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 【2017年2月県議会】日本共産党 岡田幸子県議代表質問 2017/02/08)

 日本共産党の岡田幸子です。代表質問を行います。最初に知事の政治姿勢について質問します。年明け早々知事は、三選をめざす意向を表明しました。そこで、森田県政の8年間、とりわけ2期目がどうだったか、今後の県政運営に何が求められているかを質します。
 第1に指摘するのは、憲法を踏みにじる安倍政権の「戦争する国」づくりへの追随です。知事は本会議で安保法制=戦争法について、「政府の従来の見解の枠内、憲法から逸脱するものではない」と答え、「合憲」としました。
 安保法制強行後、県内ですすむ軍事的な動きについて、知事の目には、海外での日米一体の武力行使にむけた危険な具体化の表れだ、とは映らないようです。
 木更津駐屯地での日米オスプレイの定期整備拠点化が強行されました。オスプレイは最近も沖縄で墜落し、原因の全容が解明されていないにもかかわらず、「国が安全性を確認」していると、受け入れは容認しています。防衛省・米軍・事業者は、飛行時間・飛行経路・試験飛行空域など駐屯地使用に関する事項を確認し、覚書を取り交わしました。県は、覚書による確認内容の遵守を求めていますが、在日米軍司令部は、その覚書で日米安全保障条約に従い、必要なときは覚書の手続きによらないとする旨を明記しています。これでは、確認事項が守られる保証はないと思いますが、知事の考えを伺います。
 成田空港の軍事利用問題では自らの判断能力が疑われます。県など4者が結んだ「成田空港の軍事的利用は絶対に認めない」との「取極書」に反して、「駆け付け警護」などの新任務が付与された南スーダン自衛隊PKO部隊が成田空港から出発しました。県は「軍事利用ではない」という国の強弁を、そのまま繰り返しています。あまりにも無責任過ぎます。
 今年1月8日には、習志野演習場で行われた陸上自衛隊第一空挺団のパラシュート降下訓練に沖縄米海兵隊、グリーンベレーと呼ばれる「殴り込み部隊」が初参加しましたが、県は、何ら態度を示さず、まるで他人ごとです。
 平和か、戦争への道か、政治の根本問題で、千葉県は国の言い分を鵜呑みでよいのでしょうか。国が、国がと、国いいなりの姿勢では、地方自治体である千葉県政の責任者としての資質が問われます。米軍基地があるゆえに、その耐えがたい被害に苦しむ沖縄の知事は、外交・防衛という国策に関する問題でも堂々と国にモノを言っています。平和憲法を踏み破る政治は断じて許さない、県民の安全、願い最優先で国に対して言うべきことを言う。戦争への危険な道には、身体を張って立ち向かう、その不動の立場こそ、知事に求められていると思いますが、知事の見解を伺います。
 しかも知事には、過去の日本の侵略戦争の反省を踏まえて制定された憲法を守る、との姿勢が見られません。これは知事自身の歴史観が問われる問題でもあります。
 知事は、先の戦争は「正しい戦争だった」との立場を子どもたちに植え込む教科書の採択を企てている団体、日本教育再生機構の役員に名を連ねました。また、わが党が調べた結果、戦後70年の年に靖国神社に参拝した唯一の知事だということがわかりました。靖国神社は、現在も過去の侵略戦争を「アジア解放の戦争」などと美化し、宣伝する特別な施設です。国民が参拝するのとは違って、靖国神社への政治家の参拝は、自らをその立場に置くものだと、これまでも厳しく指摘してきましたが、知事は一顧だにしません。そこで伺います。靖国神社は、侵略戦争を美化する特異な施設だとの認識はお持ちですか。戦後社会の出発点は、日本が起こした侵略戦争への反省が土台であることを認めますか、お答え下さい。
 そういう知事の特異な歴史観が千葉県の教育に色濃く反映しています。この間、県立中学校の教科書に歴史の事実を歪め、日本の侵略戦争を美化する育鵬社版の採択が密室で行われ、教育関係者などから厳しい批判を受けています。一方、自分の意に沿わない実教出版高校日本史を使う県立高校に対して、県教委は異常な圧力、介入をかけ続けています。教育行政が学校現場での教育内容に土足で踏み込むようなことは断じて許されません。深く反省し、やめるべきです。ご答弁下さい。
 第2の指摘は、格差と貧困が広がるもとで、県民の日々の生活の現実は、知事が掲げる「暮らし満足度日本一」のスローガンとは、あまりにも程遠いことです。
千葉県の特養ホームの入所待ちは、昨年7月時点で1万3千人を超えています。保育所待機児も、いわゆる隠れ待機児を含めると3800人を上回ります。どちらも早期解消をめざすことは当然ですが、今回、強調したいのは、千葉県の福祉の現場で人の命が奪われるという、絶対にあってはならないことを起こした県の責任についてです。
 県立知的障害者施設「袖ヶ浦福祉センター」での職員による暴行死事件は、県民の大きな驚きと怒りを呼びましたが、この事件の要因には県が進めてきたリストラがありました。センターの正規職員は大幅に減らされ、一方1年契約の非正規は急増しました。その結果、福祉現場の技術や専門知識の低下を招き、虐待につながる要因となったのです。
 もう一つは、銚子市内の県営住宅で、家賃滞納を理由に県が強制退去を執行する日に起きた母子の無理心中事件です。母親は、遅れていたとはいえ家賃を支払っており、悪質な滞納者ではありません。県が家賃減免制度をきちんと周知し、その制度を利用していればこんな痛ましい事件は起こりませんでした。さらに、母親に対する市の生活保護の窓口対応も事実上申請そのものを拒むものでした。この2つの事件から浮かび上がってくるのは、マンパワーが欠かせない福祉現場に、県が歳出削減の人減らし、安上がり福祉を持ち込み、そのうえ、困っている人、支援を必要としている人に寄り添う福祉の心がなかったことです。そのことをしかと肝に銘じ、二度とこのような事件が起こらないようにすべきです。ご答弁下さい。
 県民が切実に望む医療費負担軽減に応えることが求められます。知事も一度は公約した中学3年までの医療費助成は、子育て世代の医療費軽減につながり急務です。この間、県内の全ての自治体が頑張って中学3年まで入通院の助成を行っています。しかし県の通院助成はいまだに小学3年までで止まっており、現行制度のままでも、あと31億円あれば、県として中学3年まで入院も通院も助成できます。そうすれば、さらなる市町村の上乗せによって、助成対象は18歳、高校3年まで可能になります。
 重度障害者児の医療費助成は、ねばり強い県民運動や議会の働きかけにより、2015年8月から現物給付になりましたが、県は一部負担金を導入し65歳以上の新たな障害者手帳取得者を対象から外し、障害者に耐えがたい痛みを押しつけました。県も障害者の新たな負担増は年に10億円にも及ぶとしており、障害者やその家族の強い怒りを呼んだのは当然です。速やかに県の通院費助成を中学3年まで拡大するとともに、重度障害者医療費助成の一部負担金をなくし、年齢差別をやめるべきです。答弁を求めます。
 総務省の資料では人口比の医師数および看護師数、一般病院ベッド数はいずれも全国45位で医療体制は貧弱なままにもかかわらず、ベッド数を減らす「地域医療構想」を決めました。さらに県は、県立東金病院を廃止し、東千葉メディカルセンターを東金市と九十九里町へ押しつけるとともに、県立佐原病院の耐震化や施設更新、スタッフ確保などを怠り、地域医療に対する県の責任を投げ出しています。これでは県民の命は守れません。大本にある「地域医療構想」や「県立病院将来構想」の撤回を求めます。お答え下さい。
 こんにち、家庭の教育費負担軽減はますます重要です。とりわけ、私学に通う家庭の経済的負担は依然として重いものがあります。千葉県では授業料の減免制度はありますが、施設設備費への助成はありません。年収250万円未満世帯までの施設設備費全額免除に必要な予算は9億円であり、その気になれば、すぐにでも出来るではありませんか。また、返済不要の奨学金を求める声も強まっています。家庭の経済的事情で次代を担う子どもたちの学びが脅かされるような千葉県で良いはずがありません。県として私学の施設設備費への助成を決断すべきと思いますが、いかがですか。
 教育の条件整備もおざなりです。県民の粘り強い要求で4月からようやく小学3年の35人学級編成が可能になります。しかし「教員定数は国が措置する」などと国任せでは、少人数学級のさらなる拡大は遠のくばかりです。県独自に教員を確保して推進している秋田県や山形県とは大違いです。また、学校施設の老朽化、特別支援学校の過密化・狭隘化も深刻で、その解消は待ったなしです。この間、明らかになった産休等代替教員が長期にわたり配置されないという異常な状況の解消は一刻の猶予も許されません。わずか3400万円の予算を削って定時制高校の夜間給食を5校でやめてしまい、関係者からは抗議の声があがっています。
 このような事態に陥ったのは、教育予算が少なすぎるからです。小学校・中学校とも全国平均を下回り、高校は45番目。低い水準のままです。教育予算を大幅に増やし、教育条件の抜本的改善を図るとともに、定時制高校の夜間給食は再開すべきです。お答えください。何よりも重要なことは、県行政の責任は教育条件の整備にある、という自覚を持つことだと考えますが、いかがですか、お答下さい。
 地域産業の振興と雇用の確保は県政の重要課題です。トランプ米大統領の撤退表明でTPP発効の見通しはなくなりましたが、日米FTA、二国間協議による日本側のさらなる譲歩が危惧されます。県の農業政策を見ると、中間管理機構による農地集約、大規模経営化、営利企業参入などが前面に出ていますが、これでは、全国有数の千葉県農業はますます疲弊せざるを得ません。2010年からの5年間で、農家数は1万1千戸、15%も減少し、農業就業人口も2万人、20%以上減り、平均年齢は65.6歳と高齢化が進行しています。この現状を直視して、家族営農を柱にした多様な形態の農業生産者への支援が求められます。価格保障を拡充し、新たな後継者の育成に本腰を入れる必要があると思いますが、ご答弁下さい。
 第3に指摘したいのは、今の県政をどう改革するのかということです。
 総務省の資料によれば、千葉県の県民一人当たりの住民税は全国4位の高さです。一方、県全体の一人当たりの民生費は46位、社会福祉費46位、老人福祉費47位、児童福祉費44位。福祉の予算は全国最低クラスがもう何年も続いており、この是正なくして県民生活は守れません。
 一つ目の改革は税金の使い方のゆがみを正すことです。利水上も治水上も必要性のない八ッ場ダム本体工事など大型開発の浪費を改めるべきです。県道など生活道路の整備を求める強い声は脇に置き、県内財界が求めている北千葉道路の全面開通に向け、県は、市川・鎌ヶ谷間の有料道路化、8車線化の方向を打ち出しました。県は「都心と成田を結ぶ最短のアクセス道路だ、渋滞緩和になる」などと言いますが、しかし、建設費はいくらかかるのか、工事の期間はどのくらいなのか、交通量はどの程度見込んでいるのか、全面開通による経済波及はどうなのか、など、肝心な道路の必要性、その具体的根拠が何ら示されていません。まさに、8車線もの巨大道路建設先にありきの計画だと言わざるを得ません。必要性の明確な根拠も示せない巨大道路建設に莫大な県民のお金を投入することは許されませんが、見解をお聞かせ下さい。
 大型開発は、巨額の税金が使われ、それが破たんすれば、さらに財政の大きな重しになります。建設に726億円を要した幕張メッセは赤字が続き、県と千葉市が長期にわたり穴埋めしています。「かずさアカデミアパーク」には、これまで関連事業も含めて1500億円が投入され、いまでも毎年、用地借上げ代やDNA研究所運営費などで20億円を超える税金がつぎ込まれています。いまだに約150ヘクタールの企業用地はおよそ半分が使われていません。県は70億円に増額した企業立地補助金や土地賃貸料の軽減措置の延長など、新たな税金投入に踏み出しましたが、それでもうまりません。無謀な巨大開発は、つくる時にも莫大な公金が投入され、失敗すればさらなる税金投入が行われ、県財政を圧迫し続けることは明らかです。見解を伺います。
 2つ目の改革は税金の集め方です。これまでも繰り返し指摘してきましたが、全国8都府県で実施している大企業の法人事業税の超過課税に踏み出すべきです。2017年度見込みでは168億円もの独自の財源が確保でき、国民健康保険料の一世帯1万円引き下げや、私立学校で年収250万円未満世帯の施設設備費全額免除、中学3年生までの医療費通院助成を行ってもおつりが出ます。大企業の多くは国の減税の恩恵を受けており、十分な余力があります。大企業への法人事業税超過課税を導入し、県民生活を支える県独自の財源確保を求めます。ご答弁下さい。
 改革の3つ目は経済政策の転換です。知事は「景気は緩やかな回復」などとアベノミクスを評価しましたが、知事が就任した2009年度以降も県民所得がマイナスです。昨年12月の有効求人倍率をみると、1.19倍ですが、正社員は0.79倍に留まっています。しかも、1年前より、求人は増えていますが、求職者は逆に減少しており、雇用状況が改善しているとは言えません。企業がもうかれば、いずれ国民に利益がまわるという「トリクルダウン」の破たんは明らかです。地方自治体の税収も落ち込むことになるではありませんか。現に、知事が提案した来年度予算でも、安倍政権による実効税率の引き下げなどに伴い、法人二税が減収となっています。先ほど述べた、かずさの破たんに見られるように、大企業呼び込み型の経済政策は、地域経済の活性化につながらない、これは千葉県でも実証済です。農業など地場産業や、中小零細企業の支援に力を入れ、地域の雇用を生み出し、県民の消費を増やす経済政策への転換が必要だと思いませんか、お答え下さい。
 縷々指摘しましたが、森田県政とはどんな県政なのか、端的に言えば、国の言い分をオウム返し。財界の要望には耳を傾けるが、県民がおかれている実態からは目をそらす。歴史の事実と真摯に向き合おうとしない。そういう県政運営だと思います。いま、国政でも、地方政治でも、主権者である市民が立ち上がっています。日本共産党は、市民と力を合わせて新しい政治を切り開くために全力をあげる決意を表明するものです。
 次に子どもの貧困対策について伺います。貧困の連鎖を防ぐためには、勉強がわからなかったり、お金がないことで子どもたちが進学を諦める状況を無くすことです。県の役割は重大です。
 第1は、学習支援です。2015年3月に高校に進学しなかった県内の子どもは1.4%ですが、生活保護世帯は8.3%で、およそ6倍もの開きがあります。市川市内で小学生から高校生までの学習支援事業に取り組むNPO団体の方は、「基礎学力がなければ就職しても続かない。読み書きや掛け算ができない、地図が読めないというところから一緒に勉強し、参加者全員が高校への進学を果たしている」とその意義を語っています。
 「子どもの貧困対策推進計画」の下、昨年度から生活困窮者に対して子どもの学習支援事業が始まりましたが、県が直接実施する町村部は1ヶ所も実施されませんでした。2年目となる今年度は15市が取り組み、町村部はようやく中学生を対象に睦沢町と横芝光町で始まり、来年度は長生村(むら)でもう一カ所増やす予定だと言います。少しずつ広がってはいますが、住んでいる自治体によって支援を受けられない子どもがいる状況は変わりません。実施している市でも、毎月20日前後行うところもあれば、年に数日程度しか行わないところもあるなど、実施回数や対象学年にも大きく差があります。「計画」では「生活困窮者世帯の子どもに対する学習支援の充実を図る」となっています。まず県として全ての地域の子どもたちが必要な支援を受けられるように、具体的な計画と目標を持つべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 そのためにも先進的に取り組んでいる自治体から学ぶことが重要です。浦安市では2つの事業があり、その1つは中学校区ごとに実施する地域未来塾で、昨年度2校から始まり今年度は4校、来年度は9校の全中学校区で取り組む予定です。昨年度は、受講を希望する生徒が約30名いて、全員高校進学を果たすなど効果を上げました。
 2つは、市に委託されたNPO団体が行う「学習支援事業」で、ここでは学習だけではなくレクリエーションにも力を入れ、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりを重視しています。昨年度は小学生、中学生あわせて50人程が登録し、途中で参加しなくなった子どもへのフォローも丁寧に行うなど実態に寄り添う支援を行うなかで100%の高校進学率を達成しました。このように先進事例を見ても学習支援事業の効果は明らかです。市の事業ではあっても、県が積極的に情報提供を行い推進を図るべきですが、どうでしょうか。また県が直接実施する町村部は、どの地域に住んでいても必ず受けられるように箇所数を抜本的に増やすべきだと思いますがお答え下さい。
 第2は、県独自の学生向け給付制奨学金制度の創設です。日本民主青年同盟千葉県委員会が行った「若者・学生、奨学金・働く実態アンケート」によれば回答者の4割が奨学金を利用しており、返済額も100万〜300万円が42.5%、300万〜500万円が15%を占めるなど、県内でも多くの若者が重い奨学金の負担を背負わされています。昨年12月、国はようやく月額2万円から4万円という給付制奨学金制度の創設を決めましたが、対象は住民税非課税世帯で、学生55人に対してわずか1人という割合で、切実な願いに応えるものとは言えません。
 2014年度の大学等進学率は県全体が55.5%なのに対して生活保護世帯の子どもはわずか16.8%であり、高学費が重い負担になっているのは明らかです。「子どもの貧困対策推進計画」では2020年までに「県全体の大学等進学率に近づける」との目標が掲げられていますが、どのように達成しようとしているのか。お答え下さい。
 すべての学生がお金の心配なく学べるようにするためには、国に学費値下げと本格的な給付制奨学金の実現を求めるとともに、やはり県独自の学生向け給付制奨学金制度の創設が必要です。浦安市は、この制度を2015年度から高校生・大学生等へ始め、生活保護基準の1.3倍までを保護者の収入基準として、高校生は月額5000円、大学生は月額15000円を給付しています。今年度からは成績基準を緩和し、生活保護世帯も対象に加えたことで、利用者を2倍以上に増やしました。大学進学を目指す生活困窮世帯の子どもたちにとって、まさに給付制奨学金が将来への希望をつなぐ役割を果たしています。県内どこでも受けられるように県として学生向けの給付制奨学金制度創設に踏み出し、若者の学びたい願いに応えるべきではないでしょうか、知事の考えを伺います。