心までが広く処罰の対象とされた治安維持法を復活させるものだということです。
 当時の政府も、当初は、対象は限定されると説明していましたが、歴史の事実は「国体護持」の名で、反戦平和・主権在民を主張した日本共産党への弾圧に始まり、労働運動、創価学会、天理教、キリスト教などの宗教者、雑誌編集者、自由主義者、学生のサークルなど、処罰の範囲がどんどん拡大し、国民の思想が統制され、そして侵略戦争への道に突き進みました。いま共謀罪は「平成の治安維持法」などと、識者や専門家、マスコミからも一斉に強い懸念の声が寄せられています。
 すでに、安倍政権下では、秘密保護法や拡大盗聴法が強行され、モノ言えぬ監視社会づくりが進められようとしていますが、「共謀罪」はその仕上げとも言うべきものです。
 以上、述べたように、安倍政権が企てている「共謀罪」は、一般人も対象となり、テロ対策上の根拠がないことは明白です。そのやり方も国会軽視だと言わざるを得ません。国会に出される前から、その危険性が噴出している「共謀罪」は断じて許されません。
 議場にいるすべてのみなさんに心から訴えます。政治的立場の違いを超えて、政府に対して、組織犯罪処罰法の改定(共謀罪法案)に、反対する意思をキッパリ示そうではありませんか。
 議員各位の賛同を重ねて求めると同時に、日本共産党は、党派を超えて広く国民各層と手を結び、共謀罪法案を断念させるために、全力を尽くす決意を申し述べ、趣旨説明を終わります。