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  【2016年9月県議会】日本共産党 加藤英雄議員一般質問(2015/10/03)

 日本共産党の加藤英雄です。
 最初に、建設労働者の労働条件改善と公契約条例の制定を求め、質問いたします。わが党代表質問でも基本的質疑は行いましたので、さらに踏み込んで伺っていきます。国交省は公共工事設計労務単価を4回連続的に引き上げ、県も2012年度、平均1万8253円だった設計労務単価を、今年度は平均2万4440円へと6187円の引き上げを行っています。
 その目的は、ダンピング受注の激化などによって賃金低下をもたらし、若い労働者が急激に減少していく中、現場労働者の賃金水準の底上げをはかり、最低限の福利厚生を確保して、若手労働者の入職を促進しようというものでした。そのために新労務単価には労働者が社会保険加入に必要な本人負担分が含まれるとして、その徹底をはかってきたところです。
 そこで伺います。この4年間で、県内の若手労働者の建設業への入職はどの程度進んだのか。下請けも含めて、建設労働者の平均賃金はどう引き上げられてきたのか、お答えください。
 この間、私は千葉土建一般労働組合が柏市、流山市で行った、夏の現場訪問に同行し、お話を伺ってきました。
 柏第二中学校の改修工事の現場責任者は「現場の職人の賃金はほとんど上がっていない」と話され、酒井根中学校の工事責任者は、「若い労働者がなかなか増えない」と現状を訴えられました。また流山市の小山小学校の増築現場の元請の方は「下請け契約はトン単価、平米単価で行っているので下請の賃金はわからない」と話すなど、現場では国交省がめざす方向とは、いまだかけ離れている実態にあると言わざるを得ません。県はこういう現場の実態をどう認識しているのか。お答えいただきたい。
 千葉土建が行った、県内組合員の賃金調査でも、2012年度、設計労務単価引き上げ前と現状の賃金の推移を見ても、大工職人の賃金はわずか5.5%の引き上げ。鉄筋工は横ばい、塗装工は7.4%の引き上げにとどまり、国交省の引き上げ幅、34.7%には程遠いのが実態でした。これで、若手労働者を増やせるのか、社会保険加入が促進されるのか。この原因がどこにあるのか。県は受注者に対し、適正化指導要綱や指示事項などで、「指導」「お願い」はしていますが、実際には下請労働者の賃金を掌握する仕組みすらない、これが最大の問題なのではありませんか。これをどう改善するのか、このまま受注者任せにするのか。答弁を求めます。
 昨年の公共事業労務費調査で、県の労働者の健康保険や雇用保険など、3保険加入率は45%、ワースト2位という指摘を代表質問でも行いました。県は「都市部では労働者数も多く平均して低い水準にある」などとしていますが、2013年設計労務単価引き上げ後の千葉での3保険加入率の伸びは近隣と比べても極めて低い水準にあります。千葉県は4年前35%だった加入率を45%まで引き上げていますが、埼玉県は31%を56%にし、神奈川県も30%を51%まで引き上げ、今では千葉県を凌ぐ加入率となっています。
 千葉県の加入率の遅れの原因はどこにあるのか。労働者の3保険加入率引き上げへどのような手立てをとるのか。お答えください。
 国交省は設計労務単価について、「建設労働者が受け取る賃金をもとに設定している」としながらも一方で、「下請け契約における労務単価や雇用契約における労働者への支払賃金を拘束するものではない」と矛盾した見解を示し、県もこの立場を強調しています。
 しかし、新労務単価には労働者本人が支払う社会保険料相当額が加味されており、それが下請を含めた労働者の賃金に加算されなければ、社会保険加入が促進されないのではありませんか。下請け労働者への社会保険相当額の加算の実態を県はどのように掌握しているのか。お答えください。
 どんなに設計労務単価が引き上げられても、それに見合う下請労働者の賃金が確保されていかなければ、建設業が抱える構造的危機の打開にはつながりません。それを解決するのが県が指定する賃金水準を保障する公契約条例だと考えます。
 県はこれまで、公契約条例について「民間の賃金は労働者と使用者との間で自主的に決定されるべきもの」「解決すべき様々な課題がある」と条例制定に背を向けてきました。その最大の課題は、賃金水準をどこに設定するのかということです。県の特定業務の委託や公共工事の入札では、低入札価格調査制度が導入されています。いずれも労働者の賃金でみれば、失格要件として最低賃金を基準に置いていると伺いました。千葉の最低賃金は時給842円です。率直に伺います、県はこの最低賃金で生活を維持していけると考えているのか、お答えいただきたい。
 県の公共工事や委託業務に従事する労働者の賃金は、県内労働者の生計費をもとにし、その仕事で生活可能な賃金を保障する、ここを基準にすべきではありませんか。それを保障するのが公契約条例であり、条例制定に踏み出すべきです。あわせてお答えください。

 次に県庁職員の長時間労働の問題について伺います。いま、長時間過密労働の押し付けや不払い残業の横行など「ブラック」な働かせ方が大問題になっていますが、県庁職場も例外ではなく、長時間労働がこの間、常態化しており、異常な職場実態となっています。
 県の基準である、1ヵ月の残業時間の上限は45時間です。しかしその基準を超えて残業をした職員は、昨年度延べで483人もいました。過労死ラインと言われている1ヵ月の残業時間が80時間を超えた職員は82人にものぼります。1ヵ月最高の残業時間は228時間で、これは正規の勤務時間を含めれば、単純計算で土、日も含め、1か月休みなく毎日、13時間もの仕事をしていたことになります。さらに年間、最高で1004時間も残業した職員もいました。県の指針でも年間残業時間の上限は360時間であり、実にその2.8倍にものぼります。年間最高残業時間は一昨年が1250時間、その前年が1140時間と、県庁職場の長時間残業が常態化してきていることを示しています。その結果、職員から「毎年、心身の異常をきたす職員が出る職場は異常」だ、などの声もあがっています。
 そこで伺います。知事はこの現状をどう見ているのか、異常な職場実態だとは思わないのか。お答えください。
 さらに驚くのは年度末です。今年3月、土・日を含む休日は9日ありました。この9日間に休日出勤をした職員は延べ3386人。昨年3月が3636人と毎年、知事部局の半数にあたる職員が休日返上で仕事をしていたことになるのです。そうしなければ仕事をこなせない膨大な業務量がある、まさに凄まじい労働現場だと言わざるを得ません。この原因はどこにあると考えるのか。お答えいただきたい。
 県は「ノー残業デー」を設定し総労働時間の縮減に取り組んでいるとしていますが、「ノー残業デー」は適切に行われているのか、効果は発揮されているのか、お答えください。
 長時間労働の要因、その答えは職員自身が明らかにしています。2009年に続いて、昨年3月に行った「県職員仕事・子育て両立支援プランに関するアンケート」には職員の率直な声が示されています。年次休暇を取りやすくするには何が必要かとの問いに、前回も今回も7割の職員が「業務量に応じた適切な人事配置を行う」ことと答えています。残業を減らすにはどうするかでも、「適切な人事配置を」求めるという回答が7割を超えています。仕事量に見合うだけの人の配置がなされていない、これが職員の圧倒的な声となっている。この声をどう受け止めているのか、お答えください。
 この間、県は「定員適正化計画」の名のもとに徹底した職員減らしを強行してきました。1997年当時、1万0780人いた知事部局の職員は、昨年は6742人に激減。その結果、2014年時点で人口当たりの職員数は埼玉県に次いで、全国ワースト2と最も職員の少ない自治体の一つとなってしまっています。ここに異常な長時間残業が常態化している原因があるのではありませんか。これで県民の命や暮らしを守るという自治体の使命が果たせるのか。高まる行政需要、増大する業務量に見合う体制をとる、正規職員を思い切って増やすべきと思うがどうか。お答えいただきたい。
 長時間労働で見過ごすことができないのは、不払い残業、サービス残業是正を求める声が職員から上がっていることです。
 今年、職員組合が行った残業調査ではこんな声が寄せられています。「働いた分の申請が上司に却下され、時間調整」されている、また「残業時間を月末に提出し査定され少なく入力させられる」など、実際に残業をしていても、残業時間は調整され、査定され、結局、サービス残業を余儀なくされているというものです。あるいは「残業代を請求したくても予算がないので請求しても意味がない」とか、予算の「上限が設定されている」など、各部署の予算の範囲内で上限が設けられ、あとは「タダ働き」になっているというものです。実際に残業時間の調整、査定、上限設定などが行われているのか、明確な答弁を求めます。
 別の調査では、残業代を100%申請したのは、わずか18%程度、まったく申請していない職員もいました。残業代を申請すらできない、こんな違法状態に目を瞑っていていいのか。昨年11月、自治労連本部が公表している残業調査で、他県と比較してみると、「時間外勤務命令・支給は適切に行われていますか?」の設問に対し、千葉県で「行われている」と回答したのは、わずか22.1%で、埼玉県77.5%、大阪府86.9%と、全国的に比べても千葉県の異常さが際立っています。職員の声を受け止め、県自らが実態調査を行い、抜本的な見直しを行うべきではありませんか、お答えください。

 次に特別支援学校の過密化解消について伺います。特別支援学校の教室不足や施設の狭隘化は喫緊の課題だとして、2011年に策定された県立特別支援学校整備計画の最初の5か年が経過しました。県立高校の使用しなくなった校舎などを活用して、1712人に対応するとした整備計画のもと、来年度開校する栄特別支援学校や分校を含め、これまでに11校、1240人相当の整備を行ってきました。
 しかし、各学校の設立時・増築時に想定した児童生徒数と、現在の児童生徒数5510人との差、いわゆる過密分は、今なお1000人となっています。そのため、1323学級編成されているのに、普通教室は998しかなく、実に325もの教室不足となっており、過密化、狭隘化は依然として深刻な事態にあると言わざるを得ません。
 現計画は今後10年間を見通し、当面5か年の計画としたものです。そこで伺います。これからの5か年、教室不足や過密化解消を正面に据えた新たな計画が必要だと思うがどうか。計画策定はいつのなるのか。その概要はどんなものか。あわせてお答えください。
 この間、私は柏特別支援学校、市川特別支援学校を訪問し、お話を伺ってきました。いずれも教職員の皆さんの献身的な努力で学校運営が行われていますが、過密化、狭隘化はすでに限界だと強く実感しました。
 柏特別支援学校は設立時想定した児童生徒数は130人程度でしたが、現在は219人。教室不足は15となっています。
 さらに深刻だったのは市川特別支援学校です。設立当初、120人を想定していた児童生徒数は、いまも増え続け、現在243人とこれまでの最高となっています。現在、51学級に対し、プレハブ校舎も含め教室は31しかありません。音楽室は高等部の工芸室に転用され、音楽の授業は廊下の余裕スペースで行われ、できるだけ音を出さない授業となっています。図書室は高等部2クラスへ転用され、辛うじて廊下のわきに図書コーナーを設けていますが、そこは日常的に男子生徒の更衣室となっています。生活訓練室も転用され、複雑で狭い教室として使われ、生徒会やPTAの活動スペースも普通教室に転用され、いまやギリギリの状態となっていました。教育長はこの事態をご存知か、お答えください。
 それだけじゃありません。県教委は毎年、小学部、中学部の普通学級は1クラス6人、高等部で8人という学級編成基準を示しています。しかし教室の合同使用、転用ではもう対応しきれず、高等部で10人のクラス、小中学部でも7人、8人の学級編成せざるを得なくなっていると伺いました。
 これで障害を持つ児童生徒に対応した支援教育ができるのか。これで教育課程を組み立てる環境が整っているといえるのか。県が責任を持つべき教育条件整備の遅れは明らかだと思うが、教育長の認識はどうか。お答えください。
 柏特別支援学校には流山市内から94人の児童生徒が通学しており、市川特別支援学校では67人が浦安市内からの通学となっています。流山市は今後も児童生徒の増加が見込まれる地域です。学校を小規模化、地域密着型にしていくためにも、それぞれ新設校での対応が必要な規模だと思うが、教育長の認識はどうか。都市部における今後の整備は、新設校の設置を含めた計画が必要と思うが、あわせてお答えいただきたい。
 特別支援学校には設置基準、施設の最低基準の定めがありません、これが過密化をより深刻にしてきた最大の要因です。これまで県教委は障害の状態に応じ、必要となる施設や設備が様々であり一律の基準を設けるのは困難としてきました。しかし、どんなに過密になってもそれに歯止めをかけるルールすらない、これは教育条件の整備という教育行政の最大の仕事を放棄するに等しい重大な問題です。知的障害特別支援学校の児童生徒が9割以上を占めるいま、障害種別、学校別に特別支援教育の目的に沿った、県独自の学校設置基準、施設整備の最低基準を設け、教育条件整備の具体的な仕組みをつくるべきではありませんか。お答えください。

 最後に、保育士の処遇改善について伺います。希望しても認可保育園に入れない子どもが続出し「保育園落ちたの私だ」という怒りの声が全国に広がりました。県内では4月1日時点、国基準の「待機児童」1460人、認可保育所に入れなかった子どものうち、国の基準や自治体の裁量で待機児童から除外される、いわゆる「潜在的待機児童」が2631人、あわせて4091人で昨年より303人増え、依然として保育問題は深刻な課題となっています。
 この根底には「認可保育所が決定的に足りないこと」と「保育士不足」という問題が横たわっています。とりわけ保育士不足は、全産業平均よりも月10万円も低いという低賃金など、劣悪な労働条件が、その最大の要因となっています。
 昨年、子ども・子育て支援新制度実施目前に、政府は私立保育園の保育士等の処遇改善等加算措置を打ち出しました。昨年3月の国の通知によれば、3%相当を保育士等の賃金改善に充てるというものです。
 まず、県の基本認識について伺います。県内の保育問題の現状をどうとらえているのか、国が打ち出した保育士等への処遇改善等加算の目的について、お答えいただきたい。
 7月に野田市の保育園に勤務する保育士の方から相談が寄せられました。「昨年度から実施されているはずの処遇改善加算が支給されていない」というものでした。そこで昨年度、この保育園が県に提出した処遇改善加算の関係書類を見てみると明らかに不可解な点がありました。賃金改善計画書の内容は賃金改善見込総額280万円とし、これを賞与・一時金として職員11名に賃金改善分として上乗せし、昨年度中に支給するというものでした。
 そしてこの内容を「すべての職員に対し周知をしたうえで、(この計画書を)提出していることを証明します」として、理事長の署名、押印がされています。これは、職員への計画内容の事前周知が前提とされている、昨年3月の国の通知を担保した一文です。しかしおかしいではありませんか。保育士の方は「いままで何の話も聞いていないし、いっさい説明も受けていない」といっています。明らかに公文書に事実を偽った内容が記載されていたということではありませんか、明確な答弁を求ます。
 さらに私は、保育士の方の月々の給与明細、2年分を確認させていただきました。驚くことに処遇改善分が加算されるべき昨年度、何の説明もなく、一方的に基本給が前年よりも12%もダウンし、新たな手当てが2つ設定され、給与額はほぼ前年と同水準となっていました。この手当が処遇改善加算分だとしたら、賃金改善計画書の一時金で支給するというのはいったい何だったのか。国の通知では「処遇改善を行う項目以外の給与水準を低下させてはならない」としています。明らかにこの通知からの逸脱ではありませんか。お答えいただきたい。
 処遇改善等加算の財源は、国、県、市がそれぞれ3分の1を負担する、原資は文字通り税金です。公金がこんな杜撰な扱い方をされているとしたら大問題ではありませんか。県はどのような指導、監督を行ってきたのか、県の責任は重大だと思うがどうか。窓口になっている自治体任せにせずに、県として保育士の処遇改善のための税金が、賃金にどう上乗せされているのか実態調査をすべきです。お答えください。
 県も今議会、保育士資格取得を目指す学生への奨学金の創設など、保育士確保対策を打ち出しました。県内でも船橋市や市川市などでは独自の処遇改善を行っています。保育士確保へ向け、市町村を支援する県独自の保育士処遇改善策を打ち出すべきではありませんか、答弁を求め、1回目の質問をおわります。