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 【2017年2月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議 議案・請願討論(2017/03/01)

 日本共産党を代表して議案、請願の主なものについて討論を行います。
 まず議案第1号、一般会計当初予算案ですが、知事選挙前の「骨格予算」といいながら不要不急の大型開発を無反省に推進する一方で、全国最低クラスの医療・福祉・教育の現状を打開するものとはなっていません。大きく3つの問題点を指摘します。
 一つは、大型開発優先の歪みが特徴的に表れている道路予算についてです。来年度予算で外環道、圏央道、北千葉道路の3つの道路建設に係る直轄事業負担金は99億7千万円です。すでに今年度までの負担総額は2873億円にもなっており、北千葉道路の県施工分の負担額を合わせれば3000億円を超えています。こうした巨大道路建設は採算性も必要性も度外視され、予算上もまったくの聖域になっています。
 一方で県民に身近な生活道路の改善はどうか。来年度、各土木事務所から要望されている舗装道路の修繕予算は96億円、410ヶ所分あるのに当初予算で計上されているのは33.5億円、90ヶ所分に過ぎません。県管理道路で、いち早く歩道整備などの交通安全対策が求められる通学路は1284キロメートルありますが、対策が完了したのは簡易整備を含めても905キロメートルに留まっており、今のままではすべて完了するのにあと40年もかかってしまいます。この間の県政に関する世論調査では、「優先的に整備すべき道路整備の課題」という項目で最も要望が高いのは「生活道路の整備」であり、6割を超える県民が望んでいます。「高速道路の整備」を優先すべきという声は12%程度であり、県民が求めている方向は明らかです。子どもたちや高齢者の安全のために生活道路優先の道路行政に切り換えるべきです。
 二つは、医療・福祉の予算については県民の切実な願いに応えるものとなっていないことです。連日マスコミで報道されているように、今年も各地で認可保育所の不承諾通知が次々と出され、「保育園落ちた」という声が上がっています。千葉県では今年度当初の待機児童数が1460人となり、1年前に比べて186人減少したとされました。しかし育児休業中や求職活動の休止などいわゆる「隠れ待機児童」は2192人から2631人へと増加し、国基準の待機児童数と合わせれば4000人を超えています。毎年10月1日時点では約2倍の数になることを考えれば、実質的な待機児童数は8000人以上です。さらに潜在的なニーズを含めれば少なくとも毎年1万人程度の整備が必要ですが、今年度の保育所の定員増は約4000人、来年度も約5000人とまったく追いついていません。千葉県の人口当たりの保育所数は全国最下位です。保育士の待遇改善も含めて抜本的に予算を増額し、緊急に待機児童の解消を図ることが必要です。特養待機者の解消や子ども医療費助成制度の拡充など、県民の切実な願いに応えるためにも医療・福祉こそ予算の主役にすべきです。
 三つは、あまりにも貧弱な教育予算です。現場から「カーテンが破れても取り替えてもらえない」などの声が上がっていますが、県立高校の修繕や施設改修のための予算はこの10年ほどで1割以上も減少しています。そもそも千葉県の生徒一人当たり公立高校全日制の学校教育費は2014年度約95万円で全国45位、全国平均とは20万円もの差があり、しかもこの5年間で一人当たり7万円も減らしています。請願第61号は30人学級と教育予算拡充を求めるものですが、エアコンを設置していない公立高校22校に設置するための年間費用はわずか1.4億円程度です。請願を採択し、教育予算を抜本的に増額することで教育条件整備という県行政の第一義的責任を果たすことを求めるものです。
 以上見てきたように、県民の切実な願いである医療・福祉・教育の充実には背を向けながら、際限のない巨大開発に突き進む、こうした予算にはきっぱりと反対いたします。あわせて来年度の県税は167億円の減額が見込まれていますが、工業県と言われる8都府県で実施されている法人事業税の超過課税をめいっぱい行えば、来年度見込みで168億円の増収になります。歳入面でも、巨額の利益を上げている大企業に応分の負担を求める改革こそ行うべきだということを指摘するものです。
 議案第54号は千葉県袖ケ浦福祉センターの更生園と養育園について、分割して指定管理を行うための条例改正をするものです。しかしこの間、成人施設の更生園では利用者の地域移行が進まず、今後の見通しも立っていません。センターの見直し進捗管理委員からも、「今回の指定管理については根本的な問題点を解決する可能性は乏しく」、少人数ケアの推進と言いながら新規施設の設置もセンターの抜本的な建て替えにも手を付けず、自主事業として行なっていたグループホームを手放すなど、県の姿勢を「まったく評価しない」と厳しく批判されています。さらに次期指定管理の方針では重要な役割を果たしている診療室の廃止まで視野に入れています。問われているのは利用者の立場に立たず、ただひたすらに定員縮小を進める県の姿勢であり、このままいけば県立施設の解体ということになりかねません。よって議案第54号に反対します。
 議案第60号は学校教職員定数の一部改正を行うものですが、千葉市移譲分を除く増員のほとんどは特別支援学級の学級増によるものです。来年度から小学校3年生で35人学級が実施されることは一歩前進ですが、100学級程度増えるとされているのにそれに見合う定数が措置されていません。学級は増えるのに先生が増えないのでは、現場の負担はますます重くなります。今でさえ産休・育休に加えて療養休暇の代替教員が措置されずに学校現場は四苦八苦しています。県の責任で学級増に見合う教職員を増やすことこそ必要です。よって議案第60号に反対します。
 次に請願についてです。請願第59号は君津市の新井総合施設株式会社による管理型最終処分場・君津環境整備センターの第3期整備について、「久留里の名水」などの安全性確認のために県の責任で事業者にボーリング調査を行わせることを求めるものです。君津市でも昨年12月議会で同趣旨の請願が全会一致で採択されており、住民の不安に応えるために県が事業者を指導するのは当然です。しかし常任委員会では、自らの会派の議員が紹介議員になりながら、「現場を見たことがないから」という理由で自民党などが採決に反対し、「継続審査」となってしまいました。まったく筋が通りません。住民の立場に立てば一刻も早くボーリング調査を行わせることが必要です。よって本請願を採択するよう強く求めます。
 継続審査になっていた請願第57号は、福島第一原発事故により千葉県内に避難している方々への住宅支援の拡充を求めるものです。常任委員会で全会一致で可決された議案第59号は、子育て世帯とともに福島県からの自主避難者についても県営住宅の優先入居を認めるものです。様々な困難により福島県に帰れない人が多くいるなかで、これらの方々が4月以降も県内で居住できるようにあらゆる支援を行うのは喫緊の課題です。よって議案第59号と同様に請願第57号も採択することを強く求めます。
 以上で討論を終わります。