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 【2016年12月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 議案・請願討論(2016/12/20)

 日本共産党を代表して、議案と請願に対する討論を行ないます。
 まず議案第1号「一般会計補正予算案」ですが、約199億円の補正予算計上額の4分の3にあたる150億円が国の経済対策を受けたものとなっています。財源のうち県の負担は61億円、うち59億円は借金です。こうした経済対策はこれまでも繰り返し行われてきましたが、日本経済は回復の兆しすら見えていません。しかも今回の経済対策は来年度予定していた事業の前倒しで、経済対策関連の8割を超える123億円が繰り越し明許で来年度に送られています。こんな歪んだ予算になってしまうのは、安倍政権の経済失政をごまかすための場当たり的な対策だからです。
 補正予算案は内容でも大きな問題を含んでいます。
暮らしや福祉に関するものが経済対策と称して予算化されていますが、これまでに当然予算を付けていなければならなかったはずのものばかりです。
保育士や介護福祉士を養成するための「就学資金等貸付事業」、体温調整が困難な児童生徒のための「空調設備の設置」など、最優先でとっくに措置されていなければなりません。47戸の県営住宅に給湯設備を設置するために1億9千万円が計上されていますが、これは当初予算に計上されていたものを、国の内示が減額されたため9月議会で全額削減したものです。お金がないと言って減額したのに、経済対策だと言えばそのお金が出てくるというのは、まったくおかしな話です。
 一方、補正予算では、無駄遣いが加速されているものも少なくありません。
 外環道に3億8300万円、圏央道に3億3300万円、北千葉道路に1億3300万円と相変わらず国の巨大な道路建設にたいする直轄事業負担金が計上されています。
 「農林水産業の競争力強化」として計上されているものは、農地中間管理機構を利用して農地の集約化を進める認定農業者だけが利用できる施設整備への助成金や、畜産クラスター協会が経営規模の拡大のために行う施設整備への助成金など、その多くは、国土の特徴に沿って発展してきた日本農業を大本から壊し、TPP=環太平洋経済連携協定が動き出すことを前提に、営利企業の参入を進めるためのものとなっています。
 県民の暮らしの実態に背を向け、国の歪んだ経済対策をそのまま受け入れ、無駄遣いを広げるこうした補正予算案に賛成できるはずがありません。
議案第21号は香取合同庁舎の建設請負工事について、設計労務単価が引き上げられたことに伴って増額補正するものであり、何ら異論はありません。問題は、契約相手先である阿部建設です。この会社は2015年7月、企業庁が発注した「護岸工事」で事故を起こし、下請け作業員に負傷者が出ました。事故報告書によれば、移動重機が鉄板を吊り上げ旋回した際に起こったもので、原因は「オペレーターの周囲認識不足」や「誘導員がいなかった」ことなどと記載されています。事故を受けて県は昨年9月、知事名で「再びかかる事態が生じることのないように注意する」との通知を出しました。しかし、今回の契約変更に際して改善策など、その後のチェックはまったく行われていません。こんな無責任な話はなく、議案第21号に反対いたします。同じ理由で議案第22号にも反対いたします。
 議案第23号は、福島第一原発の事故によって千葉県が被った損害の賠償に関する議案です。千葉県は昨年3月、東京電力に対する損害賠償請求についての仲裁を原子力損害賠償紛争解決センター――いわゆる原発ADRセンターに求めました。9月30日に示された和解案は、請求総額9821万円にたいして半額以下の4770万円に減額するというものです。しかも和解案では、提示された額を超える部分について別途、損害賠償請求を行うことを妨げてないのに、県はそのまま受け入れようとしています。原発事故による損害の負担を、何の責任もない県民の税金から支払うことは納得できるものではなく、本議案に反対いたします。
議案第24号は、県が発注する土木工事に関して入札企業による談合が発覚し、県が契約にもとづいて請求した賠償金について企業の側が起こした民事調停に関するものです。提示された和解案は、9億7245万円の請求額を3億8898万円へと6億円も引き下げ、さらに10年間の分割払いを認めるものです。こんなことがまかり通ったら、談合そのものを容認するに等しく、絶対に認められるものではありません。

次に請願についてですが、第51号は、政務活動費の収支報告書などをホームページ上で見られるようにすることを求めるものです。いま、全国的に政務活動費の使い道について様々な指摘がなされています。原資がすべて県民の税金から成り立っている以上、その使い道について関心が高まるのは当然のことです。県民が簡単に内容を閲覧できるようにして、県民的な監視機能が働くようにすることが信頼を広げるうえで最大の保障になります。全国的に見ても、ホームページ上で、まったく公開していないのは千葉県を含む15都県と少数です。本請願が付託された議会運営委員会では、「世界中に知らされるのには躊躇がある」などとして先送りする意見が出され、「継続審査とすべきもの」とされましたが、ことは県民の信頼をいかに得るかです。本請願を採択し、直ちに公開に踏み切ることを求めます。
請願第55号「ゆきとどいた教育を求めることについて」と56号「私立幼稚園に対する私学助成の大幅増額を求めることについて」は、ともに教育の充実を求めるものです。「貧困と格差から子どもたちを守るため、来年度の教育予算を大幅に増額し、給付金制度や就学援助制度の拡充と学費の実質無償化を進めること」、「私立学校の減免制度の対象に施設設備費等も含めること」「公立学校で35人以下学級を実現すること」「特別支援教育の施設設備の最低基準を策定すること」「私立幼稚園の保護者への直接助成を新設すること」などを求めていますが、これらの要求がいかに切実なものか、二つの請願を合わせた署名数が11万2873人に上っていることを見ても明らかです。子どもたちにたいする教育条件の整備は、行政が第一義に行わなければならないものであり、本請願を採択しこれらの願いに応えるべきです。
請願第57号は、福島第一原発の事故により千葉県内に避難している方々への住宅支援の拡充を求めるものです。現在、千葉県内に避難し住居の無償提供を受けているのは291世帯ですが、来年3月末で打ち切りとなります。常任委員会で本請願は「継続審査とすべき」となりましたが、多くの世帯が4月以降も県内での居住を望んでいます。目前に迫った期限を考慮すれば、当然、採択し支援を拡充すべきです。

以上、議案請願への討論といたします。