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 【2016年12月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議代表質問◆2016/12/02)

 次に雇用について伺います。大手広告代理店の電通で、24歳の女性が月130時間もの残業を強いられ過労自殺に追い込まれた事件は社会に大きな衝撃を与えました。突然娘を失った母親は、「社員の命を犠牲にして業績を上げる企業が、日本の発展をリードする優良企業と言えるのか。命より大切な仕事はない」と訴えています。
 こうした痛ましい過労自殺、過労死が続いている状況について知事はどう認識していますか。まず伺います。
 この9月、知事も参加して「ちばの魅力ある職場づくり公労使会議」が開催され、「ちば『働き方改革』共同宣言」が採択されました。共同宣言によれば、千葉県は1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合が10.2%と全国平均より高く、年休取得率も50%台に留まるなど、全国に比べても遅れた状況です。
 なぜ長時間労働が広がっているのか、なぜ年休取得率が低いのか、知事はこれらの要因についてどう考えているのかお答えください。
 宣言では「働き方改革」を進めるために、労働時間の短縮、働きがいのある環境づくり、正社員化などを通じた地域経済の活性化という3つの目標を掲げています。
 一つ目の目標は、「労使の意識改革による時間外労働の縮減や年次有給休暇の取得促進」ですが、長時間労働の是正や年休取得が進まないのは決して意識の問題ではありません。千葉県労働組合連合会が行っている労働相談には、「パートから日給9000円の正社員になったが、勤務時間は朝9時半から夕方6時半なのに夜8時前に帰ったことがない。残業代を申請しても『1日分の給料として払っているので残業代は出ない』と言われ、社会保険も有休もない」などの声が寄せられています。そもそも労働者と使用者の関係は対等ではなく、圧倒的に労働者の立場は弱いものです。
 長時間労働の多くがサービス残業やパワハラなど企業の法律違反の上に成り立っており、立場の弱い労働者が声を上げるのは困難です。公労使会議ではこうした実態も踏まえ、企業に社会的責任をどう果たさせるのかという視点を取り入れるべきだと思いますがお答えください。
 長時間労働が蔓延する根本原因は法律で労働時間の上限が決まっていないことです。政府の「働き方改革実現会議」でも労働基準法の三六協定・特別条項の上限規制を求める声が出されています。長時間労働是正に取り組む企業109社に対するアンケートも紹介されており、「長時間労働是正に社会全体で取り組めば取り組みやすい」という回答が94%、「国に労働時間の全体的な抑制・旗振りを期待する」という回答は90%でした。
 時間外労働の縮減のためには社会全体で取り組むことが必要であり、1社だけで取り組むことには限界があると思うがどうか。長時間労働の実態をふまえ、公労使会議として国に労働時間の上限規制を求めるべきだと思いますがお答えください。
 県としてすぐに取り組む必要があるのは相談体制の拡充です。県の労働相談センターは、この7月からインターネット労働相談を開始しました。ところが5人の嘱託職員による相談員の体制は変わらず、10月までの3ヶ月間で33件の相談が寄せられたのに回答できたのは25件、相談受付後10日以内に回答するとしているのに3〜4週間かかっています。また午後5時以降の電話相談については一人しか対応する人がおらず、相談中に電話をかけてもつながりません。
 労働相談センターの体制拡充が必要なのは明らかであり、相談員の増員など抜本的な手立てを取るべきではないでしょうか。
 二つ目の目標は、「若者、女性、障害のある方々などすべての県民が『働きやすさ』
と『働きがい』のある雇用環境を整備する」です。
ある大手ショッピングモールで働く20代の母親は週5日、朝8時45分から午後5時15分まで働いていますが手取りは月15万円ほどしかありません。「保育料や医療費の負担も大きく、常にお金に困っている。保育所も家から遠いところにしか入れなかった」と話し、子どものために引っ越しも考えているが見通しがつかないといいます。
 「働きやすさ」と「働きがい」のある雇用環境を整備するためには、保育の充実や子ども医療費助成などの子育て支援、家賃補助など県として様々な施策が求められると思いますが、知事の認識をお聞かせください。
 三つ目の目標は、「不本意非正規労働者の正社員化やキャリアアップ支援等を通じて企業の生産性と競争力を高め、地域経済を活性化し、魅力ある千葉県を創出する」です。
知事はこの5月にも、教育長、労働局長と連名で、県内の事業所に対して雇用拡大や正社員化の促進を要請していますが、本気で非正規社員の正社員化を目指すというならお願いだけでなく具体的な取り組みが必要です。
 鳥取県では昨年度から、非正規雇用労働者を正規雇用に転換した中小企業や社会福祉法人などに対して県独自の助成を行っています。1年に1事業所あたり10人を上限に1人30万円、対象労働者が一人親の場合はさらに10万円を加算しています。昨年度は36人、今年度はさらに利用が広がり10月末までに97人が正規雇用に転換しています。
 千葉県でもこうした正規雇用転換助成金を創設し、目標を定めて正規雇用転換をはかるべきではないでしょうか。県が本気になって正規雇用の拡大を目指す姿勢を示すことが必要だと思いますがお答えください。
 実効性のある取り組みを行うためには公労使会議の構成も重要です。ところが公労使会議には、使用者団体の代表が4人入っているのに労働団体の代表は1人しか入っていません。働き方とは関係のない個別の金融機関の代表も2人入っており、これで公正な運営ができるのか疑問です。
 安倍政権はいま、「働き方改革」という名で「高度プロフェッショナル制度」=「残業代ゼロ制度」を狙い、さらなる長時間労働の増大を招こうとしています。日本経団連の榊原会長は、労働時間規制について「一律的な決め方をしてしまうと経済の実態に大きな影響が出る」と批判的な態度を示す一方で、高度プロフェッショナル制度は「長時間労働の是正や女性の活躍推進にも資するもの」と期待を表し、「年収1075万円以上」という該当要件を引き下げることを求めています。しかし高度プロフェッショナル制度に対してはナショナルセンターの違いを超えて労働組合側から反対の声が上がっており、使用者側とは真っ向から意見が対立しています。そこで伺います。
 「働き方」や労働時間規制を巡って労使間での意見の対立は避けられず、こうした点を考えても公労使会議に労働者側の代表を増やし、均衡を図るべきではないでしょうか。何よりも働く者の立場に立った会議の構成にすべきだと思いますがお答えください。
千葉県の未来は、この3つの目標が達成できるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。知事が先頭に立って取り組みの推進をはかることを重ねて求めるものです。

 次に全国でも県内でも取り組みが広がる「子ども食堂」について伺います。子どもの貧困が社会的問題となるなか、県は昨年12月、「千葉県子どもの貧困対策推進計画」を策定しました。子どもたちを貧困から救うことは待ったなしの課題であり、県としても様々な施策が求められていますが、同時にいま市民の中から自発的に子どもの貧困に立ち向かおうという流れが生まれています。
 その一つが子ども食堂の取り組みです。この数年の間に全国で急速に広がり、その数は300ヶ所以上とも言われています。子ども食堂には様々な形態があり、対象を子どもに限定しているところと高齢者など大人にも開放しているところがありますが、共通しているのは子どもが一人でも安心して来ることができ、地域の居場所となって温かな結びつきをつくり出していることです。
 県内でも多くの団体・個人が子ども食堂に取り組んでいますが、知事は子ども食堂の意義をどう認識しているのか、率直にお答えください。
この間、私も県内で子ども食堂を運営している方にお話を伺ってきました。柏市で7月から子ども食堂を始めたNPO法人「かしわこども食堂」は、毎週土曜日に地域の公共施設で子ども食堂を開いています。ボランティアが10数人、参加者は小学生を中心とした子どもとその親、地域の高齢者の方が食べに来ることもあり毎回10数人が参加しています。利用料は、子どもは無料、大人は寄付として300円をもらっていますが、代表の方は「地域の方から野菜やお米などの食料が寄せられ、毎回のように食べに来てくれる子もいる。毎週同じ場所でやっていること、継続して開いていくことが大事」と話しています。しかし公共施設でも一回借りるだけで2000円程度の会場代がかかり、大きな負担になっています。また毎週行っていても施設を優先使用できるわけではなく、場所が埋まっていることもあります。調味料など資材の保管場所をどう確保するかも課題だとのことです。
 千葉市で子ども食堂を運営している方は、「参加者のうち子どもは3分の1程度でお年寄りの参加者が多く、必ずしも貧困家庭とすぐにわかる子どもたちが来るわけではない。それでも『子どものために何かしたい』という人たちがお互いに出会う場になり、日ごろ悩んでいることなど何でも相談できる場になっている。産後うつになり、相談できる場所がなく苦しい経験をしたお母さんが、『自分のような人をつくらないように』と新たに始めた食堂もある」とその意義を語る一方で、「立ち上げのための費用や会場の確保、衛生管理や周知・広報活動など課題は多い。行政としての位置づけを明確にし、まずはニーズ調査をしてほしい」と話しています。
 ところが千葉県には子ども食堂について直接の担当部署はなく、実態調査すらやられていません。
 まず県として担当部署を明確にし、県内で行われている子ども食堂の実態をつかむべきではないでしょうか。知事もぜひ足を運んでほしいと思いますがお答えください。
この間全国では、行政による子ども食堂への支援が様々な形で始まっています。大分県では今年度から、子ども食堂を運営する団体への支援をモデル事業として開始しました。また兵庫県や和歌山県では子ども食堂を立ち上げるための費用の助成を始め、兵庫県では冷蔵庫や炊飯器、食器などの購入費、和歌山県では上限20万円で設備購入費・改修費の2分の1を補助しています。北九州市など自治体が直接子ども食堂の運営に乗り出す例も生まれています。そこで伺います。
 千葉県でもどんな支援が求められているのかをつかみ、市町村とも協力して必要な支援に踏み出すべきではないでしょうか。県の子どもの貧困対策推進計画のなかにも子ども食堂を位置づけ、推進すべきだと思いますがお答えください。

 最後に教育について質問します。
 教育行政がやるべきは言うまでもなく教育条件の整備に責任を持つことであり、その中心は必要な教職員を配置し教育環境を整えることにあります。
 そこでまず少人数学級の推進について伺います。県は2011年度、2012年度と、小学校1、2年生、中学1年生での35人学級へと踏み出しました。そして翌2013年度からスタートの総合計画には「段階的な少人数学級の推進」が盛り込まれ、大いに期待が寄せられました。しかし残念ながら、それ以降の4年間、今年度まで少人数学級はまったく進んでいません。県が策定する総合計画は県政運営の最上位に位置づけられる計画であり、県としての県民への約束ともいうべきものであります。
 教育長、これは明らかに県民への約束を棚上げしていると言わざるを得ませんが、認識を伺います。
 県教委は少人数学級推進について、一貫して「教職員定数は国が措置することが基本」という立場をとっています。これは、国が措置する基礎定数とは別に、少人数指導などのために措置される教職員数、いわゆる加配定数によって、少人数学級を進めようとするものです。しかし2013年度、2014年度はこの教員数の上乗せが国に認められずに少人数学級の拡大を断念しました。
 見過ごせないのは、その後の県の対応です。「国が措置することが基本」といいながら、昨年度、今年度の2年間、国に対して少人数学級のための教職員数の上乗せ、加配分の要求すらしていないではありませんか。これは明らかに少人数学級の推進を放棄したに等しい行為であり、到底、認められるものではありません。見解をお聞かせください。
学級編成基準の設定は県の裁量の範疇であり、県独自に少人数学級を前進させ、県民への約束を果たすべきです。教育長の答弁を求めます。
 さらに深刻なのは、産休や病気休暇の代わりの教員が配置されず、それが拡大し常態化している問題です。教員の未配置というのは、法によって措置される教職員定数をも下回った、いわゆる「教育に穴があく」状態が続いていることであり、教育にとって中心的な役割を担う教員の未配置など絶対にあってはならないことです。11月1日時点で、教員未配置は小・中学校だけでも89件にものぼり、東葛教育事務所管内では、教員の未配置が最長で4か月を超えていると伺いました。
 教育長はこの異常な事態をご存知でしょうか、なぜこのような状態になっているのか。お答えください。
 この問題は、子どもたちにとってみれば、教室に先生がいない状態が続いているということです。明らかに憲法26条の「教育を受ける権利」が侵害されている事態であり、一刻の放置も許されません。これが子どもたちの成長と発達を保障する教育といえるのか。答弁を求めます。
 教員が未配置の学校現場はどうなっているのか。わが党では柏市内の学校訪問を行い、学校現場での対応など話を伺ってきました。
 柏第三小学校では、4月から教頭が企業等派遣研修で柏高島屋へ出向し、その代わりの教頭が8月から病気療養休暇に入りましたが、研修中の教頭は戻らず、現在、教頭不在の状態となっています。教務などが仕事を分担していますが、もうギリギリの状態で残業が増えているとのことでした。
 また松葉第一小学校では、9月から看護休暇に入った教員の代わりがいまだに配置されてなく、教務が学級担任を兼務しています。10月中旬には、初めて担任を持った講師が退職しましたが、やっぱり代わりの教員の配置はなく、ここでは教頭が学級担任を兼務しているなど、苦肉の策を講じています。この学校では校長自ら、知り合いに講師依頼をするなど「教員探し」を行い、職員会議で講師紹介のお願いをするなど、懸命の努力がされていました。
 学校現場では、ギリギリの対応を余儀なくされ、それが現場に混乱をもたらし、教職員への大きな負担となっています。教育長、この責任は一体どこにあるのか、お答えください。
 不可解なのは、産休や育児休暇に入った教員の未配置が小・中学校で12件にも上っていることです。6月議会で教育長は、教員の未配置について「講師登録者の都合で一定の期間を必要とする場合がある」と答弁していますが、これは明らかに県教委の怠慢です。妊娠判明時に産休の申請をすれば、産休に入る時期までには、数か月の期間があり、事前に対処することは十分可能なはずではありませんか。
 産休、育休の代わりの教員が配置されないなどという事態がなぜ生まれるのか。どこに原因があるのか。お答えください。
 学校現場では産休に入る教員の代わりが決まらず、校長が職員会議で「まだいないので、どなたか紹介してほしい」と発言するなどの事態が生まれていると伺いました。ここでもそのしわ寄せは学校現場に押し付けられ、教員の多忙化に拍車をかける要因にもなっており、ただちに解消すべきです。
 市町村教委とも協議し、教員免許を有し現場経験のある方を期間限定で派遣するなど、ただちに緊急策をとるべきではありませんか、お答えください。
 教職員の年代別配置状況を見れば、小学校、中学校では20歳、30歳代が半数近くになっており、ここ数年、出産休暇、育児休暇の申請者数も増え続けています。産休、育休で学校現場が混乱することなく、正常な学校教育が行えるようにするためにも、年度当初に、産休、育休補助など、県教委の責任で一定数の教職員を確保すべきではありませんか。教育長の答弁を求めます。
 以上で1回目の質問といたします。