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  【2016年9月県議会】日本共産党 丸山慎一県議代表質問 2016/09/29)

 日本共産党を代表して質問を行います。
 まず初めに、知事の政治姿勢について伺います。
 7月の参議院選挙から3カ月がたとうとしていますが、選挙が終わった途端に、安倍首相の口から次々と語られる本音は、憲法、経済、沖縄など、どれも重大なものばかりです。
 そのなかでまず、憲法改定について伺います。安倍首相は、参議院選挙では憲法改定について一切語らず、徹底した「改憲隠し」で選挙をやりすごしました。ところが、投票日の翌日、「いかにわが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか。これが政治の技術」とまで公言し、今月26日の国会での所信表明では、「改定原案を提示するのは国会議員の責任」だと初めて発議にまで踏み込み、改憲に突き進んでいます。選挙中は隠し通し、終わったとたんに突っ走る。こんなだまし討ちのようなやり方は、民主主義に真っ向から反すると思いますが、見解を伺います。
 知事は、選挙直後の記者会見で「憲法を議論する場を持つと安倍首相も言っているので、しっかりとした議論をお願いしたい」と発言しています。しかし安倍首相のいう議論とは、改憲を前提に、自民党案をたたき台にした議論です。投票日の出口調査では「安倍政権のもとでの憲法改定に反対」が51%と過半数を占め、主権者である国民の多数が、その危険性を感じ取っています。いま、議論を促すということは、こうした国民の思いに背を向け、自民党案にそった改憲を後押しすることになると思いますが、知事の認識をお聞かせ下さい。
 安保法制=戦争法にもとづいて南ス−ダンに派遣する自衛隊PKO部隊は、いま「駆けつけ警護」「宿営地の共同防護」などの訓練を行なっています。しかし南スーダンの首都・ジュバでは、この7月、大統領派と副大統領派の激しい戦闘が勃発し、300人以上の死者が出ました。自衛隊の宿営地では複数の弾痕が確認されています。こうしたときに自衛隊が武力で臨めば、「殺し、殺される」戦後初めての深刻な事態となるのは明らかです。知事は、南スーダンへの派遣は「世界の平和と安定に資する」と言いましたが、武力行使は事態の泥沼化を招くだけであることを、世界の歴史は教えています。憲法9条が武力行使を禁じているのも、武力をふるえば犠牲者が増え、憎しみが広がるだけで、むしろ紛争の解決を遠ざけるものとなるからだと私は思います。では知事は、なぜ憲法が武力行使を禁じているとお考えでしょうか。お答えください。
 安保法制と連動するかのように、来年1月から木更津基地で沖縄米海兵隊のオスプレイ24機の定期整備が始まります。今後導入される陸上自衛隊のオスプレイ17機も木更津基地で行う計画です。しかし、オスプレイはこれまでに何回も事故を起こしている危険な軍用機であり、県民の間に不安が広がるのは当然です。
 こちらの表をご覧ください。
 この表は、これまでの主なオスプレイの事故を一覧にしたものですが、この表に載っているものだけでも、これまでに10回も事故が起こり、合わせて38人もの若者が亡くなっています。しかも、表を見ればわかるように、事故が収まる気配もありません。
 こうした危険なオスプレイについて、知事も、県民の不安の声を受けて、国に「徹底した安全対策」や「騒音などが地域に影響を及ぼさないこと」、「地元への丁寧な説明」の3点を求めています。問題は、そのどれもが未解決のままだということです。
 昨年5月にハワイで起きた墜落事故について米軍は、エンジンが砂埃を吸い込んだため出力が低下したことを要因の一つとしていますが、いまだに改善されていません。騒音対策でも、ヘリコプターとの比較を載せた防衛省の資料では、騒音が最も高いと言われているヘリモードの数字は隠されたままです。木更津市が求めている飛行ルートや時間などに関する協定も結ばれていません。知事が提出した要望に何一つ応えていない現状で、オスプレイを受け入れるとしたら、絶対に県民の納得は得られないと思いますが、知事の認識をお聞かせください。
 政治姿勢の最後に八ッ場ダムについて伺います。8月12日、国が事業費を720億円増額すると発表し、千葉県全体の負担も63億円増やそうとしています。これがすべて税金と水道料金を通じた県民負担となるにもかかわらず、知事は今議会に同意議案を提出しました。県民の意見も聞かず、こんな拙速なやり方は許されません。事態を知らせ、県民的議論を進めるべきだと考えますが、お答え下さい。
 今回の負担増にあたって疑わしいのは、もうこれ以上、負担が増えることはないのかということです。現地の川原湯地区では背後の山からの堆積物が広く分布し、過去に何度も土石流が襲っています。今後ダムに水を入れれば地下水位の変動で地滑りの危険性が高まり、さらなる対策が必要になると指摘されています。知事はこうした指摘についてどうお考えでしょうか。また、さらなる事業費の増額や工期の変更はないと断言できるのか、お答え下さい。
 そもそも八ッ場ダムの計画が作られたのは60年も前で、状況は大きく変わっています。人口は減少に転じ、節水型の家電製品の普及などで水道使用量そのものも減り続けています。洪水対策でも、ダムは上流に降った雨にしか効果がなく、下流域で洪水を受け止める対策が注目されてきています。八ッ場ダムは必要性そのものが無くなっており、負担増など絶対に許されるものではありません。県として撤退を含めた抜本的な検討をすべきだと思いますが、知事の認識を求めます。

 次に県内経済について伺います。
 8月の千葉県月例経済報告では「県内の経済情勢は、このところ弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が続いている」としています。さかのぼってみると、2013年7月から一貫して「回復」という言葉が使われており、今年8月で、38カ月間、千葉県経済は「回復」し続けているというのが県の認識です。しかしこの評価は、県内経済の実態や県民の実感とあまりにもかけ離れているのではないでしょうか、お答えください。
 県は、「回復」の根拠として「雇用情勢が堅調に推移している」としていますが、これも表面しか見ていないものと言わざるを得ません。今年7月の有効求人倍率は1・19倍で、たしかに企業の求人数が職を探している求職者数を上回っています。しかし正社員の有効求人倍率をみると0・69で3人に対して2人分の仕事しかありません。パートタイムでも有効求人倍率は1・08と1倍を超えているのに就職率は38%で、3人に1人しか職につけていません。これでどうして、雇用情勢が堅調などと言えるのか、お答えいただきたい。
 県の認識が、経済の実態や住民の生活実感からかけ離れたら、有効な経済対策を打てるはずがありません。これまでも県は、経済活性化を理由に巨大開発を進めてきましたが、「工業団地を造成すれば工場が来てくれる」「高速道路を造れば使ってくれる」――こういう呼び込み型のようなやり方は、想定通りいかない“かけ”のようなものです。
 かずさアカデミアパークは、基盤整備に500億円、アクセス道路や調節池の代替である矢那川ダムなどを入れると1000億円を超える初期投資が行われ、運営費も昨年度までで1250億円におよんでいますが、文字通りの大破綻となりました。
 幕張メッセは周知のように、毎年毎年、税金で赤字の穴埋めを行っています。県内経済への波及効果は981億円といいますが、イベントや集客などによって投下された発生需要額957億円にたいして波及効果は1・02倍にしかなっていません。しかも、幕張新都心全体では依然として広大な造成地が売れ残り、旧企業庁の収支でみると685億円もの赤字となっています。
 金(カネ)で企業を呼び込もうという企業立地補助金でも、50億円もの補助金を約束したIPSアルファテクノロジは、結局、正社員は1人も雇わず、業績不振で転売され、わずか5年で休止という事態となりました。
 工業団地は高速道路ができて売れ行きが良くなったと言いますが、外環道、圏央道、北千葉道路の3路線の建設費への県負担分は、これまでに3200億円という途方もない額となっており、今後ますます膨らんでいくことになります。
 過大な見込みを描き出し、莫大な税金を投入し、失敗すれば穴埋めにまた税金が投入される。こうした呼び込み型のやり方は根本から転換すべきだと考えますが、知事の認識をお聞かせください。
 こうした呼び込み型に変わっていま求められているのは、県内産業を育成し、県内での経済循環を活性化させることであり、そのための受け皿となる県内の消費を温めることです。その一つが介護や子育てなどの社会保障の充実です。これは将来に安心感を与え、消費の活性化につながります。これに関連して千葉県の産業連関表という統計を使って、経済波及効果を測定しました。
 こちらのグラフをご覧ください。
 初期投資が100億円の場合、「公共事業」と「介護」の波及効果をグラフにしたものですが、波及効果の総額は「公共事業」の方が大きいものの、雇用者所得誘発額を見ると、「公共事業」が51億円で、「介護」は75億円となっています。雇用誘発効果でも、「公共事業」が1468人で、「介護」は2397人となっており、1・6倍です。
 どちらが、消費を温めるためにより効果的なのかは明らかです。経済活性化のためにも社会保障に思い切って力を入れるべきだと考えますが、どうでしょうか。
 消費が落ち込んでいる最大の要因は、雇用者報酬が伸びていないことです。県の統計でも、非正規雇用がこの10年間で3割も増え全体の39%を占めています。とりわけ女性では61%が非正規雇用を余儀なくされています。労働関係法制の緩和と企業のリストラで、正規雇用から、賃金の少ない非正規雇用への切り替えが進んでいる現状は、労働者一人一人の生活を圧迫しているだけでなく、消費を冷え込ませている最大の要因となっています。
 これを改善していくために、若者の就職を支援するジョブカフェを拡充強化していくことが欠かせません。ところが、この間、ジョブカフェの利用者は半減しており、就職先も半分程度が非正規雇用で、その役割を十分果たしているとは言えません。体制を強化し、企業開拓にも力を入れて正規での就職を確保すべきだと思いますが、認識をお聞かせください。
 もう一つ、県として独自に実施できる具体的な対策の一つが公契約条例の制定です。公共事業の現場で働いている労働者の賃金をきちんと確保するためにも条例の制定は一刻の猶予もならない課題となっています。
 こちらのグラフをご覧ください。
 これは、建設現場の労働者がこの間、極端に減り続けていることを示すグラフです。もっとも多かったのは1997年で、全国に685万人いました。それが2015年には500万人へと減っています。ピーク時と比べると73%に激減していることになります。
 年齢構成も55歳以上が約3割を占め、29歳以下は1割しかいません。震災からの復興もなかなか進まず、ますます建設労働者が必要とされている状況に加えて、東京オリンピック・パラリンピックに関連した需要も予想されるなか、このままでは深刻な事態になりかねません。建設労働者のこうした現状についてどう認識しているのか、お答えください。
 打開のためには技能にふさわしい処遇が必要であり、賃金の引き上げが急務となっています。国では設計労務単価の引き上げを毎年実施し、4年前と比べて、34・7%の増額となりました。当然、千葉県が発注している工事も、引き上げに合わせた金額が設定されています。問題は、現場でそのとおりに支払われていないことです。千葉土建一般労働組合では、系統的に賃金調査を行っていますが、県内のある公共工事の現場では、型枠工の平均賃金が日給で1万5000円でした。設計労務単価は2万2600円ですから3割以上カットされています。大工は38%カット、鉄筋工に至っては、2万5200円の設計労務単価に対して1万4000円で半分程度しかもらえていません。現場調査でも去年と比べて賃金が「上がった」という回答は69人中、わずか6人で、大多数は「変わらない」と答え、中には「下がった」という人もいました。設計労務単価が上がっているのに賃金は上がらない、これが実態です。現場のこうした状況を県は知っているのか、お答えください。これを是正するためにも、県自ら発注した工事について実際の賃金額を調査すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一つ、大きな問題になっているのが社会保険料などの法定福利費です。いま国をあげて社会保険への加入強化が進められていますが、これ自体は当然のことで、若い建設労働者を確保するためにも安心感の持てる現場にする必要があります。ところが千葉県では建設労働者の加入率は45%で、都道府県で下から2番目です。最大の要因は、法定福利費分が下請け業者に支払われていないことにあります。千葉土建の調査でも、法定福利費分がもらえていないという事業主が85%に達しています。国では来年3月までにすべての企業の保険加入を目標にしていますが、県は、そのためにどういう手立てを取ろうとしているのか、伺います。またこうした問題を解決するためにも、県の積算通りに現場での人件費の支払いを求める公契約条例の制定は急務です。ぜひ、実施すべきだと思いますが、お答えください。

 次に地震対策について質問します。
 東日本大震災や熊本地震での被害は極めて深刻ですが、千葉県でも必ず起きることを前提に対策を進める必要があります。県は、今年3月に新たな被害想定を公表し、千葉県地域防災計画に反映させるとしています。ここで大事なのは、計画を「絵に描いた餅」に終わらせてはならないということです。
 まず、住宅の耐震化についてですが、県の推計では住宅の耐震化率は約84%で、39万戸が残されています。これを進めるために、県内48市町では耐震改修の補助制度をつくり、県もその一部を補助していますが、今年度の県予算は、3500万円しかありません。1戸あたりの補助額でも、100万円の工事の場合、千葉県は5万7千円ですが、愛媛県では22万5千円です。しかも千葉県では住民が支払ってから補助を受けますが、愛媛では「代理受領制度」を導入して、住民が立て替えなくても済むようにしました。千葉県も補助額の引き上げや「代理受領制度」などで住宅の耐震化を促進するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 千葉県では、曲がりなりにも戸建て住宅には耐震改修補助があるのに、マンションにはありません。住宅に違いはないのに、これでは不公平であり住民は納得できません。国ではマンションにも耐震改修の補助制度がありますが、自治体に補助制度がないと使えません。戸建てとマンションの区別なく、県として耐震改修への助成を決断すべきです。答弁を求めます。
 とりわけマンションへの補助が重要になるのは緊急輸送道路の沿道です。大震災が起きたときに、避難や物資の輸送で重要な役割を果たす幹線道路などが指定されていますが、その沿道にあるマンションにも補助制度はありません。これではマンションに住んでいる住民の命だけではなく、救助活動など地域全体に重大な支障をきたすことになります。緊急輸送道路の沿道にあるマンションの耐震補強は公共性の高い施策であり、早急に補助制度を創設すべきだと考えますが、認識をお聞かせください。
 実際に地震が起きたときに欠かせないのが避難所です。なかでも高齢者や障害者、妊婦などを対象にした福祉避難所の設置は重要な課題として指摘されてきました。4月に起きた熊本地震でも、461カ所指定されていた福祉避難所のうち、6月時点で受け入れ可能だったのは115カ所で4分の1にとどまりました。しかし千葉県では受け入れ以前に、その指定さえ大きく遅れています。国では小学校区に1カ所が望ましいとしていますが、県内では1カ所もないところが4市町、小学校区の数の半分以下が16市町もあります。県はこの現状をどう受け止めているのでしょうか。お聞かせください。市町村とも協力して必要数の確保に万全をつくし、地震の際に活用できる体制を一刻も早く作り上げるよう求めるものです。
 千葉県では、市町村の消防力も基準通り整備されていません。県の被害想定では、死者約2100人の6割に当たる1400人が火災によるものだというのに、昨年度の充足率は、消防ポンプ車95・8%、救急自動車91・8%、消防職員82・0%で、いずれも前回調査より後退しています。市町村に任せるのではなく、県として積極的な支援をすべきだと思いますが、答弁を求めます。
 災害発生時に備えて備蓄品の確保も欠かせない課題です。ところが県が医薬品や衛生材料、応急医療資機材などを備蓄している海匝と安房の健康福祉センターや八日市場の保健センターは耐震強度が不足したままで、改修計画も定まっていません。また、山武や君津など5カ所の合同庁舎は災害時に応急活動の拠点となりますが、ここでも必要な耐震改修が未定となっています。県が改修をやらずに放置した結果、万一の事態に、確保した備蓄品が役に立たないとか、災害時の活動拠点が壊れて使えないのでは話になりません。期限を切って耐震化を進めるべきです。お答え下さい。
 地震対策の最後に、重層的な自治体間の支援について伺います。東日本大震災では、岩手県の遠野市が行った被災市町村への支援や名古屋市による陸前高田への長期的支援などが注目されました。大震災では、復旧・復興にむけ、低下している行政機能を回復させ、避難所の運営や罹災証明の発行、仮設住宅の設置など、山ほどある行政事務を執行するための中長期的な支援が不可欠です。県としても、災害を受けた際の自治体の「受援力」、支援する側の「支援力」を高め、重層的な自治体間の支援体制の構築に努める必要があると思いますが、認識を伺います。