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 2002年6月定例千葉県議会 日本共産党加藤英雄議員の代表質問

加藤英雄議員(柏市選出)
2002年6月28日
代表質問にたつ 加藤英雄議員

知事の政治姿勢について

 日本共産党を代表して質問いたします。最初に知事の政治姿勢の問題として、いわゆる有事三法案について質問します。
 いま全国津々浦々で「有事立法を許すな」の声がわきおこり、マスコミの各種世論調査でも、法案に反対だとする回答が過半数をしめ、なお日を追って増えつつあります。「万一、日本が攻められた場合のために、法律を整備しておくのは当然ではないか」、最初はこのように考えた人たちの間でも、国会審議がすすみ、法案の重大な中味が次々と明らかになるにつれ、「幾ら何でも、これはひどすぎるのではないか」との危惧の念が急速に高まっている、これが現状ではないでしょうか。
 第一にこの法案は、戦後初めて、日本の自衛隊が海外で公然たる武力行使に乗り出す、そのレールを敷くものです。日本の本土が攻撃された場合のことではありません。アメリカがアジア各地で引き起こす介入戦争に、自衛隊が一諸に出かけていって、そこで米軍と一緒になって武力行使する、しかも相手から攻撃された場合だけではなく、攻撃される恐れがある、あるいは予測されると判断しさえすれば、自分の方から先制攻撃を仕掛けることも可能だという、恐るべき内容となっているのであります。これがどうして「戦争放棄」を定めた憲法の基本理念と両立するでしょうか。
 第二にこの法案は、このような形で引き起こされる無謀な戦争に、国民を罰則つきで強制動員するものです。戦争への協力がイヤだと断れば、それが犯罪とされ、罰則を与えられる。こんなことが、憲法の基本的人権の規定に反することは言うまでもありません。
 そこで質問の第一は、いま申し上げた二つの大きな問題点について、知事はこれを憲法の理念に照らして「重大な疑義あり」と考えられるのかどうか、見解を伺います。
 次は地方自治にかかわる問題です。自衛隊がいよいよ海外での戦争に踏み出した場合、その自衛隊が必要とする食料、その他の物資の確保、港湾や病院など各種施設の提供、医師や看護婦など医療従事者や土木作業などの要員の確保・提供などは、知事に対する国からの指示として強制的に割り当てられ、知事がこれに従わなければ国が頭ごしに代執行してもかまわない。これは明らかに地方自治のじゅうりんであり、地方分権とはまったく逆行するものだと考えますが、知事の認識はどうか、伺います。
 質問の第三は成田空港についてです。この法案でいけば成田空港はいわゆる「指定公共機関」として、いやおうなしに戦争に組み込まれてしまいましょう。しかし成田空港については、そもそも最初から、軍事利用しないことが国、県、公団による住民への厳粛な約束事として文書で協定されており、沼田前知事もこの議場で、絶対に軍事利用させないと答弁しています。あらためて堂本知事からも約束していただきたいと思います。
 以上指摘したことだけをみても、この法案は、日本という国の形を根本から変えるものと言わざるをえません。そのような重大な法案が、このわずかな短い審議で成立を強行するようなことが、許されてよいわけがありません。全国の自治体や地方議会から、「拙速審議による強行やめよ」「法案は撤回せよ」の声があがっていることは、知事もご存知と思います。この国会で強行するようなことが絶対にあってはならない、その旨の見解をぜひ表明していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 いま小泉内閣の官房長官が、日本の国是である「非核3原則」を将来は見直すことも有り得るかのような発言をして、大問題になっています。憲法の「戦争放棄」と「基本的人権の尊重」は、いうまでもなく永遠に侵してはならない厳粛な国是であります。次々と国是を踏みにじって恥じない、小泉内閣の退陣を、わが党はつよく要求するものであります。
 政治姿勢の二点目は、金権腐敗の問題です。鈴木宗男議員の逮捕で、自民党の政治家と金との黒い結び付きの一端が、また一つ明るみにだされました、この間、逮捕され、あるいは自ら辞職した国会議員のほとんどが、政権党である自民党に所属し、しかも党幹事長、官房副長官、参院議長など、党と内閣および国会の中枢にいた人たちだというのですから、国民の政治不信がつのるのは当然です。とりわけ千葉県にとっては、議員辞職した井上裕前参院議長の選挙区であり、しかも千葉県内の公共事業が汚職の舞台となり、千葉県市長会の会長までが逮捕されたという、きわめて由々しい問題であります。
 井上前議員は、自民党県連会長を長くつとめ、参院議長就任後は顧問をつとめた、文字通り千葉県自民党の最高幹部の一人であります、その井上氏が議員辞職後はマスコミから“雲がくれ”と書かれるような行動をとり続け、自らすすんで事件の真相を語ろうとせず、自民党もまた、政党としての自浄能力を欠いた態度に終始しています。これでいいんだろうか、そういう自民党が、井上氏辞任のアナをうめる参院の補欠選挙に候補者をたてる資格があるのだろうか、との疑問の声がでるのも当然ではないでしょうか。
 そこで質問ですが、相次ぐ金権腐敗事件が国民の強い政治不信を招いていることについて、知事はどのような認識をもっておられるか、また、政治腐敗の温床である企業・団体献金の禁止がいよいよ急務であると考えますが、知事の見解を伺います。

「行革」財政運営について

 つぎに行政改革と財政運営のあり方について質問いたします。このほど県は、深刻な財政危機への対策として「財政再建団体転落回避プログラム」の第一次素案を発表いたしました。その内容を一言でいえば、仮に赤字が増えて財政再建団体に転落したら、県が独自にすすめている事業は、乳幼児医療費助成も私学助成もすべてダメ、道路整備も河川も下水道もできなくなってしまう、だからそうならないために、ありとあらゆる手段で歳出をカットし、歳入増をはかる、県民はその痛みに耐えよ、というものであります。
 これではたして財政再建ができるのか、率直に指摘せざるをえません。たとえば歳入の問題です。計画では、不況による税収の落ち込みが財政悪化の最大の要因だとしながら、税収増をはかる手だてとして、法人事業税への外形標準課税の導入を国に強く求めるとしています。わが党は、赤字の中小企業からも容赦なく税を取り立てる外形標準課税には反対であります。この立場から、中小企業の負担増ではなく、大きな利益をあげている大企業への超過課税こそ急ぐべきだと主張してきました。県も超過課税が検討対象の一つであることを否定せず、実施すれば年間70億円の増収になるとの試算まで示してきました。しかもこれは、国だのみではなく、県が決断すれば今すぐ実施できるものです。なのにどうして計画に入れないのか、これでは財政再建の熱意が疑われるではありませんか。知事の真意を伺います。
 いま一つ、そして最大の問題は、この計画が、公共事業の見直しという一番の中心課題を避けていることであります。巨大公共事業への巨額の投入が、どれほど重い足かせとなって県財政をゆがめてきたか。この十年余の間だけでも、東京外環道路には1千億円余、かずさアカデミアパークには維持管理を含めて1300億円、常磐新線と沿線開発には1千億円、等々がつぎこまれました。年間 800億円近い農業予算の6割が公共事業に消えていく問題点も、わが党は指摘してまいりました。
 ところがどうでしょう。この計画のどこを見ても、巨大開発が財政悪化の重要な要因であるとの認識は見当たりません。それどころか来年度政府予算の編成に向けた千葉県の重点要望の中には、大赤字のアクアラインの二の舞いとなる東京湾口道路の建設を早く具体化してほしいという要求が、この期に及んでなお堂々と掲げられているであります。こんな姿勢をいつまでも続けていていいのでしょうか。巨大公共事業の見直し抜きに財政再建はすすまない、これこそ、県が過去何度も繰り返してきた、財政再建への取り組みの失敗からくみ取るべき、一番の教訓だったはずではありませんか。今度こそ思い切ってメスを入れるべきです。お答えください。
 私は、県がこの大もとを放置したまま、もっぱら県民向けの暮らしの予算や市町村への補助金などをドンドン削るようなやり方がすすめば、知事が『県民の皆様へ』のリーフレットで掲げた「県民一人一人が生き生きとする暮らしの創造」は、ほど遠いものとならざるをえないことを、つよく警告するものであります。
 次に公共事業を見直す場合に、こういう分野にこそ力を入れるべきだという一例として、生活道路の整備と県営住宅の充実について伺います。
 その一つは、県の道路予算についてです。東京外環道路や圏央道などの高規格幹線道路の事業費は、昨年度 473億円計上されており、ここ数年ほぼ横バイです。しかし一方、生活道路の修繕や交通安全対策事業などに使われている道路維持課の事業費は、この4年間で360億円から 250億円に3割も削減され、逆に住民からの苦情は年間約6000件と急増しています。しかも、昨年、交通安全条例を制定し「県は交通安全の施策推進のために、必要な財政上の措置を講ずる」としていながら、今年度の予算でも、さらに30億円も減額しているではありませんか。
 「転んで手首を骨折した」「段差に自転車のタイヤがとられ転倒した」…こうした大変な事故にもつながりかねない県民からの苦情が、いま増え続けています。また、工事を担当している土木事務所も「要望を本課にあげているが事業費がつかない」と予算が減らされていることに苦慮しています。「行革」「財政難」を理由に、県民の命や安全が脅かされるようなことがあってはなりません。
 事故が発生すれば、道路管理者としての県の責任をも問われかねないような、いまの県道の現状を、知事はどう認識されていますか。生活道路の維持補修や交通安全対策事業を優先し、財政措置を講ずべきではありませんか、お答えください。
 いま一つは、放置できない事態となっているのが県営住宅の維持管理についてです。管理戸数は増えているにもかかわらず、今年度の維持修繕費は15億円。この5年間で4割、10億円も削減されています。
 先の2月県議会でも、私どもは「外壁はカビで黒くなり、玄関ドアも壊れたまま。これでは入居者の人権すら守れない」と厳しく指摘しました。外壁塗装は20年、屋根の防水工事は15年ごとに実施すると修繕計画に定めていながら、この計画が5年も8年も遅れています。このままでは、修繕計画に追いつくどころか、さらに遠のくばかりではありませんか。これでは県民の大切な共有財産を守ることはできませんし、街づくりのうえからも、これ以上放置することは許されません。最低、自らの計画に基づいた修繕計画が実施できるよう予算措置すべきであります。お答えいただきたい。
 巨大開発はキッパリと凍結・見直しをはかる、そのことを中心に、公共事業は全体の規模を大きく圧縮しつつ、その中味を生活密着型に転換して、中小企業の仕事につなげる、このことが国全体でも、千葉県としても財政改革の急務であることを、重ねて指摘するものです。

常磐新線と沿線開発について

 つぎにつくばエクスプレス、いわゆる常磐新線と沿線巨大開発について伺います。
 まず、つくばエクスプレスについてであります。
 昨年も、運賃や電車の運行予測などの公開を求めましたが、この新線が本当に住民の願いに応えるものなのか、いまだに肝心なことは何一つ明らかにされていません。
 「日本一高い運賃になるのではないか」「はたして快速はとまるのだろうか」など、市民の間では、いま、様々な憶測を呼び、疑念が広がっています。たとえば第三セクターである東葉高速鉄道の運賃は、西船橋〜東葉勝田台間、16.2qでは 610円にもなっています。これを柏中央から秋葉原までにあてはめると、単純計算で1140円にもなってしまいます。現行のJRの柏〜秋葉原間の料金が 540円ですから、倍以上の金額になります。こんなにも高い運賃だったとしたら、はたしてこれで住民が歓迎するような鉄道になりえるでしょうか。「快適快走」「進化する鉄道」など、バラ色に宣伝する前に、いま必要なのは住民の一番の関心事である、運賃や運行本数、所要時間など、すべてを明らかにすることであります。お答えいただきたい。
 5月24日、柏市議会の常磐新線特別委員会と新都市鉄道竃員との懇談が行われました。その席上、会社側から「車両費の 300億円を含め、開業準備資金約 500億円が現在の財スキームにはカウントされてなく」「資金不足をどうするのかという問題は自治体に改めてお願いしなければならない」旨の話が持ち出され、自治体に新たな負担を求めなければ鉄道開業はおぼつかないとの見解が示されました。そもそも開業時の資金不足などという問題は、計画当初から知りえていたことではありませんか。8ヵ月前、資金運用の失敗でマイカル社債 110億円もの焦げ付きを出し、会社のずさんな経営実態が明らかになりました。そして今度は開業間際になって、手のひらを返したように、自治体負担を求めてくる、こんないいかげんで無責任なやり方が許されるのでしょうか。
 これ以上の財政負担はすべきではないと思いますが、どうか。このままいけば、開業後も営業収支の悪化に伴ってズルズルと県費投入という事態にもなりかねないではありませんか。お答えください。
 また、いま突貫的に進められている鉄道建設でも、重大な問題が発生しています。流山・駒木地区では、玄関を開けると1 m40p先に鉄道の橋脚がそびえ立つ、鉄道直下での生活を余儀なくされるという、たえがたい苦痛が強要される事態が放置されたまま、鉄道建設工事は着々と進行しています。
 この駒木地区の住民の方は、これまでも県や市に、繰り返し救済を求めてきました。知事も昨年7月、柏市大室地域での懇談会の席上で、この方から直接実情を訴えられ、「これからも話し合いが必要だ」と応えられています。さらに11月にも知事宛に救済を求める要望書が提出されていますが、いまだに何の救済措置もとられていません。
 常磐新線のルートは、住民には何の相談もなく、国や県、関係市が図面をひいて、都市計画決定したものであります。ですから鉄道建設にあたっては、沿線近隣住民の納得と同意をえることが大前提になるのではありませんか。
 ただちに知事の責任で、住民の叫びに耳を傾け、移転補償などの具体的な交渉・話し合いを行うべきであります。お答えください。
 つぎに、沿線巨大開発、区画整理事業について伺います。
 私どもの、新線沿線の巨大開発の再三にわたる見直しの求めに対し、県は「新線開通後は利便性の高い地域となり宅地需要も高まってくる」との一点張りで、事業を検証することもなく、まっしぐらに突き進んでいます。
 今年2月、茨城県の公共事業再評価委員会は、「宅鉄法」にもとづく新線沿線の伊奈・谷和原地区・ 275f・事業費 781億円の区画整理事業について「住宅の供給過剰に配慮し、一挙に整備することなく、慎重に段階的に整備をする」との意見をまとめております。これを受けて茨城県は、とりあえず駅前の整備を優先し、その後検討を加えるとしています。
 県が発表した「スプリングレビュー」の中でも「社会状況の変化にもかかわらず、漫然として従来のまま対応していないか」「現行制度を継続することにより、将来、大きな負担を伴わないか」などの視点で、聖域なく、すべての事業を見直すとしています。
 いま、知事に一番求められているのは、社会経済情勢の変化も見据え、たとえ国家的プロジェクトであっても、あらためて見直しを行うという英断を下すことではありませんか。住民の立場に立って、この事業の検証を行うべきであります。お答えいただきたい。
 柏市の大室・小青田地域では、農家の方々が中心になり、10年来、開発反対を訴え、農業存続への強い意欲を示し、区画整理からの除外を求め続けています。
 柏市の北部地域は肥沃な土地に恵まれ、県内でも有数の都市近郊農業地域として発展し、首都圏への良質な農産物の供給地としての重要な役割をはたしています。
 柏中央・東地区あわせて、現況の農地は 106fとなっていますが、都市計画決定後の生産緑地の申請は、あわせて30fであり、現況の3分の1にまで激減しています。しかしこの生産緑地を申請した農地もそのまま農業を続けられるわけではありません。区画整理によって平均4割の土地のタダ取りが強行され、さらに換地によって、移転しなければ営農できない農家も出てきます。これではたして農業が続けられるでしょうか、これまでの生産を維持することができるでしょうか。
 柏北部東地区は、駅前の「ファーマーズマーケット」の設置など、農業をテーマにした街づくりを掲げていながら、肝心の生産拠点である農地を、どう確保しようとしているのか。区画整理区域からの除外を認め、営農を保障すべきではありませんか。あわせてお答えください。

地域経済・金融問題について

 つぎに地域経済・金融問題について質問いたします。
 船橋信用金庫が破綻に追いやられ、6月17日、東京東信用金庫に正式に事業の受け渡しが行われました。この事業譲渡に際し、先の議会でわが党が指摘したような、地元の中小企業と地域経済を脅かすような重大な問題がでてきています。
 19,000人による15億円もの出資金はまったく返済されず、4店舗を閉鎖し、従業員の雇用も希望者の8割、126名しか採用されません。しかも労働組合の三役4名はすべて排除され、50歳以上のパート職員は一人も再雇用しないという非道な事態となっています。
 さらに事業譲渡による貸出先の振り分けでは、871件、634億円が、受け皿金融機関には引き継がれず、不良債権として整理回収機構…RCC送りにされました。RCCに送られれば、新規の融資の道が閉ざされるだけではなく、これまでの借金を原則5年以内に返済することが求められ、一度でも滞納すると、担保物件が競売にかけられる。こんなことになれば中小企業は、まさに破綻の危機に追いやられてしまいます。
 その一方で、受け皿金融機関の方は、正常な債券を不良債権にふるい落とし、不良債権をつくればつくるほど、預金保険機構から、いわゆる持参金といわれている、公的資金をたくさんいただけるというんですから、こんな理不尽な話ははありません。
 知事、東信金の会長は当初、「全店舗、全従業員を引き継ぐ」と約束していました。その約束を実行することなど、金融機関としての、社会的責任をきちんと果たすよう、自治体の立場からも強く申し入れるべきではありませんか。お答えいただきたい。
 そもそも、地域経済を支え、健全な経営を続けていた船橋信金がなぜ、破綻に追いやられたのか。「構造改革」をかかげる小泉内閣が、本来、大銀行への指導・監督の手引書である「金融検査マニュアル」を、ムリヤリ信用金庫にあてはめ、検査の基準まで勝手にねじ曲げて、人為的に債務超過を作り出したからではありませんか。ですから船橋市議会では「債務超過は一方的につくられたもの、国策による破綻である」との政府などへの意見書が全会一致で採択されているのです。
 この間の相次ぐ、地域金融機関つぶしに対し、業界団体も含めて大きな批判がおこる中、金融庁もとうとう「金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編」を作成し、中小企業に対しては機械的・画一的運用をさける旨の通知が出されました。この通知が最初から適用されていれば、船信はそもそも債務超過に陥ることもなく、破綻することもなかったということになります。
 昨年来、構造改革のもとで破綻に追い込まれた信金・信組は全国で56ヵ所、千葉県でも4ヵ所にのぼります。地域金融機関の破綻で犠牲にされるのは中小零細業者であります。知事、地域経済をこれ以上衰退させないために、いま政府が進めている信金・信組つぶし政策を、ただちにやめるよう、意見を述べるべきではありませんか。お答えください。
 船信と県商工信組だけでも、RCC送りになったのは1870件にも及び、今後、強引な資金回収が迫られ、倒産に追い込まれるのではとの不安が広がっています。ですからこれらの連鎖倒産を防止するためにも、いま県行政としての全力をあげた取り組みが求められています。県の制度融資の中に金融破綻対策資金を新たに設けましたが、信用保証協会の保証を前提としているため、利用はわずか5件にすぎす生きた制度にはなっていません。
 江戸川区では信用保証協会の保証がえられない業者にも、区が独自に損失保証を行い、特別の融資措置を取り、申請者は337件にも及んでいます。区の担当者は「リスクはあるが企業は一度つぶれたら終わり、そうならないようにするのが地域経済を守ること」と胸をはっておられました。知事、県もこうした姿勢で実効性ある融資制度をつくるべきではありませんか。お答えください。
 金融機関による円滑な融資は、中小企業にとっていわば命綱であり、地域経済の発展にとって不可欠の要素となっています。その中小企業の7割が、不況のもとで赤字経営を余儀なくされ、資金繰りに四苦八苦している、いま、中小企業の助け合いの共同組織である地域の信金・信組の果たす役割はこれまでにもまして大きなものがあります。
 それだけに信金・信組の監督・検査権限を、金融庁から、都道府県に移して、地域の実情を踏まえた指導ができるようにすることが必要だと思いますが、知事はどうお考えか、見解を伺います。

環境問題について

 つぎに環境行政について伺います。
 私ども日本共産党は、不法投棄や野焼きなどの違法行為にたいし県民の暮らしと命、安全を守る立場に立った、県当局の毅然とした厳しい対応を繰り返し求めてきました。堂本知事のもとで、今年度から県独自の産廃条例が施行され、「自社処分」に名を借りた不法行為が処罰の対象とされたことは一歩前進であります。同時にその一方で、悪質業者に対して、県は今なおこんなに甘やかしているではないか、という住民の怒りの告発が続いております。いっそうの厳格な、対処を求めて、以下、質問いたします。
 その一つは、市原市海保地区で違法行為を繰り返している悪質な業者への対応の問題です。知事も現地視察でご存知のように、この業者は、95年から野焼きを繰り返し、昨年8月には、産廃の違法堆積が原因で大規模な火災を引き起こし、近隣住民を震撼させました。
 問題なのは、この処分場に設置されている焼却炉です。住民は早い段階から「黒煙が上がり火の粉が舞っている。違法な焼却施設なのではないか」と声をあげてきたにもかかわらず、無許可のまま2年間も、稼働が黙認されてきたのです。「許可が必要な施設だ」と県が確認し、やっと違法な炉が止まったのは、昨年の12月末のことでした。ところが、どうしたことか、県はこの違法施設を撤去させるのではなく、業者に対して「小型焼却炉に改造すれば、廃棄物処理法の許可を取らなくても、届出だけで、このまま使えるから」などとして、炉の改造を指導しているというではありませんか。なんということですか。住民のみなさんからは「焼却炉を撤去をするよう」今議会にも請願が出されていますが、これまで、煙突からの黒煙や異臭、煤塵など、さんざん苦しめられてきた住民にとって、これ以上、生活環境を悪くしないでほしいと願うのは当然のことです。改造などという姑息な手法によって、焼却炉の稼働を再開させる手続きがすすめられ、住民の必死の願いがあと回しにされていたとしたら、重大な問題です。ただちに焼却炉の撤去を求めるべきではありませんか。お答えいただきたい。
 この焼却炉は一昨年、2月に、千葉県産業振興センターの制度を利用し、リース契約で設置された施設であり、所有権は、いまも産業振興センターにあります。このセンターの現在の会長は、堂本知事です。公的制度を利用して設置された焼却炉で、違法行為が2年近くもまかり通っていた。こんなことが許されていいはずはありません。知事は、この事態をどのように受けとめられていますか。また、公的制度が悪用されないような厳格なチェックの仕組みが必要ですが、改善策をお示しください。
 2つめの問題は、県が違法であると焼却を停止させたのと同じ型の「雅ーL18型」という焼却炉が、いまだに市原市内、数か所で使用され黒煙を吐いていることについてです。
 その一つ、山倉地区処分場の炉は、3月の時点で、許可施設としての手続きが必要なことが明らかになっていたにもかかわらず、いまなお無許可のまま稼働し、燃え続けています。いま一つは、先日、産廃の不法受け入れで逮捕された業者の処分場ですが、ここでも同じ型の炉が違法な稼働を続け、停止命令が出されたのは、つい最近5月のことでした。この業者は新聞のインタビューで「産廃の不法投棄は一度やったらやめられない」と語り、数億円も荒稼ぎしていたと報じられています。知事、なぜ、ただちに立ち入り検査をして、違法な焼却施設はその場でストップさせることができないのですか。悪質業者、が結果として、不法行為のやりたい放題、違反のやり得になっていたとしたら、それこそ大問題です。県の毅然とした対応が、いま強く求められていると考えます。
 そこで知事に伺いますが、許可が必要なのにもかかわらず、不法に稼働を続けてる焼却炉は、ただちに停止させ、炉の撤去を求めるべきと思いますが、どうか。お答えください。

介護保険について

 つぎに介護保険について伺います。
 2000年度の開始以来、介護保険の利用者は大幅に増えています。同時に保険料を納めているにもかかわらず必要なサービスが受けられないことに対する改善要望なども、たくさん出されてきており、これらの解決が求められています。
 こうしたなかで千葉県が行った「利用者実態調査」は時宜にかなったものであり、この結果から、改善すべき点を見つけて、きちんと対処することが必要です。
 そこで、知事に伺いますが、知事は、記者会見で、たとえば保険料について「『安い』『やや安い』『適当』をあわせると60%に行ってしまう」といわれておりますが、これでは高くて困っている人が少ないかのように受け取れますが、本当にそうでしょうか。
 「保険料の金額について」の調査結果では、「安い」というのはわずか4%で、「やや安い」というのを合わせても、7%程度にしかなりません。その一方で、「高い」「やや高い」をあわせると29.3%、ほぼ3割の人たちが「高い」と感じています。実際に「7万円の年金から、3万6千円の家賃を払い、電気・ガス代を払い、その上介護保険料を払うのは本当に大変」…こうした声は少なくありません。
 知事は、これだけの人が保険料の負担感を感じていることについて、どう認識しているのか、お答えください。
 また、政府は今年度、作業が行われている介護保険事業計画と老人保健福祉計画の見直しで、保険料があがる可能性を示唆しており、県内のある市では、来年度の事業量予測から、13%ものアップがとりざたされています。もし、そんなことになれば、「適当」と答えている人たちも、負担感を感じるようになるのは明らかです。
 知事、調査結果を真摯に受け止めるなら、これ以上、保険料負担が増えないよう県としても独自の努力をすべきだと思いますが、どうか。また、「高い」と感じている3割の人に応えるために、県も財政出動をして値下げをする必要があると思うが、どうか。あわせて、お答えください。
 利用料についてはどうでしょうか。
 これも6人に1人が「高い」「やや高い」と感じており、利用限度額まで使っていない理由でも、「利用料の負担が大変なので、我慢している」と答えている方が11.4%と1割を超えています。しかも、要介護度5のランクの人たちでは2割を超え、所得の低い人たちほど「我慢している」という回答が増えています。低所得者層ほど負担を感じおり、仮に、介護度が重く認定され、利用限度額が大きくなっても、結局、利用料が高すぎて使えない、調査結果はこのことを端的に物語っています。
 知事は、2月議会で、利用料を軽減している市町村を応援することを考えてみるといわれました。いまこそ利用料の軽減に県も踏み出すべきではありませんか。お答えください。
 最後に特養ホームの待機者の問題です。
 4月1日現在で、特養ホームの待機者はついに1万人を超えて、11,129人となり、この一年間で倍に増えています。しかも、この待機者には一人暮らしの人が 1,111人もおり、要介護度5の重い方が、 567人も含まれています。ある市の担当者は「いまは10年待たないと特養に入れない。これでは契約違反だといわれても仕方がない」と嘆いています。
知事、この問題の解決は待った無しです。
 県はいままで、これだけの待機者がいるにもかかわらず「計画目標は達成している」としてきましたが、目標を達成しいるのに、待機者が1万人もいるということは、目標そのものが低すぎたことを示しているのではありませんか。
 そこで伺いますが、今年度見直される介護保険事業支援計画、老人保健福祉計画の目標値は、少なくとも、この大変な人数にのぼっている待機者に見合った目標にすべきだと思いますが、どうか。お答えください。

青年の雇用問題について

 つぎに青年の雇用問題について質問いたします。5%を超える失業が続いているもとで、今春の県内学卒者の就職率は高校生で87,6% 、大学生81,3% と過去最悪です。社会人とての第一歩が、失業ということほど辛い門出はありません。財界のシンクタンクである「さくら総研」も「若年者の失業やフリーターの増加を放置しておくと、若年労働力不足、社会保障制度の破綻危機、未婚者の増加による少子化の進展など、様々な問題を惹起する」と警告しているように、青年の失業増大は、社会や産業、企業の存立基盤をも揺るがすものです。フリーターの増大や若者が就職できないのは「経済的豊かさの影響」でも「社会に甘えているから」でもありません。目先の利益に走る大企業の身勝手なリストラや工場閉鎖が地域経済を破壊し、採用を極端に冷え込ませていることによるものです。
 いま、青年の厳しい雇用状況、とりわけ新卒者の就職難を打開するために、千葉県も本腰を入れるべきです。では、いったい千葉県に何が求められているのでしょうか。
 まず、大企業に対して、雇用における社会的責任を果たすよう強く迫るべきです。知事や教育長は、企業や事業所に対し親書による要請をしていますが、それで事足りるような雇用情勢ではありません。経済団体や大企業に、雇用責任をきちんと果たすよう直談判するべきと思うが、どうか。
 また全国の事例にも学んで、県が高校卒業者の就職支援にありとあらゆる努力をつくすことも必要です。私どもは先日、県立高校を訪問し、直接お話を伺ってきました。大手企業からの求人が減少しているもとで、OBや地域の企業との信頼関係を強め、求人の拡大に努力している学校、就職した先輩を囲む集いや就職を激励する集会をもち、生徒を励ましている学校など、必死で就職難に立ち向かっています。しかし、学校の努力だけでは限界があります。学校現場は今、県行政の積極的な支援を求めています。
 福島県は、就職できなかった高校生が専門技術を習得できるよう助成をしています。また就職支援員を学校に配置し、求人開拓などを行っている県もあります。千葉県も他県から学び、同様の支援策を講ずるべきではありませんか。さらに、合同面接会や高校生を採用した中小企業への助成なども有効だと考えますが、それぞれについてお答えください。
 昨年度から県教育委員会が始めた「高校生インターンシップ推進事業」、いわゆる就業体験は、実際の職場での実体験を通じ、その後の学習と就職活動の意欲を高めるなどの効果を発揮しています。ところが、インターンシップ事業の指定をうけた高校では、先生が授業の合間に近隣の企業に電話をかけ、さらに訪問を重ねて、受け入れ企業を探すなど、かなりの負担となっています。しかも一校当たりの予算は2年間で20数万円にすぎません。
 県教委の責任で、業界団体とも協力し、就業体験受け入れ中小企業を確保し、受け入れた企業への奨励金なども検討すべきと思いますが、どうか。お答えください。
 県は、今年度、若年者就職支援事業にとりくみます。35才未満の未就職者を対象に、今年度2回、それぞれ60名規模での実践セミナーと合同面接会、企業説明会を行うというものです。この支援事業が多くの就業者をつくりだす機会となるよう、支援事業の実施回数や開催場所を大幅に増やすべきと思うが、どうか、お答えください。
 違法なサービス残業の解消、長時間残業の削減などを実施すれば、数百万人分の雇用創出になることは、知事もご承知の通りです。この残業問題は、千葉県にとっても解決がせまられている問題です。県職員組合が行った残業アンケートには「毎月80時間から100時間、多い時は 150時間」との声が寄せられ、「残業時間を記入するのに副課長の了解が必要」との告発もありました。時間外手当てを記録しても一部しか支給されないとの回答が14% もありました。違法な労働実態はただちに改めるべきです。県職員の長時間残業を解消し、サービス残業をなくし、必要な人員を採用すべきではありませんか。お答えください。

県立高校の統廃合について

 最後に県立高校の再編計画、統廃合問題について伺います。
 まず、県内初の統廃合校とされている大多喜女子高校の問題です。この4月に突然「来年度から募集停止、大多喜高校と統合を検討」と報道され、地元には衝撃が走りました。生徒や保護者はもとより、県議会にもいっさいの説明もないまま、5月の教育委員会議で募集停止を決定してしまったのです。会議当日、出された「地元との合意」を懸念する質問に対して、県教委は「生徒達にも説明している」などと、事実にも反する答弁をしています。こんな抜き打ち的で不誠実なやり方が許されていいはずはありません。
 教育長、なぜ、生徒や保護者、また議会に対して、一言の説明もしなかったのか、お答えいただきたい。
 大多喜女子高校ではこの間、小規模校のよさをいかした、きめ細かな少人数教育や、自然環境を生かした総合学習、地域に開かれた学校づくりにとりくんできました。その結果「この学校で初めて学ぶ喜びを知った」「中途退学が激減した」など、困難を抱えた生徒たちや、不登校ぎみだった生徒達からも歓迎され、大きな教育効果をあげています。生徒総会や保護者会では「統廃合しないでほしい」「いまの一年生をこの学校から卒業させてほしい」との要望がだされ、いま、生徒たちを中心に、存続を求める署名が広がってきています。これらの教育効果について、教育長はどうお考えか、率直に評価すべきと思いますが、どうか。生徒や保護者の声を最大限尊重し、計画の見直しを検討すべきと思いますが、どうか。お答えください。
 いま、統廃合対象校が次々と新聞報道されていますが、県教委は、この報道を否定することもなく「新聞が勝手に報道しただけ」などとしています。報道によれば、茂原農業と茂原工業が統合、鶴舞商業・市原園芸・市原高校が統合、などとされ、柏市、船橋市、その他多くの地域でも話がもちあがり、地元では不安と混乱が広がっています。情報を小出しにし、新聞に報道させて既成事実をつくり、それで世論を誘導するようなやり方を、どうして許せるでしょうか。しかも県教委は当初、高校名を入れた再編計画を、7月にいきなり「決定として」発表するとしていたため、わが党は、結論だけをおしつける一方的なやり方だ、ときびしく批判してきました。その結果、いきなり「決定として」ではなく、あくまでも事務局の「案として」発表する、という新しい方向が今議会に示されたのは、重要な変化であります。そこで伺いたいことの一つは、その「案」を作るプロセスの問題です。すべての関係者と十分に話し合い、余すところなく声を汲み上げるべきですが、どう保障してゆくのか。いま一つは、「案」が発表されたあとの手続きです。こんどこそ徹底した情報公開で、議会及び県民の議論を充分に尽くす必要があります。これまでのような、県民も関係者も、議会もないがしろにした、非民主的なやり方を絶対に繰り返してはなりません。これは「開かれた県政を」という堂本知事の所信にもかかわる問題ですので、教育長とともに知事からも約束していただきたい。
 そもそも高校再編計画とは、どうあるべきなのでしょうか。県は「生徒が減少しているのだから、高校を減らす」といっていますが、日本共産党は逆に「生徒が減少している時だからこそ、少人数学級を基本すえた、きめ細かな教育の実現を」と主張し続けてきました。総務庁の統計でも、学齢人口比でみた千葉県の高校の数は全国44番目と、今でさえ他県に比べても高校の少ない県となっています。例えば、当面、生徒の数が最も少なくなる2009年で見ても、30人学級にするには、県全体で1118学級必要になり、これは今よりも179学級増やす必要があるということです。少人数学級を展望したら、統廃合で学級を減らしている場合ではないじゃありませんか。生徒の成長や将来の高校のあり方を考えた時、統廃合で学級や教師の数を減らすのではなくて、むしろ充実、強化していくことこそ、いま、求められているはずです。
 高校再編というならば、まず、その大前提として、全国各地に広がる少人数学級実現を基本にすえて検討することこそ必要なのではありませんか、お答えください。
 また、茂原で検討されているような、農業高校と工業高校をいっしょにして、どちらも選べるコース制にすることについても、多くの問題を抱えています。「歴史と伝統のある高校の名前がなくなるのはイヤだ」「農業と工業は全く異なる分野のものであり、逆に専門教育をくずし、どっちつかずの教育になってしまう危険性がある」また、「工業校の数多くの設備や備品、実験室の移設には莫大な費用を要するが、これこそ無駄づかいだ」など、関係者からたくさんの疑問や批判がよせられています。理念も効果も見えないこのような計画はともかくいったん白紙にもどして、慎重かつ充分な議論をつくすべきではありませんか、お答えください。